この記事に辿り着いたということは、女性としてITエンジニアのキャリアをスタートさせるか迷っている、もしくはこのままITエンジニアとしてキャリアを築いて良いのかどうか、悩まれているのではないでしょうか。
経済産業省によると、IT人材の不足は、現状約17万人から2020年には約37万人、2030年には約79万人に拡大すると予測され、今後ますます深刻化すると考えられています。
需要が高いIT人材に加え、業界に少ない女性という点を加味すると、実はさらに需要が高まるということが推測できます。
本記事では、駆け出し女性ITエンジニアにおすすめの職種や、ITエンジニアとして働くメリット、そして課題などを解説します。
駆け出し女性ITエンジニアにおすすめの職種
キャリアをスタートさせたばかりの女性ITエンジニア、もしくは未経験でこれからITエンジニアになろうとしている女性におすすめな職種を解説します。
Webデザイナー、コーダー
Webデザイナーの主な仕事内容は、企業や個人などのクライアントから依頼されたWebサイトのデザインを担当することです。
クライアントが思い描いているWebサイトを制作できるよう、全体の構成を考えながらデザインを構築していきます。
女性におすすめな理由は、Webデザインでは「デザインスキル」が求められるからです。
「かわいい」、「美しい」、「インスタ映え」などの女性が抱きやすい美的感覚は、Webデザインにおいても活きてきます。
クライアントが求めるWebサイトのイメージをどのように反映させるかはWebデザイナーの腕次第、デザインスキルにかかっています。
もちろん男性も活躍している職種ですが、女性ならではの目線で、緻密で計算されたデザインを提案することで、Webデザイナーとして大きく羽ばたけるでしょう。
コーダーは、Webサイトの大まかなレイアウトにクライアントの合意が得られた後、Webサイトを構成する言語であるHTMLを使用してコーディングを行う職種です。
最終的なデザインの調整はミリ単位で行われるため、コーダーには集中力と根気、そしてスピードと正確性も求められます。
慎重で細部にこだわる女性にもぴったりの職種と言えるでしょう。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、Webデザイナーのデザインをもとに、HTML、CSS、JavaScript、PHPの設計や実装、WordPressなどのCMS(コンテンツマネジメントシステム)構築やカスタマイズを担当します。
コーダーから次のステップとしてフロントエンドエンジニアになる人も多いです。
もちろん、未経験でも独学やプログラミングスクールでJavaScriptを習得し、フロントエンドエンジニアからキャリアをスタートさせる人も多くいます。
女性におすすめな理由としては、フロントエンドのプログラミング知識があれば、案件によってはパソコンさえあれば働けるようになることが可能だからです。
結婚、出産など、様々なライフイベントが起こる女性の場合、家でも仕事ができるようになると非常にありがたいですよね。
未経験女性でもITエンジニアになれる理由
未経験女性でもITエンジニアになれるのかどうか、不安に思う人も多いでしょう。
その心配は不要です。理由を2つ挙げます。
IT人材は不足している
冒頭でも説明した通り、IT人材は不足しており、10年後(2030年)には更なる不足が見込まれています。
需要に対し、供給が追いついていない市場なので、多くの人にチャンスがあるわけです。
未経験でも、しっかりと企業や現場で学ぶ姿勢があれば、雇ってもらえるチャンスは大いにあります。
ITエンジニアは肉体労働ではなく、デスクワークのため
ITエンジニアと一言で言っても様々な職種がありますが、基本的には、室内でPCに向かって作業することがほとんどです。
客先に出向いてプレゼンをしたり折衝をしたりすることもありますが、基本的には肉体的な労働とはかけ離れています。
体力仕事で男性と張り合うのは限界がありますが、デスクワークなので、女性でも十分活躍できるというわけです。
女性のITエンジニアのメリット
IT業界=男性が多い、というイメージが強い人も多いでしょう。
実際にIT業界の男女比率としては、男性:女性=8:2と言われています。
ここでは、女性がITエンジニアになるメリットを解説します。
ITエンジニアは他職種と比べ、給与水準が高い
大きなメリットは、他の職種に比べ、給与水準が高い点です。
2020年の女性全体の平均年収は約347万円ですが、ITエンジニアの女性の平均年収は、約395万円です。
こうして比較すると、ITエンジニアの収入は高い傾向にありますね。
もちろん、経験年数やスキル、得意とする分野によっても金額は変わってきますが、給与水準が高いというメリットは魅力的です。
手に職がつき、フリーランスとしての活躍も可能
ITエンジニアは基本的に、身につけたスキルとPCを使用して仕事することになります。
手に職がつき、数年間は企業などで実務経験を積み、その後にフリーランスとして独立するということも可能です。
働く場所や環境に左右されずに、自分の働き方で収入を得られることは非常に大きなメリットです。
ITエンジニアとして在宅で働けば、様々なライフスタイルに合わせることができる
ITエンジニアの働き方として主流になりつつあるのが、テレワークです。
新型コロナウイルスの感染対策として多くの企業が導入していますが、IT企業はテレワークが特に盛んです。
なぜなら、ITエンジニアの仕事そのものが、PCさえあれば完結するからです。
結婚や出産など、ライフスタイルが変わりやすい女性にとって、在宅で働けるという選択肢が取りやすいITエンジニアは魅力的ではないでしょうか。
女性のITエンジニアがぶつかる課題
女性がITエンジニアになった際のメリットを紹介してきたので、次は、課題を紹介します。
会社や現場によっては労働時間が非常に長い
ITエンジニアと一言で言ってもさまざまな職種があることは説明済みですが、共通して言えるのは、労働時間が長い点にあります。
企業や会社、常駐する現場にもよりますが、筆者が経験してきた現場はどこも残業が多かったです。
特にゲーム会社に勤めていた時は、ご想像通りとても激務で、終電で帰宅する日々が続きました。
ここまでくると、ある程度体力も兼ね備えていないと続かないのかなと思います。
もちろん、作業をいかに効率化し短時間で済ませるかということを考えるのもITエンジニアの仕事です。
スキルを磨いて手作業で行っていたタスクを自動化し、定時で帰宅できるようにしよう、という目標をたてるなどして、日々の自己研鑽を怠らないようにしましょう。
忙殺されて土日やプライベートの時間がなくなるようなことがあってはいけませんので、オンとオフの切り替えもうまくやることが必要です。
女性ITエンジニアにおすすめの本
最後に、女性ITエンジニアの皆様へおくる本を一冊紹介します。
まんがでわかるLinux シス管系女子 (日経BPパソコンベストムック)
ターゲットはLinuxを扱えるようになることなのですが、ITエンジニア全般に通ずるちょっとした笑いや、業界あるあるみたいなものがたくさん詰まっています。
漫画ですが説明もしっかり記載されているので、読んでおいて損はないでしょう。
技術本や分厚い書籍だとどうしても読破できない方には特におすすめです。
まとめ
今回は、ITエンジニアを目指す女性、ITエンジニアとしてのキャリアについて考えている女性に向けて、ITエンジニアのメリットやおすすめの職種を解説しました。
IT業界は、何も男性だけの市場ではありません。
ITスキルという誰からも奪えないあなただけの財産を身につけ、キャリアの壁を乗り越え、強く賢い女性になりましょう。