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人気のWebアプリ開発会社へ就職・転職を成功させるには

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2017年02月08日

2015年11月12日の記事を再構成(文言の追加)をして作成した最新記事です。

今や電車に乗ると車内に座っている乗客の9割以上がスマートフォンの画面にくぎ付けと言っても過言ではありません。

これだけの人が同じことをしている景色はある意味、壮観ではありますが、その大部分がゲームやSNS、ニューサイトなど何らかの「アプリ」を操作しています。

街を歩けば、スマホの操作に夢中で周囲を顧みない人に「危ないな」と感じさせられることも度々ではないでしょうか。これらを例にとっても、スマートフォンは、地域や老若男女を問わず幅広く普及しているデバイスであると言えます。

そして、彼らの心を掴んで離さないのが多種多様の嗜好に合わせた膨大なアプリです。それらはスマホの枠に収まらず、PCやタブレットの垣根さえ取り払おうとしています。

アプリは、携帯電話を電話やメールと言った単なる通信手段から、仕事や日常生活で欠かせない必需品にまで引き上げました。こうした世の中の動きに呼応するように、現在、Webアプリ開発会社には20代を中心とする若いエンジニアの応募が殺到しています。

アプリの利便性を享受している世代が、自身もこの道で生きていきたいと思うのは当然の成り行きかも知れません。今回は、今人気のアプリ開発会社を取り巻く現在地と就職・転職について考えてみました。

アプリ開発もそんなに甘いものではない

1969年代に有人月面着陸を果たしたアポロ11号に搭載されていたコンピューターは、当時の最先端技術を結集したものでしたが、半世紀近くを経た現在の家庭用パソコンのスペックに遠く及ばないようです。

いささか大袈裟な話かも知れませんが、この歴史的快挙は、私たちが手にしているパソコンやモバイル端末は、ロケットを宇宙に飛ばすほどのポテンシャルを持っていることを示唆し、極論すればパソコン一台あれば形にすることができるWebアプリは、その彼方に際限なく拡がる可能性を予感させてくれるものなのです。

しかし、それだけに参入障壁が低く、まるでゴールドラッシュのごとく一攫千金を目指す野心家が群雄割拠する世界で生き残るのは、決して簡単なことではないのです。

~収益を上げられているのは2011年の時点で14.1%~

やや古い調査になりますが、2011年、インプレスR&Dが、モバイルアプリ市場の動向を探るために実施した「世界のモバイルアプリ市場調査報告書2011」によると、アプリを提供している企業や個人にこの時点で14.1%が「事業として収益をあげられている」答えています。

スピードの速い業界ですので、現在はこの数字はかなり改善されていると思われますが、少なくとも「やれば儲かる」「出せば儲かる」というバラ色の業界ではないことは確かです。それでも、今最も時流に乗っている業界に若いエンジニアが挑戦する思いは分からなくはありません。

若いからこそエネルギーを注げることもありますし、何より今こそが「旬」であるからです。ただ、やはり成功して収益を上げられるようになる確率はそう高くはありません。猪突猛進の姿勢も時には必要ですが、アプリ開発にのめりこむリスクや、いざというときに撤退のタイミングなども少なからず考慮に入れて考える必要があります。

大手指向の強まりと中小企業の生き残り策

2015年10月27日に帝国データバンクよりリリースされた「特別企画:システム・ソフトウエア開発業者の倒産・経営動向調査」では、圧倒的多数を占める中小のシステム・ソフトウェア開発業者がおかれた現状について次のように述べています。

一定の業歴や売上規模に達していない事業者との新規取引については、特に慎重な対応がとられやすく、まとまった資金調達が難しく事業拡大に時間を要する業種とも言える。

加えて、システム開発という業種柄、守秘義務契約のもとで進められる案件も多く、上場企業、大手企業などと取り引きを開始できても、その事実を対外的に公表できず、信用拡大を図ることが難しい場合もある。

 

IT関連の起業ブームが一段落し、当時の新興企業が大手となり、また既存の大手電気機器メーカーが次々と同じ土俵に立ったことにより、物量と資金力を前に中小企業が苦戦を強いられている現状が浮き彫りとなっています。この大手指向は、近年取り沙汰されているセキュリティーやコンプライアンスの問題と相俟って、ますます安定志向に拍車がかかることが予想されます。

中小のWebアプリ開発会社が生き残る策は、新興IT起業がIT革命の火付け役となったように、ニッチな分野を察知し、そこでいち早く勝負できるかが大きなカギを握っています。もし、Webアプリ開発会社への就職・転職を考えているのであれば、あえてブルーオーシャンに舵を切ることのできる企業文化があるかは大きな決め手となることでしょう。

将来に渡ってトップランナーで居続けるためには?

子どもの将来の夢と言えば、男の子は「スポーツ選手」、女の子は「食べ物屋さん」が定番でした。しかし、任天堂のファミリーコンピュータに代表される家庭用テレビゲーム機が大ヒットを記録した80年代、「ゲーム関係の仕事」を夢見る子供たちが爆発的に増えました。

その頃の夢を純粋に追い求めていた結果、現在アプリ開発に携わっている人もいるそうですが、その多くは夢を諦め、または夢破れ、今はコントローラーをスマホに持ち替えて一人のユーザーとして日々を過ごしています。彼らが大人になる頃には、テレビゲームの時代は盛りを過ぎていたのです。

すなわち、アプリ開発は今をときめく旬の分野ではありますが、必ずしも明るい未来が約束されているわけではないことを肝に銘じる必要があるでしょう。

しかしながら、かつて小銭を握って通いつめたゲームが家の中で、やがて持ち運びができるようになり、現在は小さなスマートフォンで時間と場所を選ばずに楽しめるようになりました。

もちろんアプリの進化はゲームばかりではありませんが、このように連綿と受け継がれてきた技術革新に後れを取ることなく、常に便利なもの、より良いもの、より面白いものを追求し続けるマインドを持ち続けられるかが将来に渡ってトップランナーであり続けることのできる最大の秘訣なのです。

ヒット商品を出す以上に出し続けることの方が大変

伝説として語り継がれるほどの爆発的なヒット商品となったゲームソフト「ぷよぷよ」の生みの親である仁井谷正充さんが現在、アパート暮らしでアルバイト生活をしている様子がテレビ番組で取り上げられていました。全盛期は年商70億円を誇った株式会社コンパイルも泡沫の夢のごとくに消え去ってしまいました。

最大の原因は「ぷよぷよ」以降のヒット作を作れなかったことにあります。この境遇にあっても仁井谷さんは、ひとりで日夜新商品の開発に励んでいるのだとか…。

この教訓は、現在のWebアプリ業界においてもぴったりと当てはまります。ヒットを出すのは大変なこと、そして次のヒットを出し続けるのはもっと大変なことだと言えるでしょう。

Webアプリに関わる開発とお金の話

Webアプリは、2014年現在の登録数が、Androidで143万点、App Storeが123万点と驚くべき数にのぼります。これだけの数になるとユーザーはそれだけ「肥えた目」を持つようになっていると言うことができます。

とするとユーザーは、その肥えた目でアプリに利便性と真新しさを渇望する要求するようになり、いちエンジニアの手に負えるレベルではなくなってきているのが現状です。

また、企業側にとっても提供するサービスに最適化されたアプリを持っていれば、それだけでも顧客の信頼を得られるばかりか、登録者の属性や購入履歴等のデータベースは、今後のビジネス展開を占う大きな財産となるのです。

ある会社が、スマホアプリ開発の見積に関する勉強会を開いたところ、同じ機能と要件を提示したにもかかわらず参加者が出した見積額には1000万円以上の開きがあったそうです。いずれの参加者の見積も、同じ単価で計算されていましたが、金額が開いた大きな理由は「データベースの取り扱い」でした。

ユーザビリティーを高めるほど工数と時間がかさみ、費用も高額となっていく傾向を見て取ることができます。このように、ユーザーの要求に応えるほどアプリの開発費用が高騰する一方で、個人経営の店舗など費用をかけられない一向けに、基本機能をテンプレート化して費用を抑えるサービスも続々と誕生しています。

転職市場は超売り手市場、経験者は優遇される

現在、スマホ向けゲームのCMを見ない日はないほど、その人気は過熱しています。そのため、Webアプリ開発会社は人材不足が顕著となっています。なおかつ短期間で成長した市場であることから経験者も思ったほど多くはなく、空前の「超売り手市場」となっています。

当然のことながら、スマートフォンアプリ開発環境の知識があり、iPhoneやAndroidのアプリ制作経験者が即戦力として歓迎される傾向にあります。また、開発経験が少ない場合も、PHPやPerl、Javaなどのオープン系開発環境に関する知識があればチャンスは十分にあります。

OSによってそれぞれ求められるスキルがある

アプリ開発エンジニアに求められるスキルは、OSによってそれぞれ異なります。見た目上は、様々なOSやデバイスに対応しているアプリも、内側では様々な言語が行き交っているというのが現状なのです。

まず、iPhoneの場合は、C言語の一種であるObjective-Cを使用し、Appleが提供しているXcodeなどを開発環境として提供されています。

一方、Androidは開発言語にJavaを使用しており、EclipseなどのJava用IDEを使いこなせるスキルが最低条件です。また、先の二つのOSと比較すると普及に後れを取っている感がありますが、Windows Phoneの場合は、独自の開発環境が提供されており、開発言語にはC#とVisual Basicが採用されています。

現在、それらの環境に触れることのない職場であっても、スマートフォンアプリの開発環境は広く公開されているので独学でもかなりのレベルまで習得が可能です。どの業界もそうですが、やはり転職で断然有利なのはその道の経験者でありスペシャリストです。

未経験もしくは同業界へのキャリアチェンジでアプリ開発への道を志すならば、独学でもできうる限りの労力を割いてでもこれらの開発言語やアプリ制作のスキルを身に付けておく必要があるでしょう。

企業タイプ別に転職を考える

2000年代はじめのいわゆる「IT革命」と言われた時代、IT業界では多くの若手起業家が誕生し、時代の寵児として注目を集めていたことがありました。彼らは、PCや携帯電話の普及に伴うライフスタイルの劇的な変化をいち早く察知し、事業に成功し財をなしました。

しかしながら、それから10年が過ぎた今、多くの企業が淘汰され、自身が時代の変化を察知して伸し上がってきたのと同じように時代の変化に対応し続けた企業のみが生き残りました。

ジャンルこそ違っても同じIT業界、現在のアプリ開発企業にもあのときと同じように、若い経営者が目まぐるしく変化するトレンドに翻弄されながらも生き残りをかけた戦いを繰り広げています。

Webアプリ開発は今、超人気の職種とは言え、「一寸先は闇」の世界です。就職や転職を考えるのならその点を十分にふまえた上で、会社選びをすることが肝要です。アプリ開発が本業一本で勝負を挑んでいる企業は、開発に集中できる環境が整っているとはいえ、ブームが去れば一気に収縮してしまうハイリスク・ハイリターンな勝負を挑んでいるといえます。

一方、アプリ開発にとどまらずIT関連の様々な業種を手掛けている企業であれば、いざブームが去っても食いぶちを失う心配がない点では安心して働ける環境にあるといえます。しかし、年齢が若く、かつITに関する広範な知識を持った人材が揃っており、転職市場においても狭き門になっています。

また、アプリ開発の業界への転職で見逃せないのが、この業界の企業の多くが若くて勢いのあるベンチャー企業であり、当然のことながら経営者も若い人が多いことです。いくらアプリ開発に関する経験やスキルを身に付けている人でも、経営者との世代間ギャップはトラブルの元になることもあるようです。

もし、経営者が自分より若く人生経験が浅い人であった場合でも暖かく見守り、ときに優しくいさめるなどの「大人の器量」も求められるのです。

最後に確認して欲しいポイント

今後、スマートフォンが進化発展を続けていく限りアプリ開発の業界は拡大し、転職市場でも人気を集め続けることが予想されます。それだけに多くの企業が過酷な生存競争を繰り広げているのが現状です。

アプリ開発の世界を目指す人は、その現実を受け止め、メリットとデメリットを十分に考えた上で行動を起こすようにしてください。

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