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フリーランスが請求書を作る際の注意点、ポイント、書き方

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2023年01月11日

フリーランスとして仕事をする際、取引先(クライアント)に請求書を求められるケースが存在します。
すでに請求書を作成した経験を持つ方ならともかく、初めて作る方にとっては何から手を付けたら良いのか?がわからなくとも不思議ではありません。

ここでは、フリーランスが請求書を作る際に関連する以下の項目についてご紹介します。

・請求書に記載する10の項目

・請求書作成・6つの注意点

・請求書の書き方の例

・請求書を発行するタイミング

この記事が役に立つ方

・フリーランスとして働いている方
・請求書の作成が必要な方
・請求書の基本的な書き方を知りたい方
・請求書の作成時の注意点に興味のある方

請求書に記載する10の項目

フリーランスが作成する請求書には、次の10の項目を記載することが求められます。

・請求書の宛先
・請求内容(品目、数量、単価)
・請求日(発行日、作成日)
・請求書番号
・消費税額
・支払期日
・請求金額
・発行者名
・振込先の金融機関名
・特記事項

請求書の宛先

請求書を送付する取引先(クライアント)の名称を記します。

請求書を送る相手の区分

記載例

株式会社などの法人

株式会社 ○○○○ 御中

個人

○○○○ 様

法人と個人(担当者)

株式会社 ○○○○ ○○○○ 様

請求内容(品目、数量、単価)

請求内容には、どのような仕事をしたのか?を明確にするために、以下の項目ごとに分けて記載します。

請求内容の項目

内容

品目

・商品名
・もしくはサービス名
※「○月分デザイン料」「○月分原稿作成料」などのパターンもあります

数量

・品目ごとの数量
※「1」「3」「10」など

単価

・品目ごとの単価
※「100」「1,000」「10,000」など

請求日(発行日、作成日)

請求日には請求書を作成した日付や、請求書を発行した日付を記します。
※2022年6月10日など

請求書の発行日を取引先から指定される場合もあるため、事前に確認しておいたほうが無難です。
※月末(2022年6月30日)など

消費税額

請求金額に対する消費税額を記載する項目です。
軽減税率対象の「8%」と対象外の「10%」に分ける必要があります。

消費税率

記載例

8%(軽減税率対象)

内訳
8%対象:100,000円
消費税:8,000円

10%(軽減税率対象外)

内訳
10%対象:100,000円
消費税:10,000円

軽減税率の対象品目については、以下のリンク先にて確認することをおすすめします。

1 軽減税率の対象となる品目-国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/01.pdf

財務省 身近な税「軽減税率制度」について教えて下さい。

https://www.mof.go.jp/tax_information/qanda023.html

支払期日

支払期日には、報酬や代金を指定した金融機関口座に入金してもらいたい日付を記します。
※2022年6月25日など

支払期日については、あらかじめ取引先と相談の上、決めておくと良いでしょう。
相手の都合もあることなので。

請求金額

報酬や代金の「合計金額」を記載する項目です。
消費税が含まれるようであれば、消費税分を上乗せした金額を記しましょう。
取引先に源泉徴収を行ってもらう際には、源泉徴収分は除いた金額となります。

小計:100,000円
消費税(10%):10,000円
源泉徴収税:10,210円
合計:110,000円

請求金額:110,000円
※実際の入金額は110,000円-10,210円=99,790円です

発行者名

請求書を発行した方の住所と名前のほか、連絡先の電話番号やメールアドレスなどを記します。

〒○○○-○○○○
○○県○○市○○1-2-3
(発行者名)
連絡先電話番号
連絡先メールアドレス

振込先の金融機関名

報酬や代金を入金してもらう金融機関名を記載する項目です。

○○銀行 ○○支店
請求書の発行者名(カタカナ)
普通 ○○○○○○○(口座番号)

特記事項

報酬や代金の支払いに関する変更や追加などを記します。

・支払期日の変更条件
・分割払い
・振込手数料の負担など

請求書作成・6つの注意点

ここからは個人事業主やフリーランスの方が請求書を発行する際の注意点を、項目別にご紹介します。

・請求書の発行日
・振込手数料の負担の明確化
・源泉徴収税・消費税
・押印
・請求書番号
・御中と様の使い分け

請求書の発行日

請求書の発行日は請求書の作成日をそのまま記す場合と、取引先から指定された日付を記載するケースに分かれます。
どちらかというと、取引先の請求締日(月末など)が指定されるほうが多いかもしれません。
担当者と事前に相談の上、取り決めておくとスムーズです。

振込手数料の負担の明確化

請求書の発行者と取引先のどちらが報酬や代金の振込手数料を負担するのか?を明確にしておく必要があります。
何故ならば、請求書に記載する「請求金額」が変わってしまうためです。
請求書の発行者が一時的に振込手数料を負担し、後ほど取引先に請求する際には次のように記載します。

振込手数料額:○○○円
請求金額:振込手数料額を加えた合計金額

源泉徴収税・消費税

取引先によっては、源泉所得税を代わりに納めてくれるケースもあります。
その際には、報酬から源泉所得税を差し引いた金額が指定した金融機関口座に入金される形です。

小計:100,000円
消費税(10%):10,000円
源泉徴収税:10,210円
合計:110,000円

請求金額:110,000円
※実際の入金額は110,000円-10,210円=99,790円

源泉所得税を納めた取引先より、翌年の1月から2月頃に源泉徴収票が発行されます。
それから、報酬に対する消費税が内税か?外税か?で源泉徴収税も異なります

報酬に対する消費税が内税

小計:100,000円
消費税(10%):10,000円
源泉徴収税:11,230円 ※1円単位は切り捨て
合計:100,000円

請求金額:100,000円
※実際の入金額は100,000円-11,230円=88,770円

報酬に対する消費税が外税

小計:100,000円
消費税(10%):10,000円
源泉徴収税:10,210円
合計:110,000円

請求金額:110,000円
※実際の入金額は110,000円-10,210円=99,790円

押印

取引先によっては、請求書の発行者名の右横に押印することを求められるケースも存在します。
ただし法的には、請求書への押印はしなくてもまったく問題ありません。

経済産業省「押印に関するQ&A」
https://www.meti.go.jp/covid-19/ouin_qa.html

あらかじめ押印の有無についても、取引先の担当者に確認しておくと良いでしょう。
押印する印鑑の種類については特に決まりはありません。

請求書番号

請求書番号は、発行者が管理する目的でナンバリングするものです。
確定申告書や決算書を作成することを踏まえた際、「あれ…あの請求書はどこにいったっけ?」となることを防ぎやすくなります。

御中と様の使い分け

請求書を送る相手の区分

記載例

株式会社などの法人

株式会社 ○○○○ 御中

個人

○○○○ 様

法人と個人(担当者)

株式会社 ○○○○ ○○○○ 様

請求書の宛名が法人⇒御中
請求書の宛名が個人⇒様のように使い分けることをおすすめします

請求書の書き方の例

請求書サンプル

フリーランスの請求書とは

フリーランスが発行する請求書には役割とメリットが存在します。
どうして請求書を発行しなければならないのか?の理由や目的を確認する参考になれば幸いです。

フリーランスの請求書の役割

請求書は相手(取引先)に対して、報酬や代金の支払いを求めるための書類です。
請求書を発行することで、債権の回収権の証拠にもなり得ます。
フリーランスにとって報酬や代金の支払いに関するトラブルは、決して対岸の火事ではありません。
誰もが遭遇する可能性を持つのは確かです。

請求書は単にお金の流れを証明するだけの書類ではないことを踏まえた上で、作成に臨むことをおすすめします。

フリーランスが請求書を発行するメリット

フリーランスが請求書を発行するメリットは、請求書によって収入や売上を証明できる点です。
フリーランスの場合、確定申告を行うことで年間所得を示すことができます。
確定申告書の控えは、ローン設定などの際の収入証明書として認められるものです

請求書を発行するタイミング

請求書を発行するタイミングには、次の2つのパターンが存在します。

・掛売り方式
・都度方式

請求書の発行時期「掛売り方式」

掛売り方式は、月間の取引に対する支払いを月に1回にまとめて行うものです。
必ず事前に、締日と発行日、そして支払日を確認しておきましょう。

締日:毎月20日
請求書の発行日:毎月の末日
支払日:翌月の末日

請求書の発行時期「都度方式」

都度方式は、案件の満了ごとに報酬や代金の請求をするやり方です。
制作物や商品の納品と同時に請求書を発行することで、代金未回収などのトラブルを回避します。

まとめ

ここまで、フリーランスが請求書を作る際に関連する以下の項目を紹介してきました。

・請求書に記載する10の項目
・請求書作成・6つの注意点
・請求書の書き方の例
・フリーランスの請求書とは
・請求書を発行するタイミング

請求書の作成は、テンプレートを用いることをおすすめします。
請求書の仕様は取引先から配布されることもありますが、テンプレートをひとつ作っておくと他でも使い回しができるので便利です。
請求書のテンプレートには、市販の会計ソフトを用いるのも良いかもしれません。

 

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