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フリーランスがアルバイトをした場合、確定申告はどうしたらよいか

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2022年07月04日

フリーランスのなかには、収入を増やすためにアルバイトをする人もいます。なかには、フリーランスよりもアルバイトの収入のほうが多い人もいるかもしれません。

フリーランスがアルバイトをした場合、確定申告では注意が必要な点がいくつかあります。必要書類を間違えると手続きに支障が生じますから、この記事でポイントを確認していきましょう。

フリーランスがアルバイトをした場合、多くは確定申告が必要

お金を稼ぐと申告が必要

フリーランスがアルバイトをした場合、その多くで確定申告が必要となります。ここではその理由を解説します。

多くのケースで、確定申告が必要となる

アルバイトをしているフリーランスは、確定申告が必要となることが原則です。但し以下の場合は、確定申告を省略することも可能です。なお年間の給与額が2,000万円を超える方は、無条件で確定申告が必須となります。

  • 1ヶ所から給与を受け取っている場合は、給与以外の年間所得が20万円以下
  • 2ヶ所以上から給与を受け取っている場合、「全体の年間給与額から、最も高い給与を受け取った会社の分を差し引いた額」と「給与以外の年間所得」を合計した金額が20万円以下

ここでいう年間所得とは、年間収入から経費を差し引いた金額を指します。同じ収入額でも、かかった経費によって所得額は異なります。

しかし多くのフリーランスの方は、年間20万円以上の所得があるでしょう。そのため、確定申告が必要となる方が多くなります。

確定申告が不要な人でも、申告すると得になる場合もある

年収が低くて確定申告が不要となる場合でも、以下のケースでは確定申告をしたほうが得になります。

年末調整をせずに源泉徴収票を受け取った場合

アルバイトのお金を給与として受け取る場合、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出しないと、年末調整をしない状態の源泉徴収票を受け取ることになります。

この場合は確定申告を行うことによって、源泉徴収された所得税の還付を受けることができます。

報酬から源泉徴収がされている場合

アルバイトのお金を報酬として受け取る場合でも、会社によって源泉徴収をする場合があります。この場合も給与と同じく、確定申告を行うことで源泉徴収された所得税額の還付を受けられます。

アルバイトで受け取ったお金は、給与か報酬かによって手続きが異なる

アルバイトで受け取ったお金が給与か報酬かという区別は、確定申告を行う際に重要となります。それは給与と報酬では、確定申告での控除額や手続き内容、必要とする書類が異なるためです。

給与として受け取る場合

給与として受け取る場合、控除額や手続き内容、必要とする書類は以下の通りとなります。

・給与所得控除(最低65万円)が自動的に適用される
・確定申告では、給与所得として申告する
・源泉徴収票が必要

報酬として受け取る場合

報酬として受け取る場合、控除額や手続き内容、必要とする書類は以下の通りとなります。

・受け取った金額から、経費を差し引くことができる
・確定申告では、事業所得として申告する
・フリーランスで得た収入・経費と合算して、青色申告決算書(白色申告の場合は、収支内訳書)を作成する
・報酬を源泉徴収されている場合は、支払調書があるとよい(但し、必須ではない)

確定申告で必要となる書類

アルバイトも行ったフリーランスが確定申告を行う場合、フリーランス部分での申告のほかに、別途書類が必要となる場合があります。

どのような書類が必要か、解説していきます。

アルバイトの契約が雇用契約か業務委託契約かにより、必要書類は異なる

アルバイトで得た収入を確定申告する場合、会社との契約が雇用契約か業務委託契約かによって、必要な書類が異なります。

雇用契約なら給与所得となるため、源泉徴収票が必要

アルバイトの場合は、時給や日給、月給といった単位で働くことになります。短期アルバイトでもない限りは、入社時に「雇用契約書」を取り交わしたり、会社から「労働条件通知書」を受け取ったりしているでしょう。

この場合、受け取ったお金は給与所得に分類されます。そのため確定申告の際には、会社から交付される「源泉徴収票」が必要です。

会社は給与を受け取る従業員に対して、源泉徴収票を発行する義務があります。しかし源泉徴収票は年末調整後に交付されることが普通ですから、受け取れるタイミングは早くても年末となります。

業務委託契約の場合は、支払調書を入手するとよい場合がある

仕事を始める際に「業務委託契約書」を取り交わした場合、受け取ったお金は事業所得に分類され、フリーランスで得た所得と同じ扱いになります。

事業所得の場合、会社から受け取るべき書類は特にありません。但し支払先の会社が源泉徴収を行っている場合は会社に申請して、支払調書を入手しておくとよいでしょう。提出は必須ではありませんが、税務署に対して所得税が天引きされている証拠を示す上で有効な書類となります。

フリーランスの事業に関わる書類も必要

確定申告では、前年に得たすべての収入を申告する必要があります。このためアルバイト収入だけでなく、フリーランスで得た収入も含めた「青色申告決算書」(白色申告の場合は「収支内訳書」)を作成することが必要です。

各種控除に関する書類も準備を

確定申告では、各種控除に関する書類も準備する必要があります。一例として、以下のような書類があげられます。

・医療費控除を受ける場合は、医療費控除の明細書
・国民年金保険料を払っている場合は、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書

アルバイトも行うフリーランスが知っておきたいポイント

提出書類

アルバイトも行うフリーランスには、知っておくと役立つポイントがあります。その内容について、説明していきます。

生命保険料控除などの書類は、年末調整で提出しなくてもよい

会社と雇用契約を結んでいる人の場合は年末調整に先立ち、11月頃に「給与所得者の保険料控除申告書」を会社に提出します。この申告書には、以下の保険料控除を記入する欄があります。

・生命保険料控除
・地震保険料控除
・社会保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除

確定申告をする予定がある場合、これらの書類は年末調整・確定申告のどちらで提出しても構いません。年末調整で提出すると、還付金を早く受け取れるメリットがあります。一方、確定申告で提出する場合は、各種控除の手続きが1回で済むメリットがあります。

このため年末調整と確定申告のどちらで提出するかは、各自の都合に合わせて選ぶとよいでしょう。

フリーランス部分の住民税は、納付書で支払うこともできる

あなたが会社から毎月給料を受け取っている場合、住民税は給与から特別徴収されることが原則です。但しフリーランス部分の住民税は、住んでいる市区町村から送付される納付書で支払うこともできます。この場合は確定申告書の「住民税に関する事項」欄で、「自分で納付」を選択する必要があります。

まとめ

フリーランスがアルバイトをした場合は、受け取るお金が給与なのか報酬なのか、意識することが必要です。給与と報酬では、確定申告での手続きが異なります。特に給与の場合は、会社から源泉徴収票を必ず受け取るようにしましょう。

またアルバイトで源泉徴収された所得税は、確定申告によって還付される方も多いでしょう。確定申告を正しく行い、節税に努めることも大切です。

参考:

【アルバイトでは確定申告が必要】

国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
国税庁「家族と税」
国税庁「平成30年版 源泉徴収のあらまし」
国税庁「給与所得の源泉徴収事務」
国税庁「報酬・料金等の源泉徴収事務」
国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」
国税庁「No.2250 損益通算」

千葉市「個人市民税」

税理士ドットコム「アルバイトとフリーランスを掛け持ちしている場合の注意点」

freee「年末調整まとめ | 扶養控除・保険料控除、計算方法や源泉徴収票まで【保存版】」
freee「青色申告における基礎控除38万円と33万円について」

マネーフォワード「副業で年20万以上稼いでも課税されない場合と、20万以下でも申告が必要な場合の違いを徹底解説!」

All About「収入と所得は何が違うの?」

【確定申告で必要となる書類】

ビズリーチ「労働条件通知書」
国税庁「給与所得の源泉徴収票等の交付義務」
税理士ドットコム「源泉徴収票がない確定申告について」 ※ガールズバーの例

税理士ドットコム「源泉徴収票も給与明細書もない場合の確定申告について」 ※建築業(一人親方)の例
マネーフォワード「青色申告と白色申告の違い」

国税庁「法定調書に関するFAQ」
All About「支払調書とは?確定申告とマイナンバーとの関係」

国税庁「医療費控除」
日本年金機構「平成29年の社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」

【知っておきたいポイント】

freee「年末調整まとめ | 扶養控除・保険料控除、計算方法や源泉徴収票まで【保存版】」
国税庁「手順6 住民税に関する事項を記入する」

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