副業や在宅で仕事をするのが当たり前になってきましたが、企業に比べて営業力などが劣っているフリーランスにとっては、クライアントとマッチングしてくれるクラウドソーシングサービスはとてもありがたいものです。
しかし、こうしたクラウドソーシングサービスは、何も良いことばかりではありません。利用する際には気をつけるべきポイントがあります。
今回は、クラウドソーシングサービスの利用で気をつける点を中心に、おすすめのクラウドソーシングサービスを紹介します。
クラウドソーシングサービス利用の注意点
オンラインで仕事や案件を受注できる便利なクラウドソーシングサービスですが、利用する上での注意点を解説します。
クライアントを選ぶ
仕事を受注したいワーカーと仕事を依頼したいクライアントを結びつける便利なクラウドソーシングサービスですが、その手軽さゆえ、中には悪質なクライアントがいます。
例えば、事前の説明とは異なる報酬外の過度な作業を要求してきたり、制作物を納品したのに報酬を支払わなかったりするクライアントがいます。
このような被害に合わないように、クラウドソーシングサービスを利用する際には、必ずクライアントの評価やランク、実績を確認しましょう。
また、途中で契約解除しているワーカーが多いクライアントは避けるようにしましょう。
あまりにも高い報酬に注意
クラウドソーシングサービスの多くは固定報酬制が多いです。
固定報酬制とは、納品や業務の完了に対して報酬が設定される形式です。
契約前に、仕事内容や納期、報酬等を擦り合わせ、納品後にクライアントの検収に合格すると、報酬が支払われます。
高単価の案件には惹かれますが、案件タイトルにある高単価とは、あくまでクライアント側が想定した作業時間と報酬額を照らしあわせたものとなります。
案件を受注する際には、まず作業内容を確認し、自分の作業ペースがどれくらいになるのかを確認しましょう。さらに、自分の作業ペースと報酬額を照らし合わせ、自分の望む時間単価額に見合うかどうかもチェックします。
高単価の理由は高度なスキルや技術力が必要だったり、労力や時間がかかったりするなどの理由があるはずです。
契約前に必ず「何を求められ、達成するためにどのくらいの労力(時間)が必要か」を予想することが必要です。
クライアントとワーカー双方にとって一番デメリットとなるのは「契約の途中終了」です。思ったより作業時間がかかってしまうと、締め切りに間に合わなくなり、クライアントに迷惑をかけてしまうばかりか、報酬ももらえなくなってしまいます。
こういった事態にならないように、高単価の案件には注意しましょう。
作業内容が明確かどうか
必ず案件を受注する前に、作業内容を明確にしましょう。
クライアントとの認識のズレが生じたまま開始してしまうと、納品後に何度も修正作業が入り、お互いにとってデメリットです。
契約する前には少し過度なくらいでも良いので綿密なコミュニケーションをとり、作業内容の認識のズレをなくしておきましょう。事前の確認は、結果的に、双方の信頼関係を築けます。
納期を守る
納品予定日が設定されているプロジェクトや案件は、必ず期日を守るようにしましょう。
設定された納期を守ることは基本ですが、ここで言いたいのは、「余裕を持って守ること」です。
クラウドソーシングサービスを利用するクライアントの心境を考えると、自ずとその必要性が見えてきます。仕事を依頼したいクライアントは、作業する時間がない、スキルがない、人材が不足しているなどの何らかの背景があり、利用しています。
納期を守るだけでなく「高品質な制作物を早く納品する」ことはクライアントの求めていることの一つですよね。
期日ギリギリで納品するのではなく、ある程度の修正が入ることも見越して、完成品を納品することを心がけましょう。
運営やサポート体制がしっかりしているかどうか
様々なクラウドソーシングサービスがある中で、「良いクラウドソーシングサービス」を定義するならば、運営やサポート体制がしっかりしているかどうかという点が挙げられます。
初心者向けのサポートページやお問い合わせ、ユーザーからの声を集めたページなどがあると助かります。また、トラブルが極力発生しないように監視が行き渡っていると安心です。
トラブルが発生しやすいクラウドソーシングサービスだからこそ、今までのトラブルや事例、解決方法をまとめたページや運営の工夫がなされているところを選びましょう。
クラウドソーシングサービスを利用するメリット
クラウドソーシングサービスを利用するメリットは、クライアント側にもワーカー側にもあります。
クライアント側のメリット
仕事を依頼したいクライアント側のメリットとして、1つめのメリットは、自社にない専門知識やスキルを活用できることがあります。
2つ目は、従業員を雇わず必要なときに必要な量の仕事を依頼できるため、コストの削減・抑制ができます。従業員を増員すると、毎月の給料だけでなく、福利厚生や社会保険関連の費用などがかかります。
3つ目は、事業の中核となる業務は従業員が行い、それ以外の仕事をクラウドソーシングで補うことで、従業員のワークライフバランスの実現ができることです。業務内容を見直し、従業員の負担を減らすことができます。
クラウドソーシングサービスを利用することは、クライアントや依頼する企業にとってメリットが大きいと言えます。
ワーカー側のメリット
仕事を受注したいワーカー側のメリットを見ていきましょう。
1つ目は、ライフスタイルに合わせた仕事ができる点です。
子育てや介護、持病など様々な理由があり外で働くことが難しい場合でも、手があいた時に仕事ができ、時間や場所にとらわれない働き方が可能です。クラウドソーシングサービスを利用する多くのワーカーにとって、この点が最も大きな魅力なのではないでしょうか。
2つ目は、会社員でも副業が可能な点です。働き方改革が推進され、副業を認める企業も増えてきました。クラウドソーシングサービスやプラットフォームも数多くあるため、忙しい社会人でも副業への挑戦が容易になりました。
ここ数年でクラウドソーシングサービスの利用率、認知度はものすごい勢いで増大しています。ワーカー側のメリットも非常に大きな理由でしょう。
おすすめのクラウドソーシングサービス3選
次に、おすすめのクラウドソーシングサービスを3つ紹介します。
筆者が実際に利用した上で本当に良いと思ったサービスを理由とともに解説します。
クラウドワークス
クラウドワークスはクラウドソーシングサービスの中では最も有名ではないでしょうか。
案件は誰でもできるアンケートやデータ入力から、記事執筆、専門的な知識やスキルが必要なシステム開発まで多岐にわたります。
メリットは、多くの人が利用しており実績が十分にあるサービスなので安心して利用できる点です。
また、PCのブラウザだけでなくスマホのアプリも非常に使いやすい点も魅力の一つです。出先でクライアントとやりとりしたりする時に重宝します。
さらに、アップデートが頻繁にあるので、機能性や安全性がどんどん向上しているのも良い点です。
デメリットは、好条件の案件が少ない点です。
駆け出しの人がとりあえず仕事を探すには向いていると思います。あくまで副業のサブという感覚で利用するにはとても良いでしょう。
ランサーズ
ランサーズは「ネットで最短即日発注」ができるフリーランスプラットフォームです。
ホームページ制作、アプリ開発、ロゴなどのデザイン、ライティングまで幅広い仕事を高スキル人材に即発注でき、クラウドワークスと並ぶ知名度があります。
メリットは、クラウドワークスに比べ好条件の案件が多いところと、細かいランク制度により安心して受発注することができる点です。
デメリットは、高度なスキルを要する案件以外はそれほど稼げないという点です。
ココナラ
ココナラは、知識・スキル・経験など、自分の「得意・知識・スキル」をサービスとして出品・購入できる日本最大級のスキルマーケットです。
仕事依頼の制約実績が420万件、業界プロ水準の出品も含めて出品サービス数は30万件と、実績も豊富なサービスです。
メリットは、出品できるサービスの幅がとても広く、初心者でもハードルが低いことです。
Web制作やライティングなどはもちろん、占いや人生相談、似顔絵まで、とにかくサービスの種類が豊富です。また、500円から自分のスキルをサービスとして出品できるので、あまり腕に自信がなくても挑戦できる敷居の低さが特徴です。
デメリットは、サービスを出品したてだとクライアントがつきにくいという点です。ある程度実績を積まないと、クライアントもつきません。ココナラにもランク制度があり、実績を積めばランクも上がります。クライアントは実績のある人に集まるので、すぐにお金を稼ぎたい人には向いていないと言えるでしょう。
クラウドソーシングサービスの将来性
最後に、クラウドソーシングサービスの将来性について見ていきましょう。
総務省の情報通信白書によると、某クラウドソーシングサービスの会員数は、2015年9月末から2017年9月末の2年間で、73.7万人から152.1万人に増えています。つまり2年間で、利用者数がおよそ倍になっています。
また、働き方改革の推進により副業を許可する企業も増加し、ワークライフバランスが注目されている背景もあり、時間と場所を問わず働けるクラウドソーシングサービスの利用者数は今後も増えていくと予想できます。
クラウドソーシングサービスの将来性は高く、今後も普及率は増大していくでしょう。
まとめ
今回は、フリーランスや副業初心者が利用するクラウドソーシングサービスについて、利用する上で注意すべき点やおすすめのサービスを解説しました。
現在(2020年)は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、企業は従業員の働き方を見直し、リモートワーク等を導入する傾向にあります。
クラウドソーシングサービスを賢く活用すれば、こういった災害時にも慌てずに案件を受注し、安定した収入を得ることが可能です。
ぜひメリットや注意点を把握し、クラウドソーシングサービスをうまく活用してください。