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企業経営の根幹で求められる情報システム部門の求人とは

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2017年07月12日

「情報システム部門って何の仕事をしているの?」と尋ねられた時、皆さんならどう答えるでしょうか。「パソコン関連の仕事」「サーバーやネットワークの管理をしている」など、いろいろな答えが出てくるのではないでしょうか。

以前はこの答えで十分でした。しかし、IT分野の知見と戦略は今や企業が自らの効果的な経営戦略を実行する上で欠かせないものとなっています。

では、情報システム部門は今後具体的に企業の根幹でどういった役割を果たしていくようになるのでしょうか。また、こういった業務内容の変化によって、どういった人材が求められ始めているのでしょうか。

情報システム部門の求人の現状とは

人材紹介大手のインテリジェンスの調査によると、2017年上半期のIT業界の求人動向は引き続き好調で高いレベルのまま緩やかに上昇していく見込みです。また以前からのSIerや開発系の求人が好調なのに加えて、事業系会社の情報システム部門や社内SEといったいわゆる他業界企業の情報システム部門の人材への求人も好調な状態です。

情報システム部門の求人には、社内システムの保守・管理などを行う社内SEやIT戦略の立案や新企画の検討などを行う事業部付きのエンジニアなどがありますが、この調査の結果はこれらの需要が従来と比べてかなり増えたということを示しています。

なぜ、情報システム部の求人が増えたと言えるのでしょうか。現在、筆者は転職を行なって一般企業の情報システム部門に所属していますが、実際に転職活動を行なった5年前はこういった情報システム部門の求人は限られていました。元来、情報システム部門に所属する人の数が少なく、さらにポストに空きが出るケースが非常に限られているという現状がありました。

ほんの数年間で情報システム部の求人がこのように増えるということは、企業が求めるIT関連の人材が変わったこと、そして企業でのIT関連の人材の重要性がいかに高まっているかということを如実に示していると言えるのではないでしょうか。

高まる情報システム部門の重要性

企業の情報システム部門の求人が高まっているということは、とりもなおさず企業内でのITの重要性の高まりを示していることに他なりません。

従来の情報システム部門の役割といえば、皆さんもご存知だと思いますがおおよそ以下のような内容でした。

  • 自社IT関連機器(PC, サーバー、ネットワークなど)の保守・運用管理
  • 自社システム開発や更新
  • 情報セキュリティの維持
  • 外部ベンダーの管理

こういった業務内容がメインで、また、そのうちのかなりの部分を外部の協力会社などに業務委託するといったケースも多く、情報システム部としてはそれほどの人員は必要とされていませんでした。

しかし今や、企業経営の中でITの果たすべき役割は非常に大きなものとなっています。例えば製造業では情報システムが材料の管理、生産コントロール、出来上がった製品の在庫管理などさまざま面で利用されています。

販売業では顧客情報の管理、商品の在庫管理、発注など、同じように多くの面で活用されています。そういった中、情報システムに万が一の問題発生などがあり停止してしまえば、企業の業務活動は継続が難しくなりすべて停止してしまうといっても過言ではありません。

逆に、これだけ企業活動のあらゆる面に関連していることから、IT関連システムの高効率化や適正化をはかることは、企業の業務活動の効率化、高収益化を実現することに直結します。

加えて、最近話題になっているものにビッグデータの活用があげられますが、このビッグデータの活用による新規サービスの創造なども情報システム部門の仕事内容になってきます。

また、ITを活用して自宅や出張先といったどこからでも仕事ができるようになるといった「テレワークの推進」など従業員のワークライフバランスの実現に向けてのITの活用といった働き方の改革といった面でもITが果たすべき役割は大きなものがあります。こういったことから、これまでより更に「情報システム部門が企業経営の根幹で果たす役割が増している」のです。

ニーズを踏まえて欧米では情報システム部門を拡大し、全社的なITアーキテクチャの構想化、R&D(先進技術の評価検証など)、デジタルイノベーションの推進といった内容を担当させ、全社的なIT戦略の推進を担うというケースが増えています。

欧米企業のこのような先進的な動きに比べて、日本企業ではまだまだ遅れている感は否めませんが、今後日本企業でもこういった方向に進むことは間違いないと考えられます。

求められるITの人材とは

企業の中で情報システム部が果たすべき役割が増しており、従来のように「自社システムの管理や運用」「内製ソフトウェアの開発」などといった業務に携わっていればよかったという状況から、「全社的なITアーキテクチャの構想化」や「デジタルイノベーションの推進」といった企業の経営の中でIT戦略をどうしていくべきか、といったことを考えることが必要になってきています。

こういった中、今後求められるITの人材とはどういったものになるのでしょうか。もちろんITエンジニアとして従来から必要とされる「技術や知識」はもちろんのこと、他には以下のような事柄が考えられるのではないでしょうか。

  • 企業の中でITがどう活用されるべきかビジョンを描き、提案できる人材
  • 受け身でなく積極的に行動できる人材
  • 変化を恐れない人材
  • 他部門と協力して物事を実行できる人材

もちろん企業の中でITがどう活用されるべきかといった提案やアイデアを出せるようになるためには業務や経営に対する理解、ITエンジニアとしての経験が必要になるなど簡単なことではありません。

ITエンジニアの側に立つと、「知識や技術」といった今までに必要であった部分に加えて「アイデア」「提案力」「実行力」などさまざまなものを要求されるようになり、大変になるという意識を持たれた方も多いのではないでしょうか。しかし、提案することでそれが企業経営に反映され、情報システム部門がこれまでより比較にならないほど重要なものであると認識されていく中で間違いなく仕事のやりがいは増すのではないでしょうか。

さいごに

「情報システム部門の仕事は何?」と聞かれたとき、以前は、「企業のコンピューターやサーバーの管理」であるとか「ネットワーク管理」「セキュリティ管理」など、企業が持つIT資産の管理の仕事をしているという意味のことを答えれば正解でした。読者の皆さんの中にもこういった認識を持っている人もいるのではないでしょうか。

しかし、今や企業でのIT分野の重要性と活用の可能性は以前とは比較にならないほど広がっています。ITの活用のための戦略をしっかりと立てて、企業経営に生かすことが必要となっています。

こういった中、ITエンジニアにも従来までの「知識や技術」だけでなく、以下のようなことが求められるようになっています。

  • 組織としてのIT活用戦略を考えるアイデア
  • 積極的に提案する力
  • 多部署とともに協力して物事を行う力
  • 変化を恐れず新しいものを取り入れていく柔軟性

これらは経験が必要な場合もあります。しかし、意識して自分が求められるエンジニアに近づくことが自らの市場価値を高めることにつながります。これからのIT業界で情報システム部に求められる人材になるためには、自ら意識して今回掲げたような人材を目指していくことが大切です。

<参考>

「転職市場予測 2017上半期 IT・通信:DODA」

「IT部門は経営の根幹、多様な事業の現状つかむ:IT Pro」

「情シス不要論は本当?これからの情報システム部に求められる役割とは:情報畑でつかまえて」

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