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「freee開業」は便利?フリーランスでも開業届は出すべき?

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2022年08月17日

個人事業主として事業を始める際の必須項目のひとつが「開業届」です。

フリーランスの方も所轄の税務署に開業届と青色申告承認申請書を提出することで、税金の優遇措置を受けるメリットが得られます。

ここでは、開業届などの書類作成に便利なサービスである「開業freee(フリー)」に関する以下の項目を解説します。

・開業freee(フリー)の使い方

・開業freee(フリー)の料金(無料)

・開業freee(フリー)で得られる3つのメリット

・開業freee(フリー)の使用で生じる2つのデメリット

・フリーランスに「開業届」は必要か

この記事が役に立つ方

freeeの開業届作成サービスの利用を検討している方
freeeの開業届作成サービスの使い方を知りたい方
開業届を出すべきか悩んでいる方

開業freee(フリー)の使い方

開業freee(フリー)は、開業届などの書類を容易に作成できるクラウドサービスです。
開業freee(フリー)にて作成可能な書類は以下のとおり。

・個人事業の開業・移転・廃業等届出書(開業届)
・所得税の青色申告承認申請書
・給与支払事務所等の開設・移転・廃業等届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
・青色専従者給与に関する届出書

フリーランスの方の場合は、「開業届」と「所得税の青色申告承認申請書」を作成しておけば問題ありません。

「給与支払事務所等の開設・移転・廃業等届出書」は、従業員(アルバイトやパートタイマーを含む)を雇用する方が対象となります。

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」は、10名未満の従業員を雇用する事業者の方が、給与を支払った翌月に納める源泉所得税を年に2回にまとめて納税可能とするための申請書類です。

「青色専従者給与に関する届出書」は、家族(親や配偶者、15歳以上の子ども)に給与を支払い、経費として計上したい方のみ申請する必要があります。

開業freee(フリー)の登録から開業届作成までの流れ

1.開業freee(フリー)の公式サイトにアクセス
https://www.freee.co.jp/kaigyou/

2.ホーム画面の右上に設けられている「新規登録」をタップ

3.使用可能なメールアドレスとパスワードを入力
※メールアドレスの他にも次のアカウントでの登録も可能です。

・Googleアカウント
・Facebookアカウント
・Microsoftアカウント
・Office365アカウント

4.「利用規約」と「プライバシーポリシー」、「電子決済等代行業に係る表示」をすべて読む

5.「同意して登録する」をタップ

6.「準備」画面が表示される

7.「仕事の種類」「仕事の概要」の中から自身の業種を選んでから「保存」をタップ

8.「その仕事はいつから始めますか?もう始めていますか」より開業届を提出する日付を選んでタップ

9.「収入はいくらくらいになりそうですか?目指していますか?」より月収の金額を選択してから「保存」をタップ

10.「どこで仕事をしますか?していますか?」より「自宅で働く」などを選んでから「保存」をタップ

11.「従業員や家族に給与を支払う予定はありますか?」より「今はない」などを選択後に「保存」をタップ
※支払う予定が「ある」方には、次の書類の中で該当するものも同時に作成してくれます

・給与支払事務所等の開設・移転・廃業等届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
・青色専従者給与に関する届出書

12.「次へ」をタップ

13.「作成」画面が表示される

14.「屋号があれば入力しましょう」に、屋号がある方⇒「入力する」を選んでから屋号を入力後に「保存」をタップ
※屋号がない方は⇒「入力しない」を選んでから「保存」をタップ

15.「申請者の情報を入れましょう」に以下の項目を入力します

・氏名(姓と名に分けて入力)
・郵便番号
・住所(住所地)
・電話番号
・生年月日

16.上記の情報をすべて入力してから「保存」をタップ

17.自宅以外に店舗やオフィスを持つ方は、「お店の情報を設定しましょう」に次の項目を入力します

・郵便番号
・お店やオフィスの所在地(住所)
・お店やオフィスの電話番号

納税地をお店やオフィス(事務所)の住所にしたい方は「する」を選択
自宅(住所地)を納税地にする方は「しない」を選んでから「保存」をタップ

18.「収入(所得)の種類を選びましょう」にて「事業所得」を選んでから「保存」をタップ
※不動産売買や賃貸などを主な事業として行う方は「不動産所得」にチェック
※林業を営む方は「山林所得」にチェック

19.「確定申告の種類を選びましょう」より「青色申告」または「白色申告」を選択してから「保存」をタップ

20.入力した項目を再度確認してから「書類を提出する」をタップ

21.「提出」画面が表示される

22.「書類の確認」をタップして開業届(pdfファイル)の内容をチェックする

23.提出先に「郵送」を選択した場合には、「郵送提出するためのラベル」が印刷される

24.開業届の作成完了

あとは、所轄の税務署への訪問もしくは郵送にて開業届の提出をするだけです。

「確定申告の種類を選びましょう」の項目で「青色申告」を選んだ場合には、青色申告承認申請書の作成も完了します。

開業freee(フリー)の料金(無料)

開業freee(フリー)の料金は「無料」です。
完全無料にて以下の書類が作成できます。

・個人事業の開業・移転・廃業等届出書(開業届)
・所得税の青色申告承認申請書
・給与支払事務所等の開設・移転・廃業等届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
・青色専従者給与に関する届出書

開業届の提出時に持参する書類など

開業届を所轄の税務署に提出する際には、以下の書類なども持参する必要があります。

 

項目

内容

印鑑

開業届に押印した印鑑
※訂正などを求められた際に使用します

個人番号確認書類

・マイナンバーカード
・マイナンバーの通知カード
・マイナンバーが記載された住民票の写し

本人確認書類
※マイナンバーカード以外を選択した方のみ

・運転免許証
・パスポート
・各種健康保険証
・在留カード
・身体障がい者手帳

開業freee(フリー)で得られる3つのメリット

開業freee(フリー)を使用することで、次の3つのメリットを得ることが可能です。

・難解な書類が容易に作成できる
・書類作成に係る時間が短縮できる
・自宅にて開業届の提出もできる

難解な書類が容易に作成できる

開業freee(フリー)は画面に表示された質問に対して、適切な入力や選択を進めていくだけで、開業届や青色申告承認申請書などの作成が完了します。

国税庁のサイトや最寄りの税務署にて開業届を入手後に入力作業を行った場合、「どこに何を書けば良いのかわからない…」というケースも珍しくありません。
専門用語も多いため、言葉の意味や読み方を調べるだけでも手間がかかることでしょう。

開業freee(フリー)を使用すれば、それこそあっという間に開業届が完成してしまいます。
用語の解説もその都度提示されるため、「わからないことがわからない」方も知らず識らずのうちに書類の作成が完了しているのではないでしょうか。

書類作成に係る時間が短縮できる

開業freee(フリー)を採用することで、ほんの数分ほどで開業届や青色申告承認申請書を作成することも可能です。
あまりにも早く完成してしまうので、中には拍子抜けしてしまう方もいるかもしれません。

自宅にて開業届の提出もできる

マイナンバーカードを所持している方であれば、開業freee(フリー)で作成した開業届や青色申告承認申請書などを、お手持ちのスマホより提出することが認められています。
つまり、わざわざ税務署に行かなくとも、自宅にて開業届の提出ができるということです。

開業freee(フリー)の使用で生じる2つのデメリット

開業freee(フリー)を使うことで、開業届の作成が容易にできるなどのメリットが得られる一方で、次の2つのデメリットが想定されます。

・他の商品をおすすめされる
・個人情報が保管される

他の商品(有料)をおすすめされる

開業freee(フリー)は無料にて使用できるサービスです。
そのため、開業届の作成が無事完了した後に、他の商品(有料)をおすすめされることになります。

・会計freee(フリー)
・印鑑

もっとも、動画配信サービスの広告表示のような形のため、必要なら購入すれば良いだけの話です。
不要であればそっとブラウザを閉じましょう。

ちなみに会計freee(フリー)は必要事項に入力するだけで、青色申告の提出書類である決算書なども作成してくれるクラウドサービスです。
特に青色申告(65万円控除)を選択する方にとって、有用かつ魅力的なサービスとなるかもしれません。

個人情報が保管される

開業freee(フリー)を利用する際に入力した個人情報は、freee(フリー)株式会社に保管されます。
保管される個人情報は、氏名、住所、電話番号、生年月日です。
とはいえインターネットのサービス全般で、個人情報を入力する機会が相応に存在します。
たとえばSNSやショッピングサイトです。

freee(フリー)株式会社は、個人情報の保護を目的とした以下のセキュリティ対策を施している企業です。

・SSL通信方式(情報の暗号化)
・AWSを使用したデータの保管
・個人情報の取り扱いで一定以上水準であることを示す「国際認証 TRUSTe」の取得

フリーランスに「開業届」は必要か

フリーランスの方で「開業届」が必要な方と、提出しなくても良さそうな方を以下の表にまとめています。

区分

開業届が必要な方

・継続的な事業収入がある方
※デザイナー、プログラマー、ライター、ミュージシャン、WEBサイト制作など
・確定申告で青色申告を選択したい方

開業届を提出しなくても良さそうな方

・フリマアプリなどで不用品を「ときどき」「たまに」出品している方
※転売ヤーは「本職」なので該当しません

・確定申告で白色申告を選択したい方
・副業での所得が年間20万円未満の方

ユーチューバーやアフィリエイトで広告報酬を得ている方も、開業届と青色申告承認申請書を提出することで、確定申告にて青色申告を選択することが可能です。

開業届を提出する3つのメリット

開業届の提出後には、次の3つのメリットが得られます。

・税金の優遇措置(青色申告特別控除)
・事業用の口座開設(屋号+個人名)
・社会的信用度

  • 税金の優遇措置(青色申告特別控除)

開業届と青色申告承認申請書を所轄の税務署に提出することで、税金の優遇措置が受けられます。

 

控除額

記帳方式

主な提出書類

申告方式

白色申告

基礎控除額のみ

単式簿記

収支内訳書

書類提出
郵送
e-tax

青色申告
(10万円控除)

基礎控除額+10万円

単式簿記

青色申告決算書
※損益計算書

書類提出
郵送
e-tax

青色申告
(55万円控除)

基礎控除額+55万円

複式簿記

青色申告決算書
※損益計算書
※貸借対照表

書類提出
郵送
e-tax

青色申告
(65万円控除)

基礎控除額+65万円

複式簿記

青色申告決算書
※損益計算書
※貸借対照表

e-tax

 

所得税の税率

課税所得金額

税率

課税控除額

1,000円から1,949,000円

5%

0円

1,950,000円から3,299,000円

10%

97,500円

3,300,000円から6,949,000円

20%

427,500円

6,950,000円から8,999,000円

23%

636,000円

9,000,000円から17,999,000円

33%

1,536,000円

18,000,000円から39,999,000円

40%

2,796,000円

40,000,000円以上

45%

4,796,000円

 

参考資料
国税庁「所得税の税率」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

同じ500万円の所得の場合、白色申告と青色申告(65万円控除)での所得税の納付額の違いは以下のとおりです。

白色申告
500万円-48万円(基礎控除額)=452万円(課税所得金額)
(4,520,000円-427,500円)×20%=818,500円(所得税)

青色申告(65万円控除)
500万円-(48万円+65万円)=387万円(課税所得金額)
(3,870,000円-427,500円)×20%=688,500円(所得税)

青色申告(65万円控除)と白色申告を比較した際、「130,000円の節税」が「合法的に」実現できることがわかります。

  • 事業用の口座開設(屋号+個人名)

開業届の提出後は、金融機関にて事業用の口座(屋号+個人名)を開設することができます。
事業用の口座と個人用の口座を分けることで、お金の流れがわかりやすくなる点がメリットと言えるでしょう。

特にフリーランスや個人事業主の場合、事業の経費なのか?生活を営む上で使われた経費なのか?が不明瞭になりがちです。
事業用の口座開設によって事業用経費の計上が明確になるため、確定申告の際に役立ちます。

  • 社会的信用度

開業届の提出後に事業を継続することで、金融機関からの融資が受けやすくなるなど、社会的信用度を高めることにもつながります。

開業届の提出で生じる2つのデメリット

フリーランスの方の中には開業届の提出によって、以下の2つのデメリットが生じることも想定されます。

・失業給付が受けられない
・扶養から外れる可能性も

  • 失業給付が受けられない

企業を退職してフリーランスに移行する際、開業届の提出後はハローワークより失業給付が受けられなくなります。

ただし、失業給付期間が残っている場合には、再就職手当を受給できるかもしれません。
ハローワークの担当者に相談しておくことをおすすめします。

  • 扶養から外れる可能性も

開業届を税務署に提出した後には、配偶者の扶養から外れる可能性も。
扶養は「所得」ではなく「収入」で決定されるため、年収103万円を超えるようなら、扶養から外されてしまいます。

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開業届の正しい書き方などについては下記のコラムも参考にしてください。
開業届の正しい書き方・必要書類徹底解説!提出の流れやタイミングまで幅広くご説明します

まとめ

ここまで、「開業freee(フリー)」に関する次の項目を紹介してきました。

・開業freee(フリー)の使い方
・開業freee(フリー)の料金(無料)
・開業freee(フリー)で得られる3つのメリット
・開業freee(フリー)の使用で生じる2つのデメリット
・フリーランスに「開業届」は必要か

~開業届を提出する3つのメリットと2つのデメリット~

「開業freee(フリー)」は、フリーランスや個人事業主の方が開業届を作成する際に、短時間で必要な書類を手軽に行ってくれるアイテムです。

「開業freee(フリー)」は完全無料で利用できるため、これから開業届の作成を予定している方にとっておすすめのサービスと言えるでしょう。
是非、検討してみてください。

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