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ITエンジニアに重要な自己アピールのポイント

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2017年02月08日

近年、トレーニング論やコンディショニング論が飛躍的に進化を遂げ、一昔前ならとっくに引退していたはずの年齢の選手が自己ベストを更新し続けるなどスポーツ選手の選手寿命は次第に延びている傾向にあります。

「レジェンド」と称される選手が各競技で活躍していますが、それでも割合からすれば奇跡と呼んで良いほど少数で、その事実が何よりベテラン選手の置かれた立場がいかに厳しいかを物語っています。

団体競技で言えば、数々の修羅場を潜り抜け、卓越した技術と培った経験が良い方向に作用して結果を出していれば「精神的柱」と持てはやされ、少しでも結果を出せなければ「限界説」が叫ばれ「老害」扱いされるのがベテラン選手の宿命です。

どんなに踏ん張っても技術や経験では「年齢」からくる衰えは、いつかカバーすることができなくなり、その時こそ「引退」の二文字が現実味を帯びてくる瞬間です。

これは、スポーツとは違い年齢のレンジは広いですが、職場においても同じようなことが当てはまるのではないでしょうか。

人材と言うよりは人手として重宝され、気力と体力が要求される20代、これまでの鍛錬が実を結び、人材として重用され、時には人を動かすポジションを手に入れる30代、様々なセクションのリーダーを担い、実働部隊の中核となる40代…。

次の分かれ目は50代。50代は、一部は経営を担うトップ層にまで登り詰め、その他大勢は、自分より若い社員のサポートに回って定年を待つ日々を過ごすことになります。

あくまでこれは一例ですが、年齢は、ある程度までは大きな強みになります。しかし、年齢を重ねるごとにそれは大きな足枷となっていくことはどの会社、どの職種においても少なからず起こっていることなのです。

ITエンジニアに関する年齢問題

IT企業と言えば、2000年代に「ヒルズ族」に代表されるITバブルで財なした若い経営者が勢いにモノを言わせて快進撃を繰り広げたイメージが強く印象に残っていますが、この時代以降IT業界は目覚ましい発展を遂げ、新しい企業が生まれては消え、強き者、変化に対応した者が生き残る弱肉強食の様相を呈しています。

次々と現れては消えていく時代の寵児と持てはやされる経営者は「歴史は繰り返す」かの如く、若さが全てと言わんばかりに業界を暴れまわっています。彼らは、物心ついたときには、Windowsが身近にあった時代を生きた年代。

伝説のPC-9800シリーズに携わったITエンジニアなど親よりも上の世代、距離を置かれるのも無理はありません。

年齢が上がればそれだけ人件費の相場も高騰しますから、それだけ払う価値のある仕事がない、もしくは仕事ができなければ当然のことながら使うことを躊躇します。

世知辛い話ですが、会社組織においても偉くなればなるほどそのイスの数が減っていくのも、それだけの価値がある仕事が実はそう多くないことを意味しているのです。

また、やはりこればかりは如何ともしがたいのが体力です。ITエンジニアは時として「体力がモノを言う」、仕事も多いのが現状です。

いくら当人が体力に自信があると言っていてもやはり使う側としては、体力仕事にはなるべく若い人を使いたいというのが偽らざる本音です。

そして使用言語。50代のエンジニアなら習得している言語はCOBOLやVBなどでしょうか。これらの言語ももちろん大事ですが、現在需要が大きいのはPHPやJAVAなどで、これらの言語を習得しているかどうかは非常に大切な要素です。

若手ならともかく、中堅以降のITエンジニアは即戦力が求められますので、教えてもらえたり、成長を待ってもらえるなどという悠長なことは期待すべきではありません。

このように、ITエンジニアばかりではありませんが、様々な意味で、「年齢問題」はベテランにとって憂慮すべき大きな問題なのです。

ベテランITエンジニアは付加価値をアピールすべき

先に述べたように「年齢問題」はベテランエンジニアにとっては大きなビハインドであることには変わりありません。働き盛りのときに自ら学ぶことを忘れてしまった人、自分に限界を作ってしまった人はこのビハインドを甘んじて受け入れる必要があります。

しかし、ITエンジニアとして日々学び続け、研鑽努力を怠らなかった人にとっては年齢は何物にも代え難い「安心感」という付加価値を周囲に与えられる大きな戦力となるはずです。

クライアントとの折衝で、同行している幹部(ベテラン)は黙ってふんぞり返っているのが相場ですが、もしそのベテランが、的確に課題を把握し、豊富な知識を駆使して心の琴線を揺さぶるような提案を澱みなく述べたならば、「安心感」「信頼感」という若手や中堅には絶対に真似のできない成果をもたらすことでしょう。

そのためには、気を抜いてしまうとついつい損なってしまう健康面に十分に注意し、身だしなみや体臭、身のこなしなどにも若い頃以上に気を配り、溌剌とした印象を与えるようにすることが大事です。

「人は見た目が9割」という説もありますが、見た目の印象が近付きがたい雰囲気を醸し出していることもあるのです。

あと、ベテランエンジニアの財産は知識と経験の蓄積により誰よりも仕事やプロジェクトチームの全体像を見渡せる視野の広さを持っていることが挙げられます。

いわゆる「職人」と呼ばれる方々は歳を取るごとに頑固になり意固地になる印象があり、ドラマや小説に登場する「職人」はこの種の方が多いのですが、現実はその逆で、いち早く問題点を察知したり、プロジェクトの進行をよりスムーズなものにするなど、「みんなが仕事をしやすい環境を作る」役割を担うこともできるのです。

ベテランだからこそできる付加価値をアピールしよう

先に述べたように、ベテランエンジニアだからこそできること、ベテランエンジニアにしかできない仕事は多く存在しています。

それは単なる技術ではなく、クライアントやプロジェクトメンバーの心にさえ働きかけることができるヒューマンスキルでもあります。これこそが「年齢問題」を吹き飛ばす最大の武器なのです。

IT企業の社員であるにしろ、フリーランスにあるにしろ、面談の際に求められるスキルと自身の持つスキルとの刷合わせを行います。この際、若い人と面談することもあるでしょう。

年上のエンジニアとの面談に緊張して臨む人もいれば、「こんなオッサンに何ができるの?」とある意味舐めた態度で臨む人もいます。

そこで、溌剌と培った経験と技術について一点の曇りもなく語ることができれば、例え年下の人との面談であっても同じエンジニアの血が流れているのならその思いは十分に伝わるはずです。

その上で、ベテランにしかできない付加価値をアピールするのです。面談でも期待されるのは「何をしてきたのか」「何ができるのか」というプロジェクトの「機能」としての技術論になりがちですが、この自己アピールは面談者にも大きな気付きを与えることになるでしょう。

最後に確認して欲しいポイント

ITエンジニアとして長く第一線で活躍することを目指すのなら、まず第一は、年齢を言い訳にしないことではないでしょうか。

50代はこうだ…という世間の言い方はあくまで目安や一例に過ぎず、自分に当てはめてしまうことによって若い人に叶わない自分を自己正当化しているに過ぎないのです。

ベテランには、若い人には到底かなわない経験と技術の蓄積、そして長く業界に関わってきた独特の嗅覚が身に付いています。そこに、ベテランが生き残っていくために知恵があるのではないでしょうか。

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