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ITエンジニア未経験者でも大丈夫!採用を勝ち取るためのポイント

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2017年02月08日

新入社員の入社後3年以内の離職率は一般的に3割程度と言われています。これは、受験勉強よりもエネルギーを注いだかも知れない就職活動を経て、意気揚々と会社の門を叩いた人たちでさえも、3人に1人は3年を待たずして去ってしまう事実は、人生最大級の「選択」とも言える就職が如何に難しいものかを物語っています。

新卒入社から3年以内に会社を辞め、転職を経験したある人物に話を聞くと、退職の意志を伝えた際、年配の上司からこんな言葉をかけられたそうです。

「お前、人生を棒に振る気か?」

その時、いきなり何を言うのか!と強い反発と不快感を覚えた彼は、転職活動をしていく中でその年配の上司がかけた言葉の意味を実感し、そしてこう感じたのだそうです。

「一度レールを外れた人物に対して世間の目は厳しい」

しかしながら、恒常的な問題となっているITエンジニアの深刻な人材不足の影響も相俟って、そのハードルは徐々に低くなってきています。

2016年6月10日に経済産業省が発表した「国内IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、IT人材は現在91.9万人であるのに対し、17.1万人が不足していると推計しており、もし、IT市場が高率で成長した場合、30年にはIT人材数が85.7万人なのに対し、不足数は78.9万人に上るとの予測もなされています。

当然のことながら、思うように人材が確保できないIT企業は、適材適所な人材を転職市場に求めることを半ば諦め、「育成」へと舵を切るところも増えてきました。
折からの人材不足の問題により、よりよい条件や環境を求めて新天地を求めるITエンジニアはもちろんのこと、先の上司から言わせれば「人生を棒に振った」、「一度レールから外れた」人たちにも再チャレンジのチャンスが巡ってきたと言えるのではないでしょうか。IT業界はたとえ「未経験」という最上級のビハインドを抱えた人たちにも門戸が開かれた「空前の売り手市場」なのです。

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未経験者がアピールできるのは「やる気」と「伸びしろ」

浮き沈みの激しい業界でサバイバルレースを繰り広げているIT企業が欲しがっているのは当然のことながら即戦力。本音を言えばプロ野球で言うところのメジャーリーグで相応の実績のある外国人選手のような存在でしょうか。

そこを敢えて経験不問とし、自社で育成しようというのですから、特に注意を払うのは「やる気」があるか、「伸びしろは十分か」という点に絞られます。いや、応募者側にもこの点でしたアピールする材料がないというのが正直なところです。では、採用担当者は応募者のどこに「やる気」と「伸びしろ」を感じ取るのでしょうか?

1. 応募書類は「口ほどにモノを言う」

採用担当者とのファーストコンタクトが応募書類です。採用担当者は応募者をふるいにかけるにあたり、応募書類を通じて本人のやる気や常識、そして生き様を推し量ります。

細かい話ですが、履歴書の写真が曲がって貼られてもアウト、実際にあった話ですが、その写真がスナップの切り抜きやプリクラだったり、写っている当人の服装が乱れていたり…そんな場合は論外。以降読まれることは絶対にないでしょう。

また、手書きの履歴書の場合は文字の上手い、下手はあっても丁寧に書いているかどうかは見れば分かります。走り書きだったり、誤字脱字が頻繁に見られたり、パソコンで作成するのであれば変換ミスなども許されるものではありません。どんなに大目に見てもミスは1か所2か所。散見された時点で審査は終了です。

これまで述べてきたのは応募書類のほんの冒頭に過ぎません。これだけでも採用担当者はかなりの数に上る応募者をふるいにかけます。イレギュラーな写真やミスだらけの履歴書を見た瞬間、採用担当者は「私たちをバカにするな」言わんばかりの怒りを覚えるのだそうです。

丁寧に貼れば曲がるはずのない写真、見直しをすれば犯すはずのない誤字脱字や変換ミスは、「その程度でいいんだ」という応募者の甘さであり、もし何の自覚もなくこのような履歴書を提出していたとしたら一般的な常識を持ち得ているかすら疑わざるを得ません。

人手不足が深刻な状態にあり猫の手も借りたいIT企業でも、さすがに「ナメている人」「常識のない人」を採用するほどプライドを失ったわけではないのです。

職務経歴書の場合はどうでしょう。未経験者ゆえ、ITエンジニアとは畑違いの職務経歴を綴っていくことになりますが、それが手を抜いていい理由にはなりません。

職務経歴書は、応募者の社会人としてこれまで歩んできたまさに「生き様」であり、採用担当者がそこから、ITエンジニアになるにあたり磨けば光る才能を見出すからです。ITエンジニアとしての職務は未経験でも、業種を問わず求められるヒューマンスキルは他業種での経験でも十分なアピールポイントとなるはずです。
忘れてはいけないのは、応募書類を見る採用担当者の視点です。職務経歴書は、余白が多すぎればやる気を疑われますし、かといって大河ドラマのような超大作では、読む気が失せてしまいます。

簡潔にかつ丁寧に、職務経歴が整然と綴られていることが大切です。

心がけることは、「私を採用してほしい」という誠意です。誠意があるからこそ、丁寧な応募書類を作成する音ができ、その思いが採用担当者に伝わるのです。まさに、応募書類は「口ほどにモノを言う」のです。

2. 採用担当者は「志望動機」で多くを見抜く!

さあ、書類選考を潜り抜けた辿り着いた面接。採用担当者は「志望動機」についてのやりとりから応募者の適性を見抜きます。第一に、採用担当者が最も恐れるのは、「採用した人材がすぐに辞めてしまうこと」です。

採用した人材が成長を遂げ長きに渡って会社に貢献するのが理想ですが、自信をもって推薦した人材がすぐに会社を去ってしまう苦い経験を採用担当者は少なからず積んでいるはずです。下世話な話ですが「お前の目は節穴か!」と自身の評価に関わる話なので、必然的に「長く勤めるか」は最も重要なポイントになるのです。

とすると、志望動機から細かく聞いてくることは、前職の退職(したい)理由とITエンジニアを目指した動機です。転職、しかも異業種ですから、退職理由にまったくネガティブな要素がないことなどあり得ません。そこを敢えてトーンを押さえて説明できるかは成否を分ける大きな要素となります。

前(現)職の不満を饒舌に語り出したならば、「どうせウチでも同じことになる」と一気にその人への興味が失せることでしょう。そして、「ITエンジニアになりたいのか?」という核心に移ります。ITに興味がある、御社の社風が素晴らしい、こんなITエンジニアになりたい…などなど耳に心地の良い志望動機など文章や口ではいくらでも並べることができますが、このような場合、採用担当者は即座に「ならばITエンジニアになるためにどのような努力をしていますか?」と切り返します。

ひそかにITエンジニアになる夢を持っていたのならば、プログラム言語の勉強を始めた、簡単だけれどもプログラムを組んでみた、入門編のチュートリアルを受けたなど何らかのアクションを起こしていなければ先に述べた志望動機はいささか薄っぺらい、極論すれば「嘘くさい」ものになってしまいます。

この段階で準備をしている人材であれば、採用しても向上心を持って努力を続ける、すなわち「伸びしろ」が期待できるのです。

いくら取り繕っても採用担当者は多くの人間と接している百戦錬磨のプロです。過度に恐れる必要はありませんが、やっつけの対策では「志望動機」で多くを見抜かれてしまいます。

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最後に確認して欲しいポイント

IT業界の転職が「空前の売り手市場」で、未経験者に対しても広く門戸を開いたことで、異業種からの挑戦や、再チャレンジにITエンジニアを目指すチャンスが開けたことは喜ばしいことです。しかしながら、幼い子供がコロコロと夢を変えるのと同じような感覚でITエンジニアを目指したのだとすれば、サッサと応募を取り下げることを勧めます。

IT企業が採用ハードルを下げているのは人手不足という、止むに止まれぬ事情があるからで、本音を言えば欲しがっているのは経験者。ですから一から教育してもらえるとは言え、新卒社員の数倍の努力を重ねて追い付くくらいの気概がなければ、この世界で生きていくことは到底不可能です。きっと、採用段階で見抜かれてしまうか、運良く採用されてもすぐに「こんな筈ではなかった…」といつもの悪い癖が頭をもたげることでしょう。

「未経験からの挑戦」は、スタートが遅れている時点で大きなビハインドを抱えています。まずは業界の流儀を理解し、遅れを取り戻すべく他の人たちの何倍の努力をしなければならないことを肝に銘じておいてください。門戸が広がったとはいえ、決して「甘くなった」わけではないのです。

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