「還付申告」とは納め過ぎた所得税と復興特別所得税の申告する手続きです。
申告期間は申告納税は翌年の2月16日~3月15日に、還付申告は翌年の1月1日から5年間行うことができます。
※合わせて、「フリーランスの確定申告、申告納税を間違いなくスムーズに済ませる方法」もお読み下さい。
フリーランス開業後まもなくは、1円でも惜しい時期です。きちんとした手続きを踏まえれば還付を受けられるので積極的に利用しましょう。
確定申告の期間は通常2月16日~3月15日ですが、還付申告は、翌年1月1日から5年間いつでも提出ができます。ただし、確定申告の修正である「更正の請求」の期限は1年です。
2016年より始まるマイナンバー制度は、生活保護や年金の不正受給や、税金の「取りっぱくれ」に関して多大なる効果が期待されています。しかし、「払い過ぎた税金」に関しては、自己責任によってしか取り戻すことはできません。還付の仕組みをきちんと理解して賢く正しく納め過ぎた税金を取り戻しましょう。
また、5年以内であればいつでも申告できるので、心当たりのある場合は折を見てチャレンジしましょう。訪問申告の場合、税務署の可搬期1月~3月は避け、5月連休以降に還付申告することをお勧めします。閑散期のため、税務署の職員の方が丁寧に対応してくれます。
※e-taxについては8:30~24:00まで利用可能です。
所得控除とは
国税庁によると、
とあります。
2017年現在、所得控除はいまのところ14種類あり、
雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦(夫)控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、そして基礎控除です。
年度途中で会社を退職し、フリーランス(個人事業主)になった時でも、控除を受けることができます。
源泉徴収とは
会社員は毎月の給与から所得税を源泉徴収(天引き)されます。源泉徴収は前年度の実績を加味し、概算で計算を行うことから、会社から源泉徴収された金額は必ずしも当人が納めるべき金額と一致しない場合があります。会社員の場合は、年末に差分が調整され、給与支給分と相殺して支払われます。
これが「年末調整」です。何度途中で会社を退職し、フリーランスになった場合は、会社員時代の所得とフリーランスの所得を合算し、各種控除を差し引いて計算した所得税が、会社員時代に源泉徴収された税金よりも少ない場合は、その差分が還付されます。
取引先から「報酬支払調書」を受け取る場合
フリーランス(個人事業主)は、取引先から「報酬支払調書」が送付されてくる場合があります。このとき、確定申告をすることで還付を受けられることがあります。報酬支払調書は、当年の報酬額と収めた納税額が記載されています。煩雑な納税手続きを取引先が代行してくれるわけですから一見すると、面倒な仕事を肩代わりしてもらったと思われがちです。
しかし、ここでの源泉徴収額は、必要経費(交通費や材料費など)や各種控除(社会保険料や生命保険料控除など)を考慮せず一律に10.21%(100万円以下)を所得税および復興特別所得税として差し引いたものです。ここで引かれ過ぎた分は確定申告をすることによって還付を受けることができます。
その他、還付申告ができるもの
会社員の時代に、年末調整の際に提出していた生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済控除や住宅ローン控除等も、自身で確定申告を行えば還付金を受け取ることができます。
還付申告を行うときの注意点
個人的な還付がなされても、世帯収入として逆に納税額が高くなることも多々あります。
以下3点について計算して慎重に検討しましょう。
- 医療費控除、各種保険料控除について誰が申告するとメリットが多いか
- 扶養控除を見て、申告することで世帯全体で納税額が増えることがないか
- 退職所得、雑所得、配当所得、株式等の譲渡所得の売却益などすでに源泉徴収済みの所得は確定申告するメリットがどこまであるか
最後に確認して欲しいポイント
確定申告を通して、会社にいたころは意識しなかった自身の仕事と税の関係がよく理解できると思います。確定申告は納税の義務を果たすための重要な手続きです。より簡単に、きちんと申告するために日々の業務の中できちんと仕分けをするようにしましょう。
また、税理士に依頼する場合でも、経費について理解を深めることができるので、丸投げのままにはせず、税の勉強をするつもりでわからないことはきちんと質問するようにしてください。自分でやる場合も、そうでない場合も、毎年間違いなく、スムーズに確定申告ができるように努めてください。
※合わせて、「フリーランスの確定申告、申告納税を間違いなくスムーズに済ませる方法」もお読み下さい。