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文系出身でもSEになれるのか?文系からシステムエンジニアへIT出世の道

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2017年02月08日

システムエンジニアといえば、理系大学出身者がそろっているイメージがありますが、実はそうではないと言われています。文系からシステムエンジニア(SE)やプログラマ(PG)になっている人も多いのです。 

システムエンジニアを含むIT業界関係者のうち半分がなんと文系出身なのです。もちろん、大事なのは数の問題ではなく、そこで活躍できるかどうかなのですが、文系出身者でも活躍しているケースは少なくないのです。

文系出身が活躍できる理由は?

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そもそもSEの仕事を垣間見ますと、大きくは次の4つに分けられます。

  • お客様から要件のヒアリングを行う
  • 要件定義を行い、設計書を作成する
  • プログラマへの指示を行う
  • スケジュールに沿って進行管理を行う 

もちろんプログラミングに関する知識とスキルがあれば、お客様との折衝でより提案しやすくなるのは間違いありませんが、文系出身者が自己流でIT知識を備えるのはかなり大変です。

ではなぜ文系出身者がシステムエンジニアとして活躍できるケースが生まれているのでしょうか?

必要な知識やスキル 

そもそもシステムエンジニアは、プログラミングそのものを手掛ける必要は必ずしもありません。むしろ、IT全般の戦略的思考とそれにともなう知識、プロジェクトを完遂するための業務知識や論理的思考、お客さまやプログラマなどと付き合っていくコミュニケーション能力が重視される傾向にあります。

もっとも、こうした能力・技能をいきなりすべて持ち合わせなくても大丈夫です。というのも、多くのIT企業は、中途採用ならば即戦力を求めますが、新卒採用の場合は入社後に社内で育成していくという考えで人材採用を行っていることが多いからです。

また入社後に開催される内外の研修をこなしていけば、平均して3年程度でそこそこのIT知識やスキルは身につけることができます。つまり、現場で経験しながら学ぶことができる環境があるというわけです。

確かに理系大学や学部で勉強し、卒業をしていれば、高度な知識をもとに開発現場で活躍することができるかもしれません。しかし、理系のOBOGの多くが「学生時代に勉強したことがそのまま現場で活かされているわけではない」と答えます。入社した企業の取扱製品や、配属された部署の役割が、専攻と一致するわけではないのです。

もっとも、理系で研究してきた実績などがあれば、応用は利きやすくあります。それでも大学で学ぶことと開発現場で直面する課題や求められるスキルは異なることが一般的であるため、スタートラインがそれほど違うわけではないのです。

企業が採用で見ているもの

特にコミュニケーションスキルや、論理的思考といった能力については、文系も理系もありません。現場に飛び込んで、自ら体験することで学んでいくしかありません。

さらに企業としては、新卒の学生が入社した段階でパーフェクトなスキルを求めてはいません。当然ではありますが、その人がどのような学生生活を経て、入社後にどんな活躍ができるか、面談では原石としての可能性を見ているわけです。

わからないことがあっても自分で積極的に学んでいき、高いモチベーションを持ち、社内でうまく立ち回って行けそうな人を選ぶわけです。つまりこの時点で、文系も理系もさほど関係がなく、理系で研究してきたことは、あくまでその人の個性に紐づくオプションの一つという程度なのです。

つまり、文系出身者がシステムエンジニアとして活躍できるのは、不思議なことでも何でもなかったわけです。

SEとして飛躍するための3つの能力

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ただし、これはあくまで普通に仕事ができるシステムエンジニアになる場合という話。もしキャリアアップして上を目指していくためには、努力やプラスアルファのスキルが必要になってきます。

よく言われるのは次のようなものでしょう。

  • 複数のプログラミング言語に精通している
  • より顧客の懐に飛び込んでいける営業能力
  • コンサルティングまで行える対人信頼獲得能力

もし、これらすべてを兼ね備えていたら、もはや業界に敵なし。トップレベルのシステムエンジニアとして引く手あまたになるでしょうし、独立してもやっていけるでしょう。しかし万事ができるほど私たちには時間がありませんし、やはり向き不向きもあります。そこで、キャリアアップを目指すなら、このどれかひとつだけでも身に着けておきたいものです。

複数のプログラミング言語に精通している

まず複数のプログラミング言語に精通しているということについて。プログラミング言語だけでなく、複数のデータベース、複数のOSに対応できるシステムエンジニアと言えます。

実は、これらのどれかひとつ増えるだけでも、需要が大きく変わってくると言われています。さらに言えば、通信インフラを設計したり、ハードやソフトを選定出来たり、企業の今後の展開も見越したプログラミングを選択することができたりすると、企業からは大事な人材だと重宝されやすいでしょう。

ただし、これは文系が目指す方向性としてハードルが高いものと言えるでしょう。多くの場合は、プログラマからシステムエンジニアに転向した人が目指すことが多いからです。

より顧客の懐に飛び込んでいける営業能力

次により顧客の懐に飛び込んでいける営業能力について説明しましょう。懐に飛び込んでいくと話すと「ヨイショをすればいいのか」などと勘違いされてしまうかもしれませんが、お客様に気に入られるというだけの話ではありません。

大事なのは、お客様に利益になる発想や行動ができるかということ。シンプルに言うと、仕事を自ら作り出し、お客様の売上に貢献できるかどうかなのです。これはシステムエンジニアに限ったことではありませんし、どこの業界でも同じですが、お客様にお金を出させることができる(=営業ができる)人材というのは大変貴重です。

さらに、お金を出しているお客様が満足し、「また次もあなたに頼みたい」と言ってくれれば、まさに懐に飛び込んだ挙句、「懐刀」として手離したくない存在になれているということ。

こうした飛び抜けた営業ができる人材は、常に努力を怠りません。彼ら彼女らがどんな努力をしているか、まとめてみると次のようになります。

  • 最低限、週に1度は提案書を書く。そしてその習慣を続ける
  • 常にプレゼンテーションの練習を怠らず、プレゼン上手な人たちから学びを得ている
  • 営業のコンペティションに同行し、積極的に顧客の状況を理解しようとしている
  • 他社分析を怠らず、コンテンツや価格について最新知識をアップデートし続けている
  • 展示会などへ積極的に足を運び、業界動向を勉強している
  • パートナー企業との情報交換で人脈を強くしている
  • 異業種交流会への参加で、自業界以外の業界情報も積極的に集めている

IT業界でよく言われるのは、自社の営業提案だけでなく、パートナー企業からの紹介案件も多いことです。したがって、コネクションを広く持っておくことで、役立つ人材と映り、大事にされるケースが少なくないのです。

コンサルティングまで行える対人信頼獲得能力

そして最後の要素は、お客様の成長を促すことができるシステムエンジニア。つまりコンサルティング能力を持って、お客様に寄り添うことができる人材ということです。

コンサルティングといっても、幅の広いものです。よくイメージしやすいのが、経営戦略におけるコンサルティングでしょう。しかしコンサルタントは、会社の全体像を見るばかりではなく、細分化された部分的なコンサルティングも存在します。たとえば、人事専門、給与専門、経理・会計専門、または販売に特化していたり、仕入れに特化していたり。

つまり企業に存在する業務の数だけ、コンサルタントがいると考えられるのです。実際、よく聞く話が、お客様の将来成長を見越すことができ、成長戦略を描くことができるシステムエンジニアは、名指しで依頼されることもあるのです。

できるSEがやっている4つの将来準備

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とはいえ、コンサルティングを行うにあたって、何をどう準備すればいいのでしょうか。「できるシステムエンジニア・コンサルタントがやっているのが次の通りです。

  • プロジェクトで関わっている業務の勉強をするのは当然。加えて業務発生や進行の背景、ほかの業務とのつながりも含めて広範囲で勉強していく
  • 他社が行っている業務の流れをしっかり把握し、他社の手がけたシステムプランニングの実例を数多くストックしていく
  • 定期的にお客様のもとを訪問し、担当者とコミュニケーションをとりつつ、顧客の抱える最新の問題点を把握していく
  • 自分が関わるプロジェクトに対して常に疑問の目を向け、「もっとよくなるためにはどうしたらいいか?」とリニューアル意識を欠かさない

質の高いコンサルティングは、視点が高く幅広いことと、豊富な知識が累乗になって初めて可能になってきます。もちろん、そのようなハイレベルな領域にいきなりたどりつくことはできません。日々の努力が必要となってきますが、目指すならば高みを目指してもいいのではないでしょうか。

器用貧乏にならないよう注意を

実は、システムエンジニアの中には「コンサルティング業務に携わるようになりたい」と考えている人は、案外多くいます。

ある程度の実績がついてきたら、独立をするか、コンサルファームを転職先として選ぶ人が後を絶ちません。しかしコンサルファームも、所属のコンサルタントの質がブランドに直結しますから、プラスアルファで個性や才覚を感じさせる人材でなければ入社させる必要がありません。

誰でも彼でも、かつ一定期間システムエンジニアをやっていれば、オートマチックにコンサルタントになれるわけではないのです。

まとめ

さて、今回は文系出身者がシステムエンジニアになるためのさまざまなことを書いてきました。文系出身の場合は、知識・経験的にまだとてもピュアな、純白の状態ですから、IT業界における自分の将来に対して好きなように色を付けることができます。

ただし、器用貧乏にならないように、「自分はこのスタイルでいく」という方向性を決めてから進むとよいでしょう。

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