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転職してネットワークエンジニアになりたいITエンジニアが知っておきたいこと

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2017年02月08日

マニアのみならず、IT業界でもファンが多いと言われているアニメ「攻殻機動隊」は、高度にネットワーク化された近未来を舞台に繰り広げられる公安9課の活躍を描いたものです。

この物語では、電脳化によって人間の脳神経までもがインターネットに接続され、まさに「神の領域」に迫るほどの進化を遂げたIT社会の姿が強烈なリアリティーをもって視聴者に迫ってきます。

これはあくまでサイエンス・フィクション(SF)の世界で出来事ですが、これまで「こんなこといいな」という空想の世界に過ぎなかったことをテクノロジーの力で現実のものへと手繰り寄せてきた人類の歴史をかんがみれば、「攻殻機動隊」の世界観に象徴される高度ネットワーク社会は、さほど絵空事とは思えなくなってくるから不思議です。

そんな近未来に思いを馳せたとき、「そんな壮大かつ途方もないネットワークはどのようにして構築するのだろう?」という素朴な疑問が湧いてきます。そこで、活躍の場が与えられ、ネットワーク社会の中核を担っていくのがネットワークエンジニアなのです。

ネットワークエンジニアの仕事内容

数あるSEの中で、ネットワークエンジニアは、ネットワークの「設計」「構築」「保守」「運用」を担うエンジニアのことを指します。しかし、他のSEと同様に、業務内容の境界線が曖昧なので、仕事内容が重複することも往々にして起こります。

人間の身体で言えば、他のSEが丹精込め作った臓器や骨、筋肉などのパーツを、ネットワークエンジニアが血管というネットワークで張り巡らせてシステム全体に命を吹き込んでいくのです。ですから、ネットワークエンジニアだからといって、ネットワークだけやっていればよい…という世界ではありません。

ネットワークエンジニアの業務

ネットワークの「設計」

クライアントの予算、要求に沿ったネットワークを作り上げる工程でネットワーク構築において最も責任の重い業務であると言えます。

ネットワークインフラに関わる全般的な知識が求められるほか、クライアントに対してのヒアリング能力、プレゼンテーション能力、提案力など、ヒューマンスキル全般も高いレベルが要求されます。ネットワークエンジニアになるならばこの工程を任されるレベルを目指しましょう。

ネットワークの「構築」

設計図や要件定義書を元に、ネットワークを形成する機器の設置やソフトウェアの設定を行う工程で、ケーブルや機器の設置に加え製品に関する深い知識が求められます。

SEの中でも珍しい肉体労働と呼ぶに相応しい業務で、ネットワークの規模が大きくなるに従って構築に携わるチームの人数も多くなります。人数が多くなるとミスやトラブルが発生して無駄なコストが発生するといったリスクと隣り合わせの業務でもあります。

ネットワークの「保守」

ネットワークシステム構築後の維持管理を行います。ネットワークに関する幅広い知識を持ち合わせ、いざ障害が発生した場合には、迅速かつ適切に対応します。

クライアントからすれば、「正常に動いて当たり前」のネットワークシステムですから迅速なトラブル対応こそが信頼をつなぎ止める生命線となります。その意味では重要な役割を担っていると言うことができます。

ネットワークの「運用」

ネットワークは言わば「生き物」ですから、時が経つにつれ外部、内部様々な要因によって生じるネットワークの増設やソフトウェアの変更、機器のアップデートに対応します。「保守」と同様に、通常の監視業務も任される場合がほとんどです。

ネットワークエンジニアに必要なスキル

ネットワークエンジニアには、一般的にスイッチング、ルーティング、TCP/IPの知識・技術スキルなどが求められます。もちろん実務ができてナンボの世界ではありますが、ネットワークに関する技術力を証明できる資格は目指して損はありません。

代表的な資格として国家試験であるIPA(情報処理推進機構)のネットワークスペシャリスト試験とCISCOが認定するベンダー資格のCCNA(Cisco Certified Network Associate)が挙げられます。

前者は情報処理技術者試験でもレベル4に位置づけられる超難関資格であるのに対し、後者はネットワークスペシャリスト試験と比べ難易度がやや下がる上に、ネットワーク機器で圧倒的な世界シェアを誇るCISCO機器を扱える技術力が担保されることから、まずはCCNAから目指す人が多いのが現状です。

ネットワークエンジニアの転職事情

今勤めている会社が、CISCO(Cisco Systems G.K.)のゴールド認定パートナーであるならば、年収アップを目的として転職は難しいと思われます。

加えて、ネットワークエンジニアは他のSEと比べても年収面では待遇に恵まれていることが多く、同じネットワークエンジニアとしての転職を目指す人は、待遇云々よりも会社の環境や体質を問題としている場合がほとんどです。

他の業種と同様に、会社の業績が思わしくない、結果に対して報酬が全く伴わない、そしていちエンジニアとしての成長やステップアップが望むべくもない場合、それらは、十分な転職理由となり得ます。

ある程度会社勤めをしていれば、会社への恩義や愛着、そして尊敬する先輩や戦友と呼べる仲間、そして慕ってくれる後輩もいることでしょう。こうした「後ろ髪をひかれる思い」は、懸命に仕事をしてきた証でもあります。ただ、こうしたしがらみは、長い目で見れば成長を阻害する最大の要因になってしまうこともあるのです。

注意したい「転職回数」

エンジニアとして数社を渡り歩いた経験は、その会社がCISCOの認定パートナーであればそのスキルは折り紙付きで、企業が喉から手が出るほど欲しがる人材であるには違いありません。

しかし、それがネットワークエンジニアの正社員への転職となると事情は異なるようです。転職は当人からすればステップアップというのがもっともらしい理由ですが、採用担当者からすれば、転職を繰り返す人が言うステップアップの裏にある事情を敏感に読み取ろうとします。

それは正社員への採用は企業にとっては大きな投資であり、早々に転職されてはその投資が無駄になるどころか企業機密流出のリスクまで負うことになるのです。ですから、転職回数の多い人は、転職を繰り返した正当な理由を澱みなく伝えるように準備し、採用担当者の猜疑心を解く必要があります。

ネットワークエンジニアの将来性

ある程度の規模の企業になると、社内インフラとして必ずといってよいほどネットワークが構築されています。加えてネットワークの複雑化とトラフィック大容量化により、技術革新がますます加速している領域でもあります。

2016年に黎明期を迎えるとされているIoT(モノのインターネット)によって、パソコンやサーバーだけでなく、あらゆる電化製品がネットワークで結ばれる時代へと突入していきます。

そしてネットワーク構築と対を成すセキュリティー対策の強化も急務です。2020年に開催される東京オリンピックではセキュリティー対策に携わるエンジニアが4万人足りないと言われているように、現在、引く手あまたの売り手市場となっています。

このようにネットワークエンジニアは将来にわたって確実に需要が高まる将来性のある職種と断言できます。

 

最後に確認して欲しいポイント

ネットワークエンジニアは、数あるSEの中でもその需要と将来性とは相反して、深刻な人手不足が問題視されており、その分、転職希望者にも広く門戸を開放している職種です。

業務についてはOJTを通じて身に付くものも多く、ゆえに、IT業界内からの転身、もしくは未経験からの転職を目指す人にとっては、大きなチャンスが転がっているまさに「鉱脈」と言っても過言ではありません。

「転職」の結果、出会った仕事が「天職」であるために、チャレンジする価値は十分にあると思われます。

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