2015年6月27日の記事を再構成(文言の追加)をして作成した最新記事です。
SE(システムエンジニア)は独立起業を目指す人が多いと言われています。SEになる人は大学で情報処理を学んだ人やコンピューター関連の高専や専門学校を経て、IT系の企業に就職しキャリアをスタートさせるのが一般的です。
こうして誰もが横一線のスタートを切るわけですが、経験を重ねていくうちに働き方に対して様々な考え方をする人が出てきます。
中でも、案件に振り回されやすいSEは、多忙な日々を過ごす中で自ずと「自分の裁量で仕事を選びたい」、「地元で働きたい」、「時間を選んで働きたい」などといった理由で独立を考える人が増えてくるのだそうです。
また、SEにとどまらずIT業界では、「下請け・孫請け」といった建設業界や広告代理店のような構図が成り立っており、大きな金額が動く案件でも、その多くを大企業が独占し下請け・孫請けには幾ばくも入ってこないということが少なくないそうです。
大企業などに勤める一部のSE以外は、残業が続き時には徹夜も厭わぬ仕事ぶりを見せているのにも関わらず、いつまで経っても報われない現実が、なおさら彼らを独立起業への道と駆り立てているようです。
もちろん、会社員では、「年収が割に合わない」「このままでは人生設計を立てられない」ことも大きな理由となることでしょう。特にIT業界には、創業から日が浅い企業も多く、成功を収めて大規模となった現在も的確な評価制度が整っていない企業も少なくないと言われています。
懸命に働いた、会社も大きくなった、でも給料は変わらないのなら、いっそ独立起業してこれまでに培ったスキルが通用するのかを試してみたいと思うのも自然のれだと思います。
そこで今回は、SEとして独立起業に必要な心構えとスキル、そして求人情報サイトについてご紹介します。
○○歳限界説は言い訳とレッテルに過ぎない
SEとして死に物狂いで懸命に働いてきた結果、気が付いてみたら随分と年月が経過していたという人も珍しくありません。
愚直なまでに働いてきた結果、一般的に言われている独立起業や転職の適齢期をとうに過ぎてしまい、「あの頃もう少し気持ちに余裕があれば…」と僅かな後悔の念を抱きながら、もはや会社員としては「余生」となってしまった生活を全うする人の何と多いことでしょうか。
これもひとつの生き方ではありますし、様々な事情を汲んだうえでの決断ですから決して否定すべきものではありませんが、この状態では、自身の社会人としての未来は確定し、もはや自分で切り拓くことはできません。
誰もが一度は考える独立起業や転職ですが、そこに立ちはだかるのが「○○歳限界説」という壁です。独立や転職希望を理由に退職の申し出をした場合、上司の遺留の言葉は必ずと言ってよいほど「世の中そんなに甘くない、君の年齢ではムリだね」ではないでしょうか。
若者だらけのベンチャー企業への転職なら、年齢は大きな障壁となるにしても、特に独立開業の場合は、そんな○○歳限界説など、いつ、だれがどこで決めたかも分からない根拠のない言説に過ぎません。
独立開業は、気力と体力がモノを言いますが、年齢には衰える気力や体力を補って余りある経験とスキルが深く刻まれているはずです。
「○○歳限界説」は、乱暴な言い方になりますが、独立起業や転職をしたかったけれども一歩踏み出す勇気を出せずに思いとどまった人たちが自身の決断を正当化するための言い訳に過ぎません。
「私は○○歳になっちゃったんで独立はムリですね」と言う人は、自分に「○○歳限界説」のレッテルを貼るまでに独立開業に向けての努力を少しでもしたでしょうか?
自分に問いかけてみてください。早く始めようと遅くなろうとそれ相応のメリットとデメリットがあります。
若かろうとそうでなかろうと、独立起業してから経験する様々な出来事は、ほとんど全てが未知の経験である点においては同じスターラインにたっているのです。
何かを始めるのに遅すぎることはないのです。
SEとして独立するために必要なスキル
SEは、営業が仕事を取ってくる会社と異なり独立すると自分で営業回りをして仕事を見つけ、契約しなければなりません。フリーランスSEの募集案件では概ねPHP、C/C++、Java、Linux、MySQLなど、該当する言語・環境を用いて、1~3年以上の開発経験が必須とされます。
ですので、本業であるSE自体のスキルに加え、それと合致する案件をいち早く見つける情報収集力と行動力、そして自身を売り込む営業力が求められます。クライアントに選ばれるために、必要なスキルと実績を身に付けておきましょう。
フリーランスSEが案件を見つけるためのサイト
レバテックフリーランス
多くの転職サービスは、一人の営業が複数の業界を兼務することが多いため、担当者がIT業界やSEの仕事を理解しているとは限らないのが現状です。
その点、レバテックフリーランスは、IT・Webエンジニアに特化した求人サイトですので、案件も多く、何より業界の事情を熟知している担当者が多いことで知られています。
「システムエンジニア」でフリーワード検索すると、結果は64件で、8割以上が非公開案件です。テクニカルカウンセラーがSEの希望を聞いて、合う案件を紹介します。
企業担当スタッフは、企業を訪問してニーズを調査するほか、SEがクライアントを訪問するときに同行し、単金(1ヶ月や1時間などの単位時間当たりの報酬)などの条件調整サポートしてもらえます。
そして、商談成立後に参画するときも、企業担当スタッフに同行してもらえます。参画中はフォロー担当者が、フリーランスとランチをしながら仕事の疑問や悩みに関する相談に乗り、契約更新などの手続をサポートしてくれます。
フリーランスともなれば、「当たって砕けろ」の精神で求人に応募することもあるでしょう。この点、レバテックフリーランスは、放置することなく案件を紹介してくれますし、その後のレスポンスも早いので、仕事にポッカリ穴を空けてしまう心配も緩和されることでしょう。
geechs job(ギークスジョブ)
2015年6月14日現在、SEの案件を検索すると、結果は350件でした。スタッフがSEの経験と要望を聞いて、案件を紹介し、スタッフが商談に同行し、条件交渉や契約手続きをサポートしてもらえます。
仕事開始後は定期的に担当者がフォローし、問題や不安に関する相談にのっています。
フリーランスは、仕事が忙しくなると、請求書などの細かい書類の発行や発送などの事務作業がおざなりになりがちですが、ギークスジョブは、このような悩みのタネであった事務作業代行というありがたいサービスがあります。
また、税理士による確定申告相談会、技術セミナー、フリーランス同士の交流会などを開催しています。
フォスターフリーランス(旧)スキルサーフィン
2003年から展開中、フリーランス、ITエンジニアを支援する求人情報サイトの老舗。常時100社を超える優良企業からの案件情報があります。大手上場、有名インターネットサービス、ソーシャル・ゲーム系企業からの高額案件も希望により、紹介が可能です。
専任のエージェントは元ITエンジニアも多く、独立SEへの理解も深いです。スキルサーフィンの売りは会員に対するフォローアップ体制です。業界に精通したエージェントが、現在までのキャリアやスキルが、今の時代に即しているものなのか、将来はその方向で大丈夫なのか?
といったことから今将来のために何を勉強しておけば良いのか、スキルチェンジが必要ならばそのタイミングはいつなのかなども的確に知ることができます。
スマキャリ
株式会社テンダが運営し、20年の実績があります。専任担当者が、仕事の希望などについて打ち合わせをし、案件を紹介して商談や仕事現場に同行しています。
問い合わせに対するレスポンスが早く、公式サイトにも3営業日以内のレスポンスを標榜しています。スキルだけでなく、ヒアリングを通じた情報も加味したマッチングを行っているため、求人情報サイトの利用な不慣れな人でも安心です。
クラウドソーシングサイト
クラウドソーシングサイトにも、SE向けの案件があります。同行するサービスはありませんが、居住地域に合わせて仕事を探せます。単価自体は非常に低い案件ばかりですが、募集はそれなりにありますので、適宜活用するようにすれば便利です。
最後に確認して欲しいポイント
独立企業は、会社員という「守られた」「安定した」立場から卒業し、自分自身の足で大地を踏みしめ逞しく生きていく言わば「立志式(武士の元服を祝う行事)」のようなものです。
成功も、失敗もすべては自分の責任で、フリーランスと言いながら自由とは最も遠いところにいる生活が待ち受けています。しかし、会社員時代は何エ年か勤めれば自分の終着駅が見えていたものが、一転、自分自身の腕で未来を切り拓くことがきるようになりました。
これが「自分らしい生き方」につながっていくのだと思います。独立起業は、「自分らしい働き方」ができる反面、これまで会社が肩代わりしてくれたことも含めて全て自分でやらなければなりません。
独立を躊躇する人の多くが営業活動や経理など本業以外の業務に対する不安を持っていると言われています。しかし、これは独立して「自分らしい働き方」を手に入れるための代償であり、誰も最初から得意だったわけではありません。
こうした人たちの不安を解消するのが先に紹介した求人情報サイトのコンサルタントです。もちろんコンサルタントも多種多様ですが、独立間もない多くのフリーランスSEと接しているはずですから、積極的に活用してくことをおススメします。
その他、独立すると会社員のように思うようにできなくなること(例:クレジットカード、住宅ローンなどの申し込みなど)もありますので、仕事以外の生活面の変化についても十分に対策を講じておきましょう。
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