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IT人材白書から考える、フリーランスを推進する日本で生きる道

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2018年01月29日

これからのITエンジニアはどう生きていくべきなのか。当然企業や個人によって同じITエンジニアでも生き方は異なるものですが、それでも全体的なビジョンのようなものを知っていれば、それに従うもよし、反対の方向に向かうもよし、自分の生きていく道しるべをつけやすくなるでしょう。

現在日本では特にIT方面において、フリーランスが推奨されています。個々人が企業人としてではなくフリーランスとして生きることで、それぞれが着実に実力をつけ、それが社会に大きな循環をもたらすと考えられているからです。

しかしフリーランスとして生きるといっても、その言葉が指し示すものはあまりに漠然とし過ぎていて、それぞれの人の中で生き方に対する方向性がバラバラになってしまいます。

フリーランスという生き方が何を指し示しているのか分からない、という方も多いでしょう。しかし全体的なビジョンが分かれば、ITエンジニアとして日本で働くために「フリーランス」を選択するということがどういうことなのか、それぞれが明確にしやすいです。

はっきりとした目的、方向性を実感しながら生きていく道しるべをつけやすくするために、今回は独立行政法人情報処理推進機構が発行している「IT人材白書」に注目し、その中でITエンジニアがこれからの方向性を見いだしやすい箇所について考察しています。

「IT人材白書」は、IT関連産業における人材動向、産学におけるIT教育等の状況、IT人材個人の意識を把握することを目的とした調査の結果をまとめたものです。今回は2016年度版を参考にしています。

価値創造ビジネスに世界はシフトしている

IT企業の多くは、現在世界の流れが価値創造ビジネスにシフトしていることをはっきりと実感しています。ITエンジニアの携わる業務といえばこれまでは受託開発などが中心でしたが、これまでのビジネスのやり方に限界を感じている企業も少なくないようです。時代の流れから、ITエンジニアも新たな価値を創造することを求められる時代となりました。

IT企業の武器は何よりも技術力ですが、それだけではなくこれからはIT企業自身からどんどんと技術提案を行い、業務プラットフォームを構築していく時代なのではないか、と考えられているようです。

技術力によって、それに伴う価値を社会に産み出していくというビジョンを持つことがこれからのIT企業の方向性として徐々に定着していくでしょう。これからは新たな価値を産み出すことに最もコストがかけられそうです。

そのような世の流れで、ITエンジニアはただ業務をこなすだけではなく、新たな価値を創造し、新たなビジネスモデルを創造することを同時に求められるようになるでしょう。

学びを力に変えていく

フリーランスのITエンジニアは日々自己研鑽の継続を求められます。技術やデータは日々更新され、努力を怠ると途端に世の流れについて行けなくなってしまうからです。

故に、自己の枠を常に壊し続け、枠を広げ続けなければとても生き残れません。また個人の自己研鑽だけではなく、人との多様な繋がりも求められます。人と繋がることで、視野が広がり、また多様なアイデアが生まれやすいからです。

自己研鑽を当たり前に求められる時代において、非常に重要になるのが情報教育機関です。学ぶべきことをしっかりと学べる場所があれば、自分磨きを行いやすいですね。

実際、情報教育機関自身も社会のために学びたいという志を持つ人に場を作ることに力を入れているようで、これまでは学びというと大学を出たらそれで終わりという人も多かったのですが、生涯において大学などの教育機関と付き合い続けていくような生き方が当たり前になるかもしれません。

IT人材の不足に嘆く日本

昨今では政府を中心としてIT人材の教育に力が注がれるようになりました。プログラミング教育の充実などはその代表的なものでしょう。ただその理由はIT人材の不足にあることを忘れてはなりません。

実際、調査によると日本ではIT人材の75%がIT企業に所属しているようです。EUではIT人材はIT企業とそれ以外の企業の比率が半々であるにもかかわらずです。

IT人材がIT企業に集中しているという状態は、IT技術そのものに対し、ほとんどの人が自分とは関わりのないものとして認識している状態を意味しています。現在のようにテクノロジーが高度化してくると、IT技術そのものに社会全体が大きく注目するようにならないと、IT技術の優劣で競争力がはっきりと決まりつつある時代では、日本そのものが斜陽化するのがはっきりと目に見えています。

IT人材がそもそもEUなどに比べ少ない日本では、フリーランスエンジニアはエバンジェリスト、つまり伝道師のような立場になり、IT技術の価値を広く普及するような役割を担うことも時には必要でしょう。それが技術の重要性を世に広く訴える結果になり、ひいてはあなた自身の技術への価値も相対的に上昇するからです。

ITエンジニアにとって必要な能力や技術力とは

ITエンジニアにとっての能力や技術力とは何かと問われたとき、あなたならどのように回答するでしょうか。IT人材白書では能力や技術力について言及されている項目があります。

多くの企業がビジネスの創出を目的としたときに必要な能力について、ビジネスアイデア構想力と技術力が必要と回答しています。能力を必要とされたとき、ITエンジニアにはコミュニケーション能力やマーケティング能力よりもその2つが求められやすいということです。

技術力といっても、技術はそれぞれです。どんな技術力が求められているのかというと、事業全体の技術を俯瞰し、全体を設計する能力が何よりも求められているようです。

つまり与えられた業務をやみくもに進めるだけの人材というのはあまり重宝されず、それよりも全体で何をやっているのか、何が必要なのかといったことを理解した上で必要なことを指し示すことができるようになれば、多くの企業からとてもありがたがられるということです。

とはいっても俯瞰的目線を獲得することは容易じゃありませんし、企業の中で行われている全てを把握するなんてよほど深い経験と知識がなければとても無理でしょう。ただ、求められる人物像はそこにあるのだと知っておけば、自己研鑽をどこに向かって行うべきかが見えてくると思います。

フリーランスの事業内容

フリーランスはIT企業に比べ、受託系の割合が少なく、ウェブサービスの企画や構築、又はコンサルタント業務に従事しているケースが多いようです。

とはいえフリーランス全体の3割程度が受託系事業であるシステムの開発や運用に携わっているようなので、決して少ないわけではありません。

ただ、受託系事業がエンジニアの仕事である、と思っている人の場合、他のことにも視点を移してみるべきでしょう。思わぬ発見があるかもしれません。

フリーランスを選ぶ理由とは

なぜフリーランスという立場を選ぶのでしょうか。その理由の多くは自分のライフプランに生活を合わせることができる点にあるようです。

毎日企業に出社するという生き方ではなく、自分がしたい生き方を選びたいとき、フリーランスは最適な選択となるわけですね。

また、単純に収入を増やしたいという人もフリーランスにチャンスを求めるようです。自分のライフプランに合わせるためにフリーランスになった人の83%が実現できたと回答しているので、自分の時間を何よりも大事にしたい方はフリーランスになるべきなのでしょう。

フリーランスはIT企業技術者よりも満足度が高い

IT人材白書によると、フリーランスの仕事に対する満足度はIT企業に勤める技術者よりも高いようです。

仕事の内容、給料、充実感ややりがい、どの項目に対してもフリーランスの方がIT企業の技術者よりも満足していると回答しています。

仕事の内容に満足するフリーランスが13.5%に対しIT企業技術者が7.5%、給与に満足するフリーランス8.5%に対しIT企業技術者は5.8%、仕事の充実感ややりがいを感じるフリーランス13.0%に対し、IT企業技術者は6.0%といった具合です。

ただ、その一方で満足していないと感じているフリーランスも多いので、それぞれの立場によって異なる部分は多いということでしょう。

エージェントを利用するフリーランスは少ない

フリーランスが仕事を獲得するときは、自分で営業をする人が多いようです。また、クラウドソーシングを利用したり、仕事が獲得しやすいコミュニティに所属するケースも増えているほか、前職からの繋がりで仕事を得る人も少なくありません。

そんな中、エージェントを利用する人はまだまだ少ないようです。業界や業務に対して豊富な知識や経験を有するエージェントを利用すれば、フリーランスにとっても満足できる業務を得られる可能性が増えます。自分の道が見えない人は、エージェントを利用してみるのもひとつの方法です。

フリーランスになったら登録すべき最強エージェント5社

フリーランスとしての生き方には大きな可能性がある

IT人材白書からフリーランスとして生きるための道を探ってみました。フリーランスとして生きるための方向性が何となく掴めたでしょうか。

エンジニアとして生きるためには自己研鑽が欠かせません。また、業界や社会全体がどのように動いているのか把握し、俯瞰的な目線を獲得することも重要です。

IT企業に勤める技術者よりもフリーランスの方が満足度が高い点で、フリーランスの方が大きな可能性を感じられます。

フリーランスとしての成功を目指す人は、技術に対する自己研鑽はもとより、自分の時間も大切にできる点を注目してください。

仕事が認められ、またプライベートの充実も図ることができれば、きっと一人の人間として満足度の高い暮らしをおくることができるでしょう。

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