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フリーランスになるなら今年がポイント!? 2018年問題を考える。

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2018年03月05日

皆さんは「2018年問題」という言葉を聞いたことがありますか?今年、2018年は社会・経済に大きな影響を与えるいくつかの出来事があります。

今回は、それらの出来事「労働環境の変革」「人口減少」「教育環境の変化」について、どのように対応していけば良いのか。ともに考えていきましょう。

2018年問題とは

まずは、改めて2018年問題とはいったいどういうものなのか。そして、それは社会や経済に対してどういった影響を与える可能性があるのか見ていきましょう。

3つのポイントがある2018年問題

今年2018年に起こる社会や経済の変革につながる出来事をまとめて、2018年問題と呼んでいますが、これは3つのポイントに分けられます。

  1. 法制度の改定と施行
  2. 少子高齢化に伴う労働人口の現象
  3. 教育指導要領の改定に向けた教育環境の変化

まず、法制度について。2018年には以下の3つの法律が改定、あるいは施行されます。

  • 労働契約法
  • 労働者派遣法
  • 民法

詳しい内容は後ほど取り上げますが、こういった変更によって労働環境や雇用形態などに大きな影響が出る可能性があります。

また少子高齢化は継続的に進行していきますが、これによって労働人口は確実に減少し続けていきます。先ほどの労働関連法制度の改定の影響とも関連してきます。

さらに、2020年の学習指導要領の改訂全面実施を前に2018年度からは移行期間に入ります。子供達の教育現場での変化に対して子供を持つ親が対応する必要もあります。

変わる労働者派遣

先ほど法制度の変更について少し触れました。これは具体的には、以下のようなものです。その中で大きなポイントとなるものに「労働契約法」「労働者派遣法」の改正があります。

労働契約法は、2013年4月に改正されたもので2018年4月で、ちょうど5年が経過します。

この改正内容を簡単に説明すると「有期契約で5年が経過すると、労働者からの希望があれば無期契約に変更しなければならない」というものです。

つまり、短期のパートやアルバイトであっても5年間継続すると正社員にしないといけないというものです。

また、労働者派遣法は、2015年9月に改正されたもので、2018年9月に3年の移行期間が終了します。従来行われてきた特定労働者派遣を廃止し、登録型派遣と紹介予定派遣のみにするものです。これによって無期の労働者派遣というものはなくなります。

このように、大きな流れとしては、「年限がないまま、企業が派遣労働者をずっと働かせ続ける」ということは出来なくなったわけです。

正社員になるチャンスは広がるの?

このような労働契約法・労働者派遣法の改正は、期限の定めがないまま使い続けられる労働者派遣をなくし、正規雇用を増やす流れを作るようにも思えます。しかし、これで実際に正社員になるチャンスは広がるのでしょうか。

法律的に見ると、以下のような条件を満たす場合は期間の定めなき正規雇用に変更する流れとなります。

  • 契約更新が1回以上
  • 5年以上の通算契約
  • 同一事業者に対する契約

これを満たした場合は正規雇用に転換することが求められています。

しかし、転職市場などもかなり改善されたとは言え、企業が先行き不透明感などから雇用を大幅に増やすといった流れにはなっていないのが現状です。

派遣契約から直接雇用に切り替えると、社会保険料の負担など企業が負うべき負担は増大し、さらに現状、正規雇用の社員は簡単に解雇できない仕組みになっています。

したがって、法制度の改正に伴って正規雇用が増えるかは疑問を呈さざるをえません。

やはり、正規雇用を目指すには「スキルアップ」などをしっかりと行って企業から価値を認められることが不可欠だと言えます。

フリーランスは何に気をつけるべき?

2018年問題は、法制度の改定などもあり私たちの働き方にも大きな影響を与える可能性があるものです。これらの変化は、フリーランスにとってはどんな影響があるのでしょうか。そして、フリーランスの方は何にを気をつける必要があるのでしょうか。

2018年問題、フリーランスはここに気をつけよう

社会・経済・教育などさまざまな変化が訪れるであろう2018年。この変化はフリーランスとして働く場合にどういった影響が出てくるのでしょうか。

フリーランスに関係してくる法制度の改正としては、先ほどの「労働契約法」「労働者派遣法」に加えて、民法の改正についても押さえておく必要があります。

「労働契約法」「労働者派遣法」については、雇用条件の確認をしっかりとしておくことが大切となります。それは、以下のようなことです。

  • 業務委託/SES契約:労働時間に基づいて報酬を受け取ることが出来る形態。民法の改正で支払いについては2種類に明文化される
  • 業務派遣:法律で禁止されている二重派遣となっていないことに気をつける

また、民法の改正では以下の変更があるので注意が必要です。

  • 支払い:作業ベースである「履行割合型」と、成果物ベースである「成果完成型」の2種類となった
  • 契約不適合:契約した内容と成果が合わない場合、「契約不適合」となり何らかの対応が必要とされる
  • 契約解除時の支払い:契約が中途で解約された場合も成果が利用できる場合は支払い義務が発生する

このように、法制度の改正はフリーランスとして働く場合でもいろいろと変更点があり、注意が必要となっています。

フリーランスを検討している人はどうする

もともと、ITエンジニアとして働くモチベーションとしては、様々な理由があると考えます。他の業種は自分に向いていなかったからたまたまITエンジニアになった、という人もいれば、ITエンジニアが自分の天職だと考えて働いている人もいるでしょう。単純に、稼げるからという理由もあると思います。

どのような理由にしろ、業務委託やSES、派遣などで働いているあなたは2018年問題に影響を受ける可能性があることを知りましょう。そして、これは本当に自分がやりたかった仕事なのかどうかを考えるには良いタイミングです。

これからの人生をどう過ごすべきかよく考え、「やっぱりITエンジニアとして生きていきたい」という結論が出たのならば、社会に振り回されない、世の中から求められる人材となるべく、努力を怠らないようにして下さい。

希望の仕事を選び、スキルアップを単価アップに変える事のできるフリーランスは聞こえは良いですが、決して順風満帆ではありません。自分の置かれている立場もよく考えた行動が必要です。

日本で働くITエンジニアが抱える「リスク」

正しい情報を知ろう

先ほども説明したようにさまざまな法制度が改正され、いろいろな情報が飛び交っています。そういった中で正しい選択を行うためには、正確な情報を収集し理解することです。

常に情報収集と状況判断を怠らないようにしましょう。

2018年、変わる教育現場

2018年は、労働環境だけでなく子どもの教育についてもいろいろと変わります。子供さんを持つ親御さんはその辺りが非常に気になることでしょう。いったいどういった変更があり、私たちはそれにどのように対応していけば良いのでしょうか。

グローバル人材を育てる教育

文部科学省の教育指導要領の改定が行われ2020年度からの全面実施を控え、2018年度からは実施に向けた移行期間に入ります。この新指導要領では、主に以下のような改定が行われることになっています。

  • 英語教育の充実と低年齢化
  • 道徳教育の教科化
  • プログラミング教育の実施

このように、従来はなかった新たな分野の教育が始まります。この中で大きなポイントとなるのが「英語」と「プログラミング」です。これは、「英語が使えるグローバルな人材」を育成するために小さい頃から英語に触れること、そして「プログラミングを通して、論理的思考力(プログラミング思考)を養う」ことを目的としています。

これとは別に文部科学省では「スーパーグローバル大学(SGU)創成支援事業」という名称で、世界的な研究などを行う大学に対して支援を行うという事業を開始しています。

このように教育分野でグローバルな人材を育成し、国際競争力を上げていくために取り組みが始まっています。

子どもの減少による影響

グローバル人材を育てる教育が進められる中、教育現場には子供達の減少といった問題があります。子供達の減少は以下のような問題をもたらします。

  • 大学などの閉校
  • 教育費の高騰

子どもの数の減少によって学生が確保できなくなれば当然大学などは閉校になるところも出てくるでしょう。また、閉校とまでいかなくても運営費を確保するために学費を値上げするところも出てくる可能性があります。

このような状態になってまで果たして進学すべき価値があるのかという疑問も出てきますね。

親としてはどうするか

2018年からの教育環境のさまざまな変化に対して、子どもを持つ親はどのように考え、対応すれば良いのでしょうか。

一つ言えることは、どうしたいのかを明確に決めておくことが大切であるということです。従来であれば同じような教育を受けて大学に行って卒業し、就職するという流れがありました。しかし、こういった教育環境の変革の中で大切なことは、まず子供達自身が将来に対してどうしたいのかということです。

また、雇用環境についても従来の終身雇用が崩れ、さらに今回の労働契約法や労働者派遣法の改正など大きく変化の時を迎えており、良い大学に入ることが重要ではなく、何を学び何を身につけるかが大切となってきています。

こういった変化の中、親としては、「まず進学すべき」ではなく、子供達の希望を元にしっかりと考えてサポートすることが大切ではないでしょうか。

まとめ

2018年は、労働契約法・労働者派遣法・民法などさまざまな法制度の改正あるいは全面施行など、働く場面、働き方について大きな変化が起きることとなります。今回の労働環境の変化のうち、もっとも大きなものは以下の2つです。

  • 有期雇用の5年の年限化
  • 特定労働者派遣の廃止

これによって、従来永続的に派遣社員として業務に従事してきた人々に対して正規雇用への道が開かれる可能性があります。しかし、経済が上向いているとは言え先行き不透明感がある中、なかなか雇用を増やす企業がどこまで増えるかは微妙なところで、多くの雇い止めなどが発生するリスクがあります。

また、フリーランスに関しては民法の改正も頭に入れておく必要があります。今回説明したように、支払いや契約不適合などいくつか変更点があるので理解しておきましょう。

少子化問題から来る教育問題については、学習指導要領の改訂などを控えています。教育環境についても「英語教育の充実」「プログラミング教育」など新たな内容が入る中、文科省がより明確にグローバル人材の育成を打ち出します。親としては自分の子供をどうしたいのか明確に考えて臨むことが大切です。

このように、2018年にはさまざまな変革が起こってきます。これらがどういったものでどういう影響があるのかをしっかりと理解した上で、正しい対応を取ることを心がけましょう。

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