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「ITエンジニア採用」の話を知ることで見えてくる、自身のセールス方法とは?

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2017年02月08日

IoT(モノのインターネット)、自動運転の自動車、人工知能の発達…とITの裾野が拡大し、私たちの生活がより便利になり、新しい技術やイノベーションが次々と生まれる中で、深刻化しているのがITエンジニアの人手不足です。

今回は、敢えて「ITエンジニアの採用」について焦点を当ててみます。

エンブレムや競技場など見るからに心配事が絶えない2020年の東京オリンピックも、あまり表には出ませんが、実はセキュリティーをつかさどるITエンジニアの絶対的な不足が問題となっています。

当然のことながら、企業の採用担当者も、「応募がない」「いい人材が集まらない」ことに頭を悩ませています。

ただでさえ、「エンジニア不足」という現実の中で少ないパイを取り合うわけですから、ITエンジニアの就転職市場はまさに、争奪戦の様相を呈しています。

一般的に優秀な人材はより条件がいいか、資金力と開発環境に恵まれた大企業に流れる傾向にありますので、中小IT企業は、さらに小さなパイを奪い合う骨肉の戦いを繰り広げているのです。

しかしながら、IT関連の転職サイトやエージェントが盛況なことを考えても、ITエンジニアにとって幾度かの転職は決して珍しいことではなく、むしろ向上心あふれる優秀なITエンジニアほど転職志向が高いのがこの業界の特徴と言われています。

であるならば、企業が「欲しい人材」と呼ぶに値する優秀なITエンジニアは少なからず転職サイトの求人に目を通し、エージェントとの接触を図っているはずなのです。

手厳しい言い方をすればあなたの会社の募集広告は、彼らの目に留まらなかった、素通りされた…つまり「相手にもされなかった」のです。

この状況の中で、ただ単に求人誌やサイトに募集の依頼をし、応募の電話やメールを待っているところで、その大部分は何も生み出さないまさに不毛な時間と言っても過言ではありません。

なぜならば、そんな募集の仕方では、いつまで経っても優秀な人材を振り向かせることなどできないからです。

 一辺倒な募集、同じ失敗を繰り返してないか?

募集から採用までは、求人誌への掲載、書類選考、応募者との面接、最終面接、そして採用といった流れが一般的です。

ざっと見るだけでもとても片手間ではできない大変な仕事です。現場から欠員が出たり、人員を補充したいと依頼があれば求人誌やサイトに高い掲載料を支払って募集広告を掲載し、

送られてくる履歴書や職務経歴書に目を通して最初のふるいをかけ、脈のありそうな応募者は直接面接を行い、それをパスした者の最終面接のためにトップのスケジュールを確保する…。

これらの仕事を執り行っているのは、人事部の採用担当の場合がほとんどではないでしょうか。と言うよりも、「人事部の採用担当に丸投げしている」と表現した方が正しいでしょうか。これがそもそもの失敗の始まりなのです。

人事部は、採用はもちろんのこと文字通り人事、社員教育、評価制度や労務管理をつかさどる会社にとって大変重要な部署のひとつです。

しかし、千差万別で一筋縄ではいかない「人の問題」を取り扱っているだけに、現場サイドからしてみれば「あいつらは現場のことなど何にも分かっとらん」、「二言目には『決まりですから』と頭の固い奴らだ」などと管理部門のなかでは最も後ろ指を指されやすい部署でもあります。

人事部の事情からしても、評価制度の策定や運用、労務管理など専門知識が必要な業務を抱えている上に、人事や評価といった機密性の高い非常にデリケートな情報を扱っているがゆえに、特定の部署や人物に対して懇意になったり肩入れすることが許されない特殊な事情もあります。

従って、誤解を恐れずに言えば、人事部が「現場のことなど何も分かっとらん」ことは当然と言えば当然のことなのです。

となると、「応募がない」「いい人材が集まらない」原因は「人事部の採用担当に丸投げしている」現場にもあるとは言えないでしょうか?

先に述べた募集から採用までの一連の手続きは煩雑で非常に「面倒くさい」ものです。だからこそ、「オレの仕事を増やすな」とばかりに、全て人事部に丸投げしてしまう気持ちも分からなくはありません。

管理部門に課せられている使命は、あくまで現場の支援ですから、互いに持ちつ持たれつの構図が成り立っています。しかし、人事畑で生きてきた人事部の採用担当と、最前線のテクノロジーに囲まれた現場で生きてきたITエンジニアは、水と油ほど別の世界を生きてきた人種です。

例えば求人広告ひとつとっても、人事部の採用担当が就転職を目指すITエンジニアの心に刺さる募集広告が打てるでしょうか?

履歴書や職務経歴書の記述から応募者のITエンジニアとしての生き様を感じられるでしょうか?

常識的に考えれば「できるわけがない」のです。そして、面接まで丸投げしていればどういうことになるかも考えてみましょう。ITエンジニアのように専門性の高い、すなわち「一芸に秀でた」仕事は非常に個性的な人たちが集まります。

一芸に秀でている分、ある部分が極端に苦手でバランスを欠いた人も少なからずいるのがITエンジニアの世界です。

現場の側からすると、苦手な部分に目を瞑ってでも「一芸に秀でた」人を欲しがる傾向にありますが、人事部の採用担当の感覚はその真逆を行っていることが多く、そんな応募者は「バランスを著しく欠いている」と一次面接でふるいにかけてしまうのです。

そのような採用の「丸投げ」感を就転職したいITエンジニアは敏感に読み取り、求人広告に気が付かなかったり、魅力を感じないと応募をスルーしたりするのです。

こうして応募は集まらず、集まらないからと言って募集のハードルを下げてしまうと応募は増えても優秀な人材と出会う確率が大幅に下がってしまいます。

この「丸投げ」体質を改めない限り「応募がない」、「いい人材が集まらない」という悩みは、ますます深くなっていくことは間違いなく、一辺倒な募集ばかりで同じ失敗を繰り返してしまうのです。

現場も採用活動に積極的に参加すべき

人手不足が叫ばれているとはいえ、ITエンジニア全体の20%は実際に転職活動を行っている顕在層で、70%は条件が良ければ転職したいと思っている潜在層と言われています。

ですから「君の力が必要だ」というメッセージを心に突き刺すことができれば、欲しい人材を獲得することは難しいことではないはずです。

求人広告の段階で、就転職を本気で考えているITエンジニアの心の琴線を揺さぶるメッセージを送り、書類選考の段階で履歴書と職務経歴書から必要としているスキルとITエンジニアとしての生き様を読み取り、面接では「ああ、やっぱり思っていた人だった」と円満に入社が決まる仕組みを構築することが必要です。

このようにして入社した人材は定着率も高く、即戦力として期待以上の結果を残してくれるはずです。

そのためには、現場の事情に精通しエンジニア目線で物事を見ることのできる人が採用活動に積極的に介入することが必要です。

現場には現場なりの事情もあるでしょうが、「応募がない」「いい人材が集まらない」ことでジリ貧になるよりは、採用活動に人手を割いてその分以上の人材を送り込んだ方がよほど生産性が高まるに違いありません。

人事部の側にとっても、きちんと事情を説明すれば意固地になって「やらせない」ということもないはずです。採用担当の「採用のノウハウを教えてください」という頭を下げるくらいの気持ちであれば人事部との関係も良好になって相乗効果が生まれる可能性も期待できます。

いずれ絶対的なITエンジニア不足の時代が到来するとはいえ、現段階での「応募がない」、「いい人材が集まらない」悩みは多くの場合、採用側にあることの方が多いのです。

まずは、募集の段階から自社の求人がITエンジニアの魂に響くものなのかを、自社自身のITエンジニアの視点でリサーチしてみることから始めてみてください。

悩んでいる会社ほど、ITエンジニアの実情と乖離(かいり)した募集活動が明るみになるはずです。

最後に確認して欲しいポイント

いかがでしょうか。

採用する側に焦点を当ててみましたが、これらは反対に、「ITエンジニアとして何を売りにするべきなのか」と読み替えることもできます。

自分が考えているより、自分の思いや考えは相手に伝わっていないものです。

一度それらを整理して、自らを戦略的に売り込む手法を身に着けて下さい。

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