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ネットワークエンジニアの資格とは?資格一覧とその特徴、ポイントをご紹介

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2023年03月13日

ネットワークエンジニアは色々なスキルを求められます。ネットワークの設計、構築、運用、保守、サーバー同士の接続、セキュリティの確保等々ですが、ネットワークエンジニアになるために必要な資格というのはありません。ですので、ネットワークエンジニアは自分の持っているスキルを証明するために「できるだけ多くの資格」を持っていた方が、あらゆる場面で有利となります。

転職の時はもちろんですが、社内でも資格の有無で待遇も変わってくることが多い物です。そこでネットワークエンジニアとして「持っておいた方が良い資格」を挙げてみましょう。資格というのは取ると社会的な使命感を感じることが出来、仕事の励みにもなります。

また、周囲に「あなたにできること」を知らしめる効果があり、思わぬ仕事が回って来ることもあるでしょう。そうしているうちに、段々と「更なる上級スキル」を目指す気持ちも湧いてきますし、周囲のあなたを見る目も段々と変わってくるのです。

1・ネットワークエンジニアは資格が必要?

2・ネットワークエンジニアの資格一覧

3・ネットワークエンジニアの資格の勉強法

1・ネットワークエンジニアは資格が必要?

システムのインフラを構築・管理するネットワークエンジニアは幅広い需要がありますが、ネットワークエンジニアになるために必要な資格というのはありません。つまり全くの初心者でもなれるのです。最初はネットワークの保守・運用業務を担当することが多く、そこからスキルアップしていくことにより本格的なITエンジニアを目指すというのが一般的なコースです。

そしてスキルというのは実績を積み上げることによって認められるものではありますが、もっと端的に「資格を取る」という形でスキルアップしていく方がネットワークエンジニアにとっては有利なのです。何故なら「初心者でも出来る仕事」と「そうでない仕事」があり、あなたが初心者では出来ない仕事もできる本格的なITエンジニアであることを証明するには「資格」という公的なお墨付きを得てしまった方が確実だからです。

そうすれば一目瞭然であり「あなたの実績を知らない人」にも、あなたのスキルを理解してもらいやすくなります。それは「思わぬチャンス」を得ることにも繋がるでしょう。実績というのはチャンスがなければ積み上げられないものなのです。

例えば「オラクルマスター」を持っていれば「オラクルが出来るんだ」ということを自然に回りに知らしめることが出来、オラクルの仕事があれば回ってくるでしょう。しかし、いくらオラクルの経験があっても資格を取っていないと「あなたがオラクルを扱える」ということを始めて会う人達は知ることができません。また、知ってもらっても「どこまでできるのか」が不明なので、どこまで任せてよいのか分からなくなってしまうのです。

ネットワークエンジニアはスキルの幅が広く、また各スキルのレベルの高低差が大きいので自分のスキルとスキルレベルを正確に知ってもらうためには「しかるべき資格」を持っておいた方が良いのです。つまり「ネットワークエンジニアになるのに資格は不要」ですが、自分のスキルレベルを表すためには「段階に応じた資格を、どんどん取っておくべき」なのです。それは「あなたのため」でもあり「一緒に仕事をする人達」のためでもあります。また会社によっては資格手当を支給してくれる所も多いので収入のアップにもつながってきます。つまり仕事の上でも収入の上でも資格が物をいうのがネットワークエンジニアという職種なのです。

2・ネットワークエンジニアの資格一覧

2-1 基本情報技術者試験

情報処理推進機構(IPA)が認定している資格で「ITエンジニアにとって登竜門」と言える資格です。内容はプログラマ、システムエンジニア、ネットワークエンジニア、ソフトウェア品質管理担当者、システム運用管理者などにとって必須と言える常識的な問題が出題されます。ネットワークエンジニアを目指す方の中には「プログラムを書くのは苦手」という方もいらっしゃるでしょう。

しかし「何をやっているのか」だけは覚えておくべきなのです。ネットワークエンジニアは「全体の基礎となる土台」を築きあげるのが仕事ですので、プログラマーやシステムエンジニアの仕事が苦手であっても「何をやっているのか」を知らないと「どうして上げれば良いのか」が分からなくなってしまうから、なのです。IT業界には、この他にも色々な職種があります。

そして、それぞれの職種によりネットワークエンジニア対する要望は違ってくるものです。ですので、まずはプログラマ、システムエンジニア、という最も数が多い職種の人達がやっていることから覚え、その要望に答えられるようになることから始めましょう。そうしているうちに「他のIT職種の人達がネットワークエンジニアに求めていること」が理解できてきます。それが理解出来れば、例えAI関係のエンジニアであっても、その要望に答えられるようになってきます。

2-2 応用情報技術者試験

これも情報処理推進機構(IPA)が認定している資格で先の基本情報技術者試験の1つ上、という位置付けです。名前の通りシステムの設計・構築における応用力を試される試験です。そしてネットワークの設計、構築も含まれます。当然ながら応用力を試されるので、先の基本情報技術者試験よりも難しくなりますが、この資格取得を通じて得られる最大のメリットは「ITシステムについて広く深い知識が得られる」という点です。

先に「他のIT職種の人達がネットワークエンジニアに求めていること」と書きましたが、他のIT職種には通称「高度試験」と呼ばれる9つの分野があります。応用情報技術者の資格を得ると、その9つの分野の人達がやっていることが理解できるようになるのです。その9分野とは以下の通りです。

1:ITストラテジスト

2:システムアーキテクト

3:プロジェクトマネージャ

4:ネットワークスペシャリスト

5:データベーススペシャリスト

6:エンベデッドシステムスペシャリスト

7:ITサービスマネージャ

8:システム監査技術

9:情報処理安全確保支援士

これらの職種資格は、社会的な必要性に迫られているからこそ、存在するのですが相当な勉強と経験を積まないと取得できないものばかりです。いわば、IT業界の各種業務担当の頂点に立つ資格と言って良いでしょう。

そしてネットワークエンジニアである、あなたが目指すべき頂点は4のネットワークスペシャリストです。しかし、まずは基本技術者→応用技術者と進みましょう。段々と難易度は高くなっていきますので、それだけ必要な勉強量も増えていきます。また、勉強だけでなく豊富な経験も必要になります。この応用技術者試験は、いわばIT業界に入り、一歩だけ前に進んだという状態であることを意味する資格なのです。そして、この試験までは勉強だけで取得が可能です。

そして、この資格までは取っておかないと先に進みにくくなってしまうのです。ネットワークエンジニアの資格には、他にも色々ありますが、必ず、上記9分野のいずれかに関係する資格ですので、応用技術者資格を取っておかないと内容が理解しきれず、取得できなくなってしまうかもしれないのです。ですので、まずは、この2つの資格取得を目指して下さい。順番を間違えず確実に内容を理解していけば大丈夫です。

2-3 ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークエンジニアにとって最難関の国家試験が、このネットワークスペシャリスト試験です。これも情報処理推進機構(IPA)が認定している資格です。試験は午前が1,2の2回、午後も1,2と2回に分れ、午前は四択方式、午後は記述式です。なお応用情報技術者試験合格者は合格して1年以内であれば午前の1が免除されます。

この資格を持っていればネットワークエンジニアとしては最高スキルと言えるので人気のある資格ですが合格率は毎年10%台と低くい数値となっています。また、この資格はサーバー構築等を行うインフラエンジニアも対象としています。問題はネットワークの専門家としての固有技術、セキュリティ技術に幅広く精通していることが求められる内容で、大規模かつ堅牢なネットワークシステムを構築し運用できる能力が試されます。

また、VPNやSDN、VoIP、IPv6、VXLAN、WAN高速化装置、UDP/QUIC、IPsecの詳細などに関する知識および実践能力も試されます。出題範囲が広く、かつ深いので独学での勉強での合格は無理とも言われます。なお、この試験と類似の資格で情報処理安全確保支援士というものがあります。こちらはサイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能が求められ、安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価と必要な指導・助言するスキルが求められるものでレベルとしてはネットワークスペシャリスト試験と同等レベルの難易度で、こちらも簡単に合格できるような資格ではありません。

2-4 LinuC

 LinuCはLPI-JAPANが認定しているLinuxについての技術者認定資格です。現在、サーバーのOSにはWindows系とLinux系がありますが、Linux系の方が圧倒的に多い状況です。ですのでLinuxについて知識があり、扱えるということはサーバーの構築を行ったり操作が出来る、ということを意味するので、サーバーも直接的に扱えるネットワークエンジニアであることの証明となります。LinuCにはレベル1、2、3の3段階があり、以下のような内容になっています。

レベル1:物理/仮想Linuxサーバーの構築と運用

レベル2:仮想マシン・コンテナを含むLinuxシステム、ネットワークの設定・構築

レベル3:各分野の最高レベルの技術力を持つ専門家

もちろん3が取れれば文句なしですがレベル2まで取っておけばクラウドシステム構築における即戦力であることの証明となるので十分でしょう。

2-5 LPIC

こちらもLinuxの技術者認定資格ですが、ベンダーとは関係ない民間の中立的立場の資格で国際標準資格でもあります。 LPICは特に「オープンソースの専門家」を育成し認定することを目的としていますので、取っておいて損はない資格です。LinuCと併せて持っていればLinuxについての専門家を名乗れます。ただLinuxは国により使い方が異なる場合が多いので、この資格は国際標準資格ではありますが、実際に外国へ行ってLinuxの仕事をするとなると、最初は戸惑ってしまうこともあることは覚えて置いて下さい。LPICはどちらかというとユーザーが取る資格というイメージです。

2-6 シスコ技術者認定(CCNA、CCT、CCNP、CCIE)

シスコ技術者認定は世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社である。Cisco(シスコ)社が行っている「シスコシステムズ」の製品に関するベンダー資格です。同社の機器を使わないケースは「まずない」と言って良く、かつ世界基準の資格でもありますので、取っておけば非常に有益な資格です。「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」「アーキテクト」の5段階があり、後に行くほど高度な内容になります。実践的に役立つのは「アソシエイト」以降ですので、まずエントリーを取得し最低でもアソシエイトは取得しておきたい所です。アソシエイトは、1年程度の実務経験があれば50時間程度の学習で取得が可能と言われており、ネットワークエンジニアになって数年経ったら視野に入れた方が良い資格です。

2-7 オラクルマスター

オラクルマスターはリレーショナル・データベース管理ソフトウェア市場において1993年以来トップシェアを誇るオラクル社の認定するオラクルデータベースを扱う技術認定資格です。ネットワークエンジニアでもインフラエンジニアでも業務システムであれば、まず間違いなくデータベースソフトウェアがサーバーに乗ります。ですので、オラクルを扱えるようになっておくことはシステムの開発、運用、保守において必須条件とも言えるものなのです。オラクルマスターにはBronze(ブロンズ)、Silver(シルバー)、Gold(ゴールド)、Platinum(プラチナ)という4段階があり、ステップアップ制ですので、最初は必ずBronzeから受験しなければなりません。なおBronzeには受験資格はありませんが全くの

オラクル未経験者には難しい内容となりますので、事前に過去問などで勉強をしておくことをお勧めします。SQLなどが自在に扱えるようになると「ちょっとしたトラブル」などはネットワークエンジニアでも修正できるようになりますし、担当エンジニアが遠隔地にいる場合にデータベースの内容確認を代行したりすることもできるようになるでしょう。

2-8 CompTIA Network+

CompTIA Network+は CompTIA社が認定するネットワークに関連するさまざま作業の技術レベル、知識レベルを認定する国際認定資格です。 CompTIA Network+が他のネットワーク認定資格と違うのは、一般的なネットワーク機器のトラブルシューティング、構成、管理、基本的なネットワーク接続の確立、ネットワーク関連文書の理解と保管、ネットワークの制限と脆弱性の特定、ネットワークセキュリティ、規格、プロトコルなど現場ですぐに必要とされる実践的な内容になっている点です。「ネットワーク関連業務に9ヵ月程度経験した際に持つべきスキルを証明できるよう設計がされている」と明言されていることからも分かる通り、「素人ではない」ということを証明する資格だと言えるでしょう。

CompTIA Network+は各企業でIT関係者の教育のために使われている、という側面も持っており、実際に導入している企業も結構あります。ネットワークについては全く知らない、と言う人をネットワークエンジニアの入口から、少し中まで連れて行ってくれる役割を果たしているのです。ですので、全く未経験、と言う方はCompTIA社が出している教育教材で勉強しCompTIA Network+の資格をとることを目標にする、という手もあり、これはネットワークエンジニアになるには相当に効率の良い手段と言えます。

2-9 JNCIA-DevOps

JNCIA-DevOpsは、これまで述べてきた認定資格とは大きく異なります。ネットワーク構築で使用されるルーターにはCisco社の製品とJuniper Networks社の製品があります。そしてCisco社製はiOS、Juniper Networks社製はJUNOSというOSがルーターに組み込まれています。そして、この資格はJuniper Networks社製のルーターに乗せられているOSであるJUNOSについての扱い方の認定資格なのです。

JUNOSの搭載されたルーターは色々な制御が可能で、自動化することもできます。そういった制御方法の知識や技術力の認定試験です。ですので、Juniper Networks社製のルーターを使用している企業では価値のある資格と言えます。しかし試験の言語は英語ですので、英語力が必要とされます。それだけにJuniper Networks社製のルーターを使用している企業でも、この資格を持っている人は少なく、そういった企業で働くのであれば、大変に価値の有る資格と言えます。

3・ネットワークエンジニアの資格の勉強法

ネットワークエンジニアが資格を取得するためには、どんな資格でも最低、数ヶ月の勉強が必要です。しかし日々の業務もありますので勉強時間は制限を受けることも多いでしょう。そこで、色々な勉強法のメリット、デメリットを挙げてみましょう。

書籍やテキストでの独学

資格取得用に出されている参考書を利用して独学で勉強するのは、最もコストがかからない方法です。また、通勤時間、休み時間などの「ちょっとした空き時間」でも勉強できるというメリットもあります。何より自分のペースで勉強できる、というのが最大のメリットでしょう。但し、参考書を読んで分からない場合に「誰も質問できる相手がいない」というのがデメリットです。

また自分のペースで出来る、となると強制力がなくなり、いつのまにか止めてしまいかねないというリスクもあります。着手しやすい方法ですし、本当の最初の段階では、この方法が一番良いことも多いのですが、デメリットに気を付けながら進める必要があります。また上級の難関試験になると独学では無理、というケースも出てきますので、この方法は「まずはやってみる」程度にしておいた方が賢明です。

スクールに通う

資格取得コースを持つスクールに通うというのは勉強を実践する環境も整っており、分からなければ聞く相手もいますので、非常に良い選択と言えます。ただ、スクールに通う時間が取れるかどうか、またスクールに通うのは多額の費用がかかるという点がデメリットです。これらのデメリットを克服できる方には、非常にお勧めの方法と言えるでしょう。ただスクールは「通っていれば自然に覚えられる」という受け身の姿勢では「お金と時間の無駄」になります。環境的には最も良い環境なのですから積極的に学ぶ姿勢をもってのぞむ覚悟を持って選択して下さい。

e-ラーニングを利用する

オンラインでe-ラーニングを受講するというのは、独学のメリットとスクールのメリットの両方があり、良い選択と言えます。時間にしばられず自分のペースで進められますし内容的にもスクールと同等の内容が受けられ安価だからです。

唯一の難点はネットワークエンジニアは「実際にやってみる」という作業勉強が数多くあり、e-ラーニングでは、それが実際にはできない、という点です。これは現場で経験するしかないのですが、どのみちスクールで作業経験を積んでも現場では違う機器であることも多い、ということを考えれば大きなハンデにはなりません。ネットワークエンジニアに限りませんが、スクールで習う内容には限界があり、本番は「現場を踏んでみないと分からない」のです。勉強とは頭で覚えることですが、覚えただけでは、まだ本物ではありません。実際にやってみて初めて「スキル」となるのです。それは、どの勉強法でも同じです。

4・まとめ

プログラマーやシステムエンジニアはステップアップするにしてもプロジェクトマネージャーやITコンサルタントなど、最終的には「人間相手」の仕事となります。しかしネットワークエンジニアは基本的に「ハードウェアが相手」であり、ステップアップしていっても、その基本は変わりません。ですので「機器に対する知識と経験」が大きく物をいう職種です。

人間相手の仕事ではコミュニケーションスキル、という持てる人と持てない人が出てしまいがちなスキルが必要となりますが、ネットワークエンジニアには、そういった面が、少ないのです。その分、楽に思えますが機器に対する知識をどんどん仕入れて行かねばなりません。ハードウェアの世界でも技術はどんどん進歩しているからです。つまりネットワークエンジニアがステップアップするには「人一倍、勉強する覚悟」が必要なのです。それが仕事の成果に直接的に結びつくのがネットワークエンジニアなのです。

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