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限られた時間で、数多くのアイデア出し、正しいブレストの進め方

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2017年07月12日

ブレスト(ブレイン・ストーミング)とは、複数人が集まって自由に意見やアイデアを出し合うことで、新しい発想を生み出す技法であり、近年は多くの企業の会議の一形態として採用されています。

日本企業の会議といえば、これまでは上司や役職者のお話を聞くためのもので、会議は偉い人以外の参加者にとっては意見を言う場所ではなく、会議という場所で偉い人が決めた取り決めを情報として共有することが目的でした。

会議は何かを決める場所ではなく、参加者へ伝達事項を伝え、それぞれが各部署へ会議での決定事項を持ち帰り、詳細は部署で決められていました。

ただ、この手の会議をムダと感じる人は多く、実際に企業に余裕がなくなってくるとムダな会議はなるべく行わない企業が増えてきました。

どうせ細かな話は各部署で決めるなら、会議は何のためにやっているのか、情報の共有は別に会議に出なくてもできるのではないか、と思う人が増えたのです。

そうして注目されるようになったのがブレストです。参加者は全員発言するようになるので、上司や役職者のお話を聞くだけの会議に比べると、格段にアイデアが生まれるようになります。

しかし、仲が良すぎて楽しいおしゃべり会で終わってしまったり、また自由闊達な空気を作り出すことができず偉い人の「鶴の一声」で事が決まってしまうなど、本来のブレストとは大きくかけ離れてしまっているケースも多いのではないでしょうか。

制限時間内にみんなのアイデアを引き出す「ブレスト」を行うためにはどうすればよいのでしょうか。

ブレストの4原則

ブレインストーミングは元々アレックス・F・オズボーンという人が考案した会議方式で、集団でアイデアを出し合うことでお互いに良い影響を与え合い、連鎖的にアイデアがどんどんと生まれることを目的としています。

考案した本人がブレインストーミングの4原則として紹介している4つの項目がありますから、アイデアの算出を阻害しないように、しっかりと4原則を守りましょう。

批判をしてはいけない

他人の意見はブレインストーミングの中では批判してはいけないことになっています。誰でも自分の意見を述べるとき、肯定されると気持ちよくいくらでも喋ることができますが、批判されてしまうと批判が怖くなってしまい、自分の意見を自由に述べることに対して戸惑ってしまいます。

数多くの素晴らしいアイデアを生み出そうとするならば、基本的に他人の意見は批判してはいけません。

自由に、そして奔放に意見を出す

意見は考え抜かれたものではなく、できるだけ自由な発想から述べられるものこそが価値を生み出します。

考え抜かれたアイデアというのは案外似通ったものになりがちで、なぜなら、考えている内についつい参加者の顔色をうかがってしまうからです。

もちろん中々意見を述べられない人は事前に意見を言うための準備をし、いくつかのアイデアを準備しておくべきなのですが、当たり障りのないアイデアではなく、自由で奔放な他の会議参加者を驚かせるくらいのアイデアをこだわりなく出せるように、できるだけ他の参加者のことは考えないようにしましょう。

とにかくたくさんのアイデアを出し合う

ブレストの目的は、自由な発想でアイデアを生み出すことです。これまでのしきたりや既成概念にとらわれずに自由に考え、意見を交わすことが「歴史的」なアイデアが産み出す土壌となっていきます。

また、参加者の出す様々なアイデアを組み合わせることで、新たな展開が生まれるかもしれません。

そのためにはとにかく数多くのアイデアを出すことです。質より量と言い切っても構いません。案外自分がつまらないと思っていることほど、他の人にとっては斬新なアイデアだったりするものですから。

出てきたアイデアを組み合わせる

ブレインストーミングによって自由奔放にアイデアを出し合っても、もしかしたらそれぞれの意見はさほどアイデアとして輝いているようには感じないかもしれません。

しかしアイデアとして提出されたものをつなぎ合わせてみるといかがでしょうか。素晴らしいアイデアとして生まれ変わりませんか。1人では大したアイデアを生み出せなくても、参加者全員が知恵を出し合えばひとつひとつのアイデアの素材が大きくて素晴らしいアイデアに生まれ変わることがあります。

参加者全員でアイデアを出し合い、否定せずそれらについて考え、大きなアイデアを生み出すことこそがブレストの最終目的です。

ブレストをうまく活用する

何より事前準備

ブレストがいくら自由闊達な議論の場であっても、ノーガードで参加するのはいただけません。参加者全員が何を議題にし、そのためにどんなことを話すべきか考えておかないと、その場でポンポンとアドリブが出てくる人ならばともかく、そうじゃない人がほとんどなので、司会者だけの声しかしない沈黙の会議になるのが関の山だからです。

活発に議論を戦わせる場である以上は、お題に沿った自分なりの考えをまとめておくべきです。主催者も、参加者に早めに議題を告知するようにしましょう。参加者全員が自分なりの考えを発表する場所としてブレストが活用されれば、びっくりするくらいにアイデアが生まれてくるでしょう。

「鶴の一声」を持つ人に注意

会議は得てして社内の力関係によって意見が流されがちです。これではブレストの意味もなければ、新しいアイデアなど永久に生まれないでしょう。事前に「ブレストでの意見や発言は、今後のマイナス評価にはならない」趣旨の約束を取り付け、参加者に告知しましょう。

それでも「鶴の一声」を発してしまう人はブレストに参加させないなど、参加者の遠慮や萎縮の念を徹底的に排除するようにしましょう。主催者は、ブレストでの自由な発言が後に尾を引くことが絶対にないように最大限に注意を払いましょう。

誰もが意見を言いやすい空気を保つ

ブレインストーミングは相手の意見を否定しないことが前提です。否定されないことで意見を言いやすいというメリットはあるのですが、その反面、発言者が偏ってしまいがちです。否定されないことをいいことに、言わなくてもいいようなことまでついつい言ってしまうお調子者がでてきがちなのです。

そうなると、他の参加者は会議に醒めてしまい、特定のお調子者ばかりが発言するようになってしまいます。それはそれで意味のない会議になってしまいますから、参加者は1人1人が親しき仲にも礼儀ありを意識して、誰もが発言をしやすい空気を保つようにしましょう。

最後に

ブレインストーミングを直訳すると、「脳の爆発」とか「激しい脳」といった感じになりますが、名前の通り参加者の頭をフル回転させて新しいアイデアを生み出すことを目的としています。時間がない中でも、数多くのアイデアを生み出すことができるので、会議にあまり時間を割きたくない職場でも活用することができます。

主催者は誰もが意見を言いやすいブレストならではの環境を整えるのが最大の仕事です。言葉にするのは簡単ですが、それぞれの性格や関係もありますし、職場によってはとても難しいこともあるでしょう。ブレストによっていつか「歴史的」なアイデアが生み出すべく、本記事を参考にしていただけると幸いです。

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