フリーランスITエンジニアの案件・求人トップ › セミナー・イベント › 第一回 ITエンジニアインタビュー2014年1月27日

ITエンジニア交流会

第一回 ITエンジニアインタビュー2013年12月17日

先日、「フリー(個人事業主)技術者にもっと目を向けようキャンペーン(仮)」と題しまして、フリー技術者の方とお話する機会を頂きました。
ネットワーク系エンジニアと開発系エンジニアの皆様をお招きして、フリー技術者になるまでのエピソードや心構え、将来へ向けてのお気持ちなどをお伺いしました。
今回はその様子をご紹介します。

インタビューの様子

※エンジニア紹介※

Mさん (48)
オープン系の開発を得意としており、また研究にも余念が無い。

Wさん (41)
ネットワーク設計構築を中心としているが、サーバ構築やベンダーコントロールなども経験している。

Hさん (36)
Javaを中心として、システム開発案件に携わってきた。

:簡単な経歴をお聞かせください。
Mさん:もともとソフト会社にいたのですが、好きな事ができず、自由にやりたくなって退社し、請負を始めました。当時は中小企業が開発の仕事を外注していたため、仕事は沢山ありました。その後バブルがはじけ(笑)、請負の数が減りまして、今に至るという感じですね。
Wさん:自分は派遣会社の正社員経験を経て、フリーになりました。
Hさん:僕も正社員が最初です。その後1度転職しましたが、結局会社員であるメリットを感じることができずにフリーになることを選びました。
:なぜフリー技術者になることを目指したんでしょうか。
Hさん:正社員ならではの手続きとか、めんどくさいと感じました。また、目標管理表とかありますよね。なんだか今まで見たこともないような上司が来てそれをチェックしたりして。目標管理表なんて誰か見てるのかな?と思ったりしました。
Wさん:それわかります。本当に自分が決めた目標ならまだ良いですけど、もともと会社が決めた目標にそって作成するというのは納得行かないですよね。会社の方向性と自分が合えばいいですけど、なんか自分の方向性と合わないな?と感じた時に、フリーになろう、と思う人もいると思います。
:過去に利用したことのあるエージェントの数はどれくらいでしょうか。
Mさん:数はあまり多くないのですが、付き合いが長いです。1つのエージェントで5年~10年ぐらいお付き合いがあります。
Wさん:自分もあまり多くなく、エージェントらしいエージェントというのは2社ほどで、それ以外だと正社員や契約社員、フリー契約などを選ばずに直接雇用(または委託)するような会社にフリーで契約し、長くお世話になっていました。
Hさん:僕も少ないです。昔仕事をした人からの紹介など、何らかの繋がりがあって、という感じです。合わせても3つぐらいだと思います。新しい所を利用するというよりも、過去にお世話になったところに恩返しをするという気持ちが大きいんですよね。あとはエージェントではなく、直接フリー契約OKな会社と契約する形です。
Mさん:他の技術者の意見を聞くと、コロコロとエージェントを変えている人も少なく無いですよね。何か原因があって変えているのかもしれないけど、もし「あそこもダメ、ここもダメ」と選りすぐりしていると最終的に行く所がなくなってしまうんじゃないですか。
:今まで利用したエージェントで、これは良いな、と思うところはありましたか。
Mさん:お客様主催の飲み会に、私と一緒に担当営業さんも同席するとか。お客様と距離が近い方が安心できます。
Hさん:僕も結構飲みに連れて行ってもらっています。飲みに行ければ良い、というわけではありませんが、ほうって置かれっぱなしに比べればありがたいですよね。
Wさん:サービス的な事で言えば、専属の弁護士さんや税理士さんがいるエージェントを過去に利用したことがあり、とても助かりました。税理士さんには青色申告のやり方とか、開業届の事とかいろんなアドバイスも受けれますし、何かトラブルがあっても弁護士さんに相談することもできますからね。
あと最初の説明で、サラリーマンとフリーの違い(メリット・デメリット)というのをきちんと聞かせてもらったこともあります。それでフリーとしてやっていくための心構えというか意識が固まりました。
:フリー技術者として、お客様先に常駐する事での悩みはありますか。
Mさん:やはり商流が深いのはやめてほしいです。途中に一度も顔を見ていないような会社が2社ぐらい入ることがありました。
あと、技術者に不利になる条件をお客様から突きつけられた場合も、私が回答しても良いのですが、間にエージェントが入っている場合がほとんどなので、まずはエージェントに交渉して欲しいと思いました。例を挙げると、アーキテクトの仕事ということで打ち合わせした時に、「開発者が新人なので教育もやってほしい」と言われたんですよ。その時は担当の営業さんが何も言ってくれなかったので、「私はアーキテクトと開発はやるけど教育はできない。新人には教育機関があるのでそちらに連れて行って欲しい」と伝えましたが。もし私が黙っていたら営業さんもOKしてしまいそうでしたし。
Wさん:それは自分も経験あります。とある現場で、他の会社から来ている技術者も教育してください、とお客様から言われたんですよ。さすがにそれは都合良すぎなんじゃないの?と思いましたね。自分達の(フリー契約という)立場を現場の担当者さんは理解しているとは思いますが、どうしても業務優先になることがもあり、社員の方々と同じようにいろいろ依頼される事も少なくありません。
そういう契約外というか、依頼された業務範疇外の事は全て断ろうというわけではなく、お互いのメリットが感じられるのであれば受けても良いですけどね。そうではない場合は僕達もきちんと断ったりする必要があると思います。まあ、そういう時のために担当の営業さんがいるのだと思いますが・・・。
Mさん:あと、次の仕事が紹介出来ない場合は無理に繋ぎ止めないでほしいです。空いた時間ができたとしても自己学習という形で時間を使えますので。
Wさん:自分は、一つの案件に長く常駐させようとするエージェントは嫌ですね。「安定した利益を得たい」というのが見え透いてしまうというか。例えば、「就業状況の見直しをしたい」という要望を伝えても、「年末は忙しい」とか言ってはぐらかす営業さんがいたんです。結局、それで契約をずるずると延長させられてしまいました。
その案件に入る時は希望をいろいろ聞いてくれたのに、入ってしまうとずるずると引っ張るという感覚が嫌でした。まあ、営業は売上を上げたいとか、安定した就業先に長く置いておきたい、という気持ちもわからなくはないのですが。
例えばそれで次の案件を紹介できず、エージェントと技術者の関係が切れたとしても、技術者が他所で新しい技術を見につけたら戻ってくるかもしれないじゃないですか。そういう時は無理に引き止めず、それよりも最終的に戻りたくなるような場所を作ってほしいです。
本当に技術者の事を思うのだったら、技術者のキャリアを判断した結果、仕事を無理に紹介するのではなく、一緒にキャリアパスを考えてくれて、「今はこういう仕事をするほうが良いのでは」という提案をしてほしいですね。結果として一時的に他の所に行っても、「あのエージェントではいろんなアドバイスをもらえたな」という気持ちが残り、「またお世話になりたい」と感じて戻ってくると思います。結局、そのほうが両者にとって得だと思います。
Hさん:そのエージェントに成長させてくれるような環境があるなら良いですが、無い場合は無理せず一旦手放してほしい、と。
Mさん:話しは変わりますが、どういう経歴書が見やすいものなのか、とか、経歴書の書き方を提案先によって書きなおしたりするようなアドバイスがあると嬉しいです。以前スキルサーフィンの営業さんに言われて書きなおした経歴書、まだ役に立ってますよ。あれはどこに行っても比較的通用します。
Hさん:僕は勉強会のようなものが定期的に開催されたら嬉しいです。あまり技術者同士で集まる機会がないので是非参加したいですね。
Mさん:なるほど。私はあまり勉強会があっても参加しなさそうだなぁ。代わりに、いろんな情報は欲しいです。
Wさん:そうですね。今の業界の技術トレンドや、求められているもの、スキルの市場価値など、営業さんが仕入れている生の情報をどんどん教えて欲しいです。公開できる内容は限られているかもしれませんが、お客様から聞いてきた情報や動向とかも嬉しいですね。
:案件の探し方や、参入する時に気にしている事を教えてください。
Mさん:最近は新しい案件を探すときは以前にお付き合いのあったエージェントさんから届いたメールが主体です。WEBサイトはあまり見ません。
Wさん:自分もそうですね。また案件の探し方ですけど、「スキルと金額」があっているかを考えるよりは、「案件内容と金額」があっているかを考えて決めます。商流の深さとか、プロジェクトの予算の状況とかを把握できれば、金額が低くても納得できることもありますし。また、商流は後で解決できるかもしれませんが、元々のプロジェクト予算はなかなか解決できないでしょうからね。そういう事を把握して請けるかどうかを決めていきます。
あと、金融系は予算が比較的あるほうなんじゃないか?と思ってますが(笑)。同じ技術力を求められたとしても、金額が高かったりして・・・。
:前の案件と似たような仕事内容の場合は同じ金額が欲しい、という方もいますね。
Mさん:それはそれで良いと思います。それでエージェントやお客様が納得してくれるならそういう金額の提示の仕方もありだと思います。
Wさん:自分は、あまりお金を優先しすぎない方がいいと思います。中にはフリーの間だけ高い金額をもらっていて、最後に社員になるという考えの人もいますが、自分はそれは面白く無いと思います。また、お金が高いからずっと同じ場所に居続けるというのは自分はやりたくない。一箇所にとどまらずに技術や経験、知識を伸ばしていきたいと思っていますので。
Hさん:案件内容の話になりますが、僕は新しい技術を自分で身につけた時に、その技術をお客様環境で使わせてもらえるような案件が理想なんです。でも、顔合わせの時とかに「できます。独学ですが」と正直に伝えても「業務経験がないからダメ」と言われてしまうのが残念です。
Mさん:でも、どうしてもその案件がやりたい場合は、多少は無理して入った方がいいと思いますね。自分ができる事を多少誇張して何とか入れてもらうこともありますよ。それぐらいのプレッシャーを感じながらのほうが頑張れる事もあります。「何でもできる」と言うのはもちろん良くないですが、あまり悲観的に回答し過ぎないほうがいいと思いますよ。
Wさん:入ってしまえばなんとかなるという事もありますからね。もちろん、本人の努力があってこそですが。
:資格は採用に影響すると感じますか?
Wさん:未経験の場合はやはり見られると思います。経験があるならそのほうが重要だと思いますけど。
Hさん:僕は資格を判断基準として見られたことが無いので、経験のほうが重要と感じてます。
Mさん:フリーでやっている以上、信用してもらう材料は多いほうが良いし、資格は重要だと思いますけどね。とは言っても開発系は昔ほど大事じゃないようになってきた気がします。
Wさん:あと、例えばお客さんの会社に有資格者がおらず、その条件だとエンドユーザから仕事を取れないのでそのプロジェクトの時だけ有資格者が必要、という理由もありますね。その場合は資格必須となるでしょう。そういえば、以前利用したエージェントでは資格取得の補助金が出るところがありました。資格によりますが合格すると全額補助・落ちても半分は補助してもらえるなどもありました。年間いくらまでという上限が決まっているような形でしたが。
Mさん:それはいいですね。
:フリー技術者の現状、今後についてどうお考えですか。
Wさん:自分の場合、フリー技術者として考えるということはあまり無くて、それよりも仕事の内容や、仕事を請ける事でその後どういうビジョンがあるのかなどを重要視しています。形式張ったことはあまり関係ないと思うんですよね。フリーの利点は、自分の描いたキャリアや、やりたい仕事を選択できるというのが強みだと思っているので、駆け出しの技術を習得している段階では、フリーとか契約社員とかは関係なく、貪欲にやったほうが良いと思います。
Mさん:そうですね。同意見です。「フリー技術者はNG」というケースもありますが、その場合は契約社員として仕事をするというのでも良いと思います。それは、「なんでもいいので仕事をください」という考え方とは違うものです。
Wさん:例えば、技術者本人のポリシーを貫いていて、どうしても自分は「フリーとして契約したい」という人もいますが、そういう人に限って、お客さんが扱いにくて困っている事があるように感じます。以前、自分がいた現場に、直接お客様が契約したフリー技術者が入ってきた事があったんです。既に開始しているプロジェクトへの途中参加だったのですが、なんとなく周りからは浮いている存在でした。
やはり自分が思っているやり方というのがあるみたいで、結局プロマネの人とぶつかってしまい、途中で出て行ってしまいました。そういうケースって本人の性格の問題もあるかもしれませんが、フリー技術者として働きたい人の参画の仕方ではなかったように思えます。ちょっと可愛そうだと思いましたね。自分が主導でやりたい人にとっては適切な環境、適切な仕事というのがあるのだと思います。
Mさん:そういうパターンでは無く、本当にダメなフリーの人と関わったことがありましたね。一緒に働くと、仕事ができないわけじゃないが、土日をはさむと翌月曜日に来なくなる、みたいなね(笑)。でも飲みに行くと面白いという。
Wさん:まだそういう人がいるんですか。いくらフリーの技術者といっても勤怠は重要ですよ。そういう一部の勤怠が悪いようなフリーの人がいると、ちゃんとやっているフリーの人のイメージまで悪くなるのが残念です。
Hさん:最近一緒に働いている人ですが、お客様の要件を無視してガンガン開発している人がいましたね。あれは驚きました。フリーランスじゃなくてフリーダムですね(笑。
Mさん:でも、それはある意味羨ましいというか、良いですね。それができるのがフリーとしては一番うれしいけど。お客様に信頼を得ていれば、納得してもらいつつ自由にやれるとは思いますけど。
Wさん:あまりフリーの人を縛らないようにしてほしいと思います。自由にやらせていることでパフォーマンスを発揮出来る人もいますので。とあるお客様では、課長職の人が元フリーのだったので、とてもフリー技術者に理解があり、仕事がしやすかったです。他の部署から見ると自分たちが浮いていたかもしれませんが(笑)。
Mさん:今後ですけど、いつかは起業(法人化)という考えはありますね。そもそも正社員だって定年があるし、定年を過ぎても働かなくてはいけない時代。その時に起業するという人もいるでしょうし、皆起業するんじゃないですか。
Wさん:自分も起業はしたいです。ただ、起業したとしても自分が経営だけをやるというイメージはなくて、技術者としても仕事をしたいです。また個人的に考えていることではありますが、フリーの人を組織化するというのも良いと思うんですよ。例えばエージェントさんが束ねるとか。優秀な技術者をリーダーにして、チームを作って案件を請負うと言うことをやれば、もっとフリーの人を活かせると思ったりしています。
:本日はありがとうございました。

[あとがき]
いかがでしたでしょうか。ここには流石に書けない!という内容も若干ありまして(汗、多少割愛しているところもあるのですが、「過去に関わった、困ったエージェントの話」や「現場の愚痴」、「フリーの技術者が働きやすい環境とは」というテーマも飛び出し、私共としては大変参考になりました。
また、同時に私共からは、「スキルサーフィンが考えるエージェントと技術者の関係」というお話もさせて頂きました。文面にはなっておりませんが、「ただのエージェントとしてではなく、もっと技術者の立場になって物事を考えたい。でもそれには技術者との本音のぶつかり合いが必要だと考えている」
というスタンスをお伝えし、多少なりともそれをお伝えすることが出来たかと思います。

今後も、このような機会を増やしていきたいと思っていますので、どうぞお楽しみに。

交流会一覧

 気になる案件リスト0件)
最近見た案件