お役立ち情報|フォスタージャーナル

正社員になりたいIT派遣エンジニアが考えるべきポイント

  • Facebook
  • Twitter
  • note

2018年01月29日

日本は職業選択の自由が憲法第22条で保障され、人生におけるチャンスを確実にものにすれば、あらゆる可能性が開けているとされています。

しかし、世の中を見れば分かるように、それはあくまで建前での話で誰しもが好きな仕事をできる訳ではありません。でなければ今頃世の中は、男性はサッカー選手だらけになり、女性はパティシエだらけになっていることでしょう。

現実には、正規雇用の社員もいれば非正規もいる、フリーランスもいればフリーターもいる…当人の望むと望まぬに関わらず働き方は多種多様というのが現実なのです。

新卒で入社した会社を2年もたず退職し、親元で暮らしながらアルバイトを転々とし、今は某IT企業で派遣社員をしている30代の男性は、酒の席でこんなことを語っていました。

「僕は時間の自由が利くから派遣をやっています。正社員って残業もあるしダルいじゃないですか!」

周囲の人は彼のことを「かわいそうな人だな」という目で見ていました。「親もいつまでも元気な訳じゃないし、あとで後悔するよ」という言葉が喉元まで出ていても忠告などすることはありません。

別に彼が派遣社員であることが悪いのではありません。定職に就かぬまま30代を迎え、ただでさえ社会人としてはマイナスのスタートを切っているのにもかかわらず、彼の言動からは危機感も向上心も微塵も感じられないことが残念でならないのです。

今回は、IT系(技術者)の派遣(派遣会社)の正社員への転職についてご紹介します。

「派遣社員」は期限を定めて働くべき

「派遣社員」は決してネガティブな働き方ではない

リーマンショックが世界経済を直撃した2008年末、日比谷公園に「年越し派遣村」が開設され、「派遣切り」に遭って年を越すこともままならない非正規労働者が炊き出しに列をなす光景が大々的に報じられました。

「年越し派遣村」に関して評価は二分されるものの、「派遣社員」=「非正規雇用」=「弱者」=「かわいそう」といった図式を想起させるような報道の仕方によって、少なくとも派遣社員のイメージが大幅に悪化したことは間違いありません。

しかし実際は、多くの派遣会社が社会保障や福利厚生など、スタッフに対して手厚いサポートを行っており、雇用の受け皿の役割をしっかりと担っているのです。

「派遣社員」は社会人としてのリスタートを切るひとつの選択肢

派遣社員は、登録をすればスキルに見合った就業先を紹介してくれる上に、時間や曜日の融通もある程度は利かせることができます。

その上、残業が必要になればきちんと割増賃金も含めた残業代が支給されますので、近年よく耳にする「ブラック企業」で働くよりは、見方によっては余程待遇が良いということもできます。

その点において、働く曜日や時間に制約がある人や、本当に目指していることがあって生活のために働かなければならないなどの事情を抱えた人にとっては願ったりの雇用形態です。

これは、ITエンジニアにとっても、ハードルがそれほど高くなく、しかも未経験の分野の経験を積めるという点で社会人としてのリスタートを切るひとつの選択肢とも言えるでしょう。

特にIT系(技術者)の派遣会社は未経験者や初心者を対象に教育プログラムを実施し、ある程度のスキルが身に付いた段階で、即戦力として企業に派遣されることになります。

派遣社員では上流工程の仕事は経験することが難しい

派遣社員としての経験は、ITエンジニアの基本的な知識を習得し、スキルを身に付けるという点におけるメリットは大きいと言えます。

しかしながら、派遣社員として派遣先企業の「IT業界の流儀」を学び、一定の経験を積むことができたのなら、次のステップを目指すべきです。

それは、いくら派遣社員として頭角を現しても回ってくるのは下流工程の案件ばかり。それもそのはず、上流工程の案件は、企業経営の根幹に関わるものであり、巨額の投資とリスクを抱えています。企業側としてもそこまでのリスクを派遣社員に負わせるわけにはいかないのが実情なのです。

従って、派遣社員が上流工程に携わることのできる可能性は限りなくゼロに近いと言わざるを得ません。

例えば住宅の建築現場を思い浮かべてください。家作りの重要な部分は大工や職人の仕事。部材の搬入や移動など力と人手を要する仕事は大体がアルバイトによって賄われています。

アルバイトでも、担う役割は重要ですが、代わりのいる、多少訓練を受ければ誰でもできる仕事なのです。企業における派遣社員の立場は程度の差こそあれ、ここでいうアルバイトに近いものなのです。

ITエンジニアとしてさらなるステップアップを目指すのなら、上流工程の経験とそれに相応しいスキルの習得は必須です。ならば、正社員を目指して上流工程に関わる努力をするのは当然の流れです。

まず、この土俵に立つことがITエンジニアとして高みを目指す第一歩であり、その後のステップアップや独立起業にもつながっていくのです。

派遣社員になると正社員になるのが難しくなるか?

いざ「転職だ!」と会社に辞表を叩きつけたものの、転職活動がうまくいかず、ひとまずは派遣社員となって捲土重来(けんどちょうらい)を期する人も少なくありません。中には、「派遣社員になると正社員になるのが難しくなる」と思って二の足を踏んでしまう人もいるようです。

結論から言えば、どういう形であれ離職期間が長くなってしまうことの方が正社員への転職にとっては大きな障害となります。

企業は、社会から離れてしまった「ブランク」を非常に重く見る傾向にあるのです。ですので、転職活動は極力在職中に行うのが、万が一のことを考えた場合に最良の策なのですが、既に退職してしまった場合は、派遣社員であってもなりふり構わず職に就いた方が賢明です。

ただ、怖いのは派遣社員でもそれなりの待遇の得られる現場もありますので、目先の危機を脱するとついつい安心してしまうなんてこともよくある話です。本来の自身の転職の目的を片時も忘れずに日々の業務に取り組んでください。

期間を決めて、正社員に挑戦して上流工程を経験すべき

2015年9月30日より施行された改正労働派遣法では、これまでITエンジニアがそれに該当した派遣期間の定めのない「専門26業務」が撤廃され、企業の同じ部署で働ける期間が3年に制限されるようになりました。

2016年1月1日以降、派遣社員は全員が新法適用となり今働いている職場で働けるのは3年が限度となります。もちろん職場を変えれば働き続けることも可能ですが、3年ごとに新しい環境に身を移して適応するのは心身ともに大きなストレスになりますし、その時間だけITエンジニアとしてステップアップするチャンスが遠のいてしまいます。

派遣社員としては、あくまで「3年以内で勝負をつける」くらいの心づもりで全力で取り組み、上流工程の案件に携われる正社員のITエンジニアを目指してください。

思い切ってフリーランスで働くのも手

正社員ばかりがITエンジニアとして働く手段ではありません。安定した収入と雇用を期待するのは決して悪くありませんが、仕事を選びたいという気持ちで派遣社員として働いていたのであれば、さらに思い切ってフリーランスという道も検討してみてはいかがでしょうか。必要なのは、「世の中がどのような人材を求めていて、自分は何が出来るか」を見極めることです。その中で自分の希望とマッチすれば、それが一番自由な働き方である、とも言えるでしょう。

フリーランスに多くの案件を紹介しているエージェントでは、そのようなノウハウを沢山持っています。一度相談してみてはいかがでしょうか。

フリーランスになったら登録すべき最強エージェント5社

最後に確認して欲しいポイント

上流工程を担うITエンジニアは、テクニカルな面以上にヒューマンスキルも重要視される仕事です。数々の苦渋を舐めたであろう転職活動も、派遣社員としての経験も、あなたの人間力を高め、将来ステップアップを果たしたときに必ず力になってくれるはずです。

今は人生においてまさしく試練のときかも知れません。春の来ない冬もなく、明けない夜もありません。強い目的意識を持って、この壁を乗り越えてください。

  • Facebook
  • Twitter
  • note
新着案件情報を他の人より早くチェック!