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本当に必要?それでも知っておきたいITエンジニアに必要な資格とは

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2017年02月08日

これまで何千何万という転職希望者と関わってきた転職エージェントは、紙や電子を問わず積み重なった履歴書の山と格闘する日々を過ごしています。当然のことながらその経験からも「人を見る目」に関しては他業種の人と比べ抜きん出ていることは言うまでもありません。

そんな、エージェントでさえも時々、色々な意味で感嘆してしまうような履歴書に出くわすことがあるのだそうです。

その履歴書の資格欄にはその人が取得したおびただしい数の資格がビッチリと書き込まれ、別紙には履歴書に入りきらなかったものがこれまた所狭しと書き込まれており、それはまるで資格取得に精魂を尽くした応募者の人生が、同じ履歴書の経歴欄よりも雄弁に語られているようでした。

しかし、数々の資格に目を通してみると、積み重ねれば富士山よりも高くなるような履歴書に目を通してきたエージェントですら見たことも聞いたこともないような資格ばかり。

試験を主催している「日本○○協会」なる団体も国家資格や公的資格に見せかけるために付けたもっともらしいネーミングであるかのように見受けられるものも少なくありません。

ただ、これだけの資格を取るのだからと興味を持って面会してみると、真面目で、コツコツと勉強する努力家タイプであることがほとんどで、資格を取ると、また新しい資格取得を目標として勉強する…それを繰り返した結果、その資格の数々が履歴書を埋め尽くすほどにまで膨れ上がったのです。

これだけ資格を取るほどに要した努力とエネルギーは感嘆に値しますが、彼らに共通して言えることは、「資格を取ること」が目的と化してしまい、仕事で活用したり、稼ぎに直結させたりというところまで結びついていないというのが現実です。

例えば、弁護士や公認会計士、社会保険労務士などいわゆる「士業」と呼ばれる職業ならば、資格取得が大前提であり資格がなければ土俵にすら上がることは許されません。

だからこそ難関であり、社会的評価や信頼が高い資格であると言えます。一方、極論すれば特別な資格を必要とされない職業ならば、その資格を使って「何ができるか」「いくら稼げるか」が大事なのであって、それができなければ、その資格は仕事上で言えば紙屑ほどの価値も持たないのです。

このような残念ながら仕事に活かすことのできない資格取得者ばかりを大量生産する資格原理主義的な風潮が生まれたのは、「資格を取れば明るい人生が開ける」的な謳い文句で生徒を囲い込む資格スクールの戦略もさることながら、安易に資格取得に走ってしまう消費者にも原因の一端はあると思われます。資格は取得することも大事ですが、「取得してから」の方がもっと大事なのです。

もし、先に述べた転職希望者が「こんなに資格を持っているのに、努力しているのに、いい仕事に就けない」と嘆いていたならば、それは「努力の方向が間違っている」と言わざるを得ません。

「努力は人を裏切らない」という言葉は、教育現場や人材育成の場において多用される珠玉の名言です。しかし、短距離選手がいくら必死にジョギングをしても速くならないのと同様に、正しい努力をしなければそれは報われることはないのです。
この名言に一言付け加えるのなら、「『正しい』努力は人を裏切らない」ではないでしょうか。

資格取得を目指すにしても、その努力が『正しい』方向に向いているのか客思考することが求められます。

ITエンジニアに資格は本当に必要なのか?

進化のスピードが速く、数年前の技術でさえも陳腐に思えるほど激動するIT業界を生きていくには、弛まぬ研鑽努力を続けることが絶対条件です。

つまりITエンジニアであり続ける限り、勉強し続けなければならないのはまさに「宿命」とも言えるものなのです。ですから、潮時も他業種と比べて分かりやすく、「勉強するのを止めたとき」「勉強してもついていけなくなったとき」が限界とすべき瞬間です。

IT業界が大きく広がり、細分化されるに従って、その知識や技術力を担保するべく様々な資格が誕生しその数は、他業種では類を見ないほど多く100を超えるとも言われています。

しかし、いわゆる士業と違って、ITエンジニアにとって資格は必ずしも必須ではありません。特別資格など持っていなくても超優秀なエンジニアは星の数ほどいますし、逆に資格を持っていてもさして仕事もできないエンジニアも業界にはごまんと溢れています。

じゃあ「資格などいらない」と見方もできなくはありませんが、後述する国家資格、ベンダー資格、ベンダーニュートラルな資格のメジャーどころは、多くのITエンジニアがその価値を認めています。

分かりやすい例を挙げれば英検(実用英語技能検定)1級。国際化の時代とは言え、大多数の人たちが日本語だけで生きていくことができる日本国内で英検を取ったところで多くの場合、履歴書を埋める程度しか役には立ちませんが、「英検1級」は別格。学校教育を受けた人なら泣く子も黙る資格のひとつです。

これらのITエンジニアに関する資格試験は、会社が報奨金を出したり、資格手当を付けることもあり、この資格によって一定の実力が備わっていることが認められるパスポートのような役割を果たしています。

また業界内では、それらの資格を取得するのにどれだけの努力と実力が必要かを身を持って実感しているので、国家試験の「レベル4」級の資格は、業界内では先に述べた「英検1級」以上の感嘆をもって受け入れられることでしょう。

ですから、ざっくり言えば、資格はないよりは持っていた方が「はるかに」いいのです。

IT系の主な資格

(参考サイト:@ITえんじにあ解体新書(7):IT資格は水戸黄門の杖(つえ)?~資格不要論の「りある」)

国家資格

国家資格とは、SEが取得する代表的な資格、「情報処理技術者試験」と「技術士」です。
情報処理技術者試験は、独立行政法人IPAが主催する試験で、「ITパスポート試験」「基本情報処理技術者試験」など全部で13個あり、1~4の4段階にレベルが分類されています。特に「情報セキュリティスペシャリスト試験」などの「レベル4」の資格は取得者が少なく評価の高い資格です。

技術士は、技術系の最高峰資格で弁護士、弁理士などと並ぶ5大資格の一つと言われています。

ベンダー資格

ベンダー資格とは、シスコシステムズやマイクロソフトなどのITベンダーが主催する試験です。

シスコシステムズの代表的な試験「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」は、Ciscoのネットワーク機器の機能や実際の設定コマンドが問われる試験で、この資格により、Cisco製品に関する実践的かつ高度な技術力があることを証明できます。IPAと比べ、ベンダー試験は受験料が2~3万円と高額です。

べンダーニュートラルな資格

ベンダーニュートラルな資格は、シスコシステムズやマイクロソフトなど特定のベンダーに依存しない資格です。

EXINが主催するITのサービスマネジメントに関する「ITIL」や、PMIが主催するプロジェクトマネジメントの試験「PMP」などがあります。

最後に確認して欲しいポイント

「資格など何の役にも立たない」という人は「学歴など何の役にも立たない」という人に良くあるのと同様に、資格や学歴を遥かに凌駕する実力の持ち主の言葉ならば説得力がありますが、こうした場合、案外「資格すら」持っていない人が、資格取得を目指さない言い訳に使う言葉であることが多く、自己研鑽やスキルアップ、

少なくとも自己を高めるための努力として資格取得に取り組んでいる人からすれば、取るに足らない「雑音」として相手にしないのが一番です。

ただ、資格取得を目標に勉強に励んでいる人は、資格取得が最終目的になってしまわぬよう、気を付けてください。資格試験は合格することがゴールではなく、合格してからがスタートなのです。資格を活かすも殺すも、資格取得以後のあなたの仕事の取り組みにかかっているのです。

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