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「AWS Lambda(ラムダ)とは?」概要から料金体系、メリットまで幅広く解説

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2022年06月08日

「AWS Lambdaはアマゾン社のクラウドサービスだが何を実現できるのか知らない」や「AWS Lambdaはサーバーレスで何が画期的なのか分からない」という言葉をエンジニアから良く聞きます。
そこでこの記事では注目度の高いAWS Lambda(ラムダ)の概要から料金体系、メリットまでを幅広く解説します。

Lambdaとは?

AWS Lambda とは、Amazon社が提供するクラウドサービスであるAWS(Amazon Web Service)のひとつです。
この中でLambdaは、サーバーレスでプログラムを実行できるサービス環境を提供します。
通常、開発環境はサーバー、OS、アプリケーションサーバソフトウェア等の用意が必要不可欠です。これに対してLambdaは面倒なこれらの環境を用意しなくともプログラムを実行することが可能です。
次にLambdaを理解する上で重要なキーワードとなる「クラウドサービスとは?」と「クラウドサービスの種類」について説明します。

クラウドサービスとは?

クラウドサービスとはこれまで自前で用意していたインフラやソフトウェアが無くともインターネット経由で得ることができるサービスのことです。
ユーザーはクラウドサービスを利用することで大規模なシステム環境を用意する必要がなく、安価に開発資源を手に入れられます。

クラウドサービスの種類

ここではクラウドサービスの中で代表的な4種類を簡単に説明します。

・SaaS(Software as a Service)
ソフトウェアを提供するクラウドサービスのことです。具体的にはソフトウェアに特化したサービスをインターネット経由で提供します。
SaaSの代表的なサービスはGoogle WorkspaceやDropbox、Slack等があります。

・FaaS(Function as a Service)
機能を提供するクラウドサービスのことです。具体的には限定した機能に特化したサービスをインターネット経由で提供します。今回のテーマであるLambdaもこの種類に属します。
FaaSの代表的なサービスはAWS LambdaやGoogle Cloud PlatformのCloud Functions等があります。

・PaaS(Platform as a Service)
開発環境を提供するクラウドサービスのことです。具体的にはサーバーやOS等の開発に必要な環境をインターネット経由で提供します。
PaaSの代表的なサービスはAWSのElastic BeanstalkやMicrosoft Azure等があります。

・LaaS(Infrastructure as a Service)
インフラストラクチャーを提供するクラウドサービスです。具体的にはシステム構築に必要な資源(サーバーやOS、ネットワーク機器等)をインターネット経由で提供します。
LaaSの代表的なサービスはAWSのEC2やGoogle Compute Engin等があります。

Lambdaのメリット

次にLambdaを導入することで得られるメリットについてご説明します。主なメリットは以下の3点です。

サーバーレスで煩わしい環境準備が不要

サーバー構築やOS、アプリケーションサーバソフトウェアのインストール等の環境準備Lambda側で用意されています。
従ってユーザーは煩わしい環境準備が不要です。

利用料金が安い

Lambdaは他のクラウドサービスと違い待機時間は課金されません。従って利用料金が安価であるため、企業側のメリットとして開発コストの削減が可能です。
特に資金難に苦しむスタートアップ企業にとっては初期投資を抑えることができます。

多くのプログラミング言語に対応

Lambda は、Java、Go、Python、Ruby 、PowerShell、Node.js、C#をサポートしています。このため、使い慣れたプログラミング言語を活用できます。

Lambdaの導入事例

Lambdaの概要を分かったところで次はLambdaを導入して成功した事例を3つご紹介します。

西日本旅客鉄道株式会社

JR西日本は4年前からLambda を導入した「列車走行位置サービス」を提供しています。本サービスは列車の位置情報が知りたいというユーザーに答えたものです。導入に際してネックだったのは台風や地震等の自然災害時にアクセスが集中してもシャットダウンしないインフラでした。この環境を常時提供するインフラとしてJR西日本はAWSのLambdaを導入して高品質なサービスを維持しています。
現在、本サービスはユーザーに支持されており、月間400万PVを実現しています。

北海道札幌市

札幌市は今年、新型コロナの対策現場を支援するシステムを1週間で構築しました。これは逼迫する保健所の管理業務を効率化するために導入したシステムです。導入に際してネックだったのは短期間でシステムを構築して現場にスムーズに移行することでした。
しかしながら様々なユーザーで活用されているAWSのLambdaを導入することで短期間でシステム構築と現場への移行ができました。その後、システムに適時改修を加えて現在は500人の職員が24時間体制で安定的に稼働しています。

アイリスオーヤマ株式会社

次は生活用品の製造販売を手掛けるアイリスオーヤマです。
自社で販売するサーキュレーターのIoTプラットフォーム開発として実績の高いAWSのLambda を導入してシステム構築しました。
この結果、ユーザーからサーキュレーターの不具合発生時に迅速な対応とログデーターを解析することで次製品の開発に反映することができました。

Lambdaの料金体系

ここでは気になるLambdaの料金体系をご説明します。
基本的にLambdaは従量課金になっています。具体的にはリクエスト数とコード実行時間
で決定します。
利用料金は月間100万リクエストに対して0.2ドルです。(割り当てメモリ1024MBの場合)
また、無料利用枠も持っていて月間100万リクエストおよび月間40万GB秒のコンピューティング時間は無料です。
なお、自分で手計算しなくとも簡単にLambadaの料金を知りたい方はアマゾンが管理運営している「AWS料金見積もりツール」が便利です。

Lambda導入時の注意点

これまでLambdaの良い点ばかり語って来ましたが、ここでは導入時の注意点を3つに絞ってご説明します。

実行時間に制限がある

Lambdaの実行時間は15分以内という制限があります。このため、15分以上の処理を行う場合は処理を分割して15分以内に納めて並列処理を行うことが必要不可欠です。
しかしながら並列化すると同時実行数の制限に引っかかる可能性があるため、この点の配慮も必要となります。

同時実行数に制限がある

Lambdaは同時実行数に制限があります。同時実行数とは1秒間に同時に実行できる関数の上限数になります。
例えば実行に5秒必要とする関数が毎秒1件ずつ起動される場合は、最大の同時実行数が5となります。
Lambdaでは上限値は同一アカウントの同一リージョン内で1,000までです。このため、上限値に達するとそれ以上の関数の呼び出しは制限されます。

Lambda単独での使用はできない

Lambda単独によるLambda関数の実行はできません。Lambda関数とはLambdaで実行するコードを指します。
従ってLambda関数を実行させるためには、他のサービスリソースで処理を起動させるトリガーを設定することが必要です。
具体的にはAPI GatewayやAmazon S3などの他サービスリソースと組み合わせての導入が必要となります。

まとめ

この記事ではAWS Lambda(ラムダ)の概要から料金体系、メリットまでを幅広く解説して来ました。
最近、多くの企業で注目されているLambaですが、まだまだ他のサービスに比べて導入実績が多くありません。従って導入に際してはトレンドに流されることなく、他のサービスと比較検討することをお勧めします。

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