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ITエンジニアがフリーランスになるために必要な事

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2017年02月08日

現在、中堅どころで活躍しているITエンジニアがこの道に足を踏み入れたのは恐らくITが私たちのライフスタイルを大きく変えた「IT革命」の真っただ中であったと思います。

「失われた10年」とまで呼ばれた不況などどこ吹く風、これまで高嶺の花であった携帯電話やパソコンが一人一台持っていて当たり前の時代になるまでそう長くはかかりませんでした。

この頃のエンジニアは、このようなドラスティックに進化するテクノロジーと時代の変化を、いち早く感じ取り、それを何らかの形にするといった超多忙な日々を過ごしていたはずです。一般の人たちはこうしたエンジニアたちの血と汗の成果を、享受してきたのです。

このような激動の「IT革命」の最先端を駆け抜けたエンジニアたちの多くは今は管理職となり、エンジニアとしての業務に加え、部下の育成や会社の経営に至るまで様々な業務が加わるようになったと思います。

端末を目の前に睨めっこをしていた時代と比べると家族も十分に養っていくのに十分な収入を得られる立場にありながら、何故か判然としない思いで仕事をしているなんてことはありませんか。

それは、恐らくITエンジニアと名乗る職業に従事していながら、実際やっていることは、会議、会議にまた会議、そして調整とクレーム対応、物事ひとつ進めるのにも社内政治の力学がそれを妨げようとする…、一人のITエンジニアとしてスキルアップを図る時間も機会もなくなってしまい、「果たしてこれでいいのだろうか?」という心の声なのではないでしょうか?

社歴を重ねるごとに役職が上がりそれに相応する職務と立ち居振る舞いを求められる会社員を全うするのか、それとも、ITエンジニアとしての道を究めるためにフリーランスとなるのか。

これは、社会人の人生を歩んでいく上で経験する「究極の選択」ではないでしょうか。

フリーランスになるのを躊躇させる大きな壁

ITエンジニアとしての自分のレベルを高め、それを生業にしたいと思うならば、やはりフリーランスになるのが最も現実的な選択です。ただ、正社員という安定した身分を放り出すわけですから、フリーランスでせめて当面は自分や家族を養っていけるだけの確証は欲しいところです。

後先考えずに会社を飛び出したら、いざというときに後戻りできません。

確かにフリーランスになれば月々の収入は不安定になる恐れが高く、会社員と違い退職金もなく年金も国民年金のみとなるので、老後の備えも周到に行っておく必要が生じます。しかし、自分の腕に覚えがあるならば、実力が収入に直結するのがフリーランスの世界。

ひとつの仕事に対して発生した報酬が会社に中抜きされることなく自分の手元に入るわけですから、「働く」ということに対する意識が会社員時代とは格段に異なってくることはいうまでもありません。

会社員であることの安定性は大きな魅力であることは間違いありませんが、終身雇用や定期昇給と言った従来の日本的経営は過去のものとなり、上場一部の企業さえもちょっとしたボタンの違いで倒産してしまう時代にあって、もはや「しがみつく」だけの価値があるかは疑問です。

そうすると、フリーランスになるのを躊躇させるのは、これまで務めてきた会社への恩と、苦楽を共にしてきた先輩や仲間、部下たちへの後ろめたい思いです。しかし、この件に関しては、「自分の人生」と割り切って情に流されず、どちらがベストな選択かを早く見極めて決断する必要があります。

これまで多くのエグゼクティブの移籍を実現してきたスカウトによると、前職でうまくいっている人ほど成功する確率が高いと断言しています。彼がターゲットを引き抜く場合、その多くは「仕事が順調」、「人間関係が良好」であることなどを理由に、「世話になった会社を辞めるわけにはいかない」と固辞するのだそうです。

実はターゲットが移籍を固辞する理由こそが、スカウトがその能力を見極めるひとつの指標なのです。そのときスカウトは、「この人なら間違いない」と懸命に説得を始めるのです。

フリーランスになる場合も同様、先に述べた会社や同僚への思いは、これまでの仕事に全力を尽くしてきた証です。あなたがフリーランスになるのを躊躇させる理由は実は、フリーランスになってから最も成功に近付ける条件でもあるのです。

 

フリーランスエンジニアに必要なこと

フリーランスになると、会社員時代には部署ごとに手分けされていたことが全て自分に降りかかってくるため、映画で言えば「主演、監督、脚本、演出すべてオレ状態」で進めていかなければなりません。

その中でもフリーランスになったエンジニアが特に必要と感じていることを4つ挙げておきます

 
人脈やコネクション

フリーランスになった先輩や仲間がいれば百人力です。これがなければ、エージェントや派遣会社から仕事を紹介してもらったり、勉強会等に積極的に参加して一からコネクションを作っていかなければなりません。

闇雲に交流会に参加するのも考え物ですが、とにかく人脈やコネクションがなければ仕事が広がっていかないのが現実です。

プロジェクトリーダー・マネージャー能力

上流工程に携わるエンジニアは慢性的に不足しています。プロジェクトリーダー・マネージャー能力はかなりの経験が必要な上に、企業が自前で育成するとなると時間とコスト、人材流出のリスクがあるため、外部の人材を登用する場合が多いという事情もあることから、引く手あまたの状態です。

フリーランスを目指すのなら、社内のどんな小さなプロジェクトでもリーダーとなって「人を動かす」経験を積むことをおススメします。

自身のセールスポイントを明らかにしておく

「一芸に秀でる」とは言いますが、この分野では誰にも負けないというほどの自身の強みは、いついかなるときでもアピールできるようにしておく必要があります。

この業界では「○○に強い人を探している」という案件は少なからずあるので、必ず準備しておきましょう。

頼りになる税理士を見つける

フリーランスになると頭が痛いのが経理処理です。経理の知識がない人にとって確定申告は頭痛のタネですし、税の仕組みなど本を読んだところで頭に入っていかないものです。

そこで、気軽に相談できる税理士を見つけておくことをおススメします。税金に関する相談はもちろんのこと、多くの経営者と接していますので経営に関するアドバイスも聞くことができます。

 

モジュール型ワーキングという選択肢も

ただ、自分自身をひとつの職業に固定せず、複数の仕事を組み合わせながら自身の視野を広げ、適性を探していく「モジュール型ワーキング」という働き方も注目を集めています。

モジュール型ワーキングとは…

働く内容と収入をいくつかの「モジュール(働き口)」に分けて、その「モジュール」の組み合わせで、職業人生を組み上げていく働き方です。(中略)いくつかのモジュールを組み合わせることで、自分に合った、自分が望む、自分が満足のいく、最適な働き方を模索しようと考えたわけです。

「社畜もフリーもイヤな僕たちが目指す第三の働き方(佐藤達郎著 あさ出版)」

「職業選択の自由」とは言いながら、見方によっては「仕事が人を最も不自由にしている」という考え方もあります、本業をキープしながら空き時間を自分のやってみたい仕事の時間に充ててみれば、リスクを冒すことなくより自由で充実した生活を送れるのではないかという考え方に基づいています。

ただ、たとえ自分がなりたかった仕事に携われたとしても決して楽しいことばかりではありません。複数の仕事をするということはそれだけの数の専門性を求められることと同義ですから、やりたいことができる代わりに、それなりに大変だということも覚悟しておく必要があります。

最後に確認して欲しいポイント

職業は星の数ほどあると言われていますが、ITエンジニアのようにこれまで身に付けた技術を引っ提げて独立できるものはそう多くはありません。

大多数の人が、所属した会社や組織で、時にはそこでしか通用しないような仕事をしながら淡々と社会人人生を全うしていくのです。

ITエンジニアとして腕を上げていけば誰でも一度は出会うであろう独立のチャンスをどう考えるかは本人次第ですが、会社員としての人生を選ぶのか、エンジニアとしての道を追究するのかが決断の分かれ目になると思われます。

いずれにしても決して後悔することのない選択をしてもらいたいと思います。

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