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基本情報技術者試験の合格体験談を読もう!ITエンジニアの転職には有利なのか?

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2017年02月08日

2015年7月10日の記事を再構成(文言の追加)をして作成した最新記事です。

年始や年度初めなどは、何か新しいことを始めるのに良い節目となります。この時期になると資格講座のスクールが盛んにCMを放映したりやチラシを打ったりするのと無関係ではありません。

難易度の差はあれ資格取得までは山あり谷ありの長い道のりです。成否を分ける最大の要因は言うまでもなく「資格を取りたい」と思ったときの情熱を持ち続けられるかにかかっているのです。

ことIT業界で言えば、ITエンジニアへの登竜門となる国家資格で、応用情報技術者試験などの基礎となる基本情報技術者試験(FE)がその代表格です。

まずは、その基本情報技術者試験の概要と体験談、そしてやや耳の痛い話かも知れませんが、基本情報技術者試験に関する現実についてご紹介します。

基本情報技術者試験の概要

基本情報技術者試験(FE)は、ITエンジニアへの登竜門となる国家資格で、応用情報技術者試験などの基礎となるものです。上位者の指導のもとに、情報戦略に関する分析・評価、提案活動への参加、システム設計・開発・運用、ソフトウェア開発などができる技術水準を目標としています。

基本情報技術者試験の出題形式と合格率(2014年)

基本情報技術者試験は春と秋に行われ、試験時間は午前と午後に150分ずつで、どちらも多択選択式です。2014年度の応募者は13万9718人で、合格率は23.7%でした。

基本情報技術者試験の注目度

リクナビNEXT2012年9月12日の記事「転職に効く資格はどれ?みんなのIT資格を1000人大調査」によると、ITエンジニアが転職時に評価されやすい資格の第1位は国家資格で、そのひとつが基本情報技術者です。

また、日経コンピュータ2012年4月17日の記事によると、ITベンダーの技術者がこれから取得すべき12種類の資格のひとつに基本情報技術者が挙げられています。

基本情報技術者試験の合格した体験談、学習時間

アイテック合格者体験記によると、基本情報技術者試験の合格に必要な学習時間は、100~150時間ぐらいが中間的です。合格までの受験回数は1~4回までの方がいますが、初回合格者もある程度いるようです。

受験に向けて気をつけたことや、学習のポイントについては、次のような意見があります。

・午前試験は用語を覚えていれば取れるが、午後試験はそれに加えて正確に理解できているかが問われる
・過去5年の問題で8割とれていなければITパスポートを受けたほうが良い
・アルゴリズムで得点を重ねられたことが合格できた理由
・午後にある試験のアルゴリズムとソフトウェア開発はできるだけ早く、取りかかっておいたほうが良い
・とにかく予想問題集のみ3回以上繰り返し取り組んだ
・午後でケアレスミスをなくす、基礎知識で補える問題は落とさないということを目指した
・合格するために必要なものは、午前の問題をクリアできる力、午後は午前の知識と読解力が必要

合格の秘訣

過去5年の過去問と予想問題は何度も解き、マスターするようにしましょう。過去問で間違った問題や分からない問題の解答から逆算して理解に努めることで理解のスピードを速めることができます。

この種の資格試験は過去問と同じかそれに近い問題が出題される場合がほとんどですので、まず一に過去問、二に過去問です。

またアルゴリズムは受験者の大部分が苦手とする分野です。苦手だからと言って敬遠せずに腰を据えてじっくりと学習を進めてください。

資格取得は、ただスタートラインに立ったに過ぎない

「勉強しない大学生」の問題が叫ばれて久しいですが、その最も大きな原因が、「合格がゴール」となって燃え尽きてしまったり、モチベーションが上がらないことにあります。それは資格取得においても同じことが言えるのではないでしょうか。

現場では資格以上に「何ができるか」が問われる

弁護士や公認会計士など資格がなければその職にさえ就くことができない、いわゆる「士業」であれば、資格試験合格は絶対条件です。

しかし、ITエンジニアに関する資格は、企業によっては昇進の条件だったり諸手当の対象になることはあっても、絶対に欠かせないものではありません。どの職種にも言えることですが、資格以上に「何ができるか」を問われるのがITエンジニアの現場の実情なのです。

資格取得がゴールではない

各スクールの「資格取得が就職・転職に有利」という謳い文句は決して間違いではありません。しかし、資格さえ取ればバラ色の未来が待ち受けているかのような錯覚に陥り、資格取得が目的の全てと化してしまっている人は、晴れて試験に合格したあとに待ち受けている厳しい現実に愕然とすることは想像に難くありません。

資格取得、特にIT業界における基本情報技術者試験の合格は、単にIT業界で生きていくスタートラインに立ったに過ぎないのだということを肝に銘じてください。

基本情報技術者試験の資格を取得する意義

資格取得を目指して努力することは決して無駄なことではありません。ただ、どの努力が当初の思惑と違ったり、はたまた徒労に終わることのないよう、その資格を祝する意義について自身の中できちんと咀嚼しておく必要があるでしょう。

資格取得のメリットは限定的

就職・転職において基本情報技術者試験の資格を取得するメリットは限定的であると言わざるを得ません。IT企業の中には新卒入社組みに基本情報技術者試験の資格取得を義務付けていたり、昇進の要件としていることもあり、ITに関わる知識・技能が一定レベルにあることを示す最低限の目安に過ぎません。

従って、実務経験を積んだ人や若手のうちならば、多少たりとも有利に働くかも知れませんが、実務経験が伴わなければそれほど意味のある資格とは言えないのが現実です。

資格取得の意義

しかしながら、IT企業への転職を志す人にとっては、経験が浅い、もしくは皆無であるがゆえに職務経歴書に色を付けられない不利を少しでも和らげることは可能です。実績で勝負できないのならば、やる気と成長意欲しかアピールポイントはありません。その際にまず着手するのがこの資格と言えるでしょう。

また、基本的な技術を学んだり、IT業界であれば常に求められる研鑽努力の習慣を身に付けるのには資格取得は大きなモチベーションとなります。

IT業界にいる以上、新しい知識や技術の取得にゴールはない

IT業界は、規模の拡大に反比例するかのごとく人手不足が深刻な問題となりつつあります。特にプロジェクトの中枢を担う上流工程を任せられるエンジニアを企業は喉から手が出るほど欲しがっている状態が続いています。

資格がモノを言うのはレベル4の試験から

かと言って、素人を一人前にまで育てるほどの余裕はないのが業界の現状で、たとえ人手不足でも「できる人」でプロジェクトを回すことが多くなっています。ですからこうした状況においても、基本情報技術者試験レベルの人材が戦力になるかは微妙なところです。

もし、資格で就職・転職を有利に進めたいのなら最低でも応用情報技術者試験、できればITストラテジスト試験やプロジェクトマネージャー試験などのレベル4を突破しておきたいところです。

自己研鑽に終わりはない

商品のライフスタイルが短く、最新の技術も瞬く間に陳腐化してしまうIT業界において、日々学び、研鑽努力を続けることは、この業界で生き残る術であり、自身を守る最強の防御術となります。IT業界にいる限り、学び続けることに終わりはないのです。

最後に確認して欲しいポイント

基本情報技術者試験の資格は、IT業界で言えばスタートラインに立つ資格を得たに過ぎず、決して就職・転職市場で戦えるものとは言えないのが現実です。

しかし、基本情報技術者試験を目指しての勉強は、業界にいる限り学び続けることを宿命付けられたITエンジニアの、知識や思考の「礎(いしずえ)」となってくれるはずです。

資格に過度の期待を抱くのは禁物ですが、その資格を活かすのも自分次第なのです。

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