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FOSTER FREELANCE 2021年1Qレポート

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2022年06月20日

フォスターネット広報です。
弊社における2021年1Q(4月~6月)におきまして、新規でご契約させて頂いた案件のデータをもとに、1Qの振り返りと今後の動向について考察いたしました。
現在ご活躍されているITフリーランスの方、フリーランス登用をされている・検討しているご担当者様のご参考になれば幸いでございます。

〇まとめ
・コロナ禍に伴う社会のデジタルシフト加速によりIT人材需要は復調
・特にEC/流通業界を中心にIT人材需要は増大し、その他業界でも高水準の領域へ推移
・汎用性の高い既存技術は一定の案件数を維持、但しクラウド環境への適応は必要
・働き方の変革により、業務形態も多様化

IT人材業界全体の傾向

新型コロナウイルスの流行から1年強が経過し、IT業界ではその影響を感じることは少なくなり、既に案件数や報酬の相場はコロナ禍以前の水準に戻っております。

好調の要因としては、すごもり需要による『EC』や、『流通・小売り』業界のIT投資が大きく影響しております。例として大手流通グループが以前より進めていたDX推進プロジェクトでは

・システムコンサルタント
・データ基盤
・Web開発
・スマホアプリ開発

等、幅広いレイヤーでの人材を募集しており、今後も引き続き高い需要が見込めます。

また、弊社にお問い合わせ頂く中で、これまでフリーランス活用がされていなかった大手・中堅企業やそのグループ企業から『フリーランス人材の登用を検討したい』というお声が増えております。

これには以下の2つの要因があると考えております。
① 人々の生活様式の変化に伴い、既存のビジネススタイルの変化が求められている
② ITをコストセンターと捉えていた企業が新たなプロフィットセンターとしてDXの推進を加速させている

ワクチンの接種拡大に伴いコロナ禍は収束していくと考えられるものの、見通しが不確実な部分も依然あるかと考えております。
一部の企業ではコロナ以前の世界には戻らないリスクも踏まえた上での、攻めの姿勢を継続していくと推察されます。
従って、ITエンジニアの需要は高水準で推移していくと推察しています。

使用技術の傾向

※当社調べ、2021年4月~6月案件データより

1.PHP

弊社にて1Qに新規でご契約させて頂いた案件内では、募集要件として求められていた言語の第1位はPHPでした。
主たる要因としてはEC関連の案件が増加したことが影響していると考えられます。
ECプラットフォームの開発及びEC-Cubeを用いたプロジェクトは勿論ですが、それ以外でもPHPによるECサイト開発案件が多く見受けられました。
これは、富士経済が発表した通販・ECの国内市場調査「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2021」で「2021年の通販・EC市場の規模は前年比10.1%増の15兆1127億円、2022年は16兆4988億円(2021年比で9.1%増)にまで拡大する」としているようにEC業界が盛況となっています。。

2.Java

開発言語ではPHPに次いでJavaが2位となっております。

昨年1QはJavaが業務系のWebシステムで多く使われることもあり、コロナ禍において各社がIT投資を一旦止めたことで、案件が殆ど見当たらない状況でしたが、現在は新規・既存案件ともに増加しております。弊社では以前よりJava案件のバリエーションを強みとしていることもあり、現時点でもJava案件は豊富に保有しております。

業界としてはPHPと同様に、JavaでもEC系の新規開発・改修の案件が活発に動いております。また、業務系のJava開発案件においても「モダンな環境」での経験を求められているケースが多くなっております。
既にJavaスキルをお持ちの方は、

・パブリッククラウド(AWS/Azure/GCP他)を主体とした環境での開発
・構成管理ツールの使用(Ansible/Chef/Puppet)
・CI/CDツールの使用(Jenkins/CircleCI他)
・クラウドを含むインフラ環境の構築

といったスキルをキャッチアップすることでキャリアの幅が広がりそうです。

3.フロントエンド(xx.js)

開発系で3位になっているのが、JSフレームワークを用いたJavaScript/TypeScriptの案件となっています。

2015年頃より急激に高まったフロントエンドエンジニアの需要は未だ高水準を維持しております。ここ数年で必須スキルにJSフレームワークの経験が求められることが増え、キャリアチェンジへのハードルも高くなっています。

また、企業の募集要項に実務経験の他にポートフォリオを参考にする場合もございます。
JSフレームワークでの業務経験がない方でフロントエンドエンジニアを目指す方は、ご自身でトレーニングや疑似手的な開発の経験を積み、Githubで公開できるポートフォリオを作成されることをお勧めします。

4.パブリッククラウド

インフラ領域のご参画案件では、パブリッククラウド(特にAWS)を用いた案件が非常に多くなっています。この数年で大きく変わったのは、IaaSとしてEC2へ移行する小規模案件は少なくなり、

・各種サービスを利用したシステム開発のシステム基盤として利用する
・ミッションクリティカルなシステムを実現するための上流工程
・IaCやSRE、DevOpsといった従来のインフラとは異なった領域

の案件が増えています。

今後もパブリッククラウドがインフラの中心となり、しばらくは継続すると考えております。
それに比例してオンプレからクラウドへのスキルチェンジは難易度が高まっております。今後、クラウド領域を中心にシフトしたいと希望される方は、ソリューションアーキテクト資格取得や自己学習の成果をGithubで公開することでアピールすることも必要となるでしょう。またDockerやK8S、Terraformといった各種ツールについては現時点でも引き合いも増えていますので、併せて学ぶことでキャリアの裾野を広げることができると考えております。

クラウドの広がりが、これまでの「インフラ」と「開発」といった垣根を低くしており、DevOpsも継続して推進されています。インフラ(クラウド)エンジニアというポジションにおいてもShellだけではなく、PythonやJavaScriptなどの言語スキルを求められることが増えておりますので、これらをキャッチアップすることで多くのチャンスを得ることができると考えられます。

月額報酬の傾向

※当社調べ、2021年4月~6月契約データより

弊社にて1Q内でご参画された方の平均報酬は約70万円となっております。
60万円台(27%)~70万円台(25%)の契約が一番多く、月額の報酬が100万円を超える新規契約は7%で、うち1件は200万円を超えました。

Webサービス系を中心に高額なエンジニア案件が増えてきておりますが、報酬額100万円を超える案件についてはPM/PMO、コンサルタントの案件比率が高くなります。
将来的に高い報酬を目標の一つとされている方は、どういったポジションでご活躍されるのかをイメージしながら、現在と将来の参画案件・キャリアプランを決めていくことが重要と考えております。

弊社でご参画頂く方は比較的ミドルからハイスキルをお持ちの方が多いのですが、1Qでは50万円台の報酬の方も増えております。
要因としては、以下3点が挙げられます。

・近年の若年層におけるフリーランス志向の上昇
・働き方の変革により、週3~4日稼働の案件でご参画されるケースが増加
・クライアントからの、ローからミドルスキルの引き合いの増加

求人業種の傾向

※当社調べ、2021年4月~6月案件データより


前述の通り、ECと流通・小売りは特に好調ですが、IT領域に関しては業界業種を問わずエンジニア需要が高い状態です。
2021年5月の有効求人倍率は約1.1ですがITエンジニアだけに絞ると約3.0となっており、人材不足が続いております。

弊社で参画が決まった案件では上記に続き3位に位置するのがFintech/金融 となっております。従来の大規模金融システムを対象とした案件も一定数はあるものの、キャッシュレス化の推進や投資ブームが追い風となり、新規サービス開発や既存サービスの追加開発ニーズが増えております。
Fintechにおいてはミッションクリティカルであることを前提に、モダンな環境での経験が求められており、金融系とWebサービスを共にご経験しているITエンジニアの方はご活躍頂けます。

4位のデジタルマーケティングは直近2年で非常に需要が高まっております。各企業とも保有しているデータをどのように活用していくか、そもそもデータをどのように保管していくか、データ経営・データドリブンが課題となっています。また、デジタルマーケティングシステムに精通している方は希少で、高い報酬でのご契約が多くなっております。

最後に

2021年1QはITフリーランスの方にとっては追い風が吹き、この状況は今後もしばらくは続いていくと考えています。

経済産業省は「2030年には最大79万人のエンジニアが不足する」と予測しており、現時点でも需要過多の状況が続き、コロナ禍でもITエンジニア需要によりIT転職市場は活況となり、ITフリーランスの案件数は他職種に比べ『売り手市場』となります。

一方で新たな技術の導入や先端技術のトレンドにも変化があり、技術の見極め、またどの様に取り入れていくのかなどの新たな課題も生まれています。

*弊社ではITフリーランス向けの教育サービス「フォスターアカデミー」
 ( https://academy.fosternet.jp/
スキマ時間に勉強が可能な「フォスターワークスタイル」 
( https://www.youtube.com/c/fosternet )
をローンチし上記の課題を解決できるように取り組みを開始しました。

ITフリーランスの方は、追い風が吹いている状況において、今後のキャリアプランを見据えながらご参画される案件選びを行って頂ければと考えております。
また、第3者の視点から意見が欲しい際は弊社へご相談頂ければ幸いでございます。

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