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エンジニアには資格が必要?おすすめの資格一覧、取得メリットをご紹介1

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2023年05月18日

ITエンジニアになるのに資格は必要ありません。しかしIT職種には色々な資格があることはご存じかと思います。こういった資格を取っておくことにはどういったメリットがあるのかご存じでしょうか? IT業界は基本的に「実力の世界」です。しかし、いざ転職、或いは新規のクライアントに対する時などに資格を持っていることは大きな効果を発揮してくれます。

また資格を取ると自分に自信が持てる一方、資格は社会的な使命感を感じさせるものであり、あなたに大きなプラスをもたらしてくれるものでもあるのです。日々の仕事に追われているITエンジニアには、中々、勉強の時間は取れないものですが時間というのは「自分で作るもの」なのです。こういったセルフコントロールを学ぶ機会としても資格取得を目指すことは効果があります。そこで、ITエンジニアが目指すべき資格にはどんなものがあるのかをご紹介しましょう。

・エンジニアが資格を取るメリット
・エンジニアにおすすめの資格種類
・エンジニアの国家資格一覧

エンジニアに資格は必要?

ITエンジニアになるのに特定の資格は必要ありません。実際に現場で活躍しているエンジニアでも資格を持っていない人は沢山います。しかしIT業界は日々、進歩しており必要とされる知識、スキルは、どんどん変化していきます。そんな中で資格取得の勉強は自分自身のスキルと知識の向上を図る良い機会となるのです。また、始めて会うクライアントに対し、あなたの知識と技術力のレベルを証明してくれる力強い味方にもなってくれます。またIT業界は進歩が早い分、開発会社の移り変わりも激しい業界です。もし、将来、転職するようなことがあった場合、資格を持っていることは他の応募者との差別化と言う意味で非常に有利に働きます。ですので、資格を取得しましょう。資格を取る勉強は大変ですが、資格を持っているということは、それを乗り越えたという証明でもあるのです。

エンジニアが資格を取るメリット

ITエンジニアは日々、多忙ですので目の前の仕事を進めることだけに集中してしまいがちです。もちろん、それは必要なことですが「目の前の仕事」だけが全てではないのです。あらためて資格取得をするメリットを挙げてみましょう。

スキルアップ

開発作業は、その作業に必要な知識とスキルを求められます。そしてIT技術の知識とスキルは体系化されており、あなたが現在、担当している仕事は、ほとんどの場合「体系化された中の一部分」なのです。そしてスキルアップとは、体系化されている知識とスキルの全体像を学ぶことなのです。全体像を知ることにより初めて、今、自分がしている仕事が何なのかを理解でき、他に何を覚えれば良いのか、何が出来るようになれば良いのかを知ることが出来るのです。スキルアップと言うのは「今まで出来なかったこと、あるいは知らなかった知識」を習得することです。そして、それは目の前の仕事をこなしているだけでは得られないものなのです。

スキルの証明

始めて会うクライアントとは名刺交換をするのが社会的な儀礼になっています。もし、あなたの名刺に「ネットワークスペシャリスト」「オラクルマスタープラチナ」「情報安全確保支援士」という肩書がついていたら、受け取った相手はどう思うでしょう?
名刺を見ただけで「この人はネットワークやクライアント、サーバーシステムのプロなんだ」ということが一目瞭然で分るのです。これが「スキルの証明」です。もし何も肩書が付いていないと「これまでの経験や実績」をスキルシートで判断することになりますが、スキルシートはあくまで所属会社が作成したものですので説明しないと理解が得られません。その点、名刺に書かれた資格の肩書は「一目瞭然のスキルの証明」なのです。その違いはまさに一目瞭然なのです。

キャリアアップに有利

仮にベテランのシステムエンジニアが2人いたとします。そして新プロジェクトをどちらに任せるか、という場合、もし1人がプロジェクトマネージャーの国家資格の取得者であれば、会社側はそちらのシステムエンジニアに決めるでしょう。何故ならプロジェクトマネージャーの国家資格は非常に難関な資格であり、それを取得しているということは優秀さの証明であり、プロジェクトマネージャーのするべきことを心得ているはずだからです。つまり資格、特に取得が難しい資格や国際的な資格を持っているとキャリアアップのチャンスが飛躍的に増大するのです。ですので、キャリアアップをしたいエンジニアにとって資格取得は欠かせないもの、といっても良いのです。

資格手当の支給

開発会社の中には資格取得を奨励し、資格を取得した社員に資格手当を支給する会社もあります。自社の社員が資格を持っていると採用されやすく作業単価も高くすることができるので、ベンダーの下請け会社等に、その傾向が強いです。キャリアアップには興味が無くても給与が上がることに興味がない人はいないでしょう。そして難関資格ほど資格手当も高額になります。つまり資格取得は役職が上がらなくても給与を上げる良い方法なのです。資格取得を目指すことは会社の方針に従うことでもありますので受験費用の一部を負担してくれたり、試験日を特別休暇扱いしてくれるところもあります。せっかく会社側が用意してくれている優遇処置なのですから使わない手はないのです。

エンジニアにおすすめの資格種類

国家資格

ITエンジニアの資格で国家資格となるものは独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が行っています。国家資格は実施している主体が国家である、という点でやはり格が高い資格と言えます。ですので、民間企業でも、もちろん通じますが、特に行政機関や行政法人などの公共機関、また大手の企業では信頼性が高く、そちらの方面を目指そうと言う方は国家資格を取っておくと面接時に有利に働きます。

ベンダー資格

ベンダー資格というのはIT大手企業が独自に行っている自社製品の習熟度を表す資格です。こちらの資格はその製品を採用している会社、またはベンダーそのものへの入社を目指す方にお勧めと言えます。

エンジニアの国家資格一覧

ではITエンジニアの国家資格を難易度別にご紹介します。

初心者向け

最初は初心者向けです。IT系の企業の中には、この辺りの資格で特段に評価が上がることはありません。中には「社員全員に取得を義務付けている」というIT企業もある位ですので、まさに「まずは持っていた方が良い資格」と言えるでしょう。

ITパスポート

情報技術の基本的な知識を問う試験です。この資格はITエンジニアを目指す方だけでなく、他の職種を目指す方も取っておいた方が良い資格です。現在の企業活動はITに関する知識無しでは業務に支障が出ることも多いからです。IT知識について自信の無い方は、この資格取得の勉強を通じてITについての知識を身に付けておいた方が良いでしょう。この試験はコンピューターを使って行われる試験ですので予約をしておけば年間を通じて受験できます。内容としては経営全般35問程度、IT管理20問程度、IT技術45問程度と全部で100問くらいですが全て四択方式です。事前に参考書などで、ちゃんと覚えて行けば難易度は高くありません。受験料は消費税込み7,500円です。

基本情報技術者試験(FE)

ITエンジニアとしての基礎知識を問われる試験です。この試験もコンピューターを使って行われる試験で例年9月から11月が受付期間で、10月から11月は試験実施期間ですが、あらかじめ確認しておきましょう。午前は択一式80問、午後は長文形式の問題が計11問出題され、その中から5問に解答します。この試験はITエンジニアとって登竜門と言える試験ですので決して難易度は高くありません。ですので、就職活動を始める前に取得しておけばIT系企業への就職活動に有利になります。受験料は消費税込み7,500円です。

情報セキュリティマネジメント試験(SG)

情報セキュリティを確保し、サイバー攻撃の脅威から組織を守るための基本的なスキルを認定する試験ですが基礎的な内容ですので難易度は高くありません。午前90分、午後90分となっており多肢選択式です。内容は情報セキュリティを中心に関連分野の問題が出題されます。先の着本情報技術者試験と一緒に取っておけばIT企業への就職に更に有利な材料となります。例年11月から12月が受付期間で、12月が試験実施期間ですが、あらかじめ確認しておきましょう。受験料は消費税込み7,500円です。

以上の3つの資格は難易度が低いので事前に参考書で勉強しておけば取れるレベルです。ですので、在学中に取得しておいた方が良いです。就職してからですと最初の数年は仕事を覚えるのに忙殺されますので、勉強時間が取れず「取らずに進んでしまう」方も多い、と言うのが実態です。ですが、これらの基本的な資格を取っておかないと「より高レベルな資格」に挑戦しにくくなってしまうのです。

中級者向け

次に仕事を始めてから4-5年経ち、一通り仕事も覚えた頃に取っておくべき資格をご紹介します。この資格を取ることで、より上級な資格への道が見えてきます。

応用情報技術者試験(AP)

内容は中級レベルで基本情報技術者試験に受かったら次に目指す資格、という位置づけです。午前は択一式で80問、午後は長文形式の問題が11問出題され、その中から5問を選択し解答します。主に応用的知識と技能の習得を測る試験ですが、これも参考書や過去問題等を見て勉強しておけば合格は十分に見込めます。午後の問題は「これまでの経験」から自分が正しいと思う内容を回答すれば良いのです。つまり「数年間の実務経験」があった方が良く、在学中に取るのは可能かもしれませんが時期尚早と言えるでしょう。資格というのは合格すれば良い、と考えがちですが、「資格に見合った実力」を備えていてこそ周囲も納得してくれるものです。逆に資格を持っていても、それに見合う実力を持っていないと逆効果になってしまうこともある、ということは覚えて置いて下さい。例年1月一杯が受付期間で、4月が試験実施期間ですが、あらかじめ確認しておきましょう。受験料は消費税込み7,500円です。

上級者向け

初心者向け、中級者向けとご紹介してきましたので次は上級者向けです。上級者向けの資格は、まず「実務経験が無ければ取得は無理」と考えて下さい。その実務経験も最低10年は必要です。資格の取得は順番を踏んでいくものということです。そして上級者になると「自分の得意分野」というものが見えてきますので、将来、自分がどういうキャリアアップをしようか、ということを見定めた上で選択する必要が出てきます。ITエンジニアも人間ですから得意、不得意な分野というものが必ず有ります。当然ながら「自分の得意分野」でキャリアアップを図るべきであり、いくら「なりたい」と思っても不得意な分野では他のエンジニアより劣ってしまう、と言う現実があります。そして社会では「よりできる人」の方が評価されるのです。ITエンジニアを10年も続けていると「自分はこういう分野の方が合っていそうだ」というのが必ず見えてきます。それに素直に従えば良く、それが最良の選択となるのです。

ITストラテジスト試験(ST)

ITストラテジストとは経営戦略に基づいてIT戦略を考えるのが役割です。ですので、業務知識と技術知識の両方が求められる職種です。この資格はITコンサルタントという経営者に対し、どういうシステムを作れば良いかを助言する職種の方が取るべき資格で経営コンサルタントである公認会計士と同等の立場と言えます。いわば「システム設計のプロフェッショナル」であり「業務内容と市場動向」という業界全体の動きを見極める役割もあります。プログラマーからスタートしシステムエンジニアを経て次のキャリアップをする場合、「技術系」と「管理系」のどちらかを選ばねばなりません。

そしてITストラテジストは技術系を選んだ方が取るべき資格です。システムの全体像を設計するのですから細部の技術まで実現可能かどうかを知っている必要があり、相当な技術的知識が求められます。また「経営者の助言をする立場」である以上、競合会社の動向や業界全体の動向などの深い業務知識も求められます。IT業界は企業向けの業務システムを作る「業務系」と機械向けシステムを作る「制御系」に大きく分けられますが、ITストラテジストは業務系のシステムエンジニアで技術力と業務知識に優れた人材であることの証明となる資格で1つの頂点と言える資格です。

合格率は例年15%未満と相当な難関です。例年1月から2月が受付期間で、4月が試験実施期間ですが、あらかじめ確認しておきましょう。受験料は消費税込み5,700円です。

プロジェクトマネージャー試験(PM)

プロジェクトマネージャーとはプロジェクトの総責任者でありプロジェクト全体の計画、予算、進捗、品質を管理する職種です。つまりシステムエンジニアからのキャリアアップとして管理系を選んだ方が取るべき資格です。プロジェクトマネージャーは自分自身で設計やプログラムを行うことはしない管理職ですので「人を管理することに長けた人」が選ぶべき職種です。また総責任者である以上、当然、顧客と打ち合わせをする機会も多いので社会人として心得ておくべきマナーやコミュニケーション能力も高いものを備えていなければなりません。業務系システムエンジニアのもう1つの頂点と言える資格で合格率は例年15%未満と、こちらも相当な難関です。例年7月が受付期間で、10月が試験実施ですが、あらかじめ確認しておきましょう。受験料は消費税込み7,500円です。

システムアーキテクト試験(SA)

システムアーキテクト試験は主に制御系のシステムエンジニア向けの試験です。現在、Iotという技術が発達していますが、このIot技術の設計、開発を担当するのがシステムアーキテクトです。制御系というのは通常のシステム開発会社では行っておらず、主に電気製品を製造するメーカー内で必要となる技術なので制御系のシステムエンジニアは、ほとんどが電気機器メーカーの社員です。業務系のシステムエンジニアは業務知識とプログラミング技術を知らねばなりませんが、制御系のシステムエンジニアは機械向けのシステムを作るのでハードウェアの知識とプログラミングの知識が必要とされます。

同じシステムエンジニアといっても作業に必要な知識が全く違うのです。制御系のシステムエンジニアが作ったシステムはROM(Read  Only Memory)というICに入れられハードウェア基盤の中に組み見込まれるので通称「組み込みシステム」とも呼ばれます。先のITストラテジスト、プロジェクトマネージャーが業務系システムエンジニア向けであり、制御系システムエンジニア向けの資格が無いので設けられた資格と言っても良いでしょう。しかしシステムアーキテクト試験は超難関で例年、合格率は10%前後です。例年1月から2月が申込期間で試験実施は4月ですが、あらかじめ確認しておきましょう。受験料は消費税込みで7,500円です。

データベーススペシャリスト試験(DB)

データベースの設計は業務システムにとって最も重要な設計と言えます。データベース設計の良し悪しでシステムの品質が大きく左右されると言っても過言ではありません。そのデータベースの設計を行い、開発、運用・保守も視野に入れた全体運用を構築するのがデータベーススペシャリストの仕事です。データベースというのは「一度、作ったら変更が難しい」ことがほとんどで、プログラムと違い修正することが難しいのです。やってできないことはありませんが、データベースの修正は多くの関連プログラムの見直しが必要となるので簡単ではないのです。

ですので「最初の設計」が非常に重要になってきます。データベースというと「インフラ系」と捉えられがちですが、実際の現場では、ほとんどがシステムエンジニアによって設計されています。実際の業務内容と要件定義で定められた内容を知らなければデータベースの項目内容は決められないので当然なのですが、項目に不足や間違いがあった場合の影響が甚大なのでシステムエンジニアの中でも一番のベテランが担当することがほとんどです。またデータベースの設計手法というものも色々な案が案出されていますが現在では「論理データベース」→「物理データベース」という2段階に分けた設計が主流です。データベーススペシャリストはそういった手法も心得ている必要があります。

またデータベースにおいてはマスターファイルという固定的なデータを格納するデータベースがありますが。マスターファイルは追加、変更、削除が発生するので、そのための保守機能が必要です。そしてマスターファイルの保守機能は1つ間違えるとシステムに重大なエラーを引き起こします。ですので、どのようにして安全、確実な保守ができるかを慎重に考慮しなければなりません。また、現在、政府が推進しているDX政策においてはビッグデータが不可欠ですがビッグデータは個々のデータベースから集められるので、将来的にはAI用のビッグデータをも考慮しなければなりません。データベースはこのように色々な側面を持っているので専門の資格が設けられているのです。

内容的に業務系のシステムエンジニア向けの資格ですので受験者は多いのですが、生半可な知識では全く歯が立たないほど問題は高難易度で、合格率は15~17%程度と難関な資格となっています。逆に考えますとデータベース設計の専門家がいるとシステム開発が非常にスムースに進められ、問題も起きにくくなるのでシステム開発会社からは大歓迎される資格でもあります。例年、7月から8月が申込期間で試験は10月の第2日曜日となっていますが、念のためにか確認をして下さい。試験内容は午前は多肢選択式で55問、午後は、データベースの基礎理論、設計、保守・運用などを題材にした記述試験になります。受験料は消費税込みで7,500円です。

情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士はいわゆるサイバーセキュリティの専門家です。時々、ニュースで「システムがサイバー攻撃を受け、現在、使用不能」と報じられますが、こういったサイバー攻撃からシステムを守るのが役目です。近年、サイバー攻撃はますます悪質化してきており、その対策は企業や行政組織にとって大きな課題となっています。しかもサイバー攻撃は年々進化し続けており、セキュリティソフトとの「いたちごっこ」となっているのが現状です。

ですので、もはや、業務システムのエンジニアやネットワークエンジニアでは対応しきれないという状況なのです。ですので「サイバー攻撃に対する専門家」が必要となり、それが情報処理安全確保支援士なのです。情報処理安全確保支援士は逆に言うと「サイバー攻撃をしようと思えば出来る」ほどの知識と技術力が必要とされるので(それほどでないと、守り切れないのです)相当な力量を要求されますし、資格取得後も、どんどん進歩する攻撃側に合わせて対応していかなければならないので最新情報の収集と防御方法の案出を続けていかねばならない大変な職種で誰にでも務まる職種ではありません。OSの中身位は理解していて当然、というレベルの知識が要求されます。

試験の水準は高く、日本国内で実施される情報セキュリティに関する資格試験では最難関と言われ、実務経験者であっても合格するのは難しい試験として有名です。試験は毎年4月と10月に行われますが、試験内容は午前が2回(四肢択一、午前1が30問、午前2が25問)、午後は記述式の問題が2回(午後1は3問の中から2問選択、午後2は2問の中から1問選択)となっています。受験料は消費税込みで7,500円です。この資格は他の資格と違い、相当にマニアックな要素が強く、いわゆる「熱狂的なパソコンオタク」かメーカーでOS作成を担当しているようなハイレベルな技術者でないと務まりません。それだけに人材は少ない、というのが現状です。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリストはネットーワークの専門家としてネットワークの設計や管理を行いますがインフラエンジニアとしてサーバーを管理する役割を担うことも多いです。サイトによっては一度に数万、数十万とアクセスが集中することもあるので、それでも耐えられるだけの堅牢なネットワークを構築できる技術が求められます。またVPNやSDN、VoIP、IPv6、VXLAN、WAN高速化装置、UDP/QUIC、IPsecの詳細など新技術に関する知識および実践能力も求められます。ネットワークの世界も日々進歩しているので、それについて行かなければならないのです。

常に最新情報の入手が欠かせませんし、実際にその最新技術を実践する能力も求められますのでセミナーの受講やネットワーク関係会社の新製品お披露目には必ず出席し、出来れば実物を入手し実際に使ってみる、ということをしなければなりません。ネットワークエンジニアは基本的に「ハードウェアの専門家」であり、ケーブル端子の種類と特徴を把握しておかねば仕事になりませんが、ネットワークスペシャリストは、もう一段上のレベルが求められます。

ネットワークエンジニアの方というのは、案外に「プログラムを作るのが苦手」と言う方が多いのですが、ネットワークスペシャリストはサーバーがLINUXであろうとWindowsであろうと操作できなければなりませんし、場合によってはプログラムも書かなければなりませんので、ネットワークエンジニアの方がネットワークスペシャリストになるのは簡単ではありません。しかし普通のシステムエンジニアにはハードウェアというハードルは高すぎて、とてもついて行けない、と言うケースがほとんどです。ですのでネットワークスペシャリストも非常に人材が少ないのです。それだけにネットワークスペシャリストの給与は非常に高給です。

ですので人気は非常に高く、毎年沢山の人が受験しますが合格率は例年10%台です。しかも実際の合格者は既に他の高度資格を取得している方が多い、という事実があり相当な難関資格であることを物語っています。試験は毎年4月に実施され内容は午前2回(四肢択一で1は30問、2は25問)、午後も2回(記述式で1は3問中、2問を選択。2は2問中、1問を選択)となっています。受験料は消費税込みで7,500円です。

ITコーディネータ

 ITコーディネータは特定非営利活動法人ITコーディネータ協会が認定する民間資格です。ITコーディネータはIT関係の知識と企業経営の知識の両方を持ち、経営者にIT化の支援サービスを行う専門家で、一見、ITコンサルタントと似ているように思われますが、ITコーディネータに従ってIT化を行うと中小企業基本法により日本政策金融公庫など政府系金融機関からの融資、無利子リースのほか、税制特例措置を利用することができるようになる点が違います。

つまりITコーディネーターは民間資格ですが、法律で優遇処置が設けられており国家資格に限りなく近い存在と言えるのです。正確には「経済産業省推進資格」と称されています。ITコーディネータの試験はITコーディネータ協会により7月、11月、3月と年3回行われておりコンピュター回答方式となっています。試験は、必須60問、選択40問の多肢選択式で合格率は47%~48%となっていますが、実はこの試験を受ける人の

大半は既に高度情報処理技術者・中小企業診断士・税理士・公認会計士などの資格を持っているという事実があります。つまり、この資格は中小企業診断士・税理士・公認会計士などの資格を持つ方が経営者にIT化の助言をしても良いというお墨付きを与えるようなものになっているのです。現在、ITコーディネーターの資格を持つ人は全国で6,460名。平均年齢は47.9歳という事実からも普通のIT技術者が受けて簡単に受かるような物ではないことが分かります。なお受験料は19,800円で受験資格は特にありませんが、前述の通り、簡単に受かるようなものではない事は覚えて置いて下さい。この試験に挑戦するのであれば、まずはITコンサルタントとして通用するレベルになる必要があるのです。

ウェブデザイン技能検定2級

ウェブデザイン技能士という資格があります。これはウェブサイト設計を行う知識と技能を検定するウェブデザイン技能検定試験に合格した人が取れる資格で特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が認定していますが、職業能力開発促進法と言う法律に基づいている資格で国家資格です。そしてウェブデザイン技能検定試験には1級から3級までありますが、ウェブ構築技術についての唯一の国家資格でもあります。ここで、あえて2級を取り上げるのは3級は合格率が60%~70%と高く、ちょっと勉強すれば誰でも取れる資格であるからです。この資格が意味を持つのは2級からで2級を受験するには以下の要件を満たしている必要があります。

・ウェブデザイナーとして2年以上の実務経験を持っていること
・職業高校、短大等を卒業していること
・大学を卒業していること
・高度職業訓練を修了していること
・ウェブデザイン技能検定3級に合格していること

受験資格として実務経験を要求する資格はIT系ではあまりないので異色と言えますが、それだけこの資格が簡単に取れるものではないことを表してもいます。実際、2級の合格率は30%~40%と決して高いとは言えず、受験要件を考えれば結構厳しい内容であると言えるでしょう。実際試験の内容は以下のようになっており、学科試験、実技試験で100点満点中70点以上取らなければなりません。

【学科試験】

(1)インターネット概論

(2)ワールドワイドウェブ(WWW)法務

(3)ウェブデザイン技術

(4)ウェブ基準

(5)ウェブビジュアルデザイン

(6)ウェブインフォメーションデザイン

(7)アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン

(8)ウェブサイト設計・構築技術

(9)ウェブサイト運用・管理技術

(10)安全衛生・作業環境構築

【実技試験】

・ウェブサイト構築(問題文にそって実際にウェブデザインを行う)

2級の受験料は学科が 7,000円、実技が 16,000円で合計23,000円で2級の試験は年3回程度、全国各地で行われていますが実施月は年によってちがうので下記URLより確認して下さい。https://www.webdesign.gr.jp/summery/schedule/

非常に厳しい資格、と言えるでしょう。しかし資格というのは難易度が高いほど価値があるというのも事実です。IT業界の中でもウェブに特化した職種に付きたいと言う方にはお勧めの資格と言えます。

CIW資格(Certified Internet Web Professional)

CIW資格とは米国Certification Partner社によって認定されているインターネットとウェブ標準スキルの資格です。インターネット技術者の技術というのは特定のベンダーに偏ることが多いのですが、この資格はベンダーとは関係なく、どのベンダーであっても通用するスキルという中立性が特徴です。この資格は国際資格であり既に全世界70カ国以上で20万人以上の資格保持者がいる、という事実から、その規模が分かります。日本の国家資格も重要ですが、段々と国際化が進んで行く現状では、こういった国際資格をもっておくことは将来的に重要な意味を持つ可能性もあります。

CIWの資格試験は随時指定のテストセンターでコンピューターを使って行われており、当然、日本でも受験が可能です。そしてCIW資格の特徴はスキルの内容を以下の分野に区分けしている、と言う点です。あまりにも種類が多いので、それぞれの説明は、ここでは出来ませんがインターネットとウェブという観点から見た場合、実はこれだけ考えるべき点があるのだ、ということを物語っていると言えるでしょう。IT企業の中でも外資系色の強い企業では日本の国家資格よりCIWのこれらの資格を取得している、と言った方が有利である可能性もあると心得ておいた方が良いかもしれません。

【CIWインターネットビジネスアソシエイト】

【CIWネットワークテクノロジーアソシエイト】

【CIWサイト開発アソシエイト】

【CIW WebFoundationsアソシエイト】

【CIW AdvancedHTML5およびCSS3スペシャリスト】

【CIWデータアナリスト】

【CIWソーシャルメディアストラテジスト】

【CIWユーザーインターフェイスデザイナー】

【CIWEコマーススペシャリスト】

【CIWウェブデザインスペシャリスト】

【CIWデータベース設計スペシャリスト】

【CIWJavaScriptスペシャリスト 】

【CIWPerlスペシャリスト】

【CIWWebセキュリティアソシエイト】

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