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フリーランスが家(マイホーム)を購入するためにすべきこと

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2018年03月27日

人生において何度も訪れることのない最大級のライフイベントが「住宅購入」といえるでしょう。しかしながら、フリーランスにとって住宅購入は、就職や結婚などのライフイベント以上にハードルが高いとされています。それは、フリーランスに貼られている「収入が不安定」というレッテルにあるのです。

とはいえ、時代は変わっても、マイホームを持つことは多くの人にとって人生のひとつの目標であり、「一国一城の主」となる大きな夢、フリーランスだって同じように夢を抱いている人も少なくありません。

ここでは、フリーランスが住宅を購入するにはどのようにしたらよいか、また、住宅を購入することで得られるメリットなどについて考えてみました。

住宅購入?それとも賃貸に住み続けるか?

家がとても裕福で多額の援助があったり、相続でもしない限り、大部分の人は社宅も含め手狭な賃貸住宅から社会人のスタートを切ると思います。稼ぎが増えるにしたがって部屋が広くなりそれに比例して家賃も高騰していきます。その中で、結婚や子育てといった大きなライフイベントも訪れることでしょう。そして誰もが同じようなことを考えるのです。

家賃を払うお金でマイホームが買える?

目下、各地で再開発が進み、ここ20年余りの間に耐震基準が厳しくなった関係で、大規模修繕をしても基準を満たせない建物は次々と取り壊されマンションへと姿を変えています。

このような事情もあり住宅はやや供給過剰気味で、かつ景気回復とは言いながら住宅ローン金利は、これまでと変わらぬ超低金利の状態がしばらく続く気配のため、「今が買い時」という判断も十分頷けます。しかし、そこに立ちはだかるのは、公務員でも会社員でもなく、「フリーランスである」という厳然たる事実なのです。

公務員や会社員であれば収入は安定し年数を重ねるごとに昇給し住宅ローンへの負担は軽減されていきます。しかし、フリーランスが仮に住宅を購入した場合、その後も安定した収入が得られローンを払っていけるかは、まさに「神のみぞ知る」領域です。フリーランスが住宅購入を考えるとき、決断を下すのか、それとも思いとどまるのかはこの何十年にもわたるリスクを負えるかどうかにかかっているのです。

リスクを取った方が良い場合もある

十年先、二十年先のことなど誰にも分かりません。ましてやフリーランスで今と同じように仕事を得られる保証はどこにもありません。そんな中で、自分の年収の何倍もする住宅を購入するなど、冷静に考えれば狂気の沙汰と言う人もいるかも知れません。

「住宅購入か賃貸か」という話題になったとき、賃貸を選ぶ人はほぼ全員が「何十年もローンを支払うリスク」を挙げます。現にローンが払えなくなって泣くなく手放す人が少なくないことを思えば正論です。しかし、ここでは「敢えてリスクを取った方が良い場合もある」ことについても触れておきましょう。

住宅を購入することによって、「一国一城の主の自覚が出てきた」、「家族に快適な住環境を提供することができた」、「マイホームがあることを励みに頑張ろうと思った」、「賃貸の頃よりも広い家に住めるようになった」など一歩踏み出さなくては体験できないモチベーションの向上が期待できます。

住宅購入反対派の人からすれば、何の根拠のない精神論かも知れませんが、マイホームを得た人の「これから頑張らなくちゃ」というエネルギーは彼らの想像を遥かに凌駕するほど大きなものなのです。住宅を購入するのか賃貸に住み続けるのかという命題に正解はありません。

当人がフリーランスとして逞しく生きていけるのに最適な環境ならばそれこそ正解なのではないでしょうか。

フリーランスが住宅を購入する障壁

住宅は年収の何倍もする高い買い物です。ほとんどの人は住宅ローンを使って購入し、20年~35年かけて少しずつ返済していきます。超低金利時代と言われるものの、これだけの期間をかけて返済しますので支払総額は元本と利息を合わせてかなりの金額にのぼります。

ですから、金融機関は住宅ローンの申し込みをした人がきっちりと返済できるかどうかを厳しく見極める必要があります。そこが、収入が不安定になりやすいフリーランスが審査に通りにくい理由であるとされています。

とはいえ、安定した収入が保証されている公務員や会社員と比べると不利なのは仕方がないとしても、必ずしもフリーランスが「住宅ローン審査に通らない」ということはないようです。住宅ローン審査の最大のポイントは何と言っても返済能力です。

公務員や会社員はそれだけで大きなアドバンテージを得ています。フリーランスの場合は、過去3年分の所得がひとつの目安となります。過去3年分の納税証明書や確定申告書の写しなどを提出し、それが返済能力があること証明するに足るものであれば住宅ローン審査もクリアできることでしょう。

また、住宅ローン審査の際に保証会社によって行われる信用調査は、かなりシビアに行われるため、自動車のローンやノンバンクからのローンなど他に借入金がある場合、審査に通りにくくなるケースもありますので、極力完済しておきましょう。

いずれにしても、フリーランスの住宅購入は、独立してすぐには難しいものの、きちんと実績を築いていけば決して困難ではないといえるでしょう。また、将来の住宅購入を見据えて、より借りやすくするために、できる限り頭金を貯める、生前贈与など親から援助を受けることも審査を通りやすくする方法としては有効です。

さらに、不動産会社と金融機関が提携してローンを組める場合もあります。この場合、店頭金利よりも低金利で住宅ローンを組めるなど直接銀行に出向くよりも有利な条件で契約を結ぶことも可能となります。

住宅ローンは経費として計上できるか

フリーランスが自宅兼事務所として使用する場合、賃貸住宅の場合なら仕事場として使っている床面積分の割合の家賃を経費として計上できます。賃貸派は、この点をメリットとして挙げています。しかし、マイホームの場合は残念ながら毎年支払う住宅ローンを経費として計上することはできません。

ですが、ローンの利息分は経費の対象となり、仕事場として使っている床面積分の割合を計上することができます。火災保険も同様です。近年はかなり低金利の住宅ローンもラインアップされていますが、何十年と返済していくならば利息とて馬鹿にならない金額になります。

また、住宅を購入した人すべてに適用されますが、毎年の住宅ローンの残高の1%が10年間所得税から控除される「住宅ローン減税」制度もありますので、購入初年度の確定申告の際から忘れずに活用するようにしましょう。

会社員の場合は初年度のみ確定申告を行えば2年目以降は年末調整の際に会社が手続きをしてくれますが、フリーランスの場合は、確定申告で還付を受けることになります。

ローン残高の1%と言っても10年積み重ねれば総額がかなりの金額になりますので、手続きを確実に行ってください。5月に入ると固定資産税の納付書が届きますが、10年間は住宅ローン減税で還付された分をその支払いに充てる人が多いそうです。

最後に確認して欲しいポイント

フリーランスになるということは、生涯現役でいられる代わりに、退職金や手厚い厚生年金など手放さなければならないものも少なくありません。マイホームの夢もかつては手放さなければいけない夢のひとつでした。かつては毎日のようにテレビで見かける旬の芸能人も住宅ローン審査が通らず現金で住宅を購入したという話もありました。

しかし、雇用が流動化し、フリーランスで生計を立てている人も珍しくなくなった昨今、金融機関もフリーランスの住宅購入に門戸を広げつつあるようです。それでも、「銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す」という格言があるように、きちんと返済を続けられるかをシビアに見ています。金融機関を納得させられるよう事業を軌道に乗せることに注力してください。

フリーランスにとって高嶺の花であった住宅購入も、しっかりと実績を上げていけば遠い夢ではありません。収入が安定し「マイホームが欲しい」という夢が、現実に近付いていると感じたら金融機関や住宅ローンの専門家、不動産会社のスタッフに相談してみてください。

最大のハードルである「住宅ローン審査」をクリアするために必要なアドバイスが受けられるはずです。

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