お役立ち情報|フォスタージャーナル

すぐに始められるフリーランス!!開業から納税までの流れをご紹介

  • Facebook
  • Twitter
  • note

2017年12月11日

「フリーランスとして仕事をしたい」「独立してみたい」という思いをお持ちの方は多いと思います。しかし、実際にフリーランスとして働くには「開業」し、仕事を「受注」し、「納品」するという一連の流れに加え、毎年の確定申告による「納税」といった税務上の諸手続きなど多くの行うべき仕事があります。

これらを「ハードルが高い」と感じて、フリーランスとして働くことに躊躇されているケースもあるでしょう。本記事では、このような実情も踏まえ、これらフリーランスとして働くために必要な一連の流れや諸手続きについて説明します。決して、フリーランスとして働くということは高いハードルがあるわけではありません。この記事を通してそのことをお分かりいただければと思います。

「フリーランスとして働く」とは?

まず、基本的なことですが「フリーランスとして働くということはどういうことでしょうか」。端的にいうと、「会社や組織に属するのではなく、個人として仕事を受注し、その成果物に対して報酬を受け取ること」です。

普通のサラリーマンと比べてフリーランスの大きく違う点は、以下のようなものです。

メリット

  • 仕事のペースや時間は自分で決められる
  • 頑張ればサラリーマン以上に稼ぐことが十分可能

デメリット

  • 毎月決まった額が給与としてもらえるわけではない
  • 仕事は自ら営業して受注していく必要がある
  • 確定申告などの税務処理を自分で行う必要がある

これを見ると、「決まった額が給与としてもらえるわけではない」「税務処理などは自分で行う必要がある」などのデメリットはありますが、「仕事は自分のペースで行うことが出来る」「サラリーマン以上に稼ぐことも可能」などのメリットがあることが分かります。

また、仕事を自分のペースで行うことが出来るので、例えば子育てや介護などでなかなかフルタイムで決まった時間に働くことが難しいようなケースでも、仕事をすることが可能となります。

サラリーマンの実質賃金がなかなか上がらない中、夫婦で共働きをせざるを得ない現状が普通となってきていますが、子育てや介護といった事情を抱えていても在宅などで仕事をすることが出来たり、また本業とは別に仕事をして生活に潤いをもたらしたり、楽にしたりといったことも可能になります。

ここで挙げたようなデメリットが先に立つことで、なかなかフリーランスとして働くことに躊躇している人も多いと思います。しかし、これらデメリットを乗り越えることが出来れば、「自分のペースで仕事を決めることが出来る」「サラリーマン以上に稼ぐことも可能」と、フリーランスのメリットを享受しながら働くことが可能になります。

フリーランスの働き方は、「毎日の通勤」「深夜までの残業」などから開放され、「家族との時間」「趣味の時間」などを作ることが出来るなど、ワークライフバランスの改善にもつながる可能性があります。また、一定年齢になると結婚・出産などで仕事を離れざるを得ないことの多い女性にとっても、継続して仕事をすることが出来るという大きなメリットがあるでしょう。

仕事をはじめる前に〜開業にあたって必要なこと

フリーランスとして仕事を始めるにはどういったことが必要になるのでしょうか。先の章でも少し触れましたが、企業の正社員として雇用されるのとは違い、個人事業主として独り立ちするための準備が必要となります。

必ずしも必要なことばかりではありませんが、想定されるものを記載していますので見ていきましょう。

  1. 名刺
  2. パソコン
  3. 屋号
  4. 銀行口座
  5. ホームページやメールアドレス
  6. 税務署への開業届の提出
  7. 年金等の手続き
  8. 青色申告の手続き

 

名刺

名刺は、自分の看板となるものです。エージェントと利用して仕事を探すのであれば、絶対に必要、と言うわけではありませんが、費用もそんなにかかりません(100枚で1,000円~2,000円程度)ので、名前とどういった仕事をするかを明記し、メールアドレス、携帯電話の番号など連絡先を記載します。もちろん、屋号(後述)を決めたのであればそれも載せましょう。

パソコン

パソコンは特に自宅で仕事をする上で必須のツールです。顧客とのメールでのやりとりや、見積書などの文書作成、また職種によって実際の成果物の作成に欠かせないケースもあります。当たり前ですが、情報漏えいには充分注意し、ウィルス駆除ソフトのインストールはもちろんの事、他人に不正利用されないよう、厳重管理して下さい。

屋号

屋号は、企業でいう会社名です。特に法人格がなくても作ることは可能です。屋号は必ずしもなくても大丈夫ですが、「屋号で銀行口座が開設できる」「契約時に個人名よりスムーズに進むケースが多い」「商工会などの加入に便利」などといったメリットがあります。ただし、既に会社名として有名なものを想起させるものはつけられないなど制約もありますので注意しましょう。

銀行口座

銀行口座は、フリーランスとして仕事をする上で発生する顧客との支払いなどのお金のやりとりや消耗品等の経費による支払いなどの金銭収支を管理するための専用の口座を意味しています。確定申告などの税務処理を行う際のことを考えると、通常使っている口座とは別にして、収支が明確に分かるようにしておくことが大切です。

ホームページやメールアドレス

ホームページやメールアドレスについてですが、ホームページは自社がどういったことをしているのかを顧客に知ってもらうために重要です。また、メールアドレスは顧客との連絡手段として非常に大切なものです。またこれらは独自ドメインを取得すると、相手(取引先)に良い印象を与えると思います。
しかし、メールシステムに関してはわざわざ自前で全てを用意しなくても結構です。独自ドメインが使えるメールサービスが安価で提供されていますので、そちらの利用をお勧めします。
個人でメールサーバを構築して運用したとしても、自分のメンテナンス不足やネット回線の問題でメールの送受信が滞ってしまうぐらいであれば、Gmailのメールアドレスを使ったほうが何倍も安心感があるでしょう。これはホームページも同様のことが言えます。

税務署への開業届の提出

税務署への開業届の提出についてですが、実は開業届は出さなくても仕事は出来ます。しかし開業届を出すことによって「青色申告が出来る」というメリットがあります。
ここで、開業届についてもう少し詳しく見てみましょう。

開業するときに提出する書類は開業届を含めて以下のようになっています。

1) 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)

2) 事業開始等申告書

3) 所得税の青色申告承認申請書

この他にも、従業員を雇用する場合は「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」、家族に給与を支払う場合は「青色専従者給与に関する届出書」といったものを提出する必要があります。それぞれについて簡単に説明すると以下のようになります。

1) 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)

事業を始めたことを知らせるもので、本来は開業するのであれば必ず提出が必要です。開業後1ヶ月以内に税務署に提出する必要があります。

2) 事業開始等申告書

地方税(事業税・住民税)の関連で、開業したことを申告するものです。都道府県税務事務所と市町村役場にそれぞれ提出します。こちらは各自治体によって期限が違うので、問い合わせてください。

3) 所得税の青色申告承認申請書

青色申告を行う際に提出が必要になるものです。これを提出しないと白色申告となり、特別控除を受けることは出来ません。また、白色申告では赤字処理も出来ないので注意が必要です。申請は税務署で行います。また、1月16日以降に開業した場合、開業日から2か月以内、そして1月1日~1月15日までに開業した場合は、その年の3月15日までに申請を行う必要があります。

今度は、開業届を出すことのメリット・デメリットについて見てみましょう。

メリット

  • 青色申告が行えるため、所得税の控除額が大きい、赤字を次年度に繰り越せるなどのメリットがある。
  • 「小規模企業共済」に加盟でき、掛け金が全額所得控除される。
  • 屋号名で銀行口座の開設ができる。
  • 顧客からの信用が高まる。

デメリット

  • 開業届を税務署に提出する手間がある。
  • 青色申告を行う場合は複式簿記で記帳する必要がある。
  • 副業で20万円以下の収入の場合でも確定申告が必要。
  • 失業手当が受け取れないケースがある。

開業届自体の手続きはそれほど難しいものではありませんが、税務処理が面倒になるなどのデメリットもあり、届出を行うかどうかはしっかりと考えるべきです。

年金等の手続き

年金等の手続きについて、副業などではなくフリーランスで働く場合は、厚生年金などではなく国民年金に加入する必要があります。ちなみに副業として行なっている場合は、必要ありません。

青色申告の手続きについて

青色申告の手続きについて、先述の通り、開業届を出すことによって、翌年の確定申告の際に白色申告ではなく、青色申告を行えるようになるというものです。フリーランスになるために必ず必要、というわけではありません。

こうやって並べてみるとやるべきことがたくさんあるように見えますが、実際には開業届自体は簡単な書類を作成して税務署に届けるだけですし、そこまで大変なものではありません。

さあ、仕事を始めよう!

先の章で、フリーランスとして仕事を始めるための準備を行いました。さあ、準備が完了したら、仕事を始めましょう。

まず、仕事をする上で欠かせないことは「仕事を受注する」ことです。受注するためにはどのようなことが必要か考えてみましょう。

  • 仕事を探す
  • 顧客に提案し売り込む
  • 顧客と交渉する

など、自分が提供できる仕事を求めている顧客に対して自らを売り込むという「営業」が必要になります。フリーランスで仕事を始めようとして挫折する場合、これがうまくいかないというケースも多いです。具体的には、以下のような悩みが多いようです。

  • どうやって営業すれば良いのか方法がわからない
  • 誰に対して営業すれば良いのか相手が見つからない
  • 営業をしてもなかなか受注に結びつかない

確かにフリーランスとして仕事を始めようとしても最初はなかなか売り込み先も見つかりませんし、受注に結びつけるのも難しいでしょう。一人で営業をして仕事を受注するのは大変なことです。

ここで大きな助けとなるのが、フリーランスと仕事発注者の仲介・マッチングを行うサービスです。あなたが自宅やカフェなどでWEBデザインやグラフィックデザイン、ゲームのシナリオライターやキャラクターデザイン、コンテンツライティング等の仕事をしたいのでしたら、クラウドワークスやランサーズと言ったサービスを利用するのが良いでしょう。
こういったサービスは「仕事をしてほしい」業者も多く登録し、発注を行なっているので、「営業がうまくいかない」「なかなか軌道に乗らない」といった特にフリーランスになりたての頃は、こういったサービスは非常に役に立ちます。

そうではなく、仕事の発注元やプロジェクトの現場などに常駐し、ゲームやWEBシステムなどの開発や、サーバ・ネットワークインフラの構築を行うエンジニアであれば、いわゆる「エージェント」を利用するのが良いでしょう。

エージェントに登録し、自分のスキルや経験、希望の条件を伝えることで、それに見合う仕事(案件とよばれます)を紹介してくれます。

フリーランスになったら登録すべき最強エージェント5社

これらのサービスでは、単独で営業を行うよりはるかに仕事が受注しやすいですので、こういったサービスを活用しながらノウハウを学ぶと同時に事業を軌道に乗せていくという方法がお勧めです。

いずれにしろ、まずは受注できなければ仕事を始めることは出来ません。

プライドとポリシーを持ってフリーランスになった以上、希望条件はあってしかるべきですが、自分の糧になる案件なのか、などもよく検討してみて下さい。

また、単価が相場より高い案件、というのはそれなりに理由がある場合も多いです。前任者が急に辞めた。納期がとても短い。などの理由ですぐに代わりの対応者を探しているのかもしれません。

仕事を受注したら

さて、「仕事を受注した」となったら、今度は実際に仕事を始めることになります。在宅の仕事にしても、常駐の仕事でも、その際に注意すべきことは以下のようなことです。

  • 納期を再度確認しておく
  • 始めるタイミングを正確に判断する
  • 依頼内容をもう一度確認しておく

受注して仕事を始める前には、もう一度内容や納期を確認しておきましょう。顧客が求める納期を守ることは信頼関係の構築と維持をするためにとても大切ですし、仕事の内容を求められている内容に沿ったものにすることは当然のことです。仕事をしてから、要望に沿ったものでないことが分かると、やり直しの手間などもかかりますし、仕事をする上でとても非効率です。

また、仕事を始めた最初の時期には、あまり複数の仕事を同時進行することはないかもしれませんが、「他の仕事との兼ね合い」「自分の力量」「納期」を見計らって、「いつ頃仕事を始めると、他の仕事との兼ね合いもうまく行き、確実に納期までに終わらせることができるか」判断することも仕事を進める上でとても大切です。

これらは、自宅で仕事をする場合でも、常駐する仕事でも同じことが言えます。特に常駐の場合ですと、まるで常駐先の社員のように立ち振る舞う事を求められるケースもありますが、社員とフリーランス(個人事業主)では立場の違いは明確です。お互い、仕事の発注元と発注先の関係ですから、そこは仲良くなってもきちんと区別して、仕事にあたりましょう。

また、仕事を進めるにあたり、気をつけることがあります。それは以下のようなものです。

  • スケジュール管理をしっかりと行なって納期を守る
  • 顧客が意図している内容に沿ったものにする
  • 時間のかかる仕事などでは特に顧客とコミュニケーションをとりながら進める

フリーランスに限らず仕事をする上でとても大切なことの一つに、「スケジュール管理」があります。特に複数の仕事をしていると、どの仕事の納期がいつで、どの仕事はどれくらいの時間が必要になる、などの工数の把握。さらに次の案件を受注するための営業活動を行うなど、間で行うさまざまな仕事があるので、これらをしっかりと管理してすすめる必要があります。

特に常駐する仕事の場合は、安全上・セキュリティ上の理由から、常駐先の勤務時間に合わせて出入り(出退社)することが求められるため、仕事をする時間は限られています。発注元が見ていないうちに自宅で時間をかけて仕上げる、と言うことはほぼ無理ですので、予めスケジュール管理を行う意識を持つようにしましょう。

加えて、自宅やカフェ等で受注した仕事を行う場合は、発注元とのコミュニケーションを密に取り、疑問点などを解消しながら発注元の意図に沿う成果物を納品するようにすることが大切です。毎日顔が見える距離で作業が出来るわけではないため、発注元の意図とずれたものになると、手直しなどの余計な手間が発生してしまいまい、双方にとって良いことがありません。

報酬を受けとる

顧客の求める仕事を完了すると、その成果に対して「報酬」が支払われます。これは、仕事をした成果として支払われるものですが、サラリーマンとして仕事をしていると月々に決まった額が給与として支払われるのと比較すれば、感覚が違うかもしれません。

フリーランスとサラリーマンの報酬における大きな違いは、以下の通りです。

フリーランス

  • 成果(物)に対して報酬として受け取る
  • 頑張れば頑張るほど増える

サラリーマン

  • 固定された額の給料を受け取る
  • 頑張っても増えないことが多い(それはそれで問題ですが)

フリーランスとサラリーマンにはこのように報酬という面で大きな違いがあります。フリーランスは自分のスキル・経験・実績を基に受注し、報酬が増えるので、「仕事のやりがい」という点では非常に大きなものが得られると思います。

エージェントやクラウドサービスを利用するにしても、自分の営業活動をしたことに代わりはありません。営業活動の末、仕事を受注し、こなした一つ一つの仕事の大変さというのが、サラリーマンとして固定の給与を得る以上によく感じることが出来るのではないでしょうか。

ところで、報酬を受け取るにはいくつかの方法があり、支払いの方法は多くの場合「銀行振込」ですが、支払いのタイミングなどはいくつかの種類があります。これを「支払サイト」と呼ぶ場合もあります。

締め日

  • 納品月末
  • 検収完了月末
  • 月末
  • 毎月◯◯日

支払日

  • 当月末支払
  • 翌月末支払
  • 翌々月末支払

フリーランスとして働いていると、「今月の収入はどのくらいになりそうか」という見込みを立てることが多いと思いますが、このように支払いの方法によって振り込まれるタイミングが変わってきますので注意しましょう。

確定申告を忘れずに

サラリーマンとして働いていると、年末になると年末調整というものがありますよね。申請書に保険等の契約の詳細や、扶養家族の状況などを記載して提出するものです。年末調整を出すことによって、企業から一括して税務署の方に手続きを行ってくれる便利なもので、自分から税務署に行って手続きを行う必要はありません。

しかし、フリーランスとして働くということはそういった税務関係の手続きもすべて自分で行う必要があるということです。そこで行う必要があるのが「確定申告」です。毎年2月くらいになると、TVや新聞、市の広報などで確定申告のお知らせがなされます。

確定申告の目的は、税務署にとって「個人の年間収入を正確に把握すること」「税金の徴収額を正しく算出すること」、そして「払い過ぎている税金を適切に返還出来るようにすること」です。

もし、これが行われないと税金を正しく支払うことが出来なかったり、必要以上に支払っていても返ってこなかったりという事態になってしまいます。ちなみに税金を正しく支払っていないと脱税となり、犯罪となりますので注意しましょう。

さて、確定申告を実際に行う方法について見てみましょう。

フリーランスは確定申告の税区分では「その他の事業」ということになり、20万円以上の収入があった場合は確定申告を行う必要がありますが、その方法には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。これらは簡単に区別すると以下のような特徴があります。

  • 白色申告:簡単な経費の計算だけで申告が可能
  • 青色申告:複式簿記など細かい記録をつける必要があるが、控除額が大きい

このように申告の方法には2種類ありますが、その内容はかなり変わってきます。白色申告では、あまり帳簿などの経理処理の手続きは必要ないので、フリーランスとして仕事を始めたばかりの人や、フリーランス収入がまだ低い人にはオススメです。

青色申告は、簿記の方法により2種類に分けられます。簡易式の簿記で良いが10万円の特別控除しか受けられないものと、複式簿記を行って65万円の特別控除を受けられるものとなります。いずれにしろ、フリーランスとしてある程度経験があり、収入が増えてきた人がオススメです。この青色申告には、特別控除以外にもいくつかのメリットがありますが、もっとも大きなものは赤字が出た時の取り扱いです。青色申告では、仮に赤字が出た際にも「3年間繰り越して収入から引くことが出来る」という赤字の繰り入れ処理を行うことが出来ます。

それぞれをまとめてみると以下のようになります。

白色申告

  • 簡単な経費の計算だけで申告が可能
  • 特別控除は受け取ることが出来ない
  • 赤字処理はない

→フリーランスとして仕事を始めたばかりの人、経理処理の経験がない場合、フリーランス収入が低い場合はこちらがオススメ

青色申告:特別控除が10万円

  • 記帳は簡易簿記で良い
  • 決算書は一部表記で「賃借対照表」「損益計算書」が必要
  • 赤字の繰越処理ができる

→10万円の控除が受け取りたい、あるいは経理処理に割く時間がある(出来る人がいる)、不動産・株式など他の収入がある、などといった場合、比較的手軽に出来るので、これがオススメです。

青色申告:特別控除が65万円

  • 記帳は複式簿記を行う必要がある
  • 決算書はすべて表記の必要があり「賃借対照表」「損益計算書」が必要
  • 赤字の繰越処理ができる

→65万円の特別控除は、経理処理なども高度なものが必要になります。法人設立を視野に入れている場合、経理担当者がいる、といった場合にはここまで行う必要がありますが、そうでない場合は、必要ないでしょう。

なお、確定申告の方法にはいくつかの種類があります。

  • 税務署での申請
  • オンライン(e-Tax)での書類作成→税務署での申請
  • オンライン(e-Tax)での書類作成→郵送
  • オンライン(e-Tax)での書類作成→オンラインでの申請 *ICカードリーダーとマイナンバーカードが必要

確定申告は従来からの税務署に出かけていってその場で書類を作成して申告する方法も使えますが、この時期税務署は確定申告を行う人で非常に混雑します。したがって国税庁のe-Taxと呼ばれるインターネット経由で書類を作成し申請するシステムを使うのが便利です。

この確定申告はだいたい3月15日頃が毎年申告期限となります。遅れると延滞税などが発生するケースもありますので、必ず期限は守りましょう。

納税について

無事に確定申告を行って、それで終わりではありません。確定申告はあくまで前年度の1月から12月までの収入を申告するものです。確定申告を行って算出された金額を税金として納付する必要があります。

税金の納付の方法は3つあります。

  • 金融機関から振り込む
  • 自動引き落としにする(振替納税制度)
  • インターネット経由での納付:インターネットバンキング or e-Taxからの納付

今はインターネット経由で振り込む方法があります。インターネット経由での振込みには2つの方法「インターネットバンキングを使う」「e-Taxを使う」があります。これらの方法を簡単に説明すると以下のようになります。

インターネットバンキングを使う

ブラウザでインターネットバンキングにログオンし、「税金・各種料金払込」から手続きを行います。収納機関番号は、「00200」(国税庁)を入力し、「納付番号」「確認番号」「納付区分」を入力します。これらの番号は国税庁のホームページに掲載されています。

e-Taxを使う

こちらは確定申告の際に利用したe-Taxを使う方法です。こちらは確定申告の際にe-Taxを使った場合のみ利用できます。確定申告を行った際に「今すぐ納付する」または、「納付日を指定する」のボタンを押すことで、あとは指示に従えば納付を行うことが出来るようになっています。

ところで、当然のことですが確定申告の際に納付の必要がなく、還付金として変換される場合は納付の必要はありません。この場合は確定申告の1ヶ月ほど後に「国税還付金振込通知書」が郵送されてきます。それとともに登録した振り込み先に還付金が振り込まれるので、確認するようにしましょう。

このように、確定申告が終わるとそれですべて完了ではなく、それに基づいた税金の納付が必要になります。忘れずに納付するようにしましょう。

 

<参考>確定申告のために毎月行うべきこと

確定申告には白色申告と青色申告があり、以下のような違いがあると説明しました。

  • 白色申告:簡単な経費の計算だけで申告が可能
  • 青色申告:複式簿記など細かい記録をつける必要があるが、控除額が大きい

では、これら確定申告をスムーズに行うためには日頃からどういった準備をして、どういったことに気をつけておく必要があるのでしょうか。

確定申告を行うためには、収支をしっかりと記録しておく必要があります。白色申告では、簡単な経費の収支報告だけで済みますが、青色申告では複式簿記をする必要があったり、損益計算書を作成したりする必要があるなど、さまざまな税務処理が必要になります。

これらを適切に行うためには3つの方法があります。それは以下の通りです。

1)市販の確定申告ソフトを利用

「やよいの青色申告」などがありますが、少し項目が複雑で初心者にはわかりにくい面もあります。ただし、ある程度慣れた方や、規模の大きい事業者になると複雑な設定なども出来るので便利です。

2)確定申告のクラウドサービスを利用

MFクラウド確定申告」や「freee」などがありますが、ブラウザなどを使用してインターネットを介して利用できるサービスです。無料や低価格で利用できるものもあるなど、フリーランス初心者などにとっても利用しやすいものとなっています。

3)税理士に頼む

もっとも確実なのが税理士に依頼することですが、当然費用が発生します。年間売上によってもかなり変わりますが、概ね以下のような相場になっています。

年間売上

記帳・帳簿を自分で行う

全て税理士に依頼

500万円以下

3万円

6万円

1,000万円以下

5万円

10万円

3,000万円以下

10万円

20万円

このように3つの方法がありますが、特にフリーランス初心者で収入もそれほどない場合は、費用があまりかからない「2:確定申告のクラウドサービスを利用」がオススメです。

さて、確定申告を行うためには以下のようなことをこまめに行っておく必要があります。

  • レシートや領収書のこまめな整理
  • 定期的な収支の記録(通帳やカードの収支など)

日頃からこういったことをこまめにしておくことによって、確定申告がかなりスムーズに行えるようになるはずです。

また、確定申告を行う場合は、フリーランスとして仕事を行う上でかかった必要を必要経費として処理することで節税をしたいと思われる方も多いでしょう。例えば、ITエンジニアとして仕事を行う上で必要になるものに以下のような項目があります。

  • パソコン
  • ソフトウェア
  • 参考書(専門書)
  • 通信費
  • プリンタの紙やインクなどの消耗品

自宅兼事務所として業務を行なっている場合などは、経費として認められるのは原則的に50%以上の割合で仕事に使っている場合か、もしくは明確に仕事とそれ以外を区別することができる場合とされています。

また、金額によって経費処理にする方法も変わってきますので注意しましょう。

10万円未満の場合

一括で経費処理できます。

10万円以上〜30万円未満

本来であれば固定資産として減価償却する必要があるため、一括で経費として処理できないが、下記のケースに当てはまる場合は少額減価償却資産の特例が適用されるので、一括処理できます。

  • 青色申告をしている(開業届を出している)
  • 平成28年3月31日までに購入している
  • 購入した年内に実際に使い始めている
  • その年における購入額の合計が300万円以下となっている
  • 確定申告の際に「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」を提出している

こういった条件に当てはまる場合は、一括処理が可能となります。

30万円以上

固定資産として処理し、減価償却をする必要があります。

 

このように、フリーランスとして仕事を行う上で経費として処理できると、かなり節税になりますが、手続きの際には上記で説明した金額による手続きの種類など注意する点もあります。ここで紹介した以外にもいろいろとテクニックなどもありますので、うまく節税につながるように心がけましょう。

<参考>仕事の管理をするのにはこれが便利!

ここまで、皆さんがフリーランスとして仕事を始めるにあたって、どのようにすれば良いのか、そして、仕事を進めるにあたってどのようなことに気をつけると良いのかということについて見てきました。

フリーランスとして仕事をするということは、「自分ですべて行う」ということです。「営業」「実際に成果物構築作業」「納品」「税務処理」などさまざまなことをすべて一人で行う必要があります。また、複数の案件が重なることも頻繁で、スケジュールやタスクの管理を確実に行うことがとても大切になってきます。

ここでは、最後にフリーランスとして仕事をする際に便利なスケジュールやタスク管理を行う際に役に立つツールを紹介します。

Todoist

タスク管理の定番ツールです。Windows, MacなどパソコンだけでなくiPhone, Androidといったスマートフォンのアプリなどもあります。タスクをいつまでに行うか、など一つずつ詳細な設定をしながら登録・管理することの出来る人気のツールです。

Wunderlist

やるべきことのタスクやスケジュールを簡単に登録して使えるツールです。こちらもWindows, Macなどパソコンだけでなくスマートフォンでも利用できます。非常にシンプルに使えるのが特徴です。また作ったタスクをグループで共有することも出来るので、チームで仕事をする時にも便利です。

Jooto

タスク管理機能に特化したプロジェクト管理ツールです。こちらもスマートフォンを含めたさまざまなOSに対応しており、また直感的な操作ができて非常に人気のあるツールです。

フリーランスとして仕事をする際には、さまざまな案件を抱える中、自分でスケジュール管理をしっかりと行っておくことが大切になってきます。ここで紹介したツールはいずれもスケジュール・タスク管理ツールとしては定番とも言えるものばかりです。いずれも良いツールですので、自分に合うと思ったものを選択して、使ってみてください。

 

まとめ

今までサラリーマンとして働いてきた、あるいは改めてフリーランスとして初めて仕事をしてみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。特にこの記事を読まれた方は、そういった考えの方が多いと思います。しかし、いざフリーランスとして仕事をしようと考えた時に「どのように始めたら良いかわからない」「仕事をどうやって探せば良いのかわからない」などといったハードルの高さを感じて断念されていることもあるのではないでしょうか。

本記事では、こういった「フリーランスとして仕事を始めよう」とした時に皆さんが抱える悩みについて出来るだけお答えする形で、「仕事の始め方」から「仕事の探し方」「納品」「確定申告」など、フリーランスとして働いた際に経験するさまざまな内容を説明しました。

フリーランスとして働く場合に大切なことは、サラリーマン以上に「人のつながりと信頼の醸成」だと思います。サラリーマンの場合は、会社同士、組織同士の信頼やつながりとなりますが、フリーランスの場合は個人です。個人として「この人は信頼できる」という関係を作ることが継続した受注には非常に大切ですし、またそこから新たな仕事に広がっていくこともあります。これは、自宅で仕事をする人も、依頼元に常駐して働く人でも全く同じです。

皆さんもフリーランスとして働く際には、ここで紹介したようなノウハウを参考にするのはもちろんのこと、顧客との信頼関係とつながりを重視しましょう。そうすればきっと、フリーランスとして成功することができるはずです。

<参考>

確定申告後の税金納付の3つのやり方:freee株式会社

白色申告と青色申告の違いとは?:ランサーズ

フリーランス向けスケジュール・タスク管理ツール10選:レバテックフリーランス

【2017年最新版】プロジェクト管理ツール(無料)が便利すぎる

  • Facebook
  • Twitter
  • note
新着案件情報を他の人より早くチェック!