フリーランスは一人で契約、業務から支払い回収まで全て行っているため負担が大きくなります。そのため契約書を交わすとき、特に注意をする必要があるのです。ここではフリーランスにとって、契約書を書くときの注意点をご紹介します。
フリーランスにとって契約書とは
契約者とは発注側と受注側のそれぞれの立場は守るためにあります。つまり契約を交わした後に「条件や業務内容が違う」「成果報酬を得られていない」といった事が無いようにするものです。誤字脱字があっただけで、記載されているすべての記載事項が無効になったりはしませんが、基本的には、記載されている事項はすべて重要なものと捉えて下さい。
契約書に必要なこと
契約書を記載する時に、契約書が持つ意味を考えながら作成する必要があります。一番大切なことは、業務に関して必要事項を詳しく記載することで、あとからトラブルにならないようにすることなのです。
条件や業務内容を明確にする
フリーランスが仕事の依頼を受ける時に、業務の内容やどこまでを請け負うのかを 明確にしておく必要があります。 場合によっては途中で業務が増えることもあります
報酬の内容をはっきり記載する
成果報酬を確実に得るため、どのような「業務」に対して「報酬」はいくらとわかりやすく記載をすることが大切です。この内容がはっきりしていないと、成果報酬を得ることができなかったり依頼が増えていくこともありえます。また業務内容によっては、交通費などその他経費がかかる場合もあり、これらも全て記載することが大切です。
またこの他にも、支払い期限や支払方法の確認も必要です。 銀行振込の場合は手数料をどちらが負担するか、などまで細かく記載してください。
契約書に記載が必要な項目
それでは、実際に契約書に記載する必要のある項目をご紹介します。契約書を見れば、どんな業務内容で、その成果報酬はいくらなどはっきりわかるようにしておかなければなりません。クライアントとの間だけでなく、第三者が見てもわかりやすくすることが大切です。
契約日と契約書の有効期間
契約書を交わした日と、その契約書の有効期間ははっきりとさせなければなりません。また業務期間が決まっている場合は契約期間も記載も必要です。
業務範囲
契約をした業務内容や、その範囲をはっきりとさせる必要があります。業務内容をはっきりと記載しないと、報酬はそのままで業務内容が追加されるなどあいまいな状態になることもあります。
支払いに対して
支払い金額はもちろんのこと、誰が誰に支払って、何の業務に対しての対価なのかをはっきりさせる必要があります。金額は見積書などで合意している金額を記載するのですが、契約書に金額なしで契約をするのは特にフリーランスでは避けたほうが良いでしょう。
料金がある場合は、料金を契約書に添えることもできます。またフリーランスで最も頭を悩ませられるのが、延滞をした場合とキャンセルです。いつまでキャンセルができるのか、キャンセルできない場合はいくら支払いが必要なのかを明記しておくことが大切です。
また支払い期限を超えているのに、支払いがない場合の延滞金などの記載も明確にするべきです。フリーランスには未払いがどうしてもつきものなのですが、契約書の内容で随分そのリスクは減るのです。また仕事内容にもよりますが、 先払いや着手金を考えることも大切です。
支払い方法がクレジットなのか、銀行振り込みなのか、また銀行振り込みなら手数料をどちらが負担するかに関しても記載しておきましょう。
納品時に関して
発注書などに記載された内容に、修正が必要な場合は修正要求され支払いが遅くなることがあります。クライアントによっては、検収までの時間が長くかかり支払日が遅れると言ったケースもあります。そのため、「納品後何日以内で検収」「修正数の上限や内容」などを記載しておくと、あとあとトラブルになるケースは減るのです。
損害賠償
制作者のなんらかのミスがあり、依頼者にとって不具合が生じた場合に対して、修正できる内容や期間を記載しておきましょう。また著作権や、秘密保持なども損害賠償になり得るので決して曖昧にしてはいけない部分です。
その他の注意点
他にも契約書を作成するときに、注意をする必要がある点があります。
2枚作成
同じ内容の契約書を2部作成し、依頼者とフリーランスがそれぞれ保管をする必要があります。また契約書を偽造し差し替えられる可能性もあるので、ページのつなぎ目などに割り印をする必要があります。
収入印紙と印鑑
業務委託契約を結ぶ時に、契約金額が1万円を超える時は収入印紙が必要となります。これは納税義務がかかるためです。他に契約書に押印する印鑑は法務局の登記所で登録している印鑑を利用する必要があります。
一人で業務をし、責任を負う必要があるフリーランスにとって契約書は自分を守ってくれるものです。そのため丁寧に、決して作成に手を抜く事はしないでください。