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フリーランスになりたいITエンジニアが派遣社員から始めるためのポイント

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2017年02月08日

21世紀に入り数多くのIT長者が生まれ、彼らが時代の最先端を行く起業家として注目を浴びるようになって以降、起業を志す人が増え、書店でも起業に関する書籍が飛ぶように売れるようになりました。

これは、終身雇用や定期昇給などといったこれまでの日本型の経営モデルが崩壊し、自分のキャリアは自分で切り拓かなくてはならない時代に突入したことの証であるとも言えるでしょう。

もはや会社にいてもさしたる昇給やスキルアップは望むべくもなく、もし成功したいのなら自分自身の手で掴み取るべきものという機運は年々高まりを見せています。

しかしながら、設立後5年を持たずして8割以上の法人が倒産または解散を余儀なくされている中、そう簡単に独立開業が上手くいくとは思えません。

フリーランスになれば、腕利きの強者同士がパイを争う群雄割拠する世界である上、取引先もフリーランスに門戸を開いてる企業等に限られるため、成功を手にするには相当の労力を伴うことが容易に予想されます。

ところが、先に述べた起業ブームに乗った書籍やセミナーでの「甘いささやき」に多くの人がコロッといってしまうのです。

ただここで一点確認したいのは、フリーランスになるということは、自身の仕事から生活に至るまで全て自分で責任を持つということであり、成功するにしろ、失敗するにしろ会社員の頃と比べると格段に大変であり、少なくともこれまでより「楽になってお金が儲かる」ということは絶対にないということです。

「まずは派遣社員から」というのも一つの方法

「今まで務めてきた会社を辞めてフリーランスとして独立」と言っても、目指すものがこれまでやってきたこととは畑違いの分野であったり、胸を張れるほどのスキルがなかった場合はまずは派遣社員から始めるというのもひとつの選択肢です。

IT関連は極めて専門性の高い分野であり、慢性的に人手不足が問題となっている業界ですので、自身が追いかけてきた専門分野の延長線上でフリーランスを目指す人が多く、実際に成功している人もこの場合がほとんどです。

しかし、実際にやっている仕事が自身の目指している分野ではなく、とても空き時間や休暇を利用して勉強などできない、もしくは、そもそも空き時間や休暇がないような環境に置かれている人も少なくないはずです。そのような場合は、環境を変える必要があります。

このように、目指す自分へ近づく時間を作るために会社を辞めた場合、それと引き換えに失うのが生活の糧です。しかし、派遣社員として働けば学習とスキルアップを両立することも可能です。

世界中がリーマンショックに見舞われた2008年、炊き出しに多くの人が列をなす「年越し派遣村」が大々的に報じられて以来、派遣社員に対して悪いイメージを持つ人も少なくないようです。

しかし実際のところは、多くの派遣会社が社会保障や福利厚生など、スタッフに対して手厚いサポートを行っており、雇用の受け皿どころかステップアップの機会となっていることも多いのです。

特にIT系の派遣会社は未経験者や初心者を対象にしっかりとした教育プログラムを施してくれるところもあります。そして教育プログラムが修了しある程度のスキルが身に付くと、即戦力として企業に派遣されます。

最終的なゴールがフリーランスであっても、派遣社員としての経験は必ず活かすことができるはずです。

派遣社員で働くなら3年以内で勝負をつける

2015年9月30日より施行された改正労働派遣法では、これまでITエンジニアがそれに該当した派遣期間の定めのない「専門26業務」が撤廃され、企業の同じ部署で働ける期間が3年に制限されるようになりました。

法案成立に際して賛否様々な声が上がったものの、2016年1月1日以降、派遣社員は全員が新法適用となり今働いている職場で働けるのは3年が限度となります。

これをどのように捉えるかは人それぞれですが、ITエンジニアとして独立起業を目的としている立場からすれば3年という期間は、業界のしきたりを知る、仕事の流れを知る、自身のスキルを高めるいわゆる「修行」の期間としては十分。もう少し腕を磨きたければ環境を変えればまた3年間勤め上げることも可能です。

派遣社員は、きちんとしている派遣会社なら社会保障や福利厚生も充実していますし、場合によっては正社員だった頃の会社より多く稼げるかも知れません。しかし、フリーランスを目指すのなら絶え間なく派遣社員を続けるべきではありません。

いくら手厚い待遇であっても交通費なし、賞与なし、退職金なしである以上、正社員以上の待遇は望めない上に、時間が経てば経つほど、フリーランスとして独立起業するタイミングを逸してしまう恐れが大きくなります。あくまで「3年以内で勝負をつける」くらいの心づもりで飛び込んで行ってください。

フリーランスになった方が良い理由

ITエンジニアとして様々な働き方がありますが、様々な経験を通じて自分の仕事の価値や実際の単価を知り、それを高め続けることができる人は迷わずフリーランスになることをおススメします。このレベルに達している頃にはとうにフリーランスになっているかも知れませんが、そのメリットを知れば知るほど自身の腕を磨き続けることの大切さを痛感させられるはずです。

まず、同じ仕事をするにしても、フリーランスはずば抜けて収入が多くなります。会社員であれば会社に支払われる報酬に対してその一部が収入となる、もしくはその会社の賃金制度に則って成果と関係なく支払われるため、フリーランスと比べれば手元に入ってくる金額は相当少なくなることは明白です。

また、SES(システム・エンジニアリング・サービス)の場合は、あくまで発注側企業にとって都合の良い契約なのでエンジニアに入る収入はさらに少ない金額となります。「仕事に相応の報酬を受け取る」とシンプルに考えるのならばフリーランスが最も条件の良い働き方であることは言うまでもありません。

また、IT業界は上流工程等、高いスキルの求められる分野での人材不足が深刻な問題となっているため、相応のスキルを持っている人は引く手あまたの状態です。企業側は高い報酬を支払うものの自前でエンジニアを育成する手間とリスクを回避できるので双方にとってメリットが高いのです。

それゆえ、高いスキルを維持向上させることができれば、仕事を選ぶことができ、モバイル端末やクラウドサービス等を活用すれば、時間と場所を選ばず極論すれば世界のどこに居ても働くことが可能なのです。

フリーランスになることは、会社員と比べて決して楽ではありませんが、このようにベースとなるスキルがきちんと伴っていれば高額な収入が得られる可能性が高まります。

フリーランスをキャリアの目標に掲げている人は、日々の研鑽を怠ってはいけません。こういった小さな努力の積み重ねがフリーランスの成功へとつながっていくのです。

最後に確認して欲しいポイント

ここまで、フリーランスで成功するステップアップとしての派遣社員という働き方、そしてフリーランスになるメリットなどについて述べてきました。

いずれにしろ、成功や報酬は自分自身の力で掴む時代に突入し、いち歯車ではなく、確かな実力を持った「個」の力が重視される時代に突入しています。

ITエンジニアとして、どのように生きていくか、自身のキャリアを描いていくかの参考になれば幸いです。

 

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