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【2023年度版】AWSの概要・最新サービス・資格一覧をまとめ解説

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2023年07月11日

AWSサービスは非常に多くのサービス・アプリケーションで利用されているものです。そのため、AWSを扱うことができるエンジニアの需要は高くなっています。実際に案件数が多く、単価も高いためこれからエンジニアになる方におすすめです。

しかし、実際にAWSエンジニアになるためにはAWSの概要や必要なスキルを確認することが必要です。ここではAWSの概要や代表的なサービス、活躍するために必要なスキルをご紹介しています。AWSエンジニアをご検討中の方は、ぜひご確認ください。

・AWSの特徴

・AWSの代表的なサービスと最新サービス

・AWSエンジニアの需要

・AWSエンジニアとして活躍するために必要なスキル

AWSとはどのようなサービス?

そもそもAWSとはどのようなサービスなのでしょうか。ここでAWSが人気である理由やできることを確認していきましょう。

AWSの概要

AWSはAmazon Web Serviceの略称です。名称に入っているとおり、Amazon社が提供しています。

AWSはクラウド型サービスであり、サービス数としては大きく分けて90以上、細分化すると700以上と種類が非常に多いサービスです。クラウド型サービスであることからユーザーはサーバ設備を新たにそろえる必要がなく、比較的容易にサービス導入をおこなえます。

また、AWSは2006年と古くから提供が開始されました。このようにAmazon社が提供していること、歴史があることから信頼度も高いサービスです。

 AWSでできること

種類が多く、信頼度が高いAWSですが実際にどのようなことができるのでしょうか。AWSでできることとしては以下の2つに大別されます。

 サービス系

サービス系AWSでは以下のようなことがおこなえます。括弧内はその項目における代表的なサービスです。

・サーバ環境構築:仮想サーバの作成(例:Amazon EC2)
・データ保存:大量のデータをクラウド上に保存(例:Amazon S3)
・コンテンツ配信:静的コンテンツの配信(例:Amazon S3)
・データベース利用:フルマネージドのデータベース利用(例:Amazon RDS)
・専用回路:AWSの環境に対して専用線接続(例:AWS Direct Connect)
・セキュリティ対策:AWSのセキュア利用(例:Amazon Inspector)

 プラットフォーム系

プラットフォーム系でできる主な機能は以下のとおりです。

・AI活用/データ分析:Amazonが保有しているAIの利用(例:Amazon Personalize)
・ワークフロー管理:AWSの処理をワークフロー形式で管理(例:Amazon Simple Workflow)
・メール/通知:大量のメール送信(例:AWS SES)
・開発:AWSを用いた開発の補助(AWS Code Star)

 AWSを利用しているウェブサイト数

前述のとおり、AWSは需要が非常に高くさまざまなサービス・アプリケーションに利用されているサービスです。実際にシェア率を比べると下記のようにトップシェアを誇っています。(2020年時点)

・1位:AWS(Amazon):34.6%
・2位:Azure(MicroSoft):18.1%
・3位:GCP(Google):6.2%

さらに、アクティブなウェブサイトは900万以上となっています。実際に利用されているウェブサイトとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 任天堂株式会社(Super Mario Runのインフラ構築にAWSを採用)
  • 全日本空輸株式会社(予約・発券・運用実績など大量のデータを扱うためにデーウェアハウスをAmazon Redshiftに移行)

このようにAWSは誰もが知っている有名な企業でも導入実績があるサービスです。また、上記の事例はどちらも日本企業であるため、世界で利用されているサービスであることもわかります。

AWSの特徴

AWSはなぜ多くのサービスやアプリケーションで利用されているのでしょうか。ここでAWSが持っている代表的な4つの特徴について確認してみましょう。

特徴①従量課金制

AWSは使用した分の料金のみを支払う従量課金制を採用しています。従量課金制は使用した量のみを支払うため、無駄なコストが生じません。コスト削減は提供者からすると重要な観点であるため、従量課金制に対する評価が高くなっています。

また、従量課金制である事から機能が不要になった、サービスを一時的に停止したいなどに対して柔軟に対応が可能です。具体的な使用料金は公式サイトに無料の料金計算ツールが掲載されています。一度AWS公式サイトをのぞき、料金感を把握しておきましょう。

特徴②高いセキュリティ性

AWSはAmazon社が提供していますが、AWSにはAmazonのECサイトに利用されているセキュリティ対策がそのまま利用されています。AmazonのECサイトは世界中で利用されているためセキュリティ性が非常に高いです。

また、Amazon社は世界中にデータセンターを設置しており、障害発生時には別のエリアのデータセンターへ自動的にデータが移動するシステムを搭載するなど非常時での対策も取られています。

さらに、アップデートはAmazon社がおこなっていき、自社でセキュリティアップデートをおこなう必要がないことも高いシェア率を誇っている理由の1つです。

特徴③高い柔軟性・拡張性

AWSは機能の追加や停止を柔軟におこなうことができます。例えば、営業時間外でのサーバ停止、キャンペーン開催などアクセス増加が見込まれるタイミングでは容量を増加するなどが可能です。

このようにAWSは柔軟性・拡張性が高いことから自社サービスの変化にも容易に対応ができます。そして、近年では需要や技術の進歩などに合わせてシステム変化させること多いため、AWSの柔軟性・拡張性が役に立つ場面が多くなっているのです。

特徴④豊富なサービス数

AWSのサービス数は2023年1月時点で234個と非常に多くのものが提供されています。カテゴリ分類としても22つのものがあり、自社サービスに必要な機能を選定し、機能搭載することが可能です。各カテゴリにおけるサービス数ランキングは以下のようになっています。(2020年時点)

1位:Machine Learning (31サービス)

2位:マネジメントとガバナンス(25サービス)

3位:セキュリティ・アイデンティティ・コンプライアンス (20サービス)

4位:IoT (16サービス)

5位:デベロッパーツール(15サービス)

6位:分析 (13サービス)

6位:コンピューティング

6位:ネットワーキング

AWSの代表的なサービスと最新サービス

AWSは代表的なサービスにくわえ、現在でもさまざまな最新サービスが開発・提供されています。ここで多くのサービスで用いられている代表的なサービスと最新リリースであるサービスの2つを確認してみましょう。

代表的なサービス

ここでは代表的なAWSサービスを9つご紹介します。

Amazon EC2

Amazon EC2は仮想サーバサービスです。Amazon EC2を利用することで従来のような物理サーバや環境の構築作業をする必要がなく、比較的手軽に仮想サーバを用意することができます。

代表的な機能は以下のとおりです。

・インスタンス(必要なスペックに応じてOS,ストレージ容量を決定して仮想サーバを作成、インスタンスの負荷に応じて自動的にインスタンスを増やす・減らすなど)
・セキュリティグループ(仮想ファイアウォール機能の搭載によりセキュリティ保護を実現)
・ログイン管理機能(ログイン情報を公開鍵暗号方式で管理し、パスワード認証よりも高いセキュリティを実現)

Amazon S3

Amazon S3はストレージサービスです。S3を利用することでストレージの冗長化やディスク管理を考慮する必要がなくなり、サービス開発本来の業務に集中することができます。

代表的な機能は以下のとおりです。

・バージョニング(単一のデータであっても複数のバージョンを保持できることから、誤った上書きや削除が起きても復元が可能)
・ライフサイクル(S3内のデータの利用状況に応じてデータの自動削除、安価プランへの移行などが可能)
・静的コンテンツのホスティング(別途ホスティング用のサーバを用意することなくWebサーバのような性的なWebサイトの公開が可能)

AWS Lambda

AWS Lambdaはサーバレスサービスです。サーバレスとはプログラムの実行にサーバを介する必要ないことを指します。

そして、AWS LambdaではコードをLambda関数として記述・登録し、ZIPファイルもしくはコンテナイメージとしてアップロードするだけで自動実行することが可能です。このことからサーバ管理の手間から解放され、業務をより円滑にすることができます。

さらに、AWS Lambdaはクラウドサービスの利用状況を自動調整することからサーバに関わるコストの削減が可能です。

Amazon RDS

RDSとはRelational Database Serviceの略称であり、データベースサーバの構築に必要なサーバ購入・設定・OSインストールをすることなくデータベース構築が可能なサービスです。

ンフラ基盤の運用やライセンス管理などをAWS側が担当しているため、運用・保守にかかる負担を削減することも可能です。このようにAmazon RDSはフルマネージドで管理負担を抑えることができることから人気が高くなっています。

AWS CLI

AWSサービスはさまざまなものが提供されているため、管理が難しくなってしまうことがあります。そこで、AWS CLIはAWSサービスを1つのツールで制御することができ、ヒューマンエラーを防止することが可能です。

実際の使い方としてはコマンドをスクリプトにまとめることで繰り返し処理、AWS間の制御を自動化となっています。AWSエンジニアとして単独のサービスの導入でなく、運用・保守も担当する場合には利用する可能性の高いサービスです。

Amazon CloudWatch

Amazon CloudWatchは各種サービスの状態を監視するサービスです。監視・ログ収集・分析・アラーム発行・イベント管理などの機能が搭載されています。とくに、障害の起こる可能性の高いシステムの検知機能は評価が高い機能です。

Amazon CloudFront

Amazon CloudFrontはコンテンツ配信が簡単におこなえるサービスです。現在、多くの企業があらゆる形でコンテンツ配信をおこなっています。そこで、本サービスを利用することで動画・画像・データ・アプリケーションとあらゆる形でのコンテンツ配信をAWSを通じて配信することが可能です。

また、AWS全体が持っている安全性と高速性の両方はコンテンツ配信で重要視されているため、その点でも利用がしやすいサービスです。

Amazon SageMaker

Amazon SageMakerは機械学習のモデル構築やトレーニングをサポートするツールです。機械学習をシステムに導入するためにはサーバ管理やシステム障害時における対応が必要ですが、本サービスはマネージド型サービスであるためこれらの必要がありません。

さらに、Amazon SageMakerには以下の3つの特徴があります。

・特徴①推論費用を75%削減
・特徴②ペタバイト規模の機械学習が可能
・特徴③最大10倍(他サービスとの比較)のパフォーマンス

Amazon Simple Email Service

Amazon Simple Email Serviceはクラウドベースのメール送信サービスです。本サービスは大量のメールを送信することができるため、購入情報の確認やお知らせなどを不具合なく送信できます。

本サービスはISO、HIPAA、FedRAMP、GDPRなどからの認定を受けており、第三者からもしっかりとした評価があるサービスです。

最新サービス

AWS公式サイトに掲載されている最新サービスには以下のようなものがあります。

AWS APPSYNC MERGED API

AWS APPSYNC MERGED APIはサーバレスサービスであり、2023年5月25日に発表されました。本サービスを用いることでGraphQL APIの構築・管理・監視・セキュリティ保護が容易におこなえます。

AMAZON AURORA I/O-OPTIMIZED

AMAZON AURORA I/O-OPTIMIZEDはストレージ構成サービスであり、2023年5月11日に発表されました。本サービスの特徴としてはストレージIOに関する新しい設定・料金体系(Aurora DBクラスターへの読み取りと書き込みのI/O操作に対する追加料金が発生しない)が挙げられています。

また、公式発表によると、最大で40%のコスト削減が可能なため、コストを抑えたい企業に向いています。

AWSエンジニアの需要

AWSは需要が高いですが、AWSエンジニアの需要はどうなっているのでしょうか。ここでAWSエンジニアのほうに目を向けて確認していきましょう。

AWSに関する案件数

フリーランスサイトでAWSの案件を確認すると、案件数は総じて多いです。ただし、具体的な案件内容はかなり細分化されているため、AWSのどのようなサービスを扱えるのかによって受注の可否が異なっています。

AWSと一口に言っても業務が多岐に渡るため、AWSエンジニアを目指す際にはどのような業務に携わるエンジニアになりたいのかを考えておきましょう。

フリーランスAWSエンジニアの平均年収

AWSエンジニアの平均年収は会社員の場合580万円程度フリーランスの場合800~900万円程度です。AWSエンジニアの平均年収インフラエンジニアと比較しても高い傾向にあります。

実際にフリーランス向け案件サイトにて単価を調べると以下のようになりました。(2023年6月18日時点)

平均単価

最高単価

最低単価

77万円

165万円

27万円

AWSエンジニアとして活躍するために必要なスキル

AWSエンジニアとして活躍するためにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。ここで代表的な3つのスキルについて確認し、現時点で培われているのかどうか確認しておきましょう。

AWSの知識と経験

ここまで説明したとおり、AWSはサービス数が非常に多くなっています。そのため、どのサービスを利用していくべきかを選定する能力が必要です。そして、そのためにはAWSサービスに対する幅広い知識を持っていなければなりません。

インフラ構築スキル

AWSエンジニアはインフラ構築が主な仕事となるため、インフラに対する知識も必要です。インフラエンジニアからAWSエンジニアへの転向以外の場合はインフラの基礎知識を習得しておきましょう。また、仮想インターフェースに関するスキルが求められることも多いため、こちらも学習しておくべき事項です。

ミドルウェアの知識

基幹システムやWebアプリ開発に携わる業務ではミドルウェアの知識が必要です。とくに、代表的なミドルウェアであるLinuxなどのOS、Web・アプリケーションサーバー、RDBMSなどの関連知識があると業務がスムーズになります。

 WSは公式が提供している資格試験があります。これらの資格があると知識・スキルの証明をおこなうことができ、フリーランスでも仕事が受注しやすくなります。

資格名称と難易度一覧は以下のとおりです。ただし、難易度に関しては現在のスキルなどによっても左右されるため参考程度にご確認ください。

コース

名称

難易度

基礎コース

Cloud Practitioner

アソシエイト

Solutions Architect

SysOps Administrator

Developer

プロフェッショナル

Solutions Architect

DevOps Engineer

専門知識

Advanced Networking

Data Analytics

Database

Machine Learning

Security

SAP on AWS

基礎コースは初学者向け、アソシエイトは1年間以上の実務経験がある方向け、プロフェッショナルはAWSを使用した開発や運用などの実務経験が2年以上あるエンジニア向け、専門知識はAWSの実務経験が2年以上、各専門分野の実務経験が5年以上のエンジニア向けとして分類されています。

まとめ

AWSはトップシェアを誇るサービスであり、サービス・エンジニア需要が非常に高いです。しかし、AWSエンジニアになるためにはAWSやインフラに対する知識・スキルを学ぶ必要があります。公式が提供している資格なども活用し、AWSエンジニアとして必要な知識・スキルを習得していきましょう。

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