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屋号の決め方のポイント、注意点は?屋号とは何か、屋号を決めるメリット・デメリットまで

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2023年01月27日

フリーランスや個人事業主として働くことを視野に入れている方にとって、屋号をどのように決めたら良いのか?も悩みどころのひとつかもしれません。
屋号は企業名や団体名、店舗名や芸名、作家のペンネームなどに該当する名称です。
ここでは、屋号を決める際に関連する次の項目について解説します。

・屋号とは個人事業の名称

・屋号を決めることで得られる3つのメリット

・屋号を決めることで生じる2つのデメリット

・屋号を決める際の5つのポイント

・屋号を決める際の3つの注意点

・屋号を決めるタイミングは2パターン

・屋号の決め方~5つのステップ

この記事が役に立つ方

・これから屋号を決めようとしている方
・屋号をいつ、どのように決めたら良いのか?を知りたい方

屋号とは個人事業の名称

屋号とは、「○○商店」「○○寿司」のような店名や、「株式会社○○」「○○合同会社」のような企業名にあたる「個人事業の名称」です。
開業届や所得税の確定申告の際にも「屋号」の記入欄があります。
芸能人の芸名や、作家のペンネームに近いものと捉えても良いかもしれません。

フリーランスや個人事業主の中には、屋号を定めずに本名のまま仕事をする方も存在します。
将来的に株式会社や合同会社などの「法人成り」を想定している際には、屋号を決めておいたほうが後の展開がしやすくなるでしょう

屋号を決めることで得られる3つのメリット

屋号は必ずしも決めなければならないわけではありませんが、屋号を決めることで、次の3つのメリットを得ることにつながります。

・相手にインパクトのある印象を与えられる
・専門性をアピールできる
・屋号名義の金融機関口座を開設できる

相手にインパクトのある印象を与えられる

相手にインパクトのある印象を与えられるのが屋号のメリットのひとつです。
人名を覚えるのが苦手な方でもコンビ名やグループ名、バンド名などは記憶に残りやすいケースが存在します。

すでに高い知名度を持つ方ならともかく、覚えやすさの点においては「屋号>本名」であることは否めません。

特に初めてのお客様からすれば、時間が経ってから本名の名刺を見ても「この人誰だったかな…」となることは珍しくないでしょう。
その点、屋号であれば「あっ、あの人か!」と思い出してもらえる機会が増えるかもしれません。
「屋号」で相手の記憶に残る⇒仕事の依頼につながる可能性が高まります。

専門性をアピールできる

屋号のメリットとして、「何を仕事にしている」のか?「何を得意にしている」のか?を端的に表せる点があげられます。

「ら~めん○○」や「お食事処○○」のような店名のごとく、屋号の決め方によっては専門性をアピールすることも可能です。

・プログラマー○○
・金融・不動産ライター○○
・WEBデザイナー○○

「屋号」で専門性をアピール⇒新たな仕事の獲得に導くチャンスが広がります。

屋号名義の金融機関口座を開設できる

屋号によって得られるメリットには、屋号名義の金融機関口座を開設できる点も忘れてはなりません。

屋号名義の金融機関口座を持つことで、事業用のお金の流れを明確にすることが可能です。
特にフリーランスを含む個人事業主の場合、プライベートで使うお金なのか?事業経費として計上できる費用なのか?が不明瞭になりがちです。

屋号名義の口座によって経費の計上も容易になり、確定申告の作業もスムーズに進むことが期待できます。

屋号+個人名で口座開設が可能な金融機関例

屋号+個人名で口座開設が可能な金融機関例を次の表にまとめてみました。

金融機関名

詳細のリンク先

三菱UFJ銀行

口座開設時の本人確認書類「屋号付き口座の開設に必要な書類」
https://www.bk.mufg.jp/kouza/order/shorui.html

三井住友銀行

法人口座開設のご相談
https://www.smbc.co.jp/hojin/kouza/soudan.html

みずほ銀行

個人事業主としての口座を開設したい
https://www.faq.mizuhobank.co.jp/faq/show/388?site_domain=default

楽天銀行

個人ビジネス口座を開設できる方
https://www.rakuten-bank.co.jp/smallbusiness/account/qualified.html

PayPay銀行

口座開設に必要な書類(個人事業主のお客さま)
https://www.japannetbank.co.jp/business/confirm/index_02.html
https://www.paypay-bank.co.jp/business/index.html

屋号を決めることで生じる2つのデメリット

屋号の決め方によっては、以下の2つのデメリットが生じることも想定されます。

・屋号そのものが読めない
・ピンポイントすぎる屋号

屋号そのものが読めない

屋号に凝った漢字(当て字)や外国語を使用した場合、お客様が「屋号そのものが読めない」ケースも存在します。
識字できない屋号はお客様の記憶にも残らないため、せっかくの屋号がマイナスの影響となる可能性も。
屋号ではなく「○○さん」と個人名で呼ばれることも考えられます。

ピンポイントすぎる屋号

屋号によって専門性を打ち出すことに成功したとしても、それ以外の強みが伝わりにくくなることもあるかもしれません

屋号を決める際の5つのポイント

屋号を決める際には、次の5つのポイントを踏まえることをおすすめします。

・事業内容や活動地域を入れてわかりやすく
・覚えやすい名称であるか?
・呼びやすい、書きやすい名称であるか?
・ドメインが取得できるか?
・ネット検索でヒットしやすいか?

事業内容や活動地域を入れてわかりやすく

屋号に事業内容や活動地域を入れることで、お客様に「何をしているのか?」「どこで活動しているのか?」が明確に伝わります。

・ら~めん○○
・お食事処○○
・○○寿司
・デザインスタジオ○○
・岡山○○税理士事務所
・ヘアサロン小金井○○
・横浜○○ベーカリー
・各務原○○モータース

覚えやすい名称であるか?

屋号はお客様にとって「覚えやすい名称」であることが重要です。

覚えやすい屋号
⇒何かの際に思い出してもらえる
⇒仕事の依頼の確率が高まる

覚えやすい屋号は同業他社の多い業種や、コンペ選考や入札の際にも役立つことが期待できます。

呼びやすい、書きやすい名称であるか?

屋号は呼びやすい、書きやすい名称のほうが多くのメリットを享受します。

・長くなりすぎない
・語呂が良い
・聞き取りやすい
・ワープロ変換がしやすい

屋号を決める際には実際に声に出して読んでみることで、呼びやすさを確認することが可能です。
呼びやすさおよび聞き取りやすさの確認の際には、家族や友人などの周囲の人たちに協力してもらうことで客観的な意見が得られます。

ワープロ変換がしやすい屋号

2010年代~2020年代はツイッターやインスタグラムなどのSNSで取り上げられることで、ヒット商品が生まれるケースが多々見受けられます。

ワープロ変換がしやすい屋号を付ける
⇒スマホやパソコンでの屋号入力が容易になる
⇒良質の口コミやコメントが拡散される
⇒新たな仕事の依頼や業務の拡大

こちらも実際にスマホやパソコンで入力して試してみることをおすすめします。

書きやすい屋号

材料や備品などの仕入れや取引先の接待などで、領収書の宛名に屋号を記載してもらう機会も少なくありません。
口頭で漢字などの説明ができるような屋号を決めておくと良いでしょう。

ドメインが取得できるか?

ドメインとは、ホームページやブログなどのアドレス(URL)で使用される名称です。

・yagou.com
・yagou.net
・yagou.site

無料のホームページ作成サイトやブログの場合にはドメインを取得する必要はありませんが、ネット検索で上位検索表示されるサイトの大半は独自ドメインです。

独自ドメインを使用することでサーバーのレンタル料金やドメインの使用料金が発生しますが、その費用を補って余りある効果が期待できます。

屋号を独自ドメインで取得できるのか?の確認には「お名前.com」が手軽で便利です。

「お名前.com」
https://www.onamae.com/

ドメインは取得してから24時間~48時間後に、インターネット上で使用可能となります。
ホームページやブログを作成する予定のある方は、時間的余裕を持って屋号のドメインを取得しておきましょう。

ネット検索でヒットしやすいか?

ネット検索でヒットしやすいか?も屋号の命名で重要視したい点です。
「よくある名前」「似たような名前が多い」ようでは、GoogleやYahoo!などの検索結果に表示されないことも考えられます。

インターネット検索から集客できるか?否か?は死活問題にもなりかねません。
ネットショップはもちろんのこと、ほとんどの業種が対象になると言えるでしょう。

作成したホームページやブログがインターネットの大海に埋もれないためにも、ネット検索でヒットしやすい屋号を決めることをおすすめします

屋号を決める際の3つの注意点

屋号を決める際には、次の3つの注意点を踏まえておきましょう。

・すでに他で使用されている屋号は避ける
・商標登録されている屋号はやめておく
・法人と誤認される屋号はつけられない

すでに他で使用されている屋号は避ける

すでに他で使用されている屋号は避けたほうが無難です。
登録したい屋号の候補のすべてに対して、ネット検索してみることをおすすめします。

商標登録されている屋号はやめておく

商標登録されている屋号の命名もやめておきましょう。
商標登録は日本全国が対象となることから、場合によっては権利の侵害として訴訟を起こされるリスクが想定されるためです。

以下のリンク先より、無料にて商標登録されている名称を検索することができます。
特許庁「商標を検索してみましょう」
https://www.jpo.go.jp/support/startup/shohyo_search.html

法人と誤認される屋号はつけられない

法人と誤認される屋号もつけることができません。
法人には株式会社や合同会社などが該当します。

・株式会社
・一般社団法人
・合同会社
・合資会社
・NPO法人

上記の名称は、所轄の法務局に登記が認められる(商号登録)ことで使用できるようになります。

以下の名称も、消費者に誤認されるため屋号として命名できません。

・○○銀行
・○○病院
・○○保険

すでに商号登録されている名称については、次のリンク先より有料にて確認できます。

登記情報提供サービス
https://www1.touki.or.jp/gateway.html

項目

照会料金(税込)

不動産登記情報:全部事項

332円

不動産登記情報:所有者事項

142円

不動産登記情報:地図

362円

不動産登記情報:図面
※土地所在図、地積測量図、地役権図面
建物図面、各階平面図

362円

商業・法人登記情報:全部事項

332円

動産譲渡登記事項概要ファイル情報

142円

債権譲渡登記事項概要ファイル情報

142円

 

区分

登録費用(税込)

個人:登録利用

300円

法人:登録利用

740円

国や地方公共団体など

560円

 

区分

支払方法

個人:登録利用

クレジットカード
※VISA、MasterCard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、NICOS

法人:登録利用

口座振替

公共機関の利用

現金振込

一時利用

クレジットカード
※VISA、MasterCard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、NICOS

屋号を決めるタイミングは2パターン

屋号を決めるタイミングとして考えられるのは、以下の2つのパターンです。

・開業届の提出時
・確定申告

開業届の提出時

個人事業主として所轄の税務署宛に開業届を提出するタイミングで、屋号を決めておくとスムーズです。
開業届については、次のリンク先の記事にて詳しく紹介しています。
開業届の正しい書き方・必要書類徹底解説!提出の流れやタイミングまで幅広くご説明します

確定申告

屋号を開業届の提出時に決めることができなくても、確定申告の「屋号欄」に屋号を記載すれば登録完了です。
同じ手順で後から屋号の変更もできます

屋号の決め方~5つのステップ

屋号を決める際には、以下の5つのステップを順番に進めていくと良いでしょう。

・事業の強み、ターゲットの選定
・複数の屋号候補名
・商標登録がされていないことの確認
・屋号候補名のネット検索
・事業にふさわしく顧客の記憶に残る屋号を決定

事業の強み、ターゲットの選定

まずは自身が行う事業の強みと、どのような層にアピールしたいのか?を選定します。
たとえばネットショップの場合、主に扱う商品やサービス、対象となる年代によって屋号の命名も異なるのは確かです。

特にカタカナや外国語由来の屋号の場合、相手にきちんと認識されるのか?間違って覚えられてしまわないか?という点も考慮することをおすすめします。

複数の屋号候補名

同じ名称の屋号が使用できないケースも踏まえた上で、複数の屋号候補名を考えておきましょう。

商標登録がされていないことの確認

特に同じ業種、同じ業界の場合、商標登録済みの屋号を使用した際には、訴訟に発展するリスクが想定されます。
思いついた屋号のすべてに対して、商標登録がされていないことを事前に確認しておいたほうが無難です。

特許庁「商標を検索してみましょう」
https://www.jpo.go.jp/support/startup/shohyo_search.html

屋号候補名のネット検索

屋号候補名をネット検索にかけるのも忘れてはなりません。
○○法律事務所などのように似たような名称が多く存在しそうな屋号の場合、地域名を加えてみるのもひとつのやり方です。

・岡山○○税理士事務所
・ヘアサロン小金井○○
・横浜○○ベーカリー
・各務原○○モータース

事業にふさわしく顧客の記憶に残る屋号を決定

どんな事業をしているのか?が伝わる屋号であれば、新しい仕事の依頼や業務の拡大につながりやすいのではないかと思われます。

・ら~めん○○
・お食事処○○
・○○寿司
・プログラマー○○
・金融・不動産ライター○○
・WEBデザイナー○○

とはいえ、社名の中には造語や経営者の思想などで命名されているものも少なくありません。
有名どころでは、経営者の名前が「石橋」⇒「Stone Brigde」⇒「Brigde Stone」⇒「ブリヂストン」があげられます。

取引先や顧客などに尋ねられた際に、屋号名の由来が説明できると良いかもしれません。
設定から逆算して屋号を考えていくのもひとつの方法です。
思いついた屋号は、必ず声に出して読んでみましょう。

まとめ

ここまで、屋号を決める際に関連する次の項目を紹介してきました。

・屋号とは個人事業の名称
・屋号を決めることで得られる3つのメリット
・屋号を決めることで生じる2つのデメリット
・屋号を決める際の5つのポイント
・屋号を決める際の3つの注意点
・屋号を決めるタイミングは2パターン
・屋号の決め方~5つのステップ

「名は体を表す」という言葉もあるように、屋号名が事業の展開に影響することは否定できません。

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