働き方やライフスタイルが多様化するなか、新たなスキル習得を目指してプログラミング学習を始める人が増えています。未経験からプログラミング学習を始める人に役立つのがプログラミングスクールです。
ここでは、プログラミングスキル習得を目指す人が通うべきプログラミングスクールに関する次の項目をご紹介します。
・プログラミングスクールを選ぶ際にチェックすべき7つのポイント
この記事が役に立つ方
・プログラミング学習でITエンジニアを目指す人
・プログラミング学習でスキルアップを目指す人
・AIやDXなどITトレンドに触れたいと考えている人
なぜ今プログラミング学習が必要なのか
なぜ今、これほどまでにプログラミング学習が注目されているのでしょうか。その理由は、少子高齢化による人材不足とAI技術の普及という視点から読み解くことができます。
IT・DX人材不足を背景に売り手市場が続いているから
少子高齢化を背景に、人材不足は今や世界共通で喫緊の課題です。とくに日本では、「2030年にIT人材が最大で79万人不足する」という経済産業省の試算もあり、IT人材不足の深刻化が国家成長を妨げている現状があります。
さらに、コロナ禍を背景に加速したDX(デジタルトランスフォーメーション)分野においても、人材不足は深刻です。総務省の情報通信白書(令和3年版)によると、DXを進める際の課題として「人材不足」を挙げた割合は53.1%となっており、米国やドイツの数値をはるかに超える高い数値を示しました。
参考:令和3年情報通信白書 第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済|総務省
このように、日本ではITおよびDX両面において人材が大幅に不足しているなか、ITを駆使して業務をこなすエンジニアという職業は売り手市場が続いています。また昨今では生成AIを始めとするAI技術が注目されていますが、これらの最新技術を使いこなせる人材としても、エンジニアの需要は高いのです。
優秀なエンジニアを獲得するため多くの企業では幅広い採用活動を行っており、スキルさえあれば希望の仕事に就ける可能性が高くなっています。
年収が高く、転職や副業、独立に有利だから
プログラミングを扱うエンジニア・プログラマーは平均年収が高く、スキルを習得すれば転職や副業、フリーランスとしての独立に有利です。
転職情報サービスdodaが2022年12月に公表した調査によると、ITエンジニアの平均年収は442万円となっています。全職種の平均年収が403万円なので、平均よりかなり高いことが分かります。
参考:正社員の年収中央値は?年齢別・都道府県別にも解説|doda
働き方の多様化を受けてスキルアップや転職、副業、独立を志向する人が増えた結果、プログラミング学習は「未来へつながるスキル」として注目されているのです。
独学?スクール?おすすめのプログラミング学習方法
プログラミング学習をする方法として、「独学」「プログラミングスクール」があります。学習の進め方によってスキル習得のスピードも変わってくるため、「どのように学習を進めるか」が大切です。
独学のメリットとデメリット
独学のメリットとして、以下のことが挙げられます。
・金銭面の負担が少ない
・自分のペースで進められる
・タスクやスケジュール管理能力も身につく
独学の場合、学習する内容や進め方をすべて自分の裁量で進められます。そのため、苦手なところはスピードダウンしたり、知っているところはスピードアップするなど、ペースを自由に変えられます。
一方、独学のデメリットとして挙げられるのは以下のものです。
・学習計画を自分で立て、進捗管理も自分で行わなければならない
・モチベーションを維持しにくい
・分からないことがあっても質問できない
自由度が高い分、セルフマネジメントが苦手な人には難しいかもしれません。また、学習を進めながらモチベーションを維持するのも難しく、挫折しやすいということもあります。
スクールのメリットとデメリット
プログラミングスクールのメリットとして挙げられるのは、以下の点になります。
・効率的な学習カリキュラムが用意されている
・分からないことをすぐに質問できる
・カウンセリングなどでモチベーションを維持しやすい
・就職支援や独立支援を受けられる
プログラミングスクールには、過去の実績や分析に基づき効率的に学習できるカリキュラムが用意されています。適切な進捗管理のもとで学習を進められ、分からないことをすぐに質問できる環境が整備されているのがメリットと言えるでしょう。
一方、プログラミングスクールのデメリットは以下の点です。
・金銭的負担が大きい
・学習内容に自由度がない
・時間や場所が決まっている場合もある
プログラミングスクールに通うためにはコストが掛かるのはデメリットです。また学びたいカリキュラムが用意されていないこともあり、必ずしも求めたスキルが身につくわけではない場合があります。
働きながらスキル習得を目指すならスクールがおすすめ
独学、プログラミングスクールそれぞれのメリットとデメリットを見てきましたが、忙しい社会人がプログラミング学習を始めるならプログラミングスクールがおすすめです。
プログラミングスクールは実践的な内容を短期的に学べるようカリキュラムが組まれており、独学に比べて学習時間を節約できるからです。働きながらスキルを習得することは、思っているほど単純なものではありません。将来に生きるスキルを身に付けたいなら、「時間をお金で買う」という考え方も重要なのです。
なおプログラミングスクールのなかには「教育訓練給付金」の対象となっているものがあり、対象講座は受講費用が最大で70%補助されます。費用に不安のある人は、受講予定のプログラミングスクールが対象講座かどうか確認してみましょう。
プログラミングスクールを選ぶ際にチェックすべき7つのポイント
ここでは、プログラミングスクールを選ぶ際にチェックすべき7つのポイントをご紹介します。
費用と期間
まず最初にチェックすべきは、費用と期間です。
カリキュラムを修了するまでに実際に掛かる費用は支払い可能な額かどうか、あるいは受講期間にきっちり授業を受けられるかどうかを確認しましょう。
就職・転職の実績
プログラミングスクールの卒業生の就職や転職実績もチェックすべきポイントです。
経験の浅いスクールに申し込んでしまった場合、就職や転職に結び付くスキルを習得できないこともあります。
評判・口コミ
スクールの評判や口コミもチェックしておくべきポイントです。
Webサイトなどで紹介されている内容は、実際スクールへ通った人の感想と異なることがあります。リアルな体験談や感想を確認することで、スクールの体制や雰囲気を知ることができます。
マンツーマンかオンデマンドか集団講義か
プログラミングスクールの受講形式もチェックが必要なポイントです。受講形式には、マンツーマン指導、オンデマンド(動画視聴)、集団講義があります。
自分の学習スタイルにどの形式があっているかを考えて選択することが大切です。
通学かオンラインか
近年はオンライン形式のプログラミングスクールが増えていますが、あえて通学スタイルを選択しているところもあります。
自分の学習スタイルにはどちらが合っているかをよく検討しましょう。
学びたい学習内容があるか
プログラミングスクールで開講されているカリキュラムのなかに、自分の学びたい内容があるかどうかもチェックしましょう。
スクールの開講講座は、注目されている分野や人気のプログラミング言語が多い傾向にあります。自分は何を学びたいか、どんなスキル習得をしてエンジニアになるかを基準に検討しましょう。
サポート体制は充実しているか
プログラミングスクールのサポート体制もチェックしておくべきポイントです。
スクールのメリットの一つとして、「分からないことを質問したらすぐに回答を得られる」というものがあります。学習の過程でつまずきそうになったとき、すぐに質問してフィードバックを受けられる環境にあるかどうかを確認しておきましょう。
転職支援・独立(フリーランス支援)があるか
プログラミングスクールのなかには、カリキュラムのなかに転職や独立支援のカウンセリングが含まれているところもあります。
スキル習得後のキャリアプランに不安を感じている人は、カウンセリング体制の整ったプログラミングスクールを選択するとよいでしょう。
おすすめプログラミングスクール10選
それでは、首都圏にお住まいの方におすすめのプログラミングスクールを10つご紹介します。昨今ではオンライン制のプログラミングスクールが増えていますが、通学スタイルも根強い人気があります。どのように学びたいかを検討して、最適のプログラミングスクールを選択しましょう。
オンラインのみのプログラミングスクール
オンライン制のみ実施しているプログラミングスクールのご紹介です。
TechAcademy
TechAcademy(テックアカデミー)は、現役エンジニアから実践的なスキルを学べるオンライン型のプログラミングスクールです。900社・3万人超の教育実績を背景に、2021年にはプログラミングスクール受講者数でNo.1を獲得しています。
入会金が不要で、副業や転職など一人一人のライフスタイルに応じたプランを選択できます。学習の進め方は、オンラインカリキュラムを自分で学習し、分からないことはメンターへ質問するというスタイルになっています。
SAMURAI ENGINEER
SAMURAI ENGINEER(サムライエンジニア)は、一人一人に合わせたオーダーメイドカリキュラムでマンツーマンレッスンを受けられるオンライン型のプログラミングスクールです。
学習スタイルは、受講者の夢や目標に応じた完全オーダーメイドカリキュラムを作成し、現役エンジニアが専属インストラクターとしてマンツーマン指導を行うというものです。学習コーチによるカウンセリング、QAサイトによる学習サポートも受けられます。
CodeCamp
CodeCamp(コードキャンプ)は、受講者数5万人以上、レッスン満足度97.4%、導入企業300社以上という実績を誇るオンライン型のプログラミングスクールです。受講者の希望に応じたカリキュラムと学習管理システムで、着実な成長をサポートしてくれます。
学習スタイルは、ビデオ通話アプリを使用して現役エンジニアとマンツーマンで授業を進めるというものです。最新情報が常時アップデートされるオンライン教材は、受講期間が終了しても閲覧可能となっています。講師はレッスン予約時ごとに選べるので、同じ人に継続して教えてもらうことも、日によって変えてもらうこともできます。
DMM WEB CAMP
DMM WEB CAMP(ディーエムエムウェブキャンプ)は、「未経験者向けプログラミングスクールNo.1」を獲得した実績を持つオンライン型のプログラミングスクールです。プランが合わなければ8日間の無条件返金保証、早く学習が終了した場合には未利用機関の返金保証を行っており、学習カリキュラムに対するプログラミングスクールとしての自信の高さが伺えます。
学習は3ステップで進められ、「予見段階」ではメンターとの面談で目標を設定し、「進行段階」で自己学習を行い、「自己内省段階」でメンターと振り返りを行うというスタイルです。
COACHTECH
COACHTECH(コーチテック)は、フリーランスエンジニアを目指す人向けのオンライン型プログラミングスクールです。一般的に「未経験者からフリーランスエンジニアになるのは難しい」と言われますが、COACHTECHはカリキュラムの中で実績形成ができるため、即戦力として案件獲得を目指せます。
学習は「基礎学習ターム」と「実践学習ターム」に分かれており、基礎学習ではオリジナル教材を使用して進めていきます。基礎学習タームの終了時に確認テストが行われ、その結果に応じて実践学習として模擬案件開発を進めていくという学習スタイルです。
DPro
DPro(ディープロ)は、未経験からエンジニアとして実践的に活躍できる人材を育成するためのオンライン型プログラミングスクールです。未経験から優良企業への採用実勢も多数あり、年齢を気にすることなくキャリアサポートを受けられます。
2023年6月には話題のChatGPTを活用したプログラミング学習サポートシステム「ディーロボ」を導入しており、最新技術も活用した学習環境としても話題となっています。
通学かオンラインか選べるプログラミングスクール
通学制・オンライン制のどちらかを選択できるプログラミングスクールのご紹介です。
WinSchool
WinSchool(ウィンスクール)は、全国約50校すべての教室で同じ講座を受講できる通学・オンライン併用スタイルのプログラミングスクールです。たとえば平日は勤務先に近い教室を、週末は自宅に近い教室を選択したり、近くに教室がなければオンライン受講も可能となっており、ライフスタイルに沿って受講できます。
カリキュラムはプログラミング言語やサーバー、ネットワーク関係のほか、資格取得やDXなど幅広い内容をカバーしており、就職や副業の即戦力としてスキル習得ができます。
INTERNET ACADEMY
INTERNET ACADEMY(インターネットアカデミー)は、「ライブ授業」「マンツーマン授業」「オンデマンド授業」3つの授業タイプから自由に受講できる通学・オンライン併用スタイルのプログラミングスクールです。
カリキュラムは、プログラミングの入門的なものからWeb開発、エンジニア育成、IoTやAIまでの幅広い内容をカバーしています。またWeb開発が初めての人向けの作品制作導入セミナーの開催や、受講者が制作したオリジナル作品をマンツーマンでインストラクターがチェックするなど、卒業後すぐにエンジニアとして活動できる仕組みになっています。
通学のみのプログラミングスクール
通学制のみ実施しているプログラミングスクールのご紹介です。
KENスクール
KENスクールは、開講34年の実績を誇る通学制の個別指導プログラミングスクールです。一人ひとりの理解度に応じて対話しながら授業が進められ、学習の進行状況はシステムによって管理されます。
現場で実績的に役立つスキルを習得するため、各教室にはさまざまな機材や設備の環境が整備されています。またフリータイム制、校舎を複数利用できることなどにより、「学習したい」と思ったときにすぐ学習に入れるようになっています。
.Pro Light
.Pro Light(ドットプロライト)は、未経験からAIを学べるプログラミングスクールとして人気の通学制プログラミングスクールです。世界中でオンライン化が加速するなか、今だからこそ対面式のスクールの持つ意義を重視し、対面講義による生解説とインプット・アウトプットにこだわっています。
コースはAIやDXに特化した内容になっており、プログラミング言語Pythonの実践的スキルを習得できます。
プログラミングスクールへ通う際の注意点
最後に、未経験からエンジニアを目指してプログラミング学習を始めるの注意点についてご紹介します。
「どうなりたいか」という目標を持つ
プログラミング学習を進めた先で、自分は最終的に「どうなりたいか」という目標を持っておきましょう。目標があれば、問題に直面して立ち止まった際にもモチベーションを持続しやすくなります。
逆に言えば、「なんとなくプログラミングを勉強したい」というぼんやりとした目標では挫折しやすいということでもあります。どんなスキルを習得したいか、どんな現場に入りたいか、どんな製品を作りたいか、より具体的にイメージを膨らませた目標設定をすることが大切です。
スクールの学習だけではスキルは身につかない
専門的なスキルとは、スクールの学習だけでは身につかないものです。需要の高いスキルを身に付けたいと考えるなら、プログラミングスクールに通うのとは別で、独学によって学習の密度を高める努力をしましょう。
前向きに学び続ける意欲を持つ
プログラミングスキルの習得に最も必要なものの一つは、継続することです。さまざまな場面で知見を広げ、前向きに学び続けるための意欲を持ちましょう。
「モチベーションを維持できない」と不安な人は、スクールのカウンセリングや面談などのサービスを利用すると良いでしょう。
習得したスキルでポートフォリオを作成する
プログラミングスクールで学習を進め、学習の成果としてのポートフォリオを作成しましょう。システム開発における要件定義、設計、開発、テストという一連の流れを網羅したポートフォリオを作成できれば、転職や独立の際にも実績として評価される可能性があります。
まとめ
プログラミングスキルは、働き方や生き方が多様化するなかにあっても自由度の高い人生を送るために重要です。そして働きながらプログラミングスキルを習得したいなら、効率的に学べるプログラミングスクールがおすすめです。
この記事でご紹介した内容を参考に、プログラミング学習において自分の学びたい内容はなにか、どのスクールなら確実に続けられるかをじっくりと比較・検討しましょう。自分のニーズにマッチしたプログラミングスクールを選択することが、スキル習得の第一歩です。