フォスターネット広報です。
弊社における2021年2Q(7月~9月)におきまして、新規でご契約させて頂いた案件のデータをもとに、
2Qの振り返りと今後の動向について考察いたしました。
2QにおけるIT業界は、ポストコロナ/ウィズコロナ時代を見据えてIT人材需要、供給ともに増加し、
ITフリーランス市場の流動性も大幅に高まりました。
1Qのデータ(https://freelance.fosternet.jp/journal/foster-journal2021_1q_report/)と合わせ
現在ご活躍されているITフリーランスの方、フリーランス登用をされている・検討している
ご担当者様のご参考になれば幸いでございます。
〇まとめ
・コロナ禍で参画案件を継続しながら安定を確保し、景気先行きやIT案件動向について様子見していたITフリーランスの方々が新たな機会へ活動が活性化されたことにより、当社の2020年同時期に比べ、新たな案件を探される方が133.8%増となりました。
・2021年度1Q(4~6月)と比較し、エンタープライズ市場(特に金融業、製造業向け)のシステム開発にかかわる案件が大幅に増加しました。
・また一部の人気案件への応募が集中したため、一時的に応募倍率が上昇し、ITフリーランスの方が希望する案件へ参画できない買い手市場となる事象も発生しています。
-2020年のコロナ禍で先行きの不透明感によりIT投資を抑えていた企業が、ポストコロナに向けたDX推進やIT投資に対し予算を確保し、2021年2QからITプロジェクトを立ち上げが集中したことで案件が増加したとが予測されます。
・地方在住の方がフルリモートで首都圏の案件に参画されるケースも増加
-コロナ禍をきっかけにテレワークが広がり、また一部の企業では新たなワークスタイルとしテレワークが定着したことで、場所にとらわれない自由な働き方が可能な案件が増加しています。また案件により参画開始日や終了日や必要に応じミーティングなどでクライアント企業へ出向くことを求められることもあり、フットワークが軽く柔軟な対応ができるITフリーランスの方への需要は増加傾向です。
技術要素
1.Java
2Qで最もご参画された方が多い案件はJavaでの開発案件となりました。
全体の26%がJava開発案件で、需要の高い期間となりました。
要因としては、現在稼働している業務システムはJavaで開発されているものが多く、既存資産の活用やエンジニアの言語習得コストを考えた際に、Javaが優先して選択されているといえます。
タイミングによっては多少の揺らぎは発生すると思いますが、あと数年はJavaの案件は安定して案件数、単価感を維持していくと予想しています。
今後も現在動いている既存システムのリプレイス案件は多く発生すると予想しており、リバースやリファクタリングの経験をお持ちだと優位に案件を選ぶことができそうです。
また、Java案件では2年ほど前からSpringBootを必須スキルとする案件が増加しておりましたが、ここ最近では技術者不足が顕著になっていることもあり、現状では特定のフレームワークの経験者に絞らない傾向が強まっております。
新しい技術をキャッチアップしたいJavaエンジニアの方は募集要件が下がっている今の状況はチャンスが広がっているといえそうです。
2.クラウドエンジニア
Javaに続いてご参画された方が多いスキルセットがパブリッククラウドとなっています。
2Qでのクラウド案件で印象的だったのは、大企業向けのインフラ基盤を仮想サーバーからパブリッククラウドへ移行する案件が非常に多かったということが挙げられます。
今まではAWS案件が大部分を占めていましたが、ここ最近はAzureの導入案件も増えております。マイクロソフトの決算で示されたAzureの伸びが48%であったことが納得できる状況となっております。
クラウド化に抵抗を持っていた大手の事業会社でもクラウド化のプロジェクトが順次スタートしており、この流れはしばらく続きそうです。
3.PHP
2021年1Qに比べるとやや勢いは下がったもののPHPの案件にも引き続き多くの方にご参画いただいております。
PHPですと特にEC事業者との親和性が高く、決済周りや管理システムなどの業務を経験されておりますと高確率でオファーをいただいている状況です。
また、PHPでもLaravel経験者を求める傾向が強かったのですが、2Qではそれが少し弱まった印象です。「何かしらのMVCフレームワーク経験」を求めるLaravel案件もタイミングによっては出てきておりますのでご経験を広げたい方は積極的にエントリーをしていただければと存じます。
4.上流
2QではPHPと同率で上流(コンサル/PM/PMO)の案件でのご契約数も3位となっています。
弊社ではこの2年ほどでコンサルティングファームやPM/PMO専門のクライアントが増えてきており、上流の案件が増加しております。システム周りだけではなく、業務コンサルの案件でもご参画をいただくことが増えております。
特に今年は、昨年計画していたプロジェクトで凍結されていたものが改めて開始されるというケースも見られ、上流フェーズに対応できる方のニーズが非常に高くなっております。
ただ、上流の案件ですとその多くが顧客企業や案件の性質上非公開とすることを求められていることもあり、フォスターフリーランス上に掲載をしていない案件も多数ございます。
上流の案件をお探しの場合は各担当者からコンタクトをさせていただく事が多くなりますので、お探しの旨をご一報いただければと存じます。
Ⅱ報酬
弊社で2Q内にご参画を決められた方の平均報酬は60万円台中盤となっておりました。
1Qと比較した際に約5万円減少しています。
これは、60万円台でのご契約が38%と最も多くなっている一方で、20代前半の若手の方や週3~4日の案件で40~50万円台の報酬となるケースが1Qから更に10%ほど増えているからといえます。
弊社ではコロナ禍以前では、週5フル常駐の案件がメインでありましたが、案件のバリエーションが増えており選択の幅が増えた結果と認識しております。
100万円を超える契約は全体の3%となり、最高報酬は150万円となっています。
上流の案件が増えたということもありますが、現在弊社よりプロジェクトにご参画していただいている方では、月額の報酬が100万円を超える方が徐々に増えており、エンドクライアントや元請けユーザーが多い強みが活かせているといえます。
求人業種の傾向
2Qでは1Q比引き続きECでの需要が堅調に推移し、また冒頭に記載したように業務系システムの需要が高まった期間となりました。
一年ほど前にAmazonや楽天から撤退した事業者が独自ECを立ち上げるというニュースを多く見かけましたが、その傾向が案件動向からも継続していることがうかがえます。
しかし、世界的に利用が増えているShopifyを利用した案件は少なく、日本独自のEC構築パッケージが利用されていると推察されます。
また、業務システム系の案件が増加しておりJavaのスキルをお持ちの方は、すぐにご参画案件が決まっていく状況でした。
金融や通信は以前から安定的に案件がありましたが、2Qに関しては製造業での案件が急激に拡大している印象を受けています。
これは、既存の業務システムのリプレイスを行う案件とデジタル推進を図る案件の両軸が製造業の中で進んでいるからといえます。
最後に
ITフリーランスの方にとって、2021年2Qは1Qに続いて好調で、この傾向はまだまだ続いていくと予想しています。Webサービスは引き続き堅調で、業務システムも勢いを取り戻しておりITフリーランスの売り手市場はますます広がっております。
案件やスキルセットによってはスキル要件が緩和されたり、金額が見直された案件も出てきており、スキルアップや条件アップにつながる積極的な動きが行いやすい状況です。
また月額報酬が100万円を超えるプロジェクトが定期的に発生しており、ミドル~ハイエンドを求める要望が強くなっています。
もし、「案件の変更を検討しているが業界の流れが不透明で不安。」や「将来単価をアップさせたいがキャリアプランが定まらない。」など、この好機をどのように過ごせばよいかとお悩みの方は是非弊社へご相談ください。