お役立ち情報|フォスタージャーナル

ITエンジニアの平均年収と労働時間、残業で稼がないために

  • Facebook
  • Twitter
  • note

2017年02月08日

IT業界と言えば現在の花形産業です。IT企業で財を成した人たちがテレビ等で見せる羽振りの良さを見ると、ITエンジニアもさぞかし高収入だけれども忙しいという印象を持たれがちです。

では、実際のところITエンジニアが忙しく、労働時間も長いのでしょうか。今回は、ITエンジニアの年収や労働時間について考えます。

 

システムエンジニアの平均年収

年収ラボによると、2013年のシステムエンジニアの平均年収は598万円で、平均時給は2,399円でした(平均年齢38.4歳、平均勤続年数10.5年、総労働時間169時間/月)。2012年は538万円、2011年は563万円、2010年は548万円とほぼ一定の数字で推移しています。

国税庁が発表している民間給与実態統計調査によると民間企業で働く人たちの2013年度の平均年収は約414万円ですので、エンジニアの年収はこの数字からみるに「まずまず高い」と言うことができます。

また、1カ月の就労日数を20日間とすると、1日あたりの労働時間は8.45時間となり、繁忙期や閑散期などでムラがあるのでしょうが、総じてさほど残業時間も長くはなさそうです。

年収推移を企業規模別にみる

これを企業規模別に見ると、1000人以上の企業の平均年収は754万円でした。100~999人の企業の539万円、10~99人の会社の459万円という数字からも大規模な会社ほど年収が高くなっていることが分かります。総実労働時間数は、順に162時間、177時間、168時間で、あまり変わらないようです。

近年は、企業の大小を問わず経費削減のための残業時間の抑制の取り組みが形になってきているのと、過重労働、サービス残業などに対する社会の目が厳しくなってきていることから、かつては残業が多いとされたIT企業の労働環境も着実に変化していることを見て取ることができます。

かつて若い社会人は、生活費の足しにと積極的に残業をして稼いでいる傾向がありましたが、もはやそれも通用しない時代になってきました。

なお、これらの調査結果は、平成25年厚生労働省「賃金構造基本統計調査」による企業規模別データをもとにしています。

総実労働時間数は労働者が実際に働いた時間数で、所定内実労働時間(就業規則などで定められた所定労働日における始業時刻から終業時刻までの時間において、労働者が実際に働いた時間)と超過実労働時間数を合計したものです。

 

ITエンジニアの職種別平均年収

リクナビNEXT「ITエンジニアの仕事と、お金1000人調査!2012」によると、ITエンジニア1,000人の平均年収額(前年)は469万円で、300~400万円未満が27.3%、400~500万円未満が23.2%、500~600万円未満が17.2%でした。

調査対象者の職種分布はシステム開発(webオープン系)35.6%、運用・監視・テクニカルサポート・保守16.2%、社内情報システム・MIS10.0%などでした。

職種別の平均年収額、職種による違い

  • コンサルタント・アナリスト・プリセールス 633万円
  • 研究・特許・テクニカルマーケティング・品質管理ほか 529万円
  • システム開発(マイコン・ファームウェア・制御系) 474万円
  • ネットワーク設計・構築(LAN・Web系) 468万円
  • 社内情報システム・MIS・約465万円
  • システム開発(汎用機系) 462万円
  • 通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系) 452万円など

職種別の平均年収からも、マネジメントに関わる職種の方が年収が高いことが見て取れます。スタートラインでは同じ駆け出しのエンジニアでも社会に出てから10年間、何を目指してきたかが年収に大きく反映されます。年収アップの秘訣は、「プロジェクトマネージャー」「コンサルタント」などヒューマンスキルを身に付けること。

もしくは、他の追随を許さない圧倒的な技術力を身に付けることの2つです。あと「転職」もひとつの方法ですが、企業が中途採用で渇望しているのは先の2つの両方もしくはいずれかの能力を兼ね備えた人材ですので、現職より規模の大きな会社に転職しなければ年収アップは難しいでしょう。

最後に確認して欲しいポイント

ITエンジニアの年収は、職種や企業規模によって大きく異なりまので一概に高い、安いとは言い切れないのが現実です。ただ、先に述べたように30代に入ると年収にも大きな格差が生まれているのがこの業界の大きな特徴と言えます。

ただ、この件に関しては他の業種にも言えることで、経験を積むとスキルに加えて管理者としての資質も求められるのが会社組織です。

ひとつの分野に特化するのもITエンジニアのひとつの生き方ですので一概に否定はできませんが、着実に年収アップを勝ち取りたいなら「プロジェクトマネージャー」「コンサルタント」などチームや人を動かすヒューマンスキルが必須です。

「残業で稼ぐ」感覚では、歳と共に無理が利かなくなります。そうなる前に、自身の将来の生活設計も見据えて必要なスキルを高めておきましょう。

ITキャリアオンラインおすすめ記事

 

  • Facebook
  • Twitter
  • note
新着案件情報を他の人より早くチェック!