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屋号と商号の違いとは?それぞれの特徴、メリットを紹介

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2023年04月23日

屋号と商号の違いは、個人事業主が用いるのが屋号。
株式会社などの法人が使用するのが商号です。

個人事業主の中には屋号ではなく、個人名のまま活動する方も見受けられます。
一方、商号を定めることは、法人化する際の必須項目のひとつです。

ここでは、屋号と商号の違いのほか、それぞれの特徴およびメリットについてご紹介します。

・商号登記とは?

・屋号をつける5つのメリット

・商号をつける2つのメリット

この記事が役に立つ方

・屋号と商号について知りたい方
・屋号と商号の違いを理解したい方
・屋号と商号の特徴やメリットに興味のある方
・屋号と商号のどちらを用いるか検討中の方

屋号と商号の違い

屋号と商号は「ビジネスや商取引の際に用いる表向きの名称」であることが共通点です。
わかりやすい違いとしては、法的拘束力の有無があげられます。

 

名称の違い

法的拘束力

屋号

個人事業主が名乗ることが可能な名称

・なし

商号

法律で定められた株式会社などの法人の名称

・あり
※トラブルの際、権利の主張が認められている

屋号とは

屋号とは、個人事業主が契約や商取引をする際に名乗ることが可能な名称です。

屋号は開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)に記載後に、所轄の税務署に提出することでビジネス上の名称として認められます。
確定申告書の「屋号欄」への記載でも問題ありません。

屋号は必ずしも命名する必要はなく、個人名のまま活動することも可能です。

屋号のデメリットとして、法的拘束力がない点があげられます。
たとえば似たような名称を他者に用いられたことで、何らかのトラブルに巻き込まれた際に、権利の主張が認められないかもしれません。

 

内容

屋号の例

・○○事務所
・○○商店
・レストラン○○
・ヘアサロン○○
・ら~めん○○
・○○寿司
・洋食の○○

屋号として認められないもの

※法人と誤認される可能性のあるもの
・株式会社○○
・○○合同会社
・NPO法人○○など

※すでに商標登録されているもの 
・プレイステーション
・ストラトキャスター
・鬼滅の刃など

*屋号について詳しく知りたい方は、「屋号の決め方のポイント、注意点は?屋号とは何かから、屋号を決めるメリット・デメリットまで」をご参照ください

商号とは

商号とは株式会社などの法人の名称です。
「会社名」や「法人名」と同じ意味を持ちますが、法的(会社法第6条 )な名称は「商号」となります。

商号の命名は会社の設立登記の際の必須項目のひとつです。
ひとつの会社(法人)には、ひとつの名称(商号)が存在します。
商号に関する主な法的のルールを次の表にまとめてみました。

法的な商号のルール

条文の記載箇所

定款への商号の記載

※会社法第27条 

会社登記の際の商号の記載

※会社法第911条

商号には株式会社などを含める

・株式会社○○
・〇〇合同会社など
※会社法第6条

商号が他の業種や社名と誤認されないこと

・金融業ではないのに○○銀行
・すでに存在する他社の社名など
※会社法第6条

不正の目的で他の業種や社名と誤認されない文字を商号に用いる

※会社法第8条

同じ所在地にて、すでに存在する同一の商号は認められない

※商業登記法第27条

商号登記とは?

商号登記とは、将来的に屋号を商号(株式会社○○など)にすることを予定している個人事業主向けの手続きです。
事業所(自宅兼事務所を含む)の所轄の法務局またはオンライン にて申請します。

商号登記申請をする際には、次の書類などを準備しておきましょう。

・実印(個人のもの)
・印鑑証明(個人の実印)
・印鑑届出書
・商号登記申請書
・登録免許税:30,000円(収入印紙) 
※屋号印または商号印(すでに作成している場合)

印鑑登録はお住まいの市区町村役場にて手続きが可能 です。
商号登記申請書は法務局にてフォーマットが用意されていないため、こちらのフォーマットが使いやすいかと思われます。

https://www.onihimekyo.com/shougoutouki_hinagata.pdf

屋号を商号登記するメリット

屋号を商号登記するメリットは、後から他の事業者が同じ所在地にてまったく同じ名称を用いることができない点です。

他の事業者との差別化が図れると同時に、取引相手からの信頼性を高める可能性が想定されます。

屋号を商号登記するデメリット

屋号の商号登記の際のデメリットには、すでに他の事業者が商号登記済みの名称が登録できない点があげられます。

商号登記には登録免許税30,000円と法務局への申請手続きの手間がかかるため、手軽には行えないのもデメリットと言えるかもしれません。

屋号をつける5つのメリット

屋号をつけるメリットとして、以下の5つがあげられます。

・検索上位表示
・屋号での金融機関口座の開設
・安心感・信頼度の向上
・実績としての記録
・事業内容がわかりやすい

検索上位表示

業種にもよりますが個人事業主の場合、インターネット経由での仕事の依頼や問い合わせが重要な位置付けとなるのは確かです。

ネット検索で見つけやすくする(検索上位表示)ためには、次の検索ワードを意識すると良いでしょう。

・屋号+地域名(○○ 浜松、○○ 吉祥寺など)
・屋号+職業名(○○ 探偵、○○ ダンサーなど)

事業者としてのホームページやSNSアカウントの開設も有効です。
ただし閲覧者からのコメントをどのように扱うか?については最初に決めておくことをおすすめします。

屋号での金融機関口座の開設

屋号での金融機関口座の開設もメリットのひとつです。
事業用として口座を分けることでお金の流れがクリアになることから、取引相手からの信頼にもつながります。

屋号+個人名で三菱UFJ銀行 や三井住友銀行 、みずほ銀行 や楽天銀行 、PayPay銀行 にて口座開設を受付中です。

安心感・信頼度の向上

前述したように、取引相手からの安心感や信頼度の向上も屋号のメリットに含まれます。
たとえば複数の候補者より案件の受注が決まる場合、屋号の有無が決め手になることもあるかもしれません。

実績としての記録

将来的に屋号名にて法人化した場合、実績として会社沿革に記載することが可能です。

事業内容がわかりやすい

屋号によって事業内容がわかりやすくなるのもメリットと言えるでしょう。

・○○設計事務所
・○○工務店
・カレーショップ○○など

そのためにも、他者がひと目で理解および把握できる名称を屋号に選ぶのがコツです。

商号をつける2つのメリット

商号をつけるメリットには以下の2つが考えられます。

・名称が被らない
・商標登録時に商号を出願人の名前として用いることが可能

名称が被らない

商号は先に法務局に登録した順番で優先されます。
同じ所在地にて他の事業者が同じ名称の商号を名乗ることはできません。
他の事業者と名称が被らないため、業務やサービスの差異化を図ることにつながります。

商標登録時に商号を出願人の名前として用いることが可能

屋号は特許庁への商標登録の際に、出願人の名前として記載することが認められていません。
商標登録時に商号を出願人の名前として用いることが可能な点も、商号をつけるメリットのひとつです。

商標登録後は同じ商標を他の事業者や個人が使用することはできません。
あらかじめ商標登録を済ませておくことで、ユーザーが似たような商品やサービスと区別しやすくなります。

まとめ

ここまで、屋号と商号の違いに関する次の項目を紹介してきました。

・屋号と商号の違い
・商号登記とは?
・屋号をつける5つのメリット
・商号をつける2つのメリット

個人事業主が屋号を用いることで、取引相手や将来の顧客候補からの印象が良質な方向へと変わる可能性があります

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