少子高齢化とともに日本の労働人口が減少していく中、従来からの日本の伝統とも言える企業による終身雇用制度が崩れてきています。
このような中、従来の働き方とは全く異なるフリーランスという形を選ぶ人が増えています。会社員とは違う柔軟な働き方で、大きな可能性を持つ働き方であるフリーランスですが、果たして将来はどのようになっていくのでしょうか。
日本のフリーランスの未来はいかに
少子高齢化とともに日本の労働力が減少していく中、フリーランスという働き方を選択する人は増えています。しかし、将来、人口の減少で市場が縮小していくことも予想される中でフリーランスとして働いていくことに未来はあるのでしょうか。
増えるフリーランスとしての働き方
今、従来の会社員としての働き方を捨て、フリーランスという新しい働き方を選ぶ人が増えています。フリーランス協会のフリーランス白書2018によれば、日本では現在1000万人(副業・兼業を含む)のフリーランスがいるとされています。これは、国内労働人口の6分の1にあたり、経済規模では20.1兆円になると試算されています。
海外では、この流れはもっと進んでおり、例えば米国では2027年には過半数の労働者がフリーランスという働き方を選択するとも言われています。
フリーランスを取り巻く現状とは
国内、海外問わずフリーランスとして働く人が今後も増えていく流れは変わらないでしょう。これに対して、フリーランスを取り巻く現状はどのようになっているのでしょうか。
フリーランスが働く市場の今後の展開は、次のように予想されています。
- 少子高齢化に伴って、労働人口の減少が発生する
- IT技術の利用拡大(IoT, AI, ビッグデータなど)により、エンジニア不足が深刻化する
また、企業の間でもフリーランスの活用は進みつつあります。先ほどの報告でも、現在は18.9%の利用に留まりますが、30%を超える企業が「今後の検討を進めたい」と答えている事実があります。
消費人口が今後減り、経済規模の縮小は容易に予想できますが、そういった中にあってフリーランスの需要は急速に高まる現状となっています。
政府も推進、将来性あるフリーランス生活
フリーランスに将来性があることは、政府が推進していることからもよくわかります。
厚生労働省では、フリーランスで働くということについて、以下の観点から推進を行なっています。
- 子育て主婦や定年退職者などを含めた労働力の確保
- 雇用の流動性を高めることによる競争力の強化
- IT技術の発達による産業構造の変化への対応
また、政府がフリーランスの推進にあたって課題として検討を進め始めているのが、法的保護です。
労働法は雇用者を対象としているため、フリーランスに対しては法による保護はありません。例えば、1日8時間で週40時間とされている法定労働時間や、最低賃金、年1回の健康診断などはすべて対象外となっています。
この結果、不当に安い報酬で働かされたり、法定労働時間をはるかに超える過重労働が発生したりというケースがあとを絶ちません。
こういった現状を踏まえて、厚生労働省では2021年度の法案提出を目指して、フリーランスの保護を行う仕組みの検討を進めています。
まとめ
今、フリーランスという働き方を選ぶ人が増えています。会社員とは違い、「時間を自由に使い家族との時間を持てる」「子育てや介護などライフステージに合わせた仕事ができる」と多くのメリットがあります。
特にITの世界では、AIやIoTなどの進展と労働人口の現象などにより、慢性的なエンジニアの不足が今後も続いていくと言われています。そういった中で、企業のフリーランス活用の動きも進展が期待できます。
政府も、フリーランスが働きやすくなるように最低報酬など法による保護を検討しています。
このように、企業や政府がフリーランスを推進していくといった方向に立つ現状を考えると、今後もフリーランスの将来は明るいと言って良いでしょう。