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独立系SIer企業とは?SIer企業の種類と概要、代表的な企業一覧をご紹介

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2023年05月17日

独立系SIerには、親会社が存在しない独立資本の企業が該当します。
親会社などからの制限が少ないため、クライアントに寄り添った自由度の高いシステム開発やIT導入の提案が可能です。

ここでは、独立系SIerを含むSIer企業の種類と概要。
そして代表的な企業一覧をご紹介します。

・SIer企業の種類

・独立系SIer企業の仕事内容と特徴

・独立系SIerで得られる4つのメリット

・独立系SIerにて生じる3つのデメリット

・独立系SIerの代表的な企業

・独立系SIerの年収

・独立系SIerを選ぶ4つのポイント

この記事が役に立つ方

・SIer企業に興味のある方
・SIer企業全体の概要を知りたい方
・独立系SIer企業の特徴を捉えたい方
・代表的なSIer企業をチェックしたい方

SIer(エスアイヤー)とは

SIer(エスアイヤー)とは、System Integrator(システムインテグレーター)を略した名称であり通称です。
コンサルティングを含むシステムの全般(設計、開発、運用・保守)を統括する立場の企業が当てはまります。

SIer以外では「SI企業」や「システムベンダー」、または「ITベンダー」と表現される役割です。

SEは「人(職種)」、SIerは「企業」

SIerと混同されやすい名称として、SE(System Engineer)があげられます。

名称

内容

SE(System Engineer)

技術レベルの業務を担当する人(職種)
※開発、運用など

SIer(System Integrator)

業務を請け負い、SEを雇用する企業(会社)
※開発、運用など

SEは「人(職種)」、SIerは「企業(会社)」と捉えると理解しやすいかもしれません。

SIer企業の種類

一口にSIer企業といっても、おおまかに分けて次の5種類があります。

・メーカー系
・ユーザー系
・独立系
・コンサル系
・外資系

メーカー系

メーカー系のSIerには、システムやソフトウェアの開発や情報処理などの部門が子会社として独立した企業が該当します。
親会社がパソコンや家電やサーバなどの、ハードウェアの販売や製造を行っているのが共通項です。

代表的なメーカー系SIer 

・日立製作所
・富士通
・NEC
・三菱電機インフォメーションシステムズ
・パナソニックインフォメーションシステムズ
・NECネッツエスアイ
・都築電気

メーカー系SIerの特徴と仕事内容

メーカー系SIerは、安定した経営基盤を持つ親会社からの案件が多いのが特徴です。
IT業界はもちろんのこと、ほかの業界を含む比較的大きめのプロジェクトへの参加が多くなります。
そのため、自身のキャリアの構築にも役立つのがメーカー系SIerです。

基本的には親会社の製品を使うため、専門性に特化できる可能性を持ちます。
一方でほかのメーカーの製品に触れる機会は少なくなるため、業務以外での知識や技術のアップデートができると良いかもしれません。

メーカー系SIerの年収相場

メーカー系SIerの平均年収は470万円 です。
主なメーカー系SIer企業の平均年収は次のとおり。

富士通:8,651,494円 
NEC:8,294,708円 
都築電気:8,510,000円 

ユーザー系

ユーザー系SIerには、金融や通信、商社や製造などのIT部門より独立した企業が当てはまります。
親会社のビジネス課題を解決するためのシステム開発や保守・運用などが主な業務です。

代表的なユーザー系SIer 

・NTTデータ
・NTTコミュニケーションズ
・NTTコムウェア
・伊藤忠テクノソリューションズ
・日鉄ソリューションズ
・電通国際情報サービス(ISID)
・兼松エレクトロニクス(KEL)
・ニッセイ情報テクノロジー
・インフォコム
・セゾン情報システムズ
・JFEシステムズ

ユーザー系SIerの特徴と仕事内容

コンサルティングなどの上流工程がユーザー系SIerでのメイン業務となります。
親会社の所属する業界の知識や、関連資格の取得が求められるケースも。

プログラミングなどは外部(独立系SIerなど)に依頼することが大半です。
入社当初はプログラミングのスキルを活かす機会が訪れるかもしれませんが、徐々に管理業務へと移行します。
マネージメントのスキルアップを求める方にとって有用なSIerと言えるでしょう。

ユーザー系SIerの年収相場

ユーザー系SIerの平均年収は473万円 となっています。
主なユーザー系SIer企業の平均年収は以下のとおりです。

・電通国際情報サービス:10,472,000円 
・伊藤忠テクノソリューションズ:9,336,993円 
・日鉄ソリューションズ:8,551,000円 

独立系

独立系SIerは設立当初よりSIerの業務を、文字通り「独立資本」にて行う企業が該当します。
メーカー系やユーザー系のような親会社は存在しません。
多種多様な業界からの案件を自由に選別して引き受けられるのが独立系SIerです。

代表的な独立系SIer 

・大塚商会
・オービック
・BIPROGY株式会社(旧:日本ユニシス)
・IIJ(インターネットイニシアティブ)
・SCSK
・ネットワンシステムズ
・富士ソフト
・TIS

独立系SIerの特徴と仕事内容

独立系SIerはコンサルティングなどの上流工程だけでなく、プログラミング業務も担うケースが大半です。
自社で案件を獲得する必要があるため、一定以上の営業能力も求められます。

自由度が高く魅力的な案件に携われる可能性を持つ一方で、ユーザー系SIerからの下請け案件がメインとなる側面も。
どちらかと言えばIT業界を理解している方に向いているかもしれません。

独立系SIerの年収相場

独立系SIerの平均年収は453万円 です。
メーカー系やユーザー系と比較すると若干低めとなっています。

主な独立系SIerの平均年収は次のとおりです。

大塚商会:8,228,340円 
オービック:9,596,000円 
ネットワンシステムズ:8,691,160円 

コンサル系

コンサル系SIerは、上流工程のITコンサルティングを主な業務とする企業です。
クライアント企業の課題解決を目的としたシステム開発や企画の立案に長けています。

代表的なコンサル系SIer 

・野村総合研究所
・シンプレクス
・フューチャー
・JSOL
・アビームコンサルティング

コンサル系SIerの年収相場

主なコンサル系SIerの平均年収は以下のとおりです。

・野村総合研究所:12,251,000円 
・シンプレクス:9,771,662円(連結会社) 
・フューチャー:7,937,059円 

外資系

外資系SIerには、外国に本社を持つ日本法人の企業が該当します。
成果主義を採用していることが多く、一定以上のスキルを所持している方にとっては、高収入が期待できるでしょう。
英語などの外国語での意思疎通が図れる方に向いています。

代表的な外資系SIer 

・日本オラクル
・Cisco
・SAP
・日本HP
・アクセンチュア

外資系SIerの年収相場

外資系SIerの平均年収として公表されているのは日本オラクルのみです。

・日本オラクル:11,217,790円 

外資系企業は日本から撤退する可能性がゼロではないため、そのあたりを踏まえた上で就職することをおすすめします。
ジョブホッパー的な働き方に抵抗のない方に向いているかもしれません。

3.独立系SIer企業の仕事内容と特徴

ここからは独立系SIer企業にスポットを当ててご紹介します。
まずは独立系SIerの仕事内容と特徴です。

仕事内容

独立系SIerは親会社のない独立資本のため、案件を獲得することから始まります。
受注した案件によって細部は異なりますが、主な仕事内容は次のとおりです。

・クライアントの課題解決を目的としたIT導入の提案
・システムやアプリの開発
・要件定義
・設計
・運用・保守

上記のほかにもユーザー系SIer案件の下流工程として、プログラミング業務を請け負うケースも含まれます。
所属する独立系SIer企業によっては、プログラミング業務がメインの仕事となることもあるかもしれません。

特徴

独立系SIerは「自由度の高さ」が一番の特徴です。
ハードウェアやソフトウェア、使用言語の選択などクライアント企業ごとに最適なシステムの構築を提案することができます。

自由度の高さは案件の受注にも適用されるため、良い意味での「仕事を選ぶ」ことも可能です。

独立系SIerで得られる4つのメリット

独立系SIerにて仕事をすることで、以下の4つのメリットが得られます。

・親会社に制限されない
・成果主義の風潮である
・システム開発がメイン業務
・勤務時間や服装など自由な社風の企業が多い

親会社に制限されない

独立系SIerは独立資本であることから、親会社に制限されないのがメリットのひとつです。

メーカー系SIerやユーザー系SIerには、親会社からの指定や企業ルールなどが存在します。
特に歴史の長い企業であればなおさらでしょう。
様々な制限が業務効率の点においてマイナス要因となることも考えられます。

独立系SIerは案件ごとに適した言語やソフトウェアなどが選べるため、上手に活かすことで効率化も図れるでしょう。
親会社に制限されないため、多種多様な業界の案件に携われる可能性も秘めています。

成果主義の風潮である

独立系SIerは、成果主義の風潮であることもメリットに含まれます。
つまり、高い能力を持つ方であれば、昇給や昇進のタイミングも早まるということです。

独立系SIerでは共に働くメンバーもハイレベルな傾向があります。
切磋琢磨を望む方にとって最適な環境と言えるでしょう。

システム開発がメイン業務である

独立系SIerのメリットとして、システム開発がメイン業務である点も忘れてはなりません。
特にプログラミングのスキルを高めたい方への格好のチャンスとなり得るでしょう。

①要件定義
②外部および内部の設計
③開発(プログラミング)
④テスト
⑤運用・保守

上記の工程を理解および把握し、実践を積み重ねることでスキルアップへとつながります。

勤務時間や服装など自由な社風の企業が多い

独立系SIerは、勤務時間や服装などが自由な社風の企業が多いのもメリットと言えるでしょう。
柔軟な働き方を求める方にとって、独立系SIerが良好な選択肢となる可能性があります。

独立系SIerにて生じる3つのデメリット

独立系SIerは成果主義や親会社の制限を受けないなどのメリットが得られる一方で、次の3つのデメリットが生じることが想定されます。

・客先常駐がほとんどである
・親会社が存在しないため安定性が低く納期や予算が厳しい
・離職率の高さ

客先常駐がほとんどである

独立系SIerの職場はクライアント企業が主となります。
いわゆる客先常駐(きゃくさきじょうちゅう)です。

案件が完遂するまでは自社に赴く機会は自然と少なくなります。
そのため、自身がどこの企業に所属しているのか?が希薄になりがちです。

常駐先が変わるたびに新たに人間関係を構築したり、場所ごとのローカルルールを学ぶことも必要となります。
自社のオフィスでじっくりと業務に取り組みたい方には、厳しい環境となるかもしれません。

親会社が存在しないため安定性が低く納期や予算が厳しい

独立系SIerは親会社が存在しないため、安定性が低く納期や予算が厳しい点もデメリットのひとつです。

予算内に収めつつ、納期を守ることがクライアントとの信頼関係に結びつきます。
そのため、スケジュールによっては残業や休日出勤が求められるかもしれません。
仕事を失うリスクを回避するために、従業員への負担が増すことも考えられます。

離職率の高さ

独立系SIerのデメリットには、離職率の高さも含まれます。
離職率の高さにつながる主な理由は次のとおりです。

・業績の悪化による労働環境へのしわ寄せ
・納期が近づくと残業時間や休日出勤が多くなる
・客先常駐が大半のため帰属意識が希薄

一定以上の経験やスキルを持つ方の中には、新たな環境に臨みたい気持ち(転職欲求)が抑えられなくなることも想定されます。

独立系SIerの代表的な企業

企業名

従業員数

平均年齢

平均年間給与

大塚商会

7,480名

41.6歳

8,228,340円 

オービック

1,857名

36.2歳

9,596,000円 

BIPROGY株式会社
(旧:日本ユニシス)

4,451名

46.1歳

8,100,039円 

IIJ(インターネットイニシアティブ)

2,344名

37.7歳

7,381,000円 

SCSK

8,462名

43歳8ヶ月

7,522,000円 

ネットワンシステムズ

2,245名

39歳9ヶ月

8,691,160円 

富士ソフト

8,508名

35歳10ヶ月

6,000,000円 

TIS

5,469名

40歳2ヶ月

7,410,000円 

 

独立系SIerの年収

ここからは独立系SIerの年収について紹介します。

独立系SIerの年収相場

独立系SIerの年収相場は453万円 となっています。
親会社を持つメーカー系やユーザー系SIerと比較した際、気持ち少なめな傾向があるようです。

とはいえ、独立系SIerは成果主義を採用している企業が見受けられます。
スキルや経験次第では、相場を超える年収が得られる可能性を秘めているのが独立系SIerです。

独立系SIer 平均年収ランキング

独立系SIer企業の有価証券報告書に基づいた平均年間給与(平均年収)を、以下の表にまとめています。

企業名

平均年間給与

オービック

9,596,000円 

ネットワンシステムズ

8,691,160円 

大塚商会

8,228,340円 

BIPROGY株式会社

(旧:日本ユニシス)

8,100,039円 

SCSK

7,522,000円 

TIS

7,410,000円 

IIJ(インターネットイニシアティブ)

7,381,000円 

富士ソフト

6,000,000円 

 

独立系SIerを選ぶ4つのポイント

独立系SIerへの就職を希望する際には、次の4つのポイントを確認したいところです。

・多種多様な業界とのつながり
・営業力の高さと豊富な実績
・下請けや孫請けの有無
・離職率の低さと待遇面

多種多様な業界とのつながり

独立系SIer企業を選ぶ1つめのポイントとして、多種多様な業界とのつながりがあげられます。

独立系SIerは案件を受注するところからがスタートラインです。
コネクションの有無は売上に大きく関係します。
売上の上昇分が従業員の報酬に還元される可能性も。

一方、様々な業界とのつながりが希薄な場合には、中長期的な経営状態に影を落とすことも想定されます。
必ず独立系SIer企業の公式サイトにて、どのような企業や団体とのつながりがあるのか?をチェックしておきましょう。

営業力の高さと豊富な実績

営業力の高さと豊富な実績も、独立系SIerを選ぶポイントに含まれます。
独立系SIerの公式サイトや、IR資料の「有価証券報告書」にて確認すると良いでしょう。

有価証券報告書には、企業の財務状況が事細かに掲載されています。
「企業名 有価証券報告書」で検索してみてください。

下請けや孫請けの有無

独立系SIerの中には、ユーザー系SIerの下請けでのプログラミング案件がメインの企業も見受けられます。

下請けや孫請けの場合、費用(予算)が中抜きされるのが基本です。
独立系SIer企業の売上はもちろんのこと、従業員が得られる報酬もその分少なくなることも考えられます。

できるだけ高収入を得たいのであれば、希望する独立系SIerが下請けや孫請けとなっていないことも確認しておきましょう。

離職率の低さと待遇面

離職率の低さと待遇面も重要なチェック項目です。

各種保険や年間休日、有給休暇の取得率、残業時間や休日出勤の有無などが事前に確認できると良いかもしれません。

離職率の高い企業は従業員が流動的です。職場環境は実際に就業してみないとわかりにくいため、あまりにも従業員の入れ替わりが激しいようなら敬遠してみるのもひとつのやり方でしょう。

まとめ

ここまで、独立系を含むSIer(エスアイヤー)に関する以下の項目を紹介してきました。

1.SIer(エスアイヤー)とは
2.SIer企業の種類
3.独立系SIer企業の仕事内容と特徴
4.独立系SIerで得られる4つのメリット
5.独立系SIerにて生じる3つのデメリット
6.独立系SIerの代表的な企業
7.独立系SIerの年収
8.独立系SIerを選ぶ4つのポイント

独立系SIerは自由度の高さが特色です。
様々な業界のシステム開発などに携わるチャンスも期待できます。
成果報酬を採用している企業であれば、昇進や昇給などの高待遇が得られるかもしれません。

ミスマッチを防ぐためにも、まずは自身がどのSIerに向いているのか?をエージェントなどに相談してみることをおすすめします。

 

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