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Source:3 フリーランスエンジニアが、未経験技術に挑戦するメリット・デメリットや、オファーを獲得するまでに実践したことについて

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2023年01月27日

未経験の技術にチャレンジし、技術の幅を広げることは、エンジニアキャリアにとって非常に有意義なことです。
ですが、フリーランスだと、基本的に経験のある技術・言語を使用する案件から、オファーがくるものです。
一方、工夫次第では、自分が経験したい、未経験の言語や技術の案件に参画できることもあります。
本記事では、筆者自身の実体験をもとに、未経験の技術案件に参画するメリット・デメリットや、オファーを獲得するまでに実践したことなどを紹介します。

※Source・・・
弊社とお付き合いのあるITフリーランスの方や弊社プロパーエンジニアを中心に、
現役のITエンジニアの方の体験談をもとに執筆されたシリーズコラム
 

この記事を読んで学べること

・フリーランスとして未経験の技術の希望案件に入る方法がわかります
・未経験技術を学ぶ際に持っておくべきマインドセットがわかります
・未経験技術の効果的な学習方法がわかります

文字数:約7300文

 

未経験技術案件に参画するメリット・デメリット

未経験技術の案件にチャレンジすることは、多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
メリット・デメリットは、各個人の価値観や状況によって大きく異なりますが、私自身が実体験をもとに感じた点について紹介させていただきます。
未経験技術の案件に参画すべきか、迷われている方の参考になればと思います。

未経験技術案件に参画するメリット

まず、私自身が感じた、3つのメリットについて紹介します。

メリット1 対応可能な案件の幅が広がる

当然ながら、未経験の技術案件に参画すれば、対応可能な案件の幅が広がります。
また、単純な「プラス1」ではなく、キャッチアップした技術によっては、さらに別の技術の習得しやすくなる可能性があります。
(例えば、React案件に参画することができれば、Vueの習得は比較的用意でしょう。)
対応可能な技術・案件の幅を広げることで、将来の選択肢が増え、自分の目指すエンジニアキャリアを実現しやすくなります。

メリット2 中・長期的に見れば、単価アップにつながる

未経験の案件に参画して間もない時期は、高単価の案件につながらないかもしれませんが、中・長期的には高単価案件の獲得に繋がる可能性を高めることができます。
例えば、バックエンドメインで、フロントエンド開発の経験がない(あるいはほぼない)人が、フロントエンドエンジニアとして案件に新しく参画した場合は、求められる技術の経験が少ないことから、大きな単価アップは、あまり望めないでしょう。
ですが、将来的に別の案件に参画する場合は、バックエンド・フロントエンドの両方の経験を評価され、より高単価の案件に参画することができる可能性が高くなります。
未経験の技術案件に参画することで、中・長期的に見れば、単価アップを狙える可能性を高めることができます。

メリット3 技術的好奇心を満たすことができる

新しい技術を習得したり、挑戦したりすることが好きなエンジニアは多いと思います。
私自身、未経験技術に触れることは、技術的好奇心を満たすことができ、非常に楽しく感じます。
勿論、プライベートでの開発でも、未経験の技術に触れることはできますが、案件に参画して、仕事内で挑戦することができるのは、大きなメリットであると言えるでしょう。

未経験技術案件に参画するデメリット

未経験技術案件に参画するメリットを紹介させていただきましたが、少なからずデメリットも存在します。
これから紹介するデメリットは、誰もが当てはまるというものではありませんが、未経験技術案件への挑戦について迷っている方の参考になればと思います。

デメリット1 単価が下がる可能性がある

当然ながら、未経験の技術案件に参画する場合、経験年数が長い他の技術案件に参画した場合に比べて単価が下がる可能性があります。
クライアント側の視点から見ると、必要な技術の経験がないエンジニアに対して、高単価は提示しづらいでしょう。
ただし、メリットでも述べたとおり、中・長期的に見れば、将来的な単価アップにつながる可能性はありますし、最終的な単価の決定はクライアントの企業やプロジェクト次第ですので、思ったほど単価が下がらない(あるいは上がる)ケースもあり得ます。
未経験技術に参画することで、単価が下がる可能性は確かにありますが、中・長期的に見れば、メリットの方が大きくなる可能性も十分にあります。

デメリット2 学習やキャッチアップの手間・労力がかかる

基本的に、新しい技術にキャッチアップするには、それなりの手間や労力がかかるため、プライベートの時間に学習する必要がある場合は多いでしょう。
経験を積んだエンジニアであれば、未経験の技術にキャッチアップすることは、そんなに難しいことではないと思いますが、それでも、ある程度の手間・労力は必要になってくるかと思います。
個人的には、学習の手間を欠けても、挑戦すべき技術かどうかについて、以下の4つの基準で判断しています。

  • 自分のキャリア形成にとって、重要な技術かどうか
  • 単価アップにつながるか
  • 将来性や汎用性があるか
  • 技術的好奇心を持つことができるか

エンジニアにとって学習しておいた方が良いことは山ほどありますので、ある程度自分の中で優先順位をつけて取り組むべきです。
自分にとって学習・挑戦すべき技術なのかどうか、見極めておくことが大切です。

デメリット3 案件参画後に、キャッチアップできるか心配になる

もしかしたら、これが一番のデメリットかもしれません。
きっと、未経験の技術案件に参画する時、多くの方が、「上手くやっていけるだろうか」と、心配になったり、ストレスを感じたりするでしょう。
不安な気持ちを解決する方法としては、やはり、事前に学習を進めておくことことが大切です。
事前に学習を進めておけば、その分、不安や心配事は少なくなります。
それに、自分で学んでキャッチアップしようという意欲のある方であれば、初めの頃は大変なことも多いかもしれませんが、最終的には案件内で、良いパフォーマンスを発揮できる可能性が高いでしょう

フリーランスエンジニアが未経験の技術案件に参画できるパターン

本節では、私自身が、未経験の技術案件参画することができた時の状況について、パターン別に紹介します。
言語・フレームワーク・インフラ・ツール等、色々な技術の話が混ざった経験談になりますが、参考になれば幸いです。

1. 経験したことがある言語のフレームワークを使用するパターン

こちらは、比較的よくあるパターンだと思います。
「フレームワーク自体は未経験だが、使用言語の経験がある」場合、高い確率で未経験フレームワークの案件に参画できるでしょう。

私自身、以下のようなパターンで、オファーをいただいたことがあります。

  • JavaScriptの経験あり
  • Vue.js 案件のオファー獲得
  • React.js 案件のオファー獲得
  • PHPの経験あり
  • CakePHP 案件のオファー獲得
  • FuelPHP 案件のオファー獲得
  • Python の経験あり
  • Flask 案件のオファー獲得

言語自体の経験があれば、未経験フレームワークを使う案件に参画できる可能性が十分にあると思います。
私自身、JavaScriptのフレームワークの経験がなかった時に、VueやReact案件のオファーをいただくことができました。

勿論、言語とセットで、別のフレームワークが経験が併せてある場合は、さらに案件獲得の確率が高まるでしょう。
(例えば、LaravelエンジニアがCakePHP等の案件に参画することは比較的容易ですし、DjangoエンジニアがFlask案件に参画する場合も同様です。)

2. 言語は未経験だが、似ているフレームワークの経験があるパターン

私の周囲のエンジニアには、このパターンで未経験技術案件に参画が決まった方が多い印象でした。

具体的には、「Laravel 経験のあるエンジニアが、Django案件に参画するパターン」などが挙げられます。
LaravelもDjangoも、MVC(MVT)フレームワークということで、共通点が多く、比較的キャッチアップが容易であるため、オファーをいただける可能性があるパターンです。

よろしければ、関連記事「Laravelエンジニアが、Djangoに挑戦した感想と体験談」もご覧ください。

3. 未経験の技術以外に、他の使用技術の経験があるパターン

特定の技術は未経験であっても、他の技術の経験があるプロジェクトであれば、オファーをいただける可能性は高くなります。
例えば、「バックエンドで使用するフレームワークは未経験だが、フロントエンドとインフラで使用する技術の経験がある」場合などです。
一部の技術の経験がなかったとしても、総合的な経験値を評価いただけることは多くあります。

私はバックエンドメインのエンジニアなのですが、フロントエンドとインフラの経験をなるべく多く積むよう意識していたため、手前味噌ながら比較的多くの案件のオファー獲得につながったと実感しています。

フロントエンドであれば、JavaScriptと、ReactかVueの経験があれば、かなり対応可能な案件の幅が広がるかと思いますので、早めに経験しておくことがおすすめです。

インフラについては、AWSの経験を求められるパターンが非常に多い印象です。基本的なネットワーク・サーバー・Linuxの知見は前提ですが、AWSの色々なサービスの使用経験があると、案件探しの際に有利になるでしょう。

4. 個人開発アプリなど、ポートフォリオがあるパターン

デザイナーの場合は、ポートフォリオが評価されて案件獲得につながることは多いそうですが、フリーランスエンジニアの場合は、こういったケースはあまり聞きません。理由としては、エンジニアの場合、個人開発レベルだと「実務経験あり」とは判断されず、案件参画経験が強く求められる傾向にあるからでしょう。

ですが、私自身は、未経験の技術を使用して個人でアプリ開発をし、それが評価につながって複数の案件からオファーをいただいた経験があります。稀ではありますが、フリーランスエンジニアの場合も、ポートフォリオが評価されるパターンが、あり得ない訳ではありません。

ただ、ポートフォリオとして使用する場合は、商用レベル、もしくはそれに近い作り込みと、先方の企業様から「案件参画可能」と判断される程度の技術力の証明が必要になるでしょう。

面談の中で、技術力を客観的に証明するには、ポートフォリオの機能や設計を見せたり、先方からの技術的質問に自分なりの意見・見解をもって回答できることが重要です。

個人で、それなりの機能があるアプリを開発する工数を考えると、比較的難易度は高いパターンではありますが、未経験の技術を使用して何らかのアプリを作ってみたいと考えている方は、フリーランス案件獲得も同時に視野に入れても良いかもしれません。

※よろしければ、関連記事「個人開発のサービスをリリースするために準備したこと」もご覧ください

未経験技術の学習方法

エンジニアの方であれば、新しい技術の学習をする際は、それぞれのやり方や方針をお持ちの場合が多いと思いますが、私が個人的に実践している学習方法をご紹介します。
特定の技術に精通するためには、数年単位で当該技術の案件に参画するのが望ましいですが、ここでは、未経験の技術案件に参画するために必要な最低限の技術レベルまで、効率よく学習することを目的とした方法を紹介します。
あくまで一例ではありますが、参考になれば幸いです。

1. 動画視聴教材の視聴

はじめに、学習したい技術の動画教材を視聴します。
私の場合、以下の理由から、学習初期は、書籍等ではなく、動画教材を使用しています。

  • 視聴するだけであれば、文字ベースの教材に比べて、確実に早く終えることができる
  • 動画であれば、コーディングの様子や、UI・UXの動きなども確認することができる
  • 文字ベースの教材に比べて、全体的な概要やイメージがつかみやすい

私自身が、初回に動画を視聴する際は、『全体像やイメージをできるだけ早くつかむこと』を目的としているため、分からないことがあっても、致命的なものでなければ、振り返らずそのまま一気に最後まで観るようにしています。(そもそも初見で全て理解できることは現実的に難しく、動画視聴後半になってから理解できることも多くあります。)

また、基本的には、動画教材は一周しか見ません。(特別気になる箇所だけ、ピンポイントで見返すことはあります。)

動画の内容を見てプログラムを書くことは、この段階では基本的にはせず、後述の「簡単なアプリを作成」の段階になってから、手を動かすようにしています。

なお、動画教材はいつも Udemy で購入したものを使用しています。
セールの時や初回入会時は、非常に安く動画教材を購入することができる上、教材の種類も多いため、おすすめです。

Udemy

2. 簡単なアプリを作成

動画教材の視聴が終わったら、簡単なアプリを作成します。

私の場合、Webフレームワークの学習をする時は、お問い合わせページつきのWebサイトを開発することが多いです。
複数のページのあるWebサイトを開発することで、ルーティング・テンプレート作成の基本や、お問い合わせページで入力した内容をデータベースに保存する方法などを、実際に開発しながら学びます。
かなり基本的な内容ですが、これだけでもある程度、フレームワーク等の基本やクセを学ぶことができます。
時間があれば、もう少し自分で考えた機能を追加実装することもあります。

開発というアウトプット形式の作業を実践すると、知識や技術の定着が非常に早いです。
分からないところは、その都度調べるようにしていますが、何度も同じところにつまづき、繰り返し調べるため、嫌でも知識・技術が定着していきます。

分からないことを調べる際は、初めに視聴した動画を見直すこともありますが、後述の「書籍やサードパーティの記事を参照」をすることが多いです。

3. 書籍やサードパーティの記事を参照

前述のアプリ作成の段階では、分からないことが出てきたら、書籍やサードパーティの記事を参照することが多いです。

書籍は、なるべく初学者向けのものを購入しておき、分からないことがあったら辞書がわりに参照しています。
全体像は、動画視聴時点で掴めているので、分からないところをピンポイントで調べる目的で書籍を参照します。

また、サードパーティの記事を検索して参考にすることもあります。
書籍や公式ドキュメントに比べて正確性は劣りますが、分かりやすさや情報量の多さというメリットがあるため、書籍と並行して参照することが多いです。

4. 公式ドキュメントを参照

公式ドキュメントも、動画視聴後は積極的に見るようにしていますが、はじめのうちは、書籍やサードパーティの記事の方が理解はしやすいです。
ですが、先を見据えると早い段階で公式ドキュメントの内容に触れておいた方がよいため、書籍やサードパーティの記事だけでなく、並行して公式ドキュメントをチェックするようにしています。
分からないことがあったら、書籍などを参照しつつも、公式ドキュメントの記述もチェックしておくイメージです。

補足: 学習の失敗体験について

新しい技術の学習において、私が失敗してしまったことは、「一度に複数の技術を学習したこと」です。
具体的には、VueとTypeScriptの学習を同時に進めたのですが、これは非常によくない学習方法であったと反省しています。
複数の技術を同時進行で学習することで、それぞれの知識が混ざってしまい、自分の中で混合してしまったからです。
当時の私は学習の効率を重視するあまり、言語とフレームワークの学習を同時に進めてしまったのですが、もし今、同じような状況になったら、「一度に学習する技術は一つに絞る」ようにしようと思います

お客様との打合せ

未経験の技術案件に参画するためには、先方の担当者の方や技術者の方に、「案件で使用する技術の経験はないが、良いパフォーマンスを発揮してくられそうだ」と、感じていただく必要があります。
本節では、打合せで良い評価をいただくために、私自身がやって良かったと思うことや、打合せのコツなどを紹介します。

1. 未経験技術についての学習

当然ながら、未経験の技術であるため、ある程度自己学習を進めてから打合せに望んだ方が良いです。
場合によっては、当該技術の学習経験がない場合でも、オファーをいただける場合はありますが、打合せの時点で学習経験がある方が、確実にオファーをいただける可能性は高まります。
私自身、今までは打合せ時点で既に学習を進めていたことが多く、キャッチアップ対する意欲や、未経験技術に挑戦したい気持ちを、評価していただくことができたと実感しています。

2. 打合せでよく聞かれることと、話すコツ

未経験技術の案件の打合せでは、以下のようなことを、頻繁に聞かれました。

  • 当該の未経験技術に挑戦したいと思った理由
  • (学習した場合は)学習した内容や方法
  • 当該技術の特徴や、他の技術との違い等

打合せを通じて、上記について答えられると、打合せ時に先方の技術者の方から良い印象をもっていただけることが多いです。

質問に答えるコツとしては、打合せだからといって、変にかしこまったり、緊張したりしないことです。
知人のエンジニアに対して、自分が興味をもったことや、勉強したことを話す時のような気持ちで話すことが大切です。
勿論、打合せはオフィシャルな場なので、カジュアル過ぎる話し方はNGなのですが、ここで重要なのは、自分の素の気持ち・感じたこと・意見を言う姿勢が大切だと言うことです。

エンジニアの方は、基本的に技術に関する話が好きなので、未経験技術に対する意欲・学習内容・技術的知見などの話題で盛り上がり、先方の方から「一緒の現場で働いてほしい」と思っていただければ、オファーが出る可能性は非常に高くなります

まとめ

本記事では、フリーランスエンジニアが未経験の技術案件に参画することについて、筆者自身の体験談を交えながら、紹介させていただきました。
私は、フリーランスという働き方の大きな魅力の一つとして、「自分自身が主体的にキャリアを選択・形成することができる」という点が挙げられると思っています。
自分のやりたいことや、実現したいキャリアに向かって進むことができるのであれば、例え、未経験の技術や分野であっても積極的に挑戦する価値があるでしょう。
本記事の内容が、未経験の技術に挑戦する方の参考になれば幸いです。

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株式会社フォスターネット CV課 keiei-kikaku@foster-net.co.jp

[ 寄稿者 ]
パッタナー株式会社
代表取締役社長
佐藤寛人

・都内で特別学校の教員として9年間業務に従事。在職中、JICA青年海外協力隊にてタイ派遣を経験。
・2020年4月から、プログラミングを学習しITフリーランスとして活動

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