ソフトウェア品質について全6回に渡って解説をしていくシリーズの第03回目です。
今回は「ウォーターフォール開発のソフトウェア品質保証」というテーマについてお伝えしていきます。
ウォーターフォールモデル開発における「プロセス品質」と「プロダクト品質」。
品質ゲートとは。
そしてウォーターフォールモデル開発での品質保証方法について、詳しく解説をしていきます。
ウォーターフォールモデル開発の品質保証
ウォーターフォールモデルの各工程として、基本設計、機能設計、詳細設計、コーディング、単体テスト、結合テスト、総合テスト、そして出荷、という流れになります。
前回お話しした通り、ソフトウェア品質保証のポイントとは、プロセス品質とプロダクト品質の両面から取り組んでいく、ということでした。ウォーターフォールモデル開発では具体的にどのように取り組んでいくか、詳しく解説をしていきます。
ウォーターフォールモデル開発における「プロセス品質」と「プロダクト品質」
ウォーターフォールモデル開発における「プロセス品質」とは、「各工程の実行状況に対する分析評価」ということです。そしてウォーターフォールモデル開発における「プロダクト品質」とは、「中間成果物に対する分析評価」ということです。この2点について詳しく解説をしていきます。
品質ゲートとは
プロセス品質とプロダクト品質の両面から見ていく時に、品質ゲート、というものを設けていきます。これは基本的なウォーターフォールモデル開発での品質保証の基本的な方法になるのですが、その品質ゲートの持つ役割についてお伝えしていきます。
ウォーターフォールモデル開発での品質保証方法
こちらでは、実際にウォーターフォールモデル開発で品質保証を行っていく上での、具体例についてお話をしていきます。
- 開発のデータを確認した際にレビューをしていない、ということが判明した場合。
―現在の工程を終えて次の工程に行く前に、必ずレビューを実施して品質を確保した上で、次の工程に進みます。 - 機能設計に進んだ際に設計漏れの機能がある、ということが判明した場合。
―こちらも分かった時点で是正をしていく、ということが大切になってきます。 - 詳細設計工程において、仕様変更があったのに対応漏れをしていた。
- コーディング工程では、セキュリティの脆弱性ツールを実施していないことが分かった。
- 単体テストにおいてテスト項目が基準値以下だとわかった。
このように、他にも様々な問題が発生することがあります。そういった時にどのような対応を取るべきか。大切な「積み重ね」についてお伝えしていきます。
ソフトウェア品質の専門家 株式会社イデソンの誉田直美さんの解説動画です。
誉田 直美さま ご紹介
誉田直美(ほんだ なおみ)
株式会社イデソン 代表取締役
公立はこだて未来大学 客員教授 博士(工学)
経歴
ソフトウェア品質の専門家として、30年以上に渡って大手電機会社で活躍。ウォーターフォールモデル開発およびアジャイル開発の両方に精通し、現場での豊富な経験を保有している。近年では、AIシステムの品質保証にも関わる。単なる知識にとどまらず、現場の事情を考慮した実践的な品質保証が特徴である。
2020年、㈱イデソン設立。ソフトウェア品質に関するコンサルティングを中心に活動している。執筆や講演による啓蒙活動にも力を注いでいる。
主な著書・執筆活動
品質重視のアジャイル開発 ~成功率を高めるプラクティス・Doneの定義・開発チーム編成~ (日科技連出版) 2020年9月発行
ソフトウェア品質判定メソッド ~計画・各工程・出荷時の審査と分析評価技法~(日科技連出版、編著) 2019年8月発行
ソフトウェア品質会計(日科技連出版)2010年発行 <2010年度 日経品質管理文献賞受賞>
ソフトウェア品質知識体系ガイド 第3版–SQuBOK Guide V3- (オーム社、監修) 2020年11月発行
なおV2( 2014年11月発行)は執筆リーダー、V1(2007年11月発行<2008年度 日経品質管理文献賞受賞>)は著者として執筆に継続的に関与
ソフトウェア開発 オフショアリング完全ガイド(日経BP社 共著)2004年10月発行 見積りの方法(日科技連出版、共著)1993年
株式会社フォスターネットが提供する「FOSTER WORKSTYLE」シリーズでは ITエンジニアの皆様に学びを提供する動画を配信しています。 フォスターネットのYoutubeチャンネルをぜひご登録ください!