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フリーランスで抑えておきたい健康保険の基礎知識と種類、それぞれの違いについて解説

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2022年08月17日

フリーランスとして働く際には、企業に勤める方とは異なる保険に加入することが義務付けられています。

基本的には国民健康保険ですが、国民健康保険のほかにも2年間限定の「任意継続」などの保険も選択可能です。

ここでは、フリーランスの保険の種類に関する次の項目を解説します。

・会社員とフリーランスが加入する保険の違い
・フリーランス向けの保険・4つの選択肢

この記事が役に立つ方

・近々フリーランスとして働く予定の方
・すでにフリーランスとして働き始めた方
・フリーランスと会社員の健康保険の違いを知りたい方
・フリーランスが入るべき保険を理解しつつ保険を検討したい方

会社員とフリーランスが加入する保険の違い

会社員とフリーランスが加入する保険の違いは次のとおり。

・健康保険(会社員が加入する保険)
・国民健康保険(フリーランスなどが加入する保険)

どちらの保険の加入者も医療費の3割を負担することで、病院やクリニックにて治療はもちろんのこと、適切な薬剤の処方が受けられる仕組みです。

ただし一部保険が適用されない施術も存在します。
たとえば、歯科医院での歯科矯正治療のインビザライン(マウスピース矯正)や歯を白くするホワイトニングは保険適用外です。

医療費の負担割合を以下の表にまとめています。

 

年齢

医療費の負担割合

6歳未満(義務教育就学前)

2割

6歳(義務教育就学後)から69歳

3割

70歳から74歳

2割
※現役並みの所得の方のみ3割

75歳以上

1割
※現役並みの所得の方のみ3割

※2022年10月以降は、75歳以上の方も2割負担に変更予定

参考資料
厚生労働省「我が国の医療保険について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html

健康保険(会社員が加入する保険)

企業や団体に勤務している方が対象となるのが健康保険です。
勤務先や業種に応じて、「組合健保」もしくは「協会けんぽ」のいずれかに加入することになります。

健康保険は企業(雇用者)が5割、加入者(勤め人)が5割の負担が基本です。
一般的には給与からの天引きの形で納められます。

健康保険には加入者(勤め人)の扶養家族も加入できるのもメリットのひとつです。
福利厚生施設などの利用や健康診断などが受けられるケースもあります。

組合健保(組合管掌健康保険)

700名以上の従業員が常時雇用されている企業や、同業種の事業所の集まりにて3,000名以上が所属する場合に適用される保険です。

協会けんぽ(全国健康保険協会)

協会けんぽは2008年10月1日より、旧社会保険庁による政府管掌健康保険事業を引き継いだ公法人です。
2019年3月の時点にて、およそ3,900万人が加入しています。

国民健康保険(フリーランスなどが加入する保険)

国民健康保険は、健康保険に加入していない方のすべてが対象となる保険制度です。
お住まいの自治体(市区町村)の窓口にて加入を受け付けています。
被保険者本人だけでなく、家族も加入することが可能です。

国民健康保険の対象となる方は以下のとおり。

・自営業者(個人事業主を含む)
・フリーランス
・パートタイマー(アルバイト)
・健康保険の未加入者

国民健康保険は健康保険と異なり、納める保険料の全額が被保険者の自己負担となります。
※医療費は3割負担です

前年度の世帯所得によって保険料が算出されるため、特にフリーランスの方は、確定申告を期限までに実施することが重要です。

確定申告が遅れてしまった際には、国民健康保険料を多めに納めてしまうケースも。
ただし所得が確定した後の保険料にて調整されるのでご安心ください。

フリーランス向けの保険・4つの選択肢

フリーランスの方が保険に加入する際には、国民健康保険が第一候補となります。
ただし、所定の条件を満たした場合に限り、国民健康保険以外を選択することも可能です。国民健康保険を含む4つの選択肢は次のとおり。

・国民健康保険
・任意継続
・国民健康保険組合(国保組合)
・(健康保険などの)家族の扶養に加入

国民健康保険

企業に勤めていた方が退職後にフリーランスの道に進む際には、国民健康保険に加入する方が大半かと思われます。

企業の退職
※この時点で健康保険証を企業に返納する
⇒退職後14日以内にお住まいの市区町村役場にて、国民健康保険への加入手続き
⇒手続きの完了後、国民健康保険証を受け取る

国民健康保険証には有効期限が設けられています。
おおむね2年ほどで更新され、更新後の国民健康保険証は、書留郵便の形で届けられるのが一般的です。

国民健康保険の申し込みに必要な書類

国民健康保険の申し込みに必要な書類を以下の表にまとめています。
最寄りの市区町村役場を訪れる前にチェックしておきましょう。

 

 

必要書類

健康保険をやめたことの証明

・健康保険資格喪失証明書
・扶養削除証明書
※上記のいずれか1部

・離職票または退職証明書
※扶養家族を持たない方

個人番号の確認

・マイナンバーカード
・マイナンバー通知カード
・マイナンバーが記載された住民票の写し

本人確認書類
※マイナンバーカードを所持していない方のみ

・運転免許証
・パスポートなど

保険料を口座振替で支払う場合

・普通預金通帳またはキャッシュカード
・金融機関への登録印

国民健康保険料の算出方法

国民健康保険料は、年齢と前年度の総所得金額に応じて計算式が異なります。

★39歳までの方、65歳から74歳までの方

①基礎(医療分)保険料
加入者全員の旧ただし書き所得x7.13%+38,000円×加入者人数
※最大63万円

②後期高齢者支援分保険料
加入者全員の旧ただし書き所得x2.41%+13,200円×加入者人数
※最大19万円

旧ただし書き所得は、前年度の総所得金額-43万円(住民税基礎控除額)にて算出されます。
総所得金額が500万円の単身世帯の場合、次の国民健康保険料が適用される形です。

①(500万円-43万円)x7.13%+38,000円x1=363,841円
②(500万円-43万円)x2.41%+13,200円x1=123,337円
①+②の合計=487,178円
月々の国民健康保険料:48,717円~
※6月から翌年3月までの10回分割払い

★40歳から64歳までの方

①基礎(医療分)保険料
加入者全員の旧ただし書き所得×7.13%+38,000円x加入者人数
※最大63万円

②後期高齢者支援分保険料
加入者全員の旧ただし書き所得×2.41%+13,200円x加入者人数
※最大19万円

③介護分保険料
加入者全員の旧ただし書き所得(40歳から64歳の方)x2.52%+17,000円x加入者人数(40歳から64歳の方)
※最大17万円

同じく前年度の総所得金額が500万円の単身世帯にて計算してみます。

①(500万円-43万円)x7.13%+38,000円x1=363,841円
②(500万円-43万円)x2.41%+13,200円x1=123,337円
③(500万円-43万円)x2.52%+17,000円x1=132,164円
①+②+③の合計=619,342円
月々の国民健康保険料:61,934円~
※6月から翌年3月までの10回分割払い

参考資料
練馬区「国民健康保険料の計算方法(令和3年度)」
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/nenkinhoken/kokuminkenkohoken/hoken_hokenryo/keisan_hoho.html

任意継続

勤めていた企業によっては、退職後も健康保険の「任意継続」を選ぶことができます。
任意継続の適用条件は以下のとおり。

・退職日よりさかのぼって2ヶ月以上の継続した被保険者期間
・退職日の翌日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」の提出

「任意継続被保険者資格取得申出書」の提出先は、お住まいの地域の所轄の「協会けんぽ」支部です。
健康保険組合への元加入者は健康保険組合が窓口となります。

任意継続の保険料

任意継続の保険料は、退職した時点の標準報酬月額に基づいて算出されます。
標準報酬月額の上限金額は30万円です。
保険料は全額自己負担となります。
※医療費は3割負担です

任意継続の期限

任意継続の期限は保険証の交付より2年間です。
ほかにも次の条件に該当した際にも、任意継続被保険者証の資格を失います。

・納付期限の翌日時点での保険料の未納
・企業への再就職(被保険者となった日)
※任意継続被保険者証資格喪失申出書の提出が必須です
・75歳の誕生日を迎えた方(後期高齢者医療制度被保険者)
※任意継続被保険者証資格喪失申出書の提出が求められます
・任意継続をやめる申請をした方
※申請日の翌月の1日までに任意継続被保険者証資格喪失申出書の提出が必要です
・亡くなった日の翌日
※埋葬料(費)支給申請書の提出が求められます

任意保険を検討したほうが良い方

任意保険を検討することをおすすめしたいのは、扶養家族を持つ方です。
国民健康保険の場合、加入者全員の保険料を納める必要があります。
一方、任意保険であれば加入者のみの保険料を納めれば問題ありません。

ほかにも退職前の標準報酬月額が40万円以上の方は、保険料が割安となるケースも想定されます。

国民健康保険組合(国保組合)

フリーランスの方の業種によっては、国民健康保険組合に加入することも可能です。
ここでは国民健康保険組合の例として、文芸美術国民健康保険組合と東京美容国民健康保険組合を紹介します。

文芸美術国民健康保険組合

作家や書道家、アニメーターや写真家、作詞家や作曲家などが加入できる健康保険組合です。
文芸美術国民健康保険組合の加盟団体への入会が必須となります。
株式会社などの法人事業主や従業員、75歳以上の後期高齢者の方は加入が認められません。

★文芸美術国民健康保険組合の保険料

 

 

保険料(月額)

組合員

21,100円

組合員の家族

11,600円

介護保険料
※40歳から64歳の組合員または家族

5,200円

文芸美術国民健康保険組合
http://www.bunbi.com/index.html

ケース①日本イラストレーション協会

日本イラストレーション協会は、デザイナーやイラストレーターなどが加入できる団体です。
日本イラストレーション協会への会費などは次のとおりです。

 

 

費用

加入手数料

3,000円
※入会時のみ

出資金

個人:一口5,000円×5口以上
法人:一口5,000円×10口以上

賦課金(会費)

個人:月額2,000円(年間24,000円)
法人:月額2,000円(年間24,000円)

日本イラストレーション協会の会費と文芸美術国民健康保険組合(組合員)の保険料を合わせた場合、2,000円+21,100円=23,100円が月額の費用となります。
※40歳から64歳までの方は5,200円+23,100円=28,300円/月

日本イラストレーション協会
https://jilla.or.jp/

東京美容国民健康保険組合

東京都内の店舗などの事業所にて、美容師などの業務に就いている方が対象となる保険組合です。
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、山梨県より通勤していることが条件です。

美容師はもちろんのこと、事業所内にてインターンや事務作業に従事している方も含まれます。
同一の世帯であれば、国民健康保険に未加入の家族も加入できる保険です。
※後期高齢者(75歳以上)や健康保険に加入済みの方は除きます

★東京美容国民健康保険組合の保険料

 

 

保険料(月額)

39歳までの方、65歳から74歳までの方

組合員(事業主):19,000円
組合員(従業員):13,500円
同一世帯家族:8,500円/1人
同一世帯家族(未就学児):5,000円/1人

40歳から64歳までの方
※介護納付金:3,000円が加わります

組合員(事業主):22,000円
組合員(従業員):16,500円
同一世帯家族:11,500円/1人

保険料が定額制のため、一定以上の収入を得ている方にとっては、国民健康保険料よりも割安になるかもしれません。

(健康保険などの)家族の扶養に加入

家族が健康保険などに加入済みの場合、扶養として加入することも選択肢となり得ます。
被保険者(健康保険などの加入者)の配偶者や子ども、孫や兄弟姉妹、父母や祖父母であれば同居していなくとも扶養の対象者です。

対象者が扶養に加入するためには、次の収入要件を満たすことが求められます。

・年間収入:130万円未満
※月額108,333円以下、日額3,611円以下
※60歳以上や障がい者の方は年間収入:180万円未満

・同居:被保険者の収入の半分未満であること
・別居:被保険者からの仕送り額より収入が少ないこと

被保険者による事業主への申請手続きが必要です。
詳しくは以下のリンク先を参照してください。

日本年金機構
従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20141202.html

まとめ

ここまで、フリーランスの保険に関する次の項目を紹介してきました

・会社員とフリーランスが加入する保険の違い
(健康保険、国民健康保険)
・フリーランス向けの保険・4つの選択肢
(国民健康保険、任意継続、国民健康保険組合、家族の扶養に加入)

基本的には国民健康保険に加入しておけば問題ありません。

とはいえフリーランスは先行き不透明な部分は否めないため、任意継続などの選択肢を検討してみるのも良いかもしれません。

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