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フリーランスで長く生き残り、好きな人生を自分で描くには

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2018年01月29日

2005年に会社法が制定されるまで、商法では会社を下記のように定義していました。

第52条 本法ニ於テ会社トハ商行為ヲ為スヲ業トスル目的ヲ以テ設立シタル社団ヲ謂フ
(商法 第二編 会社 2005年 会社法の制定により削除)

ざっくりと表現すれば、商法は商行為(=金儲け)を至上命題として設立された団体が「会社」であると断言し、その後ろ盾を与えているのです。

一方、社員(従業員)は、商法も会社法もともに「使用人」という呼称が用いられており、会社との雇用契約に基づき労働力の提供の対価として賃金を得る「組織の一員」とみなされています。

極論すれば、いくら「アットホームな雰囲気」、「社員を大切にする会社」を標榜していても「金儲け」という至上命題を前にしては、これらのスローガンは対外アピールのポーズに過ぎず、本音を言えば社員は会社を儲けさせるための駒でしかないのです。

大多数の人はこの事実を前向きに受け止め、組織の一員として自身を会社のベクトルに適応させ、その中で最大限のパフォーマンスを発揮するよう努めます。そしてその対価である賃金をもって生計を立て家族を養っているのです。

ですから、会社勤めを通じて顧客を満足させ、会社の利益に貢献し、相応の報酬が得られているのであれば、「意義ある社会人人生を送っている」と胸を晴って言えることでしょう。

しかし、その歯車の噛み合わせが少しでも狂ったとき、組織の一員として働くことは、経営者と「使用人」という絶対に逆転不可能な事実とともにネガティブな側面をたちどころに露呈させるのです。

入社直後は目の前の仕事を片付けるだけで精一杯だったけれども、1年も経てば仕事の流れが分かり、数年経てば会社の全体像が見え、自身のキャリアの先行きもおぼろげながら感じ取ることができるようになるでしょう。

そのとき、自身の努力や成長度、貢献の度合い如何に関わらず、「一部の経営陣に自分の『生殺与奪』が握られている」事実に気付くのです。

命を預ける相手が飛行機のパイロットやバスの運転手など、預けざるを得ない状況ならば仕方がないけれども、経営陣への信頼が揺らいでいるときにこの事実を突きつけられた場合に、平常心でしかもフルパワーで仕事をすることができるでしょうか。

もし、自身がこれまで積み上げてきたキャリアやスキルに絶対の自信があるのならば、生殺与奪の権利も含め全て自分の掌中に取り返す、すなわちフリーランスの道を選ぶのもひとつの選択です。

このまま現状の仕事を続けてもモチベーションが保てないどころか、組織では排除の論理が働き、やり直しの利かない年齢になってから生殺与奪の権利を行使(=リストラ)されるのは目に見えています。決断を下すなら、慎重を期することはもちろんですが、早いに越したことはないのです。

フリーランスで長く生き残るためには、継続できる仕組みをいち早く構築すること

さあ、フリーランスになれば会社の都合に左右されない「自分のための人生」の始まりです。

寝る時間以外は仕事のために費やしていたこれまでの生活は、会社の利益や上司の評価を上げるためには貢献したかも知れませんが、何より大切にすべき「自分」という存在がなおざりになっていたことを実感することでしょう。

あなたはついに長い会社員生活の中で巧妙に刷り込まれてきた「会社のために尽くすことによって自分も幸せになれる」というある一面から見れば100パーセント正しく、またある一面から見れば社員を不幸に巻き込みかねないロジックから解放され、まさに「自分の人生を自分の絵具と筆で描く」人生が目の前に開けているのです。

しかし、フリーランス(=個人事業主)は、軌道に乗るまでは会社に相当する役割を全て自分でやらなければなりません。これまで人事部がやってくれた社会保険の手続き、経理部がやってくれた税金の手続き、営業部が取ってきてくれた案件、総務部がやってくれた雑多な業務などなど、本業としたいこと以外の仕事が山積です。

フリーランスを志す人が独立を躊躇する理由はこれらの「めんどくさい」仕事をやる自信がないことなのだそうですが、そう思っているうちはまだフリーランスになる決意が足りていない証拠です。

精神論になってしまいますが、やらなければ死活問題になることは明白で、しかも全て自分のためになるのならば、苦手な社会保険や税金の手続きだって勉強できるでしょうし、営業活動にしても何らかのアクションを起こせるはずです。

会社員時代のように「やらされている」のではなく、「自ら進んでやる」のでなければその先に待っているのは破滅の二文字。同じ仕事をするにしても会社員時代とは、かける熱量が格段に異なっているはずです。

「やるべき仕事」を列挙したならば、きっと顔をしかめたくなるほどやることが多いことに愕然とすると思いますが、「自分の人生を生きる」という大きな目的の実現にあたっては、取るに足らない関門に過ぎません。そう思えるからこそ、フリーランスは生き生きとして、人生を謳歌している人が多いのではないでしょうか。

フリーランスの立場で仕事を行う場合、会社員時代のように会社への「上納金」がない分、総額が少なかったとしても手元に残るお金はかなりの額にのぼります。つまり、客先が定めた単価は変わらなくても「同じ仕事なのに驚くほど儲かる」嬉しい事態が発生します。

これがフリーランスになる最大のメリットですが、ここで忘れてはいけないのは、フリーランスになって儲けるためには、会社員時代と同じかそれ以上の案件を扱い続けなければならないということです。

フリーランスになれば会社員時代のように営業担当が案件を取ってくるわけではありませんし、資金力やマンパワーで絶対的に適わない企業と競って仕事を得なければいけないわけですから、「仕事を取り続ける」ことは決して簡単なことではありません。

しかし、フリーランスで生き残りをかけるならば絶対にクリアしなければならない課題なのです。フリーランスは、なることよりも継続し続けることの方が難しいのです。

では、末永く継続し続けるためにはどうしたら良いでしょうか。一度きりのまるで一期一会の案件をこなしつづけるのは、軌道に乗るまでは致し方のないことかも知れませんが、案件が終わるたびに次の仕事があるか分からない「明日なき世界」を生き続けることになりますし、「数をこなす」やり方では、いずれ限界はやってきます。

ですので、ひとつの案件に対しても保守契約を結ぶなど常につながりのある状態を保ち、更新時期がきたら確実に仕事が回ってくるようにしたり、システム構築ならば月額使用料を設定して継続して入金が仕組みをつくるなど、安定して収入が得られる状態に持っていくことが重要です。

資金面の心配がなくなれば、心の余裕ができ、その余裕が次の仕事へとつながっていくのです。そして取引先やエージェント、同業のITエンジニアと良好な関係を保っておくことが重要です。フリーランスだからこそ、その日暮らしの働き方ではなく、幾重にも予防線を張ることで自らを守っていく必要があるのです。

最後に確認して欲しいポイント

会社勤めを選ぶのか、フリーランスを選ぶのかなど働き方を決めるのは当人の意志次第。ただ、会社勤めの場合、自身のキャリアが自分自身の力の及ばないところで決められてしまうことも多々あって、まさに社会人としての自分の命が一部の上司や経営者に預けられているような状態です。

これを善しとしないのであれば、自身の腕を信じてフリーランスを志すのに十分すぎるほどの動機です。多くの縛りと自己犠牲の代償として得てきた社会保障や年金などの手厚い保護は全て失ってしまいますし、

全ては自分に責任が降りかかってくるシビアな世界に身を投じることになりますが、最終的に決断を下すか否かは「人生を自分自身で描くこと」のできる魅力をどのように考えるかによるのではないでしょうか。

フリーランスになったら登録すべき最強エージェント5社

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